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ユーザーを救え! 〜データ分析の初心者が業務改善できた理由〜 / Factors for improvement of data transfer performance

wataru
March 04, 2021

ユーザーを救え! 〜データ分析の初心者が業務改善できた理由〜 / Factors for improvement of data transfer performance

Customer Support Tech Meetup #3の登壇資料です。

https://mixi.connpass.com/event/202715/

wataru

March 04, 2021
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Transcript

  1. (C) mixi, Inc. Customer Support Tech Meetup #3 株式会社ミクシィ 統括管理本部

    CS部 CXグループ Enhancementチーム 本多 航 ユーザーを救え!   〜データ分析の初心者が業務改善できた理由〜
  2. (C) mixi, Inc. • 本多 航 (Wataru Honda) • 2018年7月入社

    CS部 CXグループ Enhancementチーム 所属 • 担当業務 ◦ データ移行の分析・業務改善 ◦ CS部の教育システムの構築/評価基準の策定 ◦ 仙台サポートセンターの人材教育 ◦ モンストのフルライティング対応のサポート • Enhancementチームとは? ◦ Enhancement:高揚、増大、増進(出典: https://ejje.weblio.jp/content/enhancement ) 総じて「CSのチーム力、ソリューションを増大・増進するために、縁の下から持ち上げるチー ム」という意味 2 自己紹介
  3. (C) mixi, Inc. 3 本日のアジェンダ • (1)データ分析をはじめました • (2) 事例紹介

    ◦ ①新しい項目の追加 ◦ ②精査基準の見直し ◦ ③分析の高度化 • (3) まとめ
  4. (C) mixi, Inc. 5 Enhancementチームの立ち上げ、CREとの出会い メール対応の品質を測定 したい。でも、CRMでCS の一般的な品質の基準は すでに測定している・・・ CSの対応で顧客の

    行動の変化が読み 取れればいいんだけ ど...。ツールを操作 すごい! 出せるデータがいっ ぱいあるぞ! Enhancementチームにア サインされた! どんなことができるだろう か?
  5. (C) mixi, Inc. 6 最初の分析 • CS管理ツールから一括でユーザー情報 の抽出が可能 ◦ ユーザーの属性とデータ移行率の

    関係を調べてみた • ある条件で分類してみると、明らかな相 関関係が見られた • 問い合わせ数と現状の移行率から、赤 枠のユーザー層の移行率を改善すれ ば、全体の移行率も大幅に改善できる! • 膨大な量のデータ移行の問い合わせを 全て調べる必要がなくなり、分析の心理 的ハードルが軽減された とにかく出せるデータを出してみよう!
  6. (C) mixi, Inc. 7 課題の把握 • ①担当者の感覚で各質問項目が作成されていたため、特定のユーザー層には回答が難しい項目 が多くあった ◦ 解決策:今までの質問ではカバーできていない

    新しい項目の追加 • ②これまでに運用してきたイレギュラーを考慮した基準とシステムで採用されていた基準にギャッ プがあった ◦ 解決策:イレギュラーの発生率の調査と 精査基準の見直しを実施 • ③移行率の調査や各項目の調査において業務パートナーに依存している部分があった ◦ 解決策:取得したいデータを整理し、分析すべきユーザー層を特定しやくすることで、 より高 度な分析を実施できるようになった 分析を進めていくことで、少しずつ課題がみえてきた
  7. (C) mixi, Inc. 9 ①新しい項目の追加 項目① 項目② 項目③ 回答内容 記憶のしやすさ

    項目① 変化小 しやすく忘れにくい 項目② 変化大 しやすいが忘れやすい 項目③ 変化なし しにくい • 項目ごとの正答率とユーザー属性を組み合わせた分析の実施 • 担当者の感覚で質問する内容を決めていたため、 その質問の性質や回答のしやすさ が考慮されていなかった =辞めてから復帰まで期間が空いて復帰したい人には厳しかった 正答率 ユーザー属性
  8. (C) mixi, Inc. 10 ①新しい項目の追加 回答内容 記憶のしやすさ 項目① 変化小 しやすく忘れにくい

