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生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算方法
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May 02, 2021
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生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算方法
生物学的同等性試験では、標準製剤と試験製剤での血中濃度データ(PK)を解析し、同等性の判定を行います。
xjorv
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May 02, 2021
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Transcript
生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算法 2020/10/21 Ver. 1.0
同等性試験の実験計画 原則としてクロスオーバー法で行う 被検者A群 被検者B群 試験1 試験2 先発製剤 後発製剤 先発製剤 後発製剤
休 薬 期 間 休薬期間中に有効成分が消失しない場合は 並行群間比較試験法 を用いてもよい
測定-同等性試験のパラメータ C max 、AUCが同等性判定のパラメータ • C max • AUC •
T max • T 1/2 • MRT • k el 血中最大濃度 血中濃度の時間積分 C max の時間 C max の半分になる時間 *AUC t は最終点までのAUC、AUC ∞ は時間無限大時のAUC。AUC t を同等性判定値として取る 平均滞留時間 消失速度定数
パラメータの算出法 単純に算出可能なものと、複雑なものがある • C max • T max • T
1/2 • AUC • MRT • kel 測定最大値を取る 台形計算法 C max の時間を取る C max の半分になる時間を取る AUMCとAUCの比 減衰の対数変換の傾き 上はかんたん 下は複雑
簡単なものの計算 簡単なものはそのままグラフから得られる • C max • T max • T
1/2 測定最大値を取る C max の時間を取る C max の半分になる時間を取る
AUC AUCには測定の最後までのものと、無限時間後のものがある AUC: 測定値を台形として面積計算し、足し合わせる 𝐴𝑈𝐶 = 𝑖=1 𝑛 𝑡𝑖+1
− 𝑡𝑖 × (𝐶𝑖+1 + 𝐶𝑖 ) ÷ 2
AUC∞ AUC∞は外挿により計算する 𝐴𝑈𝐶∞ = 𝐴𝑈𝐶 + 𝐶𝑙𝑎𝑠𝑡 𝑘𝑒𝑙 • C
last : 最後の測定点の濃度 1 𝑘𝑒𝑙 で0になると仮定して計算する *AUC/AUC∞が0.8以上となるように採血の最終点を決定する
k el k el はC max 後の値を対数線形回帰して求める log 𝐶 =
𝑘𝑒𝑙 × 𝑡 + b C: 血中濃度、t: 時間、b: 切片 回帰の傾きがk el *正確には、最終点の血中濃度が0のときは取り除き、その他の3-6点で相関係数が一番小さくなる点数(遡点数)を選び、回帰する 相関係数が小さすぎるときは遡点数を大きくして計算する
AUMC AUCの濃度を、濃度×時間に変えたもの 𝐴𝑈𝑀𝐶 = 𝑖=1 𝑛 𝑡𝑖+1 − 𝑡𝑖
× 𝐶𝑖+1 ∙ 𝑡𝑖+1 + 𝐶𝑖 ∙ 𝑡𝑖 ÷ 2
AUMC ∞ 最終測定点以降を外挿で求める 𝐴𝑈𝑀𝐶∞ = 𝐴𝑈𝑀𝐶 + 𝐶𝑙𝑎𝑠𝑡 × 𝑡𝑙𝑎𝑠𝑡
𝑘𝑒𝑙 + 𝐶𝑙𝑎𝑠𝑡 𝑘𝑒𝑙 2 • AUMC以降が外挿の項 • ばらつきが大きくなりやすい
MRT(平均滞留時間) AUMCとAUCの比 𝑀𝑅𝑇 = 𝐴𝑈𝑀𝐶 𝐴𝑈𝐶 • Mean Residence Timeの略
• 薬物の平均的な滞留時間を示す 𝑀𝑅𝑇∞ = 𝐴𝑈𝑀𝐶∞ 𝐴𝑈𝐶∞
クロスオーバー法の統計: 分散分析 分散分析表を示す *Stack Overflowから引用
クロスオーバー法の統計: 分散分析 分散分析表を示す *Stack Overflowから引用 群間差・被検者・薬剤・時期・残差の分散比を求める
Rでの計算法: 分散分析 id treat Period Group AUC 1 Innovator 1
A xxx 2 Innovator 1 A xxx 3 Innovator 1 A xxx 4 Innovator 1 A xxx 5 Innovator 1 A xxx 6 Innovator 1 A xxx 7 Innovator 2 B xxx 8 Innovator 2 B xxx 9 Innovator 2 B xxx 10 Innovator 2 B xxx 11 Innovator 2 B xxx 12 Innovator 2 B xxx 1 TestProduct 2 A xxx 2 TestProduct 2 A xxx 3 TestProduct 2 A xxx 4 TestProduct 2 A xxx 5 TestProduct 2 A xxx 6 TestProduct 2 A xxx 7 TestProduct 1 B xxx 8 TestProduct 1 B xxx 9 TestProduct 1 B xxx 10 TestProduct 1 B xxx 11 TestProduct 1 B xxx 12 TestProduct 1 B xxx anova関数で計算できる anova( lm( d$AUC~ d$Group+d$treat+d$Period +d$id*d$Group ) ) 被検者と割付グループの交互作用を足す* *グループ間での交互作用が2時点での持ち込み効果を示す。有意なら持ち込み有。医薬品のバイオアべイラビリティと生物学的同等性試験より Group: 割付グループ、Period: 投与期、Treat: 試験製剤/標準製剤、id: 被検者
