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KiCadで雑に基板を作るチュートリアル Ver6.x 予習版

soburi
March 06, 2021

KiCadで雑に基板を作るチュートリアル Ver6.x 予習版

Ver.6フライングチュートリアル!

KiCadで雑に基板を作って基板製造業サービスに
発注するためのチュートリアルです。
短めのスライドにする予定でしたが、
一通り必要なモノ入れたら結構なボリュームになりました。

soburi

March 06, 2021
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Transcript

  1.  
    KiCadで雑に基板を作る
    チュートリアル
    Tokita, Hiroshi
    Ver 5.99
    2021/3/6
    Ver 6.x 予習版
    以前のバージョンはこちらから
    https://www.slideshare.net/soburi/kicad-53622272

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  2. 2
     
    書いた人
    ● 某イベントUnix島で技術ネタサークルやってます
    – Twitter https://twitter.com/crs
    – GitHub https://github.com/soburi
    ● Recent works
    – TWE-LiteをArduinoIDEで使う
    http://qiita.com/soburi/items/0b0aa3d0c4332a5e7a4c

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  3. 3
     
    本チュートリアルの対象・目的
    ● 対象
    – KiCadの使い方を把握したい人
    – Elecrow/FusionPCB/PCBGogoなどの
    個人向けプリント基板製造サービスを利用したい人
    ● 目的(基礎編)
    – KiCadの最低限必要な機能の使い方を理解する
    – KiCadで基板を作って製造サービスに発注する作業の流れを理解する
    ● 目的(応用編)
    – 電子工作レベル(両面基板、表面実装なし程度)の
    基板作成に必要なKiCadの機能を理解する
    ● 本チュートリアルで扱わない事項
    – 回路設計については本チュートリアルでは扱わない

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  4. 4
     
    目次
    1. KiCadとは
    2. KiCadを起動する
    3. 回路図エディターで回路図を作る
    4. 回路図データとPCBエディターの連携
    5. PCBエディターで基板を作る
    6. 発注用データの出力
    7. 発注する
    8. KiCadのワークフロー
    9. シンボルを作る
    10. フットプリントを作る
    11. 複雑な回路図を管理する
    12. 配置・配線の効率化
    13. 面付け
    14. まとめ
    基礎編 実践編

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  5. 5
     
    基礎編

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  6. 6
     
    KiCadとは
    ● オープンソースのプリント基板CAD
    ● 商用ソフトにありがちな、フリー版の機能制限がない
    ● 現在CERNが積極的に開発を進めている
    ● 国内情報も充実
    ● ユーザーも増えてきたので、情報が集めやすい。

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  7. 7
     
    【追記】kicad.jp,安定のエゴサ力www
    ● お墨付き、貰いました!
    – SlideShareにアップロード後、90分でkicad_jpに捕捉される
    – 通知tweet流さなかったんだが…
    – Version6追記: kicad.jp管理人さん、国内KiCad普及の黎明期には比類なきエゴサ能力で
    KiCad言及Tweetを遍く探し出し、KiCadの普及に大きく貢献されておりました。
    お元気でしょうか…

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  8. 8
     
    KiCadを起動する
    ● 最新バージョン 6.0 まだリリースされていません。(次頁参照)
    ● https://kicad.org/download/ からダウンロード。
    ● 特に考えずにインストーラーを実行する
    ● メニューに登録されたアイコンから
    KiCadを起動する

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  9. 9
     
    nightly buildで人柱になる
    ● KiCad Version6はまだ開発中。
    現時点では開発者向けのnightly buildが使える。
    ● いわば人柱版。転んでも泣かない。
    ● リリース候補版(Release Candicate=rc)がそろそろ出るはず。
    https://gitlab.com/kicad/code/kicad/-/milestones/8
    2021年2月末の予定だったが、スケジュール遅延。本スライドも適宜アップデート予定。
    ● Windows
    https://kicad-downloads.s3.cern.ch/index.html?prefix=windows/nightly/
    ● MacOSX
    https://kicad-downloads.s3.cern.ch/index.html?prefix=osx/nightly/
    ● Linux (Ubuntuのaptリポジトリに登録)
    https://launchpad.net/~js-reynaud/+archive/ubuntu/kicad-dev-nightly
    特別ページ: Ver6もリリース間近

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  10. 10
     
    なれる!コントリビューター #1
    特別ページ: Ver6もリリース間近
    ● KiCadは「みんなで作る基板CAD」なので、OSS活動にも参加してみよう。
    ● ほっとくとスルーされる細かいバグも多いので、気づいたらバグ報告をしよう。
    ● https://gitlab.com/kicad/code/kicad/-/issues
    からissueを作成して報告する。
    ● typo修正はコントリビューターの登竜門
    # Description ( 概要 )
    ( 必要ならスクショ貼って説明 )
    # Step to reprocduce ( 再現手順 )
    1. …
    2. …
    # KiCad Version ([ ヘルプ ]→
    [KiCad について ]→[ バージョン情報をコピー ])
    このような内容を書いて、
    バグを報告する。
    ヨーロッパの大陸側の人が多いので、
    英語が下手なのは多少大目に
    見てもらえる?!

