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コンパートメントモデル

xjorv
May 06, 2021

 コンパートメントモデル

コンパートメントモデルは、薬物の血中動態を数理的に解析し、血中濃度変化を吸収や排出などの要素に分けて検証できるようにしたものです。このスライドの内容は統計学入門(http://www.snap-tck.com/room04/c01/stat/stat.html)の内容にそったものに少し情報を足したものとなっています

xjorv

May 06, 2021
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Transcript

  1. PKモデルを解く(1) 単純な静注1コンパートメントモデルから考える (q 0 : 投与量、V d : 血液の体積、 C:

    血中濃度、k: 排出定数) • 測定からわかるのは、q 0 、Cだけ • 排出速度は血中濃度に比例する • Cの時間変化から、vが知りたい
  2. PKモデルを解く(2) Cの時間関数を解く (q 0 : 投与量、V d : 血液の体積、 C:

    血中濃度、k: 排出定数) • 時間t a におけるC(t)は排出速度vの積分 𝐶 𝑡𝑎 = න 0 𝑡𝑎 𝑣 𝑑𝑡
  3. PKモデルを解く(3) Cの時間関数を微分する (q 0 : 投与量、V d : 血液の体積、 C:

    血中濃度、k: 排出定数) • C(t)の時間微分はvになる 𝑑𝐶(𝑡) 𝑑𝑡 = 𝑣 = −𝑘 ∙ 𝐶(𝑡) C(t)とC’(t)の方程式=微分方程式 になる
  4. 微分方程式を解く 𝑑𝐶(𝑡) 𝑑𝑡 = −𝑘 ∙ 𝐶(𝑡) 微分方程式は比較的に簡単に解けて、 𝐶 𝑡

    = 𝐶(0) ∙ 𝑒−𝑘𝑡 C(0)=q0/Vd(既知の定数)なので、回帰から-kが求まる 薬物の排出速度についての知識が得られる
  5. 微分方程式を解く 𝑑𝐶(𝑡) 𝑑𝑡 = 𝑣𝑎 − 𝑣𝑒 = −𝑘𝑎 ∙

    𝐶𝑎 (𝑡) +𝑘𝑒 ∙ 𝐶𝑐 (𝑡) 複雑ではあるが、微分方程式は解けて、 𝐶𝑐 𝑡 = 𝑞0 𝑘𝑎 𝑣𝑐 𝑘𝑎 − 𝑘𝑒 (𝑒−𝑘𝑎𝑡 − 𝑒−𝑘𝑒𝑡) 定数をまとめてしまうと、 𝐶𝑐 𝑡 = 𝐴(𝑒−𝛼𝑡 − 𝑒−𝛽𝑡) A、α、βが求まれば、血中濃度を回帰できる
  6. 溶解を含めた補正 溶解のために吸収区画の薬物量と吸収速度にラグが生じる場合 𝑇 = 𝑡 − 𝑡𝑑𝑖𝑠 (t: 投与後時間、t dis

    : 薬物溶解にかかる時間) として、C(t)の代わりにC(T)で回帰する 𝐶𝑐 𝑇 = 𝐴(𝑒−𝛼𝑇 − 𝑒−𝛽𝑇)
  7. なぜ解けない? 単純化のため、A5=0とすると、 • A3=1, α=1, A4=2, β=2とすると、 𝐶 𝑡 =

    𝑒−𝑡 + 2𝑒−2𝑡 • A3=2, α=2, A4=1, β=1とすると、 𝐶 𝑡 = 2𝑒−2𝑡 + 𝑒−𝑡 必ず解を2セット持ってしまう(どちらかに特定できない) 同じ!
  8. なぜ解けない? A 3 とα, A 4 とβ, A 5 とk

    a がセットで入れ替え可能 3 C 2 =3通り以上の答えを持つので、現実的に解けなさそう