3剤3期クロスオーバー法 被検者A群 被検者B群 試験1 試験2 先発製剤 後発A 後発A 後発B 被検者C群
後発B 先発製剤 休 薬 期 間 休 薬 期 間 試験3 後発B 先発製剤 後発A クロスオーバー法の特殊ケース デザイン的には3期3グループ(3x3)で良さそうだが…
3x6クロスオーバーデザイン 3剤3期では3x6を2x2の2つの試験として統計解析する 試験1 試験2 試験3 被検者A群 先発製剤 後発A 後発B 被検者B群
後発A 後発B 先発製剤 被検者C群 後発B 先発製剤 後発A 被検者D群 先発製剤 後発B 後発A 被検者E群 後発A 先発製剤 後発B 被検者F群 後発B 後発A 先発製剤 試験1* 試験2* 被検者A群 先発製剤 後発A 被検者B群 後発A 先発製剤 被検者C群 先発製剤 後発A 被検者D群 先発製剤 後発A 被検者E群 後発A 先発製剤 被検者F群 後発A 先発製剤 試験1* 試験2* 被検者A群 先発製剤 後発B 被検者B群 後発B 先発製剤 被検者C群 後発B 先発製剤 被検者D群 先発製剤 後発B 被検者E群 先発製剤 後発B 被検者F群 後発B 先発製剤 3x6でないときれいに等分できない *分けた時の試験の番号は実際のものではなく、単に順番を指す(被検者Aなら、先発の後にA、先発の後にBを実施していることを指す)
3x3のデザインだと… 当配分でない形にしか試験を分割できない 試験時間の順番と被検者数のバランスが取れない *分散分析上は2x2も3x6も同じ方法で解析可能。分散分析だけなら3x3でも問題はない 試験1 試験2 試験3 被検者A群 先発製剤 後発A
後発B 被検者B群 後発A 後発B 先発製剤 被検者C群 後発B 先発製剤 後発A 試験1* 試験2* 被検者A群 先発製剤 後発A 被検者B群 後発A 先発製剤 被検者C群 先発製剤 後発A 試験1* 試験2* 被検者A群 先発製剤 後発B 被検者B群 後発B 先発製剤 被検者C群 後発B 先発製剤
Rでの計算法: 分散分析 id treat Period Group AUC 1 Innovator 1
A xxx 2 Innovator 1 A xxx 3 Innovator 1 A xxx 4 Innovator 1 A xxx 5 Innovator 1 A xxx 6 Innovator 1 A xxx 7 Innovator 2 B xxx 8 Innovator 2 B xxx 9 Innovator 2 B xxx 10 Innovator 2 B xxx 11 Innovator 2 B xxx 12 Innovator 2 B xxx 1 TestProduct 2 A xxx 2 TestProduct 2 A xxx 3 TestProduct 2 A xxx 4 TestProduct 2 A xxx 5 TestProduct 2 A xxx 6 TestProduct 2 A xxx 7 TestProduct 1 B xxx 8 TestProduct 1 B xxx 9 TestProduct 1 B xxx 10 TestProduct 1 B xxx 11 TestProduct 1 B xxx 12 TestProduct 1 B xxx anova関数で計算できる aov( log(d$AUCt)~ d$treatment*factor(d$period)+d$group+d$id) 被検者と割付グループの交互作用 処理と時期の交互作用 を足す
信頼区間の計算 試験・標準製剤の平均値の比が0.80-1.25のとき同等 • パラメータが対数正規分布すると仮定する • 90%信頼区間で同等性評価を行う • 有意水準5%の片側検定を2つ行ってもよい 同等性計算のためには90%信頼区間を得る必要がある
Rでの信頼区間の計算 log(試験製剤/標準製剤)の信頼区間で表す これが比の平均値 これが90%信頼区間
例数設計: 信頼区間からの計算 ln0.8 + 𝑡2𝑛−2 0.05 𝜎2 𝑛 ≦
∆ ≦ ln1.25 − 𝑡2𝑛−2 0.05 𝜎2 𝑛 t 2n-2 (0.05): 自由度2n-2の5%信頼区間、σ2: 分散(標準偏差の2乗)、n: 被験者数、 ∆ : 比の平均値 比の90%信頼区間が条件に合う最小のnを選択する *矢船明史 生物学的同等性試験における信頼区間に基づ く例数設計について 臨床薬理 31 (6) 715-718
𝑃𝑜𝑤𝑒𝑟(∆0 ) = 𝑃 log 0.8 − ∆0 𝜎2/𝑛 +
𝑡2𝑛−2 (0.05) ≤ ∆ − ∆0 𝜎2 𝑛 ≤ log 1.25 − ∆0 𝜎2 𝑛 − 𝑡2𝑛−2 (0.05) 例数設計: 検出力(Power)からの計算 t分布の範囲から計算する Zパラメータ Zパラメータはt分布するので、確率を計算できる
例数設計: 検出力(Power)からの計算 自由度2n-2のt分布の範囲から計算する log 0.8 − ∆0 𝜎2/𝑛 + 𝑡2𝑛−2
(0.05) log 1.25 − ∆0 𝜎2 𝑛 − 𝑡2𝑛−2 (0.05) この面積の割合がPower