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  11. 11
     
    なれる!コントリビューター #2
    ● まだまだメッセージの改善は継続中。
    ● メッセージが修正されると、表示が英文に戻る。(不定期に更新実施)
    ● Weblateのサイトで簡単に翻訳を修正できる。(ソース履歴にも名が残る!)
    ● https://hosted.weblate.org/projects/kicad/master-source/ja/
    特別ページ: Ver6もリリース間近
    訳文を書いて、「保存」するだけ!
    自身のないひとは提案から
    はじめよう。

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  12. 12
     
    新規プロジェクト
    ● 初回の起動の場合、設定パスの確認画
    面が表示されるので、「デフォルト設定を
    使って開始する」を選択。
    ● 開いたウィンドウの[ファイル]→[新規プロ
    ジェクト...]を選択して、プロジェクトの
    ファイルを作成。
    ● データを保存するフォルダーを選択して
    基板の作成を開始する

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  13. 13
     
    プロジェクト マネージャー画面
    ● KiCadは電子設計自動化(EDA)ソフト
    のセットになっている
    ● よく使うのは回路図エディターと
    PCBエディター(PCB=Printed Circuit
    Board, プリント基板のこと)
    ● 他のツールは特に触らなくても何とかなる
    ● まずは回路図エディターを立ち上げる
    ● 一応回路図エディターにはEEschema、
    PCBエディターにはPcbnewという名前がついている。
    最近はこの名前使わずに基板/PCBエディターで呼ぶことが多いが、
    時々この名前が出てくる。

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  14. 14
     
    一番シンプルな回路を作る
    ● LEDの足で電池挟んだアレ
    ● 部品は LEDとボタン電池だけ
    ● これだと基板にならないから
    電池BOXとLEDを直結
    ● こんな感じに
    ● (賢明な読者諸賢は既にお気づきかと思われるが、電流制限抵抗がなくて「雑な」回路。
    シツレイなのは承知の上であるが、問題の単純化のためご寛恕願う次第である。)

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  15. 15
     
    回路図エディターで回路図を作る
    ● 右側のツールボックスに基本機能が入っている
    ● 最低限のサバイバルナイフは2つ
    – 部品を選択する[シンボルを追加]
    – 部品同士を配線する[ワイヤーを追加]
    ● 正しく回路図が描けたら作業完了

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  16. 16
     
    部品の配置
    ● [シンボルを追加]を選択し、回路図シートを
    クリックすると、
    [シンボルの選択]
    のダイアログが
    表示される。
    ● [フィルター]に探す
    部品名を打ち込む
    ● ダイアログから使いたい部品
    (LEDと電池)を選択して、
    回路図シート上に配置する

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  17. 17
     
    KiCadの部品ライブラリー
    ● よく使うもの
    – Device 基本的なデバイス (ディスクリート部品)
    ● C=コンデンサー、D=ダイオード、R=抵抗、INDUCTOR=コイル
    – Connector, Connector_Generic コネクター類
    – Transistor_BJT バイポーラ・トランジスタ(2SC~など)
    ● 汎用的な部品はDeviceのライブラリーを探す
    ● ICは型番やキーワードで絞り込むと見つかる

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  18. 18
     
    部品の配置
    ● 部品を右クリックすると、部品の移動、回転、反転ができる。
    ● 配線しやすいよう、回路が理解しやすいように配置する
    ● ホットキーのM(移動),R(回転)は覚えておくと便利。

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  19. 19
     
    配線する
    ● [配線]を選択して、回路図シート上で配線を行う
    ● 部品の足と足とを線でつなぐ

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  20. 20
     
    ジャンクション
    ● 配線が交差しているところはつながっていない。
    [ジャンクション]で接続する
    ● T字状に配線する場合、自動的に
    ジャンクションで接続される
    つながってい
    ない
    つながってい

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  21. 21
     
    作例 #1
    ● シンプルに電池とLEDをつなぐ

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  22. 22
     
    電源シンボル
    ● 回路の電源やGNDを示す記号(電源シンボル)は、
    [電源を追加]で配置できる。
    ● 電源シンボルは部品ではなく、
    電源、GNDを示すだけ。
    ● この回路だと電池の
    マイナス側をGND、プラス側を
    電源とする。
    こちらをGND
    こちらを電源

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  23. 23
     
    作例 #2
    ● 電池のマイナス側にGNDの電源シンボルを接続
    ● プラス側に「電池の電源」を
    示す電源シンボルの
    +BATTを接続

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  24. 24
     
    回路図のエラーチェック #1
    ● 回路が描けたら、エラーチェック機能(ERC:Electrical Rule Ch
    ecker)で不具合をチェックする
    ● まず、回路図上のシンボルに番号を割り振る
    [回路図のアノテーション]を実行
    ● そのまま[アノテーション]の
    ボタンを押せばOK.
    ● シンボルの番号の’?’
    に数字が入る。
    押す