    項目② 変化大 しやすいが忘れやすい 項目③ 変化なし しにくい • 項目①を参考に、変化が緩やかで、記憶がしやすく忘れにくい項目を検討 • 誰でも答えやすい項目=どのユーザーも同じような回答 とならないように、CREと協力してユーザーのサンプリング調査 • パートナー企業と協力して本番環境でのモニタリング調査 新項目 正答率 ユーザー属性 項目①
  9. (C) mixi, Inc. 11 ②精査基準の見直し • これまでに運用してきたイレギュラーを考慮 した基準とシステムで採用されている基準 にギャップがあった •

    この答えだと推定できるというある種の人間 の感覚で判断している部分だった • システムで解決できるかCREに相談し基準 の見直しを実施 ◦ コストメリットを示せたことで見直しの 相談がスムーズになった ◦ ユーザーの入力内容を制御できてい たためほとんどの項目で手動の基準 に合わせることになった 100% 20% 80% 正答数 項目A 自動 手動
  10. (C) mixi, Inc. 項目① 項目② 項目③ 項目④ 項目⑤ Aさん ◦

    ◦ ◦ ◦ ◦ Bさん △→◦ ◦ ◦ ◦ ◦ Cさん × × × △→◦ ◦ Dさん × ◦ × △→◦ × Eさん × × ◦ △→◦ × 12 ②精査基準の見直し 基準を緩めてもBしかOK にならず、新たに救える ユーザーはいない 基準を緩めることで、 C、D、Eが救われる • 見直しにおいては、基準を緩めるだけ でなく、廃止も実施 • 本人確認がOKとなる基準に対して、 各項目がどれだけ寄与しているかを分 析 ◦ Bさんは基準を変更しなくても データ移行が可能 • スコアを分析することによって、基準の 変更により本人確認がOKとなるユー ザー層を把握できるように ◦ 基準を変更しなければC、D、Eさ んは救われない
  11. (C) mixi, Inc. 13 ③分析の高度化 • CRE主導でオペレーションの効率化 ◦ 本人確認がNGとなった理由に応じて12の項目にラベリング ◦

    ラベリングに応じて一括対応が可能に データ移行の問い合わせ としてカテゴリー分けされ た状態 NG理由に応じ た振り分け NGの項目によっては 一括での返信が可能
  12. (C) mixi, Inc. 14 ③分析の高度化 • NG理由のタグ付けにより、オペレーションの効率化と同時に、ユーザーの状況に 応じて、対象を絞った分析が可能 • CREと相談しながら、精査過程で取得するユーザー情報や精査結果をタグ付けすることに

    より、パートナーに依頼せずとも正確な施策の効果を分析することが可能 ◦ 2000件の問い合わせから、施策の対象ユーザーを絞り込むことで、詳細に調査が必要な問い 合わせを50件まで絞り込むことができた 対象を絞った 分析が可能 オペレーションを補助するタグ付けを利 用したより高度な分析 • 22の精査項目の精査結果 • 付随して付与される回答状況の属 性 • 精査過程で取得できるユーザー 情報 etc...
  13. (C) mixi, Inc. 15 施策の成果 • プロジェクトをスタートさせてから約1年間で、いくつもの施策を実施でき た。 ◦ (1)新規項目の追加:移行率が5~10%アップ

    ◦ (2)精査項目の見直し:手動での精査でOKになっていた案件の7割 近くを自動で精査できるように ◦ (3)分析の高度化:分析手法の確立し、より正確で、高度な分析が 実施できるようになり、短期間で効果的な施策を導入できるように なった
  14. (C) mixi, Inc. 17 まとめ Q なぜ業務改善できた? A 膨大なデータの海を、頼もしい船で航海させてもらえたから •

    すでに出せるデータはある程度整っていた ◦ 膨大に蓄積されたお問い合わせ ◦ ユーザー情報の一括抽出 ◦ 各本人確認項目の精査結果 ◦ 表記揺れがほぼないユーザーの回答 • 整理された基準や仕組みがあったので、上手くいっていない部分を チューニングするだけだった • 困ったときには、常にCREが道を示してくれた