粘度とは、物質の粘りの度合いのことを指します。粘度は試料に漬けた板を動かしたときのせん断応力から測定します。
日本薬局方-一般試験法2.53 粘度測定法2020/5/19 Ver. 1.0
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粘度とは?物質の粘りの度合いのこと• 一般的には液体の性質を指す(一部の固体にもある)• 単位はP·s(パスカル秒)• 温度の影響を受ける(普通は高温ほど低い)
粘度の計算 == ℎτ: せん断応力、F: 物体と板の間に掛かる力、S: 板の面積、h: 板の間隔、U: 相対速度、μ:粘度• 二枚の板で試料を挟む• 板を平行に動かす• 移動の抵抗を測定する
ニュートン流体と非ニュートン流体せん断応力と移動速度には正の相関がある移動速度とせん断応力が比例するもの• ニュートン流体移動速度とせん断応力が比例しないもの• 非ニュートン流体Wikipedia 非ニュートン流体https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%B3%E6%B5%81%E4%BD%93
測定法2種類存在する• 毛細管粘度計法• 回転粘度計法細い管の中を試料が落ちる速度を利用して測定する方法板や筒を試料中で回転させ、せん断応力を測定する方法
毛細管粘度計法ニュートン液体の粘度を測定する方法液体が毛細管を通って落ちる時間から粘度を算出する = = : 粘度、: 動粘度、: 液体の密度、K: 粘度計に固有の係数、t: 液体が通るのにかかった時間*Kは水の20度での動粘度1.0038 mm2/sであらかじめ計算する。高粘度のものには標準液を用いる
高分子物質の極限粘度濃度・粘度の直線の切片を極限粘度と呼ぶ• 高分子物質の広がりの度合いを示す• 分子量の目安となる
毛細管法の装置ウベローデ型粘度計を用いる• 1~10000 mm2/sの液体の動粘度測定に用いる• 試料は1の管から入れて、Aの標線まで加える• 恒温槽にCまで漬け、20分放置する• 3を閉じて2から吸引し、液をCの中心部まで引き上げる• 3を開き、2を閉じる• 2を開き、Bの上標線から下標線まで落下する時間を測る
回転粘度計法非ニュートン流体でも用いることができる方法回転する筒、または板にかかるせん断応力を測定する装置は3種類ある• 共軸二重円筒形回転粘度計(クェット型粘度計)• 単一円筒形回転粘度計(ブルックフィールド型粘度計)• 円すい-平板型回転粘度計(コーンプレート型粘度計)
共軸二重円筒形粘度計2つの筒の間に試料を入れ、円筒を回転させる方法 =1004112−102: 角速度、T: 回転子にかかるトルク
単一円筒形回転粘度計試料液に円筒を漬け、回転させたときのせん断応力を測定する方法 = KB: 装置固有の定数、: 角速度、T: 回転子にかかるトルク
円すい-平板型回転粘度計試料液を円すいと平板で挟み、回転させたときのせん断応力を測定する方法 =323∙100R: 円すいの半径、α: 円盤と円すいのなす角度、: 角速度、T: 回転子にかかるトルク