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  25. 25
     
    回路図のエラーチェック #2
    ● 続けて[エレクトリカル ルール チェック(ERC)]で
    回路図のエラーチェックを行う
    ● 設定はそのまま、
    ダイアログの[ERCを実行]のボタンを押す。
    ● エラーが出なければOK.
    ● 後述のPCBエディターと情報を対応づける
    ので、アノテーションをクリアしてはいけない
    0ならOK 極力減らす

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  26. 26
     
    ERCエラーの対処方法 #1
    ピン未接続
    ● 単純に配線されていない
    ● 接続が無い場合は
    [空き端子フラグ]
    で、配線しないことを
    明示する
    NG

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  27. 27
     
    ERCエラーの対処方法 #2
    電源入力ピンが電源出力ピンによって駆動されていな

    ● KiCadでは回路の電源は電源シンボルの
    [PWR_FLAG]で明示的に示さなければならない。
    ● 「回路の電源」とは、電池やACアダプタなどから
    電源供給を受ける配線 と考えると良い。
    ● [PWR_FLAG]を電源とGNDに接続する
    ことで解消する
    NG

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  28. 28
     
    ERCエラーの対処方法 #3
    入力ピンが出力ピンによって駆動されていない
    ピンのタイプ ~ と ~ が接続されています
    ● 出力と出力など、
    接続できない端子を
    接続している。
    ● 単純に間違いなので
    配線を修正する
    ● (右は説明のための作為的な例)
    NG
    Q: 出力
    DIS: 入力なので
    ERC 的には OK
    DIS: 入力、
    THR: 入力なので
    入力元がない。

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  29. 29
     
    作例 #3
    ● GNDと+BATTにそれぞれPWR_FLAGを接続して、
    電源であることを明示してERCのエラーを解消した

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  30. 30
     
    回路図データとPCBエディターの連携
    ● 回路図エディターとPCBエディターはそれぞれ独立したアプリだが、
    KiCadの”プロジェクト”としてデータを共有して、相互に連携している
    ● PCBエディターは作成した回路図から情報を引き継いで、
    基板に反映する
    – 回路図の部品と基板に置かれるフットプリントの対応情報
    – 部品同士の結線情報
    ● 回路図の部品(シンボル)に、基板エディターで使う”フットプリント”を
    割り当てる。

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  31. 31
     
    部品とフットプリントの割り当て
    ● KiCadでは、部品は、回路図での電気的な意味を示す回路図記号(シン
    ボル)と、基板上での物理的な形状を分離して扱っている
    ● そのため、基板をレイアウトをはじめる前に回路図上のシンボルに、部品の
    形状(フットプリント)を関連付ける必要がある。
    ● この作業が[フットプリントの割り当て]
    ● 回路図上の記号に対応する部品のデータを対応づける。
    ● 困ったらピンヘッダあたりを割り当てておくと、とりあえず基板は作れる。
    (これだと部品が刺さらないので、フットプリントを作成する。後述。)

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  32. 32
     
    フットプリントを割り当てる
    ● 中央のリストの部品に対して、右のリストからフットプリントを割り当てる。
    ● フットプリント ビューアーの表示で縮尺、部品のサイズに注意
    LED
    ● フットプリントは数が多くて探すのが大変。フィルターをうまく使う。
    – 足の数指定は基本的に有効にしておく
    – シンボルの持つキーワードで絞りこみ。
    使えそうなものは、これでだいたい見つかる。
    – これでも駄目なら、フィルターを外して文字列で検索
    – 最後は、左のライブラリー一覧を一つ一つ漁る(面倒!)

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  33. 33
     
    作例 #4
    ● 標準的な5mmのLEDを指定
    ● 電源は電池ボックスからのリード線を接続するため、
    2pinのピンヘッダを指定
    (ピンヘッダを実装せずに配線用の穴として使う)

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  34. 34
     
    回路図の完成
    ● フットプリントの割り当てが終わったら、
    回路図エディターでの作業は終了。
    ● ERCは問題ないよね?
    ● 回路図ができたら、この回路図をもとにして
    基板の作成を始める
    ● 回路図エディターの[PCBエディターに切り替え]で
    PCBエディターを起動する

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  35. 35
     
    基板の作成
    ● プリント基板の配線(パターン)を作る
    ● サバイバルナイフは1つだけ。
    – 部品同士を配線する
    [単線(シングル)をインタラクティブ配線]
    ● 回路図で書いたすべての結線がプリント基板上で
    配線できたら作業完了

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  36. 36
     
    回路図のデータの取り込み
    ● まず、[回路図から基板を更新]を実行
    ● ダイアログの設定は変えずに[基板を更新]を実行
    ● シンボルに割り当てた部品(フットプリント)が現れる。
    ● クリックして、とりあえずどこかに置く。

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  37. 37
     
    フットプリントを配置する
    ● 部品を右クリックして、適当な場所に移動する。
    ● 部品の配置は、とにかく自分で考えるしかない。
    ● 考え方の一例
    – 配置に制約がある部品を先に並べる
    (スイッチ、コネクタなど操作上の制約、筐体サイズの制約)
    – 配線が集まるICなどあれば、できるだけ中央に置く
    – 平行した配線になるところは並べる

