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ICH Q5E 生物学的製剤の製造方法変更前後の同等性について
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xjorv
August 26, 2020
Education
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ICH Q5E 生物学的製剤の製造方法変更前後の同等性について
ICH Q5Eは生物学的製剤の製造方法変更前後の同等性についてのガイドラインです。承認申請後に製法変更を行う場合について述べられています。
xjorv
August 26, 2020
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Transcript
ICH Q5E 生物学的製剤の製造方法変更前後の 同等性について 2020/8/14 Ver. 1.0
変更前後の同等性(Comparability) 製法変更が品質に影響を与えないことを示すために必要 • 承認申請後の変更を対象とする • 品質がガイドラインの対象で、分析法などは対象外 • タンパク・ポリペプチド製剤が対象
同等性検証の基本的事項 製法変更が品質・安全性・効能に与える影響の検証 • 収集したデータを元に検証する • 同等性は品質が完全に同等であること*を意味しない • 化学/生物学的分析・非臨床/臨床試験*で検証する • 製品試験・工程検査・バリデーション・安定性を検証
*効能・安全性に大きな変化が起こらないことであって、全てが同じことを検証するというわけではない *非臨床/臨床試験は常に必要なわけではない
同等性検証の結果 複数のケースが考えられる 1. 高い同等性が得られ、変更に問題がないとき 2. 同等性は高いが、試験項目が足りないとき 3. 変化があるが、知識の蓄積から正当化できるとき 4. 変化があって、安全性・効能に影響する可能性があるとき
5. 変化が大きいとき 1-3は変更可能、4は非臨床/臨床試験の必要性検討 *2と3では追加の検証が必要となる場合もある。5はこのガイドラインの対象から外れる
同等性検証で考慮すべきこと 複数の工程での検証を必要とする • 通常の品質試験のみで検証可能なときもある • “Comparability bridging study”が必要な場合もある • 変更を実施した工程についての検証
• 変更がコンタミ、物理化学/生物学的性質に与える影響の検証 • 変更の検証に必要な手法の利用可能性 • 非臨床/臨床試験に基づく品質と安全性、効能の関係 などに検証項目は依存する
同等性の検証項目 検証すべき項目の例として、 • 物理化学・生物学的特性への影響 • 各工程における製品品質(中間製品、有効成分、製剤) • 加速・ストレス環境を含む安定性 • 製法の一貫性を説明するための製造ロット
• 製造データ、変更の履歴 • 製造の重要工程とそのパラメータ • 工程検査と工程中での調整 • (必要なら)非臨床/臨床試験での検証
品質について: 分析技術 変化を検出するのに最適な方法を選択する • 1つの検証項目に2つ以上の試験を実施するほうがよい • 現行の試験方法が変更後も最適であるか確認する • 必要なら新規試験の追加を検討する
品質について: 性質の評価 評価法はICH Q6Bにしたがう • 変化が生じる場合、評価を複数回行うことを推奨する • 臨床試験との違いについては適切な評価が必要
評価すべき項目 • 物理化学的状態 配列の保存性、立体構造の維持、修飾の維持など • 生物学的活性 生理活性の検証*、必要なら非臨床/臨床試験を行う • 免疫化学的状態 抗体などに適用する。抗原特異性を検証する
• コンタミネーション、不純物 変更前後での増加が起こらないことを調べる *おそらく動物試験を意味していると思われる
規格(Specifications) 変更後製品の品質を保つよう規格設定を見直す • 試験項目の見直しにともない、新規設定する場合もある • 規格を大幅に変更するようなら、追加検証を必要とする • 不純物量に変化があるなら、新規規格を設定する
安定性 手順の変更は安定性に影響を及ぼしうる • タンパクの構造は環境の影響を受けやすい • すぐに評価できない品質変化を検出可能とする • 加速・ストレス試験も変化の検出に有用である
製造工程について 適切な製造工程管理はよい品質での恒常的な製造を可能とする • 変更時にも品質を維持する工程管理を設定する • 工程管理の設定は工程の理解や蓄積データにしたがう • 変更時データは商用スケール製造で検証する • 工程変更について各種データからアセスメントを実施する
製造工程について 2 変更前後で同等の製造が可能であることを保証しておく • 変更後の工程は再評価・再バリデーションしておく • 変更前後の変更点・品質同等性を説明する必要がある
開発段階での同等性評価 臨床試験前後の同等性が販売承認に必要になる • 非臨床試験前なら変更には問題が発生し得ない • 臨床試験後には製造販売後と同様の同等性検証が必要 • 試験方法は科学的に妥当性を持つものである必要がある *試験方法がバリデートされていない場合もある
非臨床/臨床試験 品質試験だけで不十分な場合には実施の検討を行う 場合により、試験項目が異なる • PK、PD、PK/PD研究 • 臨床効能研究 • 臨床安全性研究 •
免疫原性研究 • 副作用研究 *PK: Pharmacokinetics 薬物動態研究、PD: Pharmacodynamics 薬力学