Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ついに来る!TypeScript5.0の新機能
Search
Sponsored
·
SiteGround - Reliable hosting with speed, security, and support you can count on.
→
uhyo
January 18, 2023
Technology
17k
21
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
ついに来る!TypeScript5.0の新機能
TechFeed Experts Night#11 「ついに来る!TypeScript5.0の新機能」
uhyo
January 18, 2023
More Decks by uhyo
See All by uhyo
Reactの設計論
uhyo
10
2.9k
型があると何が嬉しいか
uhyo
3
85
Baseline対応のDOMの型定義を作った
uhyo
3
910
AIのReact習熟度を測る
uhyo
2
980
React、まだ楽しくて草
uhyo
7
4.9k
TypeScript 7.0の現在地と備え方
uhyo
6
3.8k
React 19時代のコンポーネント設計ベストプラクティス
uhyo
20
10k
型定義でAIと会話する:型を通じてAIに意図を伝えるテクニック
uhyo
1
110
タグ付きユニオン型を便利に使うテクニックとその注意点
uhyo
3
1.2k
Other Decks in Technology
See All in Technology
スクラムで身についていた動き方を、XPで捉え直してみた
codmoninc
PRO
1
310
Microsoft 365 Copilot chat -tekoälypalvelun tietosuojaongelmat
hponka
0
560
AI時代に、プロダクトの数だけ積み上がる所有コストをどうエンジニアリングするか / Engineering the Cost of Ownership
kzkmaeda
1
1.1k
プロダクトエンジニアに必要な「いい感じ」に作る能力 〜たくさん作れる時代に、どこまで作るかの決め方〜
jnishime_dresscode
2
1.4k
Adaptive Warehouse を今すぐ導入すべき理由と迷ったときの判断基準
__allllllllez__
0
120
Redmine 7.0で私が開発した新機能の狙いと背景
vividtone
1
120
目の前の楽しいが人生を変える - コミュニティの螺旋の歩き方と楽しむコツ / change your life
soudai
PRO
3
150
作品が生態系になった ─ Mini Tokyo 3D から世界へ
nagix
0
130
AIに丸投げしないトイル削減 / Eliminating Toil Without Leaving It All to AI
kohbis
4
1k
推論の観測、できていますか? 〜 Google Cloud Gemini Enterprise Agent Platformで 3つの Gemini モデルを実測して踏んだ、評価の罠 〜
shukob
PRO
0
180
omasushiというライブラリを作った
polidog
PRO
0
150
アリアドネの糸と、20年ごとの建て替え ── 長尾真『電子図書館』を、伊勢で読み直す / Rereading Makoto Nagao’s "Electronic Library" in Ise
ykiyota
0
110
Featured
See All Featured
SEO Brein meetup: CTRL+C is not how to scale international SEO
lindahogenes
1
2.9k
Designing Powerful Visuals for Engaging Learning
tmiket
1
530
Game over? The fight for quality and originality in the time of robots
wayneb77
1
270
Believing is Seeing
oripsolob
1
210
Leading Effective Engineering Teams in the AI Era
addyosmani
9
2.6k
The browser strikes back
jonoalderson
0
1.6k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
370
20k
Paper Plane (Part 1)
katiecoart
PRO
1
11k
The AI Search Optimization Roadmap by Aleyda Solis
aleyda
1
6.2k
Being A Developer After 40
akosma
91
590k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
56
3.5k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
128
56k
Transcript
ついに来る! TypeScript 5.0の新機能 TechFeed Experts Night#11 uhyo (株式会社バベル プリンシパルエンジニア)
おさらい: TypeScriptのリリースサイクル 3ヶ月に1回のリリースサイクル (4.9と5.0が4ヶ月空いているのは年末休みのため?) TypeScript 4.8 TypeScript 4.9 TypeScript 5.0
2022年8月公開 2022年11月公開 2023年3月公開(予定)
おさらい: TypeScriptのリリースサイクル TypeScriptはsemantics versioningを採用していないので、 5.0は他に比べて特別なリリースというわけではない。 TypeScript 4.8 TypeScript 4.9 TypeScript
5.0 2022年8月公開 2022年11月公開 2023年3月公開(予定)
TypeScript 5.0概観 • デコレータが実装! • あとはオプションの追加・変更が多く、バンドラ関連のサポー トが充実
①Stage 3 デコレータ実装 デコレータのプロポーザルがStage 3になり安定したため、 TypeScriptに実装される。 これまでの古い仕様に基づいた実装はLegacy Decoratorsとし てサポート継続 https://github.com/microsoft/TypeScript/pull/50820
experimentalDecorators: false experimentalDecorators: true ~TS 4.9 無 Legacy Decorators TS 5.0~ Stage3 Decorators Legacy Decorators ※発表時点でまだPRがマージされていないため、TS 5.1以降にずれる可能性もあります。
② 古いオプションの非推奨化が始まる TypeScriptには多くのコンパイラオプションがあるが、 エコシステムの変化や型システムの進化によりユースケースが 消滅したオプションもあるので廃止が始まる。 TypeScript 5.0: 廃止対象のオプションに対するwarningの表示 TypeScript 5.5:
