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ICH E11 小児使用が想定される医薬品の臨床研究 3
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xjorv
February 16, 2021
Education
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ICH E11 小児使用が想定される医薬品の臨床研究 3
ICH E11は小児使用が想定される医薬品の臨床研究についてのガイドラインです。3では小児研究における倫理的事項についてまとめています。
xjorv
February 16, 2021
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Transcript
ICH E11 小児使用が想定される医薬品の 臨床研究3 2021/1/21 Ver. 1.0
小児研究における倫理的問題 小児は基本的に社会的弱者に相当する • 倫理的に適切な研究デザインを必要とする • ICH E6 4.8.14*に従い臨床研究を実施する • IRB/IECによる計画書の査読には小児医療専門家が関与する
• 募集は倫理的に問題がなく、金銭的便益を生じるものとする *非治療的臨床研究における募集の条件。基本的に病状を持ち、被験薬の治療効果による便益を受けるものを対象とする旨が記載されている
小児研究における倫理的問題 小児は基本的に社会的弱者に相当する • 対象病状で地域の民族的特徴を持つもの*を対象とする • 代諾者へのインフォームドコンセントを徹底する • 意思表示できない患者に対する過度の苦痛に注意する • 患者の脱落の意思は尊重*する
*例外時には明確な説明が必要となる *致命的病状において脱落が生命の危機を引き起こす場合には、代諾者の承認により治療継続が可能とされている
小児研究における倫理的問題 小児は基本的に社会的弱者に相当する • 脆弱性の低い患者で検証可能なら、高い患者を用いない • 障害・施設収容の小児は必要がないときには用いない • AEのリスクはあらかじめ検証し、できるだけ減らす • 苦痛を低減し、侵襲的な処置はできるだけ減らす
E11 Addendum オリジナルのE11の内容への追加事項 • 倫理的問題、年齢層、小児用処方についての追加事項 • 異なる地域での開発についての問題 • 外挿・シミュレーション・モデルの使用 •
実施可能な研究・結果の検証・長期研究 についての記載となっている
小児研究における科学的アプローチの一般化 多地域での臨床開発において考慮すべきことについて • 規制・民族的特徴・外挿などの問題を含む • 既存知識・科学的考察によりデザインの最適化を行う • 各地域の規制当局とあらかじめデザインの合意を行う • 基本的には科学的アプローチに従ったデザインを採用する
外挿・モデル等の使用 既存知識から成人・小児間の差を明らかにしておく必要がある • 不必要な小児臨床試験をさけるため、M/S*を用いてよい • モデルの利用可能性や精度については十分な検証が必要 • モデルは現実のデータを基に構築し、改良する • リスクアセスメントがM/Sでは重要となる
*Mathematical/Statistical Model(数理・統計モデル)の略
実施可能な研究・結果の検証・長期研究 それぞれについて考慮した上で研究をデザインする • 募集、実施施設、要員、必要な治療について考慮する • エンドポイントを早期に決定し、小児に最適化する • 長期フォローアップについて規制当局と合意を取る
小児用処方 服用コンプライアンスを維持するために考慮する • 介護者による準備の簡単さ、飲みやすさ等も考慮する • 小児に適した剤形・用量が複数種必要 • 保管や持ち運び、投与回数に手間がかからないものがよい • 投与用量をコントロールしやすいものとする
小児用処方 服用コンプライアンスを維持するために考慮する • 添加剤によるAEには特別の配慮が必要となる • 嗜好性を持ち、苦味マスキングなどをおこなったものとする • 新生児では筋肉注射は避ける • 新生児では剤の温度などに特別な配慮を必要とする