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  38. 38
     
    配線する
    ● 未配線の端子にラッツネスト(白い線)が表示される
    ● 配線して端子がつながるとラッツネストが消える
    ● [単線(シングル)をインタラクティブ配線]で
    線を引いて全てのラッツネストが
    消えたら作業完了

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  39. 39
     
    ビアを使った配線
    ● 描いている配線はプリント基板のパターンなので、
    同一レイヤー上で交差できない
    ● 交差するところは、ビア(穴)を作って配線を裏に通す
    ● 配線中に右クリックして、コンテクストメニューから
    [貫通ビアの配置]を実行する

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  40. 40
     
    基板のサイズを決める
    ● Pcbnewのレイヤー選択リストから
    [Edge.Cuts]を選択する
    ● [線を描画]で、長方形の枠を描く。
    ● この長方形が切り出される基板のサイズになる。
    ● このレイヤーは、「基板外形レイヤー」とか
    「メカニカルレイヤー」とも
    呼ばれる

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  41. 41
     
    GND ベタ #1
    ● これをやると「まともな基板」っぽく見える。
    (本来はノイズ対策)
    ● [塗り潰しゾーンの追加]を実行して、
    基板の外枠と同じサイズの塗りつぶし領域を作る
    ● ダイアログのレイヤーは[F.Cu]と[B.Cu]をチェック、
    [ネット]は[GND]を指定する。
    (両面にGNDベタを作る設定)
    ● GND以外はあまり使わない

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  42. 42
     
    GND ベタ #2
    ● ゾーンを作ったら、作成したゾーンを選択、
    右クリックで[全て塗り潰し]を実行する。
    ● これで、ゾーン中の配線にあわせて塗りつぶしが行われる。
    ● 配線変えたら、
    [塗り潰しを全て削除]→[全て塗り潰し]
    を再実行すること。

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  43. 43
     
    作例 #5
    ● ビアを使って表面に配線を通して交差させる
    ● 両面にGNDベタを設定

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  44. 44
     
    基板デザインのチェック
    ● 基板製造サービスの設備によって、パターンの密度が高
    いと製造ができない場合がある。
    ● 製造可能な配線の間隔、ドリル穴のサイズをチェック
    用データとして設定して、パターンに不備がないかを
    チェックする。
    ● 発注の前には必ずチェックする。

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  45. 45
     
    基板セットアップ #1 制約
    ● ツールバーの[基板セットアップ]を選択
    ● [デザインルール]→[制約]でドリル穴や
    配線の製造可能な最小値を設定する
    ● マイクロビアは使わないので設定不要(値は何でもいい)
    ● Elecrow/FusionPCB/PCBgogo向け
    (最大公約数的かつ余裕ある設定)
    – 最小 配線幅/クリアランス/アニュラー幅 0.2mm
    [0.1524mm(6mil)以上]
    – 最小ビア径 0.8mm
    [ビアドリル径+ アニュラー幅 x 2=0.7mm]
    – 導体-穴クリアランス 0.4 mm
    – 導体-基板端クリアランス 0.7 mm
    – 最小スルーホール径 0.3 mm
    – 穴-穴 クリアランス 0.5 mm

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  46. 46
     
    基板セットアップ #2 default値
    ● 実際の配線に使う値を[ネットクラス]→[ネットクラス]のdefaultに設定する。
    ● クリアランス/配線幅は最小6mil、ドリル穴は最小3mm
    が格安基板製造の標準的なスペック。
    ● uViaサイズ、uVia穴は今回使わないので、ビア サイズ、ビア穴と同じ値に。
    ● DP幅、DPギャップも今回使わないので、配線幅、クリアランスと同じ値に。
    ● これはかなりマージン持たせた値
    ● 表面実装ICを使うような場合はもっと細くする。
    ● 大電流を流すような場合はもっと太くする。
    ● uVia=micro via、DP=Differential Pair(差動ペア)

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  47. 47
     
    DRCのエラーの対処方法
    ● DRCのエラーのほとんどは、
    – 未配線
    – 配線が~に近すぎる
    ● 頑張って引き直す。
    ● 基本は配線する前に制約を設定する
    – 配線のエラーは配線時にチェックされる。
    – エラーになるのはだいたい配線後にルールを変えた場合。

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  48. 48
     
    発注用データの出力
    ● 基板製造サービスに渡す最終生成物の
    ガーバーファイル、ドリルファイルを出力する
    ● 基板製造サービスのデータ仕様に合わせて
    ファイルを修正が必要。
    ● 確認が終わったら発注する。