オプションのnoop化 TypeScript 6.0: 廃止(指定するとエラーが発生) https://github.com/microsoft/TypeScript/issues/51000
廃止対象オプション 使われないオプションの中でもかなり古いものが選ばれた印象。 もう需要が無い系 • charset • noImplicitStrict • out 型システムの進化で必要が無くなった系
• keyofStringsOnly • noStrictGenericChecks 移行期間さすがに終わりだよ系 • suppressExcessPropertyErrors • suppressImplicitAnyIndexErrors TypeScriptの型チェックが厳しく なる際に後方互換性のために追加 されたが、 さすがにもう移行終わってそうな やつ
③ .tsによるimportが解禁 新オプションallowImportingTsExtensions: true を設定するこ とで、import { … } from
“./foo.ts” が可能になる。 制約: noEmit: true または emitDeclarationOnly: true と併用が必要。 (JavaScriptにトランスパイルしない設定の場合のみ許可される)
.tsによるimport解禁の背景 これまでTypeScriptは import “./foo.ts” の実装を拒んでいた。 理由: トランスパイル後は “foo.js” に直す必要があるが、ランタイムの 挙動を変えることになるのでTypeScriptとしてはやりたくない。
バンドラなら.jsに直さなくてもバンドルができるので解禁された。 (モジュール解決のホストであるバンドラが.tsの解決をサポートしている ので、.tsでimportするコードを妥当なTypeScriptコードとして扱うこと が正当化される)
④ モジュール解決に関する設定の追加 TypeScriptは独自にモジュール解決(import先の決定・読み込み) を行っているが、その挙動を調整するオプションが新たに追加され る。 TypeScript 5.0で追加される見込みのオプション: • moduleResolution: “bundler”
― バンドラと相性がいい設定 • 付随する新オプションたち: resolvePackageJsonExports, resolvePackageJsonImports, customConditions https://github.com/microsoft/TypeScript/pull/51669
バンドラ向けモジュール解決の概要 バンドラの特徴: • TypeScriptファイル間で直接import/exportできる。 (中間表現としてのJavaScriptを出力する必要がない) • package.jsonの imports/exportsを解釈できる。 (もともとnode.jsの機能だが、バンドラにもサポートされている) moduleResolution:
“bundler” の機能: • .tsでのimportや拡張子なしのimportも可能。 • package.jsonのimports/exportsを解釈する。
変更の背景 package.jsonのimports/exportsフィールドのサポート: 特にexportsフィールドは “my-package/foo”のようなサブパス のimportの挙動が制御できるのでとても便利だが、 従来はmoduleResolution: “node16” 下でのみのサポートだっ た。 理由:
そもそもpackage.jsonがNode.jsの機能なので、デフォルトでサポー トするのは妥当ではない。
変更の背景② 最近のバンドラはpackage.json関連の機能をサポートしている ので、それに合わせてmoduleResolution: “bundler” でも package.json関連の機能が有効化される。 嬉しい点: moduleResolution: “node16”はimportに拡張子が必須になるため バンドラ環境で使うのが難しかったが、今回の機能追加によりバンドラでも
package.jsonの機能が使えるようになった。 また、バンドラの多様性が反映され、細かい挙動が調整可能になった。 (オプション4つ新設)
⑤ 任意の拡張子をimportするオプション TypeScript 5.0で追加される allowArbitraryExtensions: true を使用すると、 import “./foo.css” など任意の拡張子をimportでき
るようになる。 https://github.com/microsoft/TypeScript/pull/51435
⑤ 任意の拡張子をimportするオプション TypeScript 5.0で追加される allowArbitraryExtensions: true を使用すると、 import “./foo.css” など任意の拡張子をimportでき
るようになる。 Q. 前からできたのでは? https://github.com/microsoft/TypeScript/pull/51435
⑤ 任意の拡張子をimportするオプション TypeScript 5.0で追加される allowArbitraryExtensions: true を使用すると、 import “./foo.css” など任意の拡張子をimportでき
るようになる。 Q. 前からできたのでは? A. moduleResolution: “node16” だとできなかった。 Node.jsではimport時に .js という拡張子が必要なので、それ以外の拡張子 は許可されていなかった。 https://github.com/microsoft/TypeScript/pull/51435
CommonJS時代の型定義ファイル解決 従来、require(“./foo.css”) に対する型定義ファイルは foo.css.d.ts として用意できた。 ただし、実はfoo.css.d.tsはfoo.css.js に対する定義ファイル。 require(“./foo.css”) ↓CommonJS的解釈 foo.css.js
←型定義 foo.css.d.ts
Node.jsのES Modulesだと…… Node.jsのESMだと拡張子を省略できない。 import “./foo.css” ←型定義 ??? ↓別物↑ import “./foo.css.js”
←型定義 foo.css.d.ts
Node.jsのES Modulesだと…… Node.jsのESMだと拡張子を省略できない。 import “./foo.css” ←型定義 foo.d.css.ts ↓別物 import “./foo.css.js”
←型定義 foo.css.d.ts TypeScript 5.0で .d.ext.ts が導入される。 CommonJS時代には真剣に考慮する必要がなかった拡張子に 関するサポートを拡張した結果生まれた。
総評 TypeScriptはこれまでモジュール解決をむやみに拡張可能にする のではなく、現実のユースケースに合致することを重視してきた。 今回もその流れは変わらず、Node.jsでの非JSファイル読み込み やバンドラという具体的なユースケースを念頭においた機能追加 だった。 昔の独自路線(enumとか)を反省してか、TypeScriptは独自の 仕様を作ったり普及させたりしないようにかなり気を付けている ように見える。
所感 フロントエンド開発でpackage.jsonのexportsを使いたい際に ネックになるのがTypeScriptだったので、5.0でそこが解消され るのはとても嬉しい。 デコレータも正式版が実装されたら設計に取り入れたい。 おわり