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xorphitus
February 04, 2015
Programming
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240
go
go な並行処理の中身を紐解いてみました。
(Golang, clojure.core.async)
xorphitus
February 04, 2015
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Transcript
go @xorphitus (2015-02)
この動物は並行処理が得意らしい
それを、こうじゃ ( )
S式 ( ) go
(let [ch (chan)] (go (while true (let [val (<! ch)]
(println val)))) (go (>! ch “hello world”)))
go は大流行のようです
Go
今日は go な並行処理の 内側を少し覗いてみます
※ 書き方、使い方の話はしない
並行処理の俯瞰図(たぶん) 協調マルチタスク Python、Lua、あたりが主? ECMA6 でもやろうと思えば 共有メモリ ロック 例のあれ STM ClojureやらHaskellやら
メッセージ パッシング アクター Scalaやら Erlangやら CSP/π計算 ベース Goやら Clojureのcore.asyncやら C# async やら
Go の並行処理 (goroutine) CSP (Communicating Sequential Processes) および π計算 (pi-calculus)
の2つを混ぜて作った並行処理、らしい チャネル渡しの概念はπ計算のもの、らしい
CSP と π計算 どちらもプロセス代数の一種 プロセス代数っていうのは • 並行システムを代数で表現したもの • メッセージパッシング •
代数式を解くことで並行処理の恒等的性質を明 らかにする、らしい ◦ これ、デッドロックするんじゃね?とか
CSP 自販機の例 自販機はコインを入れてジュースが出て止まる VendingMachne = coin -> juice -> STOP
人間はコインまたはカードでの支払いを選択し、止まる Person = (coin -> STOP)□(card -> STOP) 自販機と人間を並列化すると VendingMachine|[{coin, card}]|Person ≡ coin -> juice -> STOP 上記を何やかんやすると、自販機・人間の並列プロセスから (juice -> STOP)□STOP ジュースを出して止まる、または単に止まる、非決定性プロセスが得られる
「らしい」
None
商業プログラマから見た goroutine 自分のような商業プログラマには とにかく軽量なスレッド として有り難く使わせてもらえれば十分 背後の計算機科学的理論は、2分で挫折
まさに商業プログラマ!!
ところで 軽量スレッドって 何だろう?
軽量スレッド/文法的なところは • メッセージパッシングにより ◦ レースコンディションの回避 ◦ ロックをとってほげほげ、の回避 • メッセージの授受や sleep
等のイベント処理 が、call back hell なしに書ける
軽量スレッド/もう少し低レイヤ • OSのスレッドよりも更に軽い • 一度に立ち上げられる数がたくさん • コンテキストスイッチのコストが低い • 単一のスレッド内でも複数起動し得る •
ファイバはこれに近いっちゃ近いけど軽量スレッ ドはプリエンプティブ(に見える) • アクターも同じノリだろうか?
何これ どうやって動いてんの?
Go のアプローチ goroutine とは 「スレッドによって多重化されたコルーチン」 らしい 次スライドにイメージ図を描いてみた 参考 http://golang.org/doc/faq#goroutines http://stackoverflow.com/questions/24599645/
goroutine のイメージ(たぶん) coroutine 0 thread 0 coroutine 1 blocking thread
1 coroutine 1 scheduler call call yield 待機状態の coroutineを 移動! 別スレッドにて coroutine 0 を 待たずに続行
goroutine マルチコア対応 環境変数 GOMAXPROCS を変更する この値に応じて実スレッドを起動し goroutine の処理を分散して割り当てる デフォルトは 1
Clojure のアプローチ go はというのはマクロで 中身を停止・再開可能なステートマシンに 変換して 他のタスクにブロックされている間は止める 参考 http://clojure.com/blog/2013/06/28/clojure-core-async-channels.html http://endot.org/notes/2014-02-14-core-async-clojure/
go (Clojure) のイメージ (go (...) (...)) macro expansion (go (...)
(...)) macro expansion thread task 0 task 1 チャネルへの 入力待ち チャネルに 入力 IOC スレッドと言う
go (Clojure) のイメージ thread チャネルへの 入力待ち チャネルに 入力 state 待ちになったら
state を他所で維持しつつ スレッド上の処理から 除外する チャネルへの入力が あったら 元の状態にリジュームして 処理を継続する
go (Clojure) マルチコア対応 実際は、各ステートマシンの処理が 固定長スレッドプール上のスレッドに 割当てられることになる プールサイズはコア数に比例 2 * cores
+ 42
なるほど、軽量スレッド
OSおよび軽量スレッド/イメージ図 multi thread (OS) lightweight thread lightweight thread for multi
core サーバアーキテクチャで、まずイベント駆動が流行して その後コア数に合わせてイベント駆動プロセスを立ち上げるのが出てきた経緯に似てるなあ
※CPUバウンド
IOバウンドな処理だと • OSのスレッドを使った方がよい • 軽量スレッドだと処理がブロックされる • IO waitのコストがコンテキストスイッチのコスト を上回る •
ので、多量に並列するならスレッド上限が多く なっていることは確認しておく core.async なら thread マクロでそれでき(ry
まとめ • go な並行処理はスッキリ記述できて嬉しい • CPUリソースも無駄なく使えて嬉しい • ただしマルチコアによる並「列」化は意識してお く •
そしてIOバウンドな処理にも気をつける • あと、go マクロでステート・マシンに展開すると かヤバい