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  49. 49
     
    実装ファイルの原点の設定
    ● [ドリル/配置ファイル用の原点を設定]で
    基板外形の左下に原点を置く

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  50. 50
     
    ● [プロット...]で製造ファイル出力の
    ダイアログを開く。
    ● [出力フォーマット]はガーバー、
    [出力ディレクトリー]を適当に指定する
    ● [レイヤー]はF.Cu, B.Cu, F.SilkScreen, B.SilkS
    creen, F.Mask, B.Mask, Edge.Cutsの
    7つを選択
    ● [ドリル/配置ファイルの原点を仕様]、
    [Protelの拡張子を使用]、
    [シルクをレジストで抜く]をチェック
    ● ここがDRCを実行する最後のチャンス
    ● 設定したら[製造ファイル出力]を実行
    ● ドリルのデータは別に作る必要があるので、
    続けて[ドリルファイルの生成]を実行
    ガーバーファイルの出力

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  51. 51
     
    ドリルファイルの出力
    ● [製造ファイルの出力]のときと同じディレクトリを指定
    ● ドリル原点も[製造ファイルの出力]の設定と合わせる
    ● FusionPCBの場合は
    [PTHとNPTHを一つの
    ファイルにマージ]をチェック
    ● 製造サービスからの指示が
    ある場合はマップファイルも作る

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  52. 52
     
    基板製造サービスの仕様に合わせる
    ● Elecrow/FusionPCB/PCBGogoのいずれも
    以下の手順
    1. 拡張子を除いたファイル名本体をすべて同じにする。
    (e.g. sample-B_Cu.gbl → sample.gbl)
    2. ドリルファイルの拡張子.driを.txtに変更する
    3. zipで固める
    ● 基板製造サービスの仕様に変更があるかもしれないので、
    発注の際に確認すること

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  53. 53
     
    ガーバーファイルを確認する
    ● KiCadのガーバー ビューアーよりもgerbv
    [ http://gerbv.geda-project.org/ ]がおすすめ
    – 色がデフォルトで中間色なので見やすい
    – レイヤーを重ねて印刷できる
    – レイヤーごとに透明度が設定できる
    Ver6追記: Gerber Viewerも半
    透明表示や中間色になって、か
    なり改善されたが、レイヤーの入れ
    替えなど、まだちょっと面倒。

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  54. 54
     
    確認のポイント
    ● ERC/DRCでチェックできないところを見る
    – 間違ったフットプリントを使っていないか?
    – 部品がぶつかるような高密度パターン描いていない?
    – ベタ塗りつぶしはちゃんと更新されているか?
    – シルクの情報はわかりやすいか?
    – ハンダ付け作業はやりやすいか?
    ● 原寸で印刷して、実物の部品を刺して確認する
    ● 確認を怠るものは地獄に堕ちる

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  55. 55
     
    画面で確認
    ● [File]→[Open layer(s)...]で全てのGerberファイルとド
    リルファイルを開く
    ● 実際のプリント基板の構造に合わせて並べて
    不備をチェックする
    – ベタ塗りの更新忘れでパターンが
    くっついていないか?
    – シルクの情報はわかりやすいか?
    表面
    裏面
    シルク印刷
    ハンダ マスク(レジスト)
    銅箔
    銅箔
    ハンダ マスク(レジスト)
    シルク印刷

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  56. 56
     
    印刷して確認
    ● 表面のレイヤーとドリル穴を選択して原寸で印刷する
    ● 印刷したパターンのドリル穴に針で穴を開けて、
    実際に部品を挿してみる
    – 部品がくっつきすぎていないか?
    – 作業のしやすさも考える
    – KiCadの3Dビューワーでは気づかない問題もある

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  57. 57
     
    ネットプリントで原寸印刷
    ● [Microsoft Print to PDF]の仮想プリンタで
    印刷するとPDFファイルができる
    ● PDFファイルをセブンイレブンのネットプリント
    (https://www.printing.ne.jp/index_p.html)
    で原寸印刷する
    – [ちょっと小さめ]にしない
    – セブンイレブンのマルチコピー機で印刷(1枚20円)

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  58. 58
     
    作例 #6
    ● 表面のレイヤーと裏面のレイヤーをそれぞれ重ねて表示

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  59. 59
     
    発注する
    ● ElecrowもFusionPCBもPCBgogoも
    「ガーバーファイルとドリルファイルを
    ZIPで固めてWebフォームから送るだけ」
    で、発注処理が完了する
    ● 発注した直後に不具合が見つかる(経験則)
    →深夜の勢いで発注せず、冷静になってからオーダーする
    ● 改めて最後に「DRC忘れてないか?」
    ● まずは君が落ち着け。

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  60. 60
     
    ガーバーデータ入稿時のファイル名仕様
    Elecrow FusionPCB PCBGogo
    表面導体層 [基板名].GTL [基板名].GTL (KiCad出力そのままでOK)
    表面ハンダマスク(レジスト) [基板名].GTS [基板名].GTS (KiCad出力そのままでOK)
    表面シルクスクリーン [基板名].GTO [基板名].GTO (KiCad出力そのままでOK)
    裏面導体層 [基板名].GBL [基板名].GBL (KiCad出力そのままでOK)
    裏面ハンダマスク(レジスト) [基板名].GBS [基板名].GBS (KiCad出力そのままでOK)
    裏面シルクスクリーン [基板名].GBO [基板名].GBO (KiCad出力そのままでOK)
    外形レイヤー [基板名].GML [基板名].GML/GKO (KiCad出力そのままでOK)
    ドリル(PTH, メッキ穴) [基板名].TXT [基板名].TXT/DRL (KiCad出力そのままでOK)
    ドリル(NPTH, メッキなし穴) [基板名]-NPTH.txt - (KiCad出力そのままでOK)
    ● 各社の仕様にあわせてファイル名を変更。
    ● zipに固めて、Webのフォームから送信する。
    ● 実際には、ファイル名が違ってても何とかなる感じだが、
    とりあえず仕様にあわせてデータを作成する。
    ● FusionPCBはPTH, NPTHをマージしたデータを受け付ける
    ので注意。

