大規模かつ高品質なライブイベントをインターネットで動画配信する事例も増え、これまで以上に多くの視聴者の期待と規模に耐えうるように動画視聴システムは進化していく必要があります。世界的な FAST トレンドもあり、インターネット動画広告のバラエティ増加が加速すると予測されます。 ABEMA では、既存の動画視聴システムでコンテンツ特性に最適化した視聴体験を作ることに従来のシステムでは限界があると判断し、2022 年 11 月のワールドカップからは新しいシステムを導入しています。特に、これからのライブイベント動画視聴は、コンテンツ特性に最適な品質要素を取捨選択でき、大規模なトラフィックやスパイクによる負荷を制御する機構を備えているべきと考えます。ただし、それだけでは ABEMA が描く視聴体験の進化には十分ではありません。 本セッションでは、コンテンツの特性に合わせたエンコーディング戦略を実現する制御、HFR などの平面画素以外の解像度に対する考え方、グローバル基準の権利の考え方に準じて見直したコンテンツ保護設計、トラフィックやシステム負荷状況に応じた解像度制御や CDN/リージョンバランシング、広告制御、遅延制御技術やメタデータ制御など動画制御に関わるプロトコルを一から見直した上で、認知負荷が高い専門性の進化を柔軟に取り込んでいくための新しい動画再生クライアントのアーキテクチャをどのように表現し、適用したかを話します。