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Erlang/Elixirを始めよう

yutopp
November 20, 2016

 Erlang/Elixirを始めよう

https://atnd.org/events/82619 で発表したやつ

yutopp

November 20, 2016
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Transcript

  1. 目次 • 自己紹介 • Erlangを触ってみよう ◦ Erlangの特徴 ◦ Erlangの疑問点 ◦

    Erlangを使うためのコツ • Elixirを触ってみよう ◦ お気持ち • 使ってみた • まとめ
  2. Erlangってなに • 並行処理・分散処理に特化したプログラミング言語 ◦ 普段使わない脳の分野を使う羽目になる • 動的型付き言語 • 構文はPrologがベース ◦

    すこししんどい • "Erlangプロセス"をつかった並行処理が目玉(アクターモデル) ◦ 軽量プロセス。これをバンバン使う • Let it crash戦略とかも特徴的 ◦ エラーハンドリングはするものの、プロセス丸ごと殺して回復させたりする • データ構造は全部 immutable ◦ プロセスごとにデータを共有することはない (例外はあるけれど…) ◦ KVSとかは別途ある
  3. Erlangプロセス/並行処理って • プロセス一つ一つが独立して動き出す、クラスのイ ンスタンスみたいなものだと思ってしまおう • プロセスごとに"メッセージ"を送りあってやりとりする ◦ 限定的には、オブジェクト指向でいうメソッド呼び出しみたい なもの[要出典] ◦

    アクターモデルというやつ • メッセージが送られると自分のプロセスのメールボッ クスにそれが積まれる • メッセージがきたら返信してもいいし、捨ててもいい し自由 https://cwiki.apache.org/confluence/display/FLI NK/Akka+and+Actors
  4. つまりErlangを書くには • ステップ1: Actor-modelに慣れる ◦ プロセスごとの役割を適切に割り振って、シンプルに協調して動くようにする ◦ プロセスごとの関係性を把握できるようにする ◦ 同期処理・非同期処理をうまく使い分ける

    ◦ タイミング問題に気がつけるようになる ▪ それぞれのプロセスが好き勝手動くので、タイミングによってはバグるとかある • ステップ2: OTPを使えるようにする ◦ 後述 • ステップ3: Erlang独自の作法に慣れる ◦ 書き続けてればなんとかなる … ◦ なんとかなってほしい
  5. メッセージをやり取りするプログラム -module(sample1). main(_) -> Pid = spawn( fun() -> receive

    {Sender, yo} -> Sender ! hi end end), Pid ! {self(), yo}, receive hi -> io:format("got reply!~n") end.
  6. 疑問点 • プロセスを並行で動くクラスオブジェクトと見立てた場合、このメッセージのやり取り を毎回書く必要があるのか? ◦ → 実際はそれはしんどすぎる • エラー処理とかどうするの ◦

    タイムアウトとかいろいろある Erlangには、これらの挙動を公式に抽象化した長年の運用実績のあるライブラリがあ る!! OTP (Open Telecom Platform)
  7. こうなる %% サーバ側 -module(yo_server). -behaviour(gen_server). yo(Pid) -> gen_server:call(Pid, yo). 〜中略〜

    handle_call(yo, _From, State) -> {ok, hi, State}. %% クライアント側 -module(sample2). main(_) -> Pid = yo_server:start_link(), hi = yo_server:yo(Pid), io:format("got reply!~n").
  8. リンクとモニタ • リンク ◦ プロセス同士を双方向で紐つける ◦ 片方が死んだら自分にシグナル (メッセージの強力なやつ )が送られてくる ◦

    それをハンドルしない場合は自分も巻き込まれて死ぬ ◦ 依存の強いプロセスの管理で使う • モニタ ◦ プロセスを単方向で紐つける ◦ 監視先が死んでも自分は死なない ◦ 監視先が死んだら自分にメッセージが送られてくる
  9. マルチノード • Erlangは複数のマシンで動かせる ◦ Erlangクラスタ ◦ マシンごとのErlangVMをノードと呼ぶ • 別のノードで動いているプロセスとも、普通通りの構文でメッセージのやりとりがで きる

    ◦ リンクもモニタも普段通り • 別のノードが唐突に落ちた場合には、そのノードで動いていたプロセスが全滅する が、リンクやモニタをしていれば通知がくるので、適切にハンドリングできる • スケールしやすい[要出典]
  10. Elixirってなに • Erlangが動くVMであるBEAMの上で動く言語 • Erlangを便利に書けるようにした言語という感じ ◦ JavaでいうScalaみたいな?でもそこまで新機能があるという感じではない • Erlangを書いていると不便だったところが改善されまくっている ◦

    Erlangは1ファイル1モジュールだったり ◦ 文字列がデフォルトでリストだったり ◦ ビヘイビア実装するのが面倒だったり ◦ 動的多態が書きにくかったり ◦ → Elixirでは全部解決してる!! • 基本のライブラリはErlang/OTPまんま
  11. Elixir触った感想 • 個人的に、Erlang/OTP触ってからやったほうが楽だと思った ◦ ElixirはErlangの周辺環境を劇的に便利にはしてくれるが、根本のライブラリは OTPまんまなので、 ドキュメントとか使用感とかは Erlangで直に触っておくととっつきやすそう • Elixirで飛んでくるエラーがErlangまんまのが多くて草

    ◦ Erlangやってたからパッと気付けるエラーとか結構あった気がする ◦ ただ、基本は見やすくなる (どのモジュールで起きたかとか読みやすい ) • Rubyっぽく書けるけど全然Rubyじゃないので気をつけよう • Elixirから触るのであれば、何か作りつつ並行プログラミングに慣れていくと楽しそ う ◦ PhoenixというWAFがあり、楽しい
  12. まとめ • 並行・分散システムは普段使わない部分の脳を使う気がして楽しい ◦ 個々のプロセスが好き勝手動くので気をつかう ◦ OTPがなければ死んでいたというくらい便利ですごい ◦ 楽しい •

    ぜひ使ってみましょう!!!! • 初めてElixirから手を付けるなら、phoenixでウェブアッピを書いてみるのをオススメ ◦ 必要な部品が大体揃っているので、作りつつ慣れていくのに最適では ◦ ただ、あまり分散システムという感じはしない …
  13. 便利ライブラリ・ツール紹介 Erlang編 • rebar - erlang用ビルドツール • cowboy - webフレームワーク

    • eunit - 単体テスト • ct - 結合テスト • meck - モック • dialyzer - 型チェッカ • escript - それとなくerlangを実行できる • recon - 優秀デバッガ Elixir編 • mix - elixir用ビルドツール • phoenix - webフレームワーク • ecto - ORM • exunit - 単体テスト
  14. おしまい 質問して 参考文献 Learn You Some Erlang for great good! (すごいErlang愉快に学ぼうの英語版)

    Erlang/OTP Documentation (公式ドキュメント) sile - Qiita (参考になる記事とライブラリいろいろ) 響け!ユーフォニアム2 [最新話無料] - ニコニコチャンネル:アニメ (観て)