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  61. 61
     
    Elecrowの場合
    2層, 100x100(mm)
    5枚~が最安コース
    基本的に1 (面付けしない)
    標準的でない厚さは高くなる
    紫、マット系は高い
    デフォルトのままで
    配送先を選択
    表面実装に使うメタルマスク

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  62. 62
     
    FusionPCBの場合
    FR-4, 2層,
    100x100(mm)
    10枚~が最安コース
    基本的に1 (面付けしない)
    標準的でない厚さは高くなる
    6mil/0.3mmが基本。
    細くすると高くなる。
    デフォルトのままで。
    やらない。

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  63. 63
     
    PCBGogoの場合
    2層, 100x100(mm)
    5枚~が最安コース
    板材はFR-4(ガラスエポキシ)
    FR4-TGは耐熱温度
    デフォルトのままで。
    特殊なやつを使うと高くなる。
    6mil/0.3mmが基本。
    細くすると高くなる。
    やらない。

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  64. 64
     
    発送
    ● 安い発送だと郵便扱いで2週間程度
    ● 深圳から出てくるので、国際郵便のtrackingを見ながら気長に待つ
    ● 郵便だと時間外窓口が使えるので受け取りやすい
    ● ANA系のOCSは安くて早い。
    ● FedEx, DHLならPUDOステーションを使うのも便利
    ● UPSはヤマト運輸さんに引き継いでもらうと受け取りやすい
    ● Good Luck!

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  65. 65
     
    実践編

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  66. 66
     
    KiCad のワークフロー
    ● KiCadで回路図・基板デザインを修正するときは、原則、回路図まで
    戻って修正してPCBエディターに反映する、という流れで作業を行う
    ● PCBエディターで回路図にないフットプリントを置くのは避ける。
    (回路図で基板を更新するときに無くなる。置くならロックする。)
    ● アノテーションの対応付けが崩れると、このサイクルが回らなくなるので
    消してはいけない
    フットプリントの
    割り当て
    回路図
    結線情報
    基板デザイン 製造ファイル
    回路図まで戻って修正

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  67. 67
     
    LED 明滅回路
    ● キャンドル IC CDT-3460-20 で LED が明滅する回路
    http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-08752/
    ● 電源はボタン電池を使用し、
    電子ホルダー CH26-2032LF を基板に実装する
    http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08963/
    ● 作例ではデータシートの例で
    簡単な駆動回路を作る
    ● この作例を通じて、実際の基板作成で
    使う KiCad の機能を見ていく
    こんな基板を作る

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  68. 68
     
    シンボル エディター
    ● KiCadのライブラリーには多数の部
    品のデータが収録されているが、
    もちろん無いものもある。
    ● シンボル エディターを使って、
    ライブラリーにない新しいシンボルを
    作る手順を紹介する

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  69. 69
     
    シンボル ライブラリーを作る
    ● [ファイル]→[新規ライブラリー...]で
    シンボルを格納するライブラリーを作成。
    ● ライブラリー テーブルは[プロジェクト]を選択。
    ● プロジェクトのフォルダーの中に、
    適当な名前でファイルを作る。
    ● 画面左のライブラリー一覧に
    作成したライブラリーが追加される。
    (アルファベット順に表示)

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  70. 70
     
    シンボルを作る #1
    ● 一覧からライブラリー名を左クリックして、
    [新規シンボル...]でシンボルを作成する。
    ● ダイアログは[シンボル名]だけ入力。
    ● 他の項目は
    あとで設定できる。

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  71. 71
     
    シンボルを作る #2
    ● [ピンを追加]でピンを適当に配置。(場所は後で直す)
    ● データシートにある全てのピンの
    ピン番号とピン名を入力。
    ● エレクトリック タイプ
    は[フリー]にしておく。
    (エラーが出なくなる)

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  72. 72
     
    シンボルを作る #3
    ● [矩形の追加]で、適当はハコを描いて、
    プロパティで[ボディ背景色で塗り潰し]
    ● ハコとピンと文字の位置を調整して、
    良い感じに整えて完成。
    ● 保存はライブラリー毎。
    複数のシンボルを同時に
    作業してるときは注意。
    作成途中

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  73. 73
     
    作例 #7
    ● キャンドル IC CDT3460-02 の
    シンボルを作成
    ● CDT3460-02 のデータシートを
    ストレートに落とし込んだ

