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皮膜5

 皮膜5

皮膜工程は錠剤表面に薄いフィルムを形成し、錠剤や有効成分を保護し、外観を良くするための工程です。5では皮膜の品質に影響を与える錠剤の特性などについてまとめています。

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April 29, 2021
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Transcript

  1. 皮膜 5 2021/4/7 Ver. 1.0

  2. 皮膜錠に必要な錠剤特性 皮膜錠製造の品質を左右する錠剤自体の特性はたくさんある • 錠剤硬度・欠けにくさ・質量のばらつき • 安定性・皮膜と錠剤成分の配合性 • 形と刻印 • 錠剤の空隙率と崩壊性

    Developing Solid Oral Dosage Formsより
  3. 皮膜における熱交換 主に給・排気による熱・溶媒の潜熱・熱効率が影響する • 給・排気の熱は風量と温度から計算する • スプレーに含まれる溶媒(水)の潜熱が奪われる • 皮膜機により熱効率は異なる • 皮膜中の熱バランスを取り、一定の温度とする

  4. 錠剤の物理的特性と質量 ドラム内で回転させるため、欠けにくさが重要となる • かけやすいと端が丸まりやすくなる • 特に仕込量が多いときには重量ストレスがかかる • 回転式の欠け評価機で評価するのが一般的 • 質量が均一でないと膜の乗り具合を正確に評価できない

  5. 安定性と配合性 皮膜中の水・温度に対して十分な安定性が必要 • 皮膜中の錠剤温度に対する安定性が重要と成る • 水と有効成分の配合性、分解可能性の検討が必要となる • 皮膜成分、特に可塑剤が有効成分の分解に関わることがある • 皮膜成分間の配合性についても検証しておく

  6. 錠剤形状と刻印 角の角度が鋭く、刻印が深いほど皮膜は難しくなる • 角が尖っているとドラム内流動で欠けやすくなる • 転がりやすい形状を選択する方がよい • 刻印が深いとブリッジング*を起こしやすくなる • 刻印が浅いと皮膜が埋まり、見えなくなる事がある

    *刻印内まで皮膜が展延せず、皮膜と刻印の間に空隙ができること
  7. 錠剤の空隙率と崩壊性 表面空隙が皮膜と錠剤の接着性に影響する • 空隙が少ないと皮膜が剥がれやすくなる • 空隙率が低い錠剤ではより接着性の高い基剤を用いる • 崩壊性が低いと、皮膜による溶出遅延が大きくなる

  8. 皮膜液の性質 皮膜品質向上のためには皮膜液の性質も重要となる • 皮膜基剤の物理的強度・可塑性 • 光暴露に対する防護性・沈殿する成分の取り扱い • 皮膜液の粘度 • 皮膜の安定性や配合性

  9. 皮膜基剤の物理的強度と可塑性 強度が低いと剥がれや割れの原因となりうる • 皮膜中の欠けや割れを防ぐ強さがある方がよい • 弱いと特に錠剤の角から剥がれが起きやすくなる • 色素や沈殿成分が多いとより強度が下がる • 可塑性が低すぎても皮膜の割れの原因となる

  10. 色素・沈殿物・濃度 色素量が少なすぎると色のばらつきが出やすくなる • 色素や沈殿物が多いと皮膜が弱くなる • 濃度が低いと皮膜の乗りが遅くなる • 濃度が高いと粘度が高くなり、緻密さが低下する • 沈殿物は適切に分散させ、撹拌する必要がある

  11. 皮膜液の粘度 スプレーミストの径に影響する • 200-250cpを超えるとミスト径の分布幅が広くなる • アトマイジングエアの風量である程度制御できる • 350cp以上の粘度の液は皮膜に適さない