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  74. 74
     
    フットプリント ライブラリー
    ● シンボルと同様、フットプリントにつ
    いてもKiCad自体に含まれていな
    い部品については自分で作成する
    必要がある
    ● フットプリント エディターで
    新しい部品のフットプリントを
    作成する手順を紹介する

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  75. 75
     
    フットプリント ライブラリーを作る
    ● シンボル ライブラリーの時と同じ手順。
    ● 同様に[ファイル]→[新規ライブラリー...]を実行
    ● 同様にライブラリー テーブルは[プロジェクト]を選択。
    ● 同様にプロジェクトのフォルダーの中に
    適当な名前でライブラリーを作成。
    ● フットプリント ライブラリーの場合は
    [ライブラリー名].prettyのフォルダーが作られる
    ● 同様に画面左のライブラリー一覧に作成したライブラリーが追加される。

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  76. 76
     
    フットプリントを作る #1
    ● 端子となる[パッド]を配置する
    ● 普通のスルーホールを置くのであれば、
    デフォルト設定でOK.
    ● データシートの寸法に合わせて正確に配置する
    ● インチ/メートルの違いに注意する
    ● 1番ピンを明示するような場合には
    角型のパッドに設定する

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  77. 77
     
    フットプリントを作る #2
    ● 部品の形状や向き、極性が
    わかるように、シルク印刷を描く
    ● 配置したときのサイズを意識して描くと
    部品の衝突防止に役立つ
    ● 特に電気的な意味はないので、
    わかりやすいように「お絵かき」する

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  78. 78
     
    フットプリントを作る #3
    ● パッドの位置さえ合っていれば、あとはただの飾り。
    ● まずは正確にパッドの位置を決める。
    ● とはいえ、シルクスクリーンの
    印刷情報は実装ミスの軽減に
    役に立つ。
    ● はじめはハコで十分、
    少しずつ丁寧に仕上げてく。
    作成途中

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  79. 79
     
    作例 #8
    ● CR2032電池ホルダー CH26-2032LFのフットプリント
    – プラスとマイナスの2つのスルーホールを作成
    – 電池のコンポーネントに合わせて1がプラス,2がマイナス
    – マイナス(GND)を角型のランドにした
    – シルク印刷で部品の形状を
    原寸通り表示している
    – 左右に位置固定用のポッチがあるので
    機構穴を開ける。

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  80. 80
     
    複雑な回路を管理する
    ● ある程度の規模の回路図では、大まかな機能を構成
    する部分ごと分割して回路図を描く
    ● 分割したそれぞれの部分の間は線をつなげて描かない
    切れた線に接続先を記載して示す
    ● [ラベル]を使って、部分ごとに回路図を分けて描く

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  81. 81
     
    単純なラベル
    ● 同じ名前の[ラベル]がついている配線は互い
    につながっているものとして扱われる。
    ● ラベルの接続先は複数あってもよい
    ● 配線を右クリックして、
    コンテクスト・メニューから[ラベルの追加]
    ができるので、
    ラベル名を入力する
    同じ
    同じ
    同じ

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  82. 82
     
    シートの階層化
    ● KiCadでは、回路の一部を別シートに分割する
    「シートの階層化」が行える
    ● 「電源部」のような回路を一部をモジュール化して、
    分割した回路図として作成できる。
    ● 単純に「回路図を分ける」ではなくて、論理的な
    「モジュールに分割」する機能
    ● モジュールごと、まるっとコピペして再利用もできる。
    Advanced topic

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  83. 83
     
    階層化シートの作成
    ● [階層シート]を選択し、回路図シート上で
    枠線を引くと階層シートを作成する。
    ● [シートのプロパティ]でサブの階層シートのファイル名を指定。
    ● シートの枠線を右クリックすると
    [シートに入る]の項目が現れるので、
    選択するとサブの階層シートに
    表示が切り替わる。
    (もしくは枠内をダブルクリック)
    ● サブの階層シートで右クリックして、
    [シートから抜ける]項目を
    選択すると元のシート(親シート)に戻る
    Advanced topic

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  84. 84
     
    階層ラベル
    ● 階層シートから、上位の階層シートに見せる端子が[階層ラベル]
    ● ラベルというよりは「インターフェース」として捉えた方がよい。
    ● サブの階層で[階層ラベルを追加]を行って、配置する
    ● 上位の階層シートに戻って、[シートピンのインポート]を
    選択して階層シートの枠内をクリックすると、
    サブの階層で配置した[階層ラベル]に対応する
    シートピンが枠線内に現れる
    ● シートピンを介してサブの
    階層シートと接続する
    Advanced topic
    階層ラベル シートピン

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  85. 85
     
    グローバル ラベル
    ● 全ての階層シートで共有されるラベルが
    [グローバル ラベル]
    ● 階層シートの概念が理解できれば
    自ずと理解できるはず
    ● 階層シートを使わないなら必要ない
    Advanced topic

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  86. 86
     
    作例 #9
    ● ラベルを使って電源回路部とLED点灯部を分けて(多少)わかりやすく。
    ● LEDは調整用の抵抗を入れられるようにした。
    ● On/Offできるようにスイッチをつけた。

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  87. 87
     
    FreeRoutingによる自動配線
    ● 規模が大きかったり基板自体が小さい場合だと、端子
    間を衝突なく配線することが非常に難しくなる
    ● 自動配線ツールのFreeRoutingを使うと
    多少無茶なレイアウトで面倒な配線でも、
    自動で配線をやってくれる
    Advanced topic

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  88. 88
     
    FreeRoutingで自動配線する #1
    ● 配布元からバイナリをダウンロード、インストールする。
    – https://github.com/freerouting/freerouting/releases
    ● KiCadとは基板データのエクスポート(.dsn)と、
    自動配線の出力ファイル(.ses)のインポートで連携する
    ● 配線と塗りつぶしゾーンを一旦すべて削除する
    – 既に配線されているところは保持される
    ● [ファイル]→[エクスポート]→[Specctra DSN...]で
    FreeRoutingが使う.dsnファイルを出力する。
    Advanced topic

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  89. 89
     
    FreeRoutingで自動配線する #2
    ● FreeRoutingを起動して、エクスポートした.dsnファイル
    を開く。[AutoRouter]を押すと自動配線が始まる。
    ● (ここで、過去に自動配線を実施していた場合にはrulesファイルの
    処置を選択するダイアログが出るかもしれない。その場合、Noを選択)
    Advanced topic

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  90. 90
     
    FreeRoutingで自動配線する #3
    ● 自動配線が完了したら、[File]→
    [Export Specctra Session File]で、
    .sesファイルを出力する
    (同一ディレクトリに出力される)
    ● KiCadに戻って、[ファイル]→[インポート]→
    [Specctra セッション...]で
    .sesファイルを取り込む
    ● 取り込んだら、自動配線の
    結果が反映されるので、とりあえずDRCを実行
    Advanced topic

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  91. 91
     
    作例 #10
    ● FreeRoutingで自動配線させた
    ● 基板データとしてはこれで完成
    配線前 FreeRoutingの
    自動配線結果
    自動配線を
    反映
    GNDベタを
    入れる
    ガーバーデータ
    (表・裏)

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  92. 92
     
    面付け
    ● 小さなサイズの基板の場合、発注するサイズの中で複数
    枚の基板が収まる場合がある
    ● 複数枚基板を並べてレイアウトすることを「面付け」という
    (元々の語義は製本の工程で、裁断前の大きな紙に本の
    体裁となるようページを並べる作業が「面付け」)
    ● 基板を分割する溝(Vカット)を作るための追加料金が
    かかる場合が多いが、枚数を増やすよりコスト削減になる
    Advanced topic

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  93. 93
     
    面付けした基板レイアウトの作成
    ● スタートメニューから Pcbnew を直接立ち上げる
    ● [ ファイル ]→[ 基板の追加 ] で、
    作成したボードのデータ (~.kicad_pcb) を読み込む
    ● 面付けする枚数分読み込みを繰り返して、配置する
    ( 要は「コピペ」。 )
    ● 外形レイヤの線を削除してボードの形状を作り直す
    ● V カットの線を外形レイヤに引く
    ● ガーバーファイルの出力は通常の基板と同様に行う
    ● 回路図データとは関連づかない基板になるので、
    別のディレクトリに置いた方が管理しやすいかもしれない
    ● V カットに関する製造サービスの仕様を良く確認する
    Advanced topic

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  94. 94
     
    作例 #11
    ● 10cm × 10cm から 8 枚基板が取れるように面付け
    Advanced topic

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  95. 95
     
    まとめ
    ● ここまでの内容で電子工作で使う程度の回路であれば
    基板製造サービスに発注することが可能なはず
    ● このチュートリアル自体は結構なボリュームがあるが、
    読むより実際使って慣れた方が早い
    ● KiCad の癖やハマる箇所についてはそれぞれ注釈して
    いるので、参考にしていただければ幸い

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  96. 96
     
    おさらい #1
    ● EEschema の基本的な使い方
    – シンボルの配置・配線
    – ERC のエラーチェック
    – フットプリントの関連付け
    ● Pcbnew の基本的な使い方
    – 回路図の反映
    – 配線
    – DRC のエラーチェック
    – 製造ファイルの出力
    ● 製造サービスへの発注
    – ちゃんと確認したか?

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  97. 97
     
    おさらい #2
    ● ワークフロー
    – アノテーションを消さずに回路図作成→基板レイアウトのサイクルを繰り返す
    ● シンボル、フットプリントの作成
    – 難しくはないが、保存先の「現在のライブラリ」を確認する
    ● ラベルによる回路図の分割
    – ラベルを使って、ブロックごとに分けて回路図を描く。より大規模な回路は「階層化」する
    ● FreeRoutingによる自動配線
    – .dsnファイルと.sesファイルをエクスポート/インポートして外部ツールで自動配線を行う
    ● 面付け
    – Pcbnewを個別で立ち上げて基板を「コピペ」する

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