DevRel/Asia 2020 https://devrel.dev/asia-2020/speakers/a-know/ での登壇資料です。
DevRel/Asia 2020技術プロダクトの DevRel と カスタマーサクセス株式会社はてなCustomer Reliability Engineer井上 大輔
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Hello!● 株式会社はてな● Mackerelチーム CRE - Customer Reliability Engineer● Mackerelサーバ監視 実践入門(技術評論社) 共著● 岡山県倉敷市在住● 「Developer」としての業務経験は10年ほど○ Webサービス Pixela https://pixe.la を個人で開発、運営も。井上 大輔 と申します!
今日お話すること●自分の中の「Developer」がされて嬉しいことを。●プリセールス、テクニカルサポート、プロダクトへのフィードバック。さまざまな活動から見えてきたもの。●DevRel と カスタマーサクセス
現在の私、そして私のチームの主な業務内容● サーバー監視クラウドサービス・Mackerel の CRE○ CRE = Customer Reliability Engineer
https://mackerel.ioMackerel(プロダクト)
累積顧客指数(FY15末を100としたとき)の推移。株式会社はてな 2020年7月期決算説明資料 P.21 より。Mackerel(事業)join
● オンボーディングの支援○ 私達のプロダクトのスムーズな利用開始を支援することで、「私達のプロダクトを導入する本当の目的を達成すること」を支援。● テクニカルサポート○ プロダクトを利用する過程で生じた問題を、できるだけスムーズに解決することの支援。○ 「問い合わせをさせないサポート」も目指す● データ分析・そのための基盤整備○ 私達のたくさんのお客様について正確に知り、CREとしての活動やプロダクト開発に活かす● プロダクトフィードバックループへの積極的な関与○ お客様からの声を精度高くプロダクトに届ける現在の私、そして私のチームの主な業務内容:もう少し詳しく
最初からこの業務内容だったわけではありません。そして、今でもまだ、完全な正解ではないとも考えています。
今日は、私達が現在地点に至るまでの道のりについてご紹介します
それが、これから技術プロダクト・SaaSのビジネスとそのお客様に寄り添おうとされている方々の助けに少しでもなれば、嬉しいです
2016年、私の入社当時の Mackerel チーム● 当時の Mackerel チームは、以下のような構成でした○ プロデューサー○ 開発チーム■ ディレクター■ Webアプリケーションエンジニア■ Webオペレーションエンジニア(現在はSRE)○ ビジネスチーム■ セールス■ セールスエンジニア(現在該当職種なし)● このチームに、私はセールスエンジニアとしてjoinしました
● 主にバックエンドのエンジニアとしてのキャリアが10年ほど。● 自身のキャリアについて考える機会が多くなってきていました。○ 「エンジニアとしての経験だけではなく、自身の性格や特性を活かしてさらに可能性の幅を広げられないだろうか?」入社前の私について
● Mackerelという SaaSプロダクトのセールスエンジニアという職種にチャレンジしてみる決心をしました○ とある体験(後述)をしていたこともあり、プロダクトの利用者(お客様)と接することに関してはポジティブに・挑戦してみたいことのうちのひとつであると思っていた○ 私も Mackerel の利用者で、なおかつ Mackerel というプロダクトのファンだった、ということも大きかった入社前の私について
入社前の私について● Mackerelという SaaSプロダクトのセールスエンジニアという職種にチャレンジしてみる決心をしました○ 営業活動に携わることは初めてでしたし、自社が提供するサービスの利用者・利用候補者(お客様)と直接接触する、ということも初めてでした○ ただ、Mackerel は技術プロダクトであり、お客様もエンジニア・Developerであることがほとんど。■ まさに DevRel への挑戦をした、といってもいいですよね :)
● 「Developer である自分が、されて嬉しかったことをしよう」● それは、そう心に決めるに至るほどに強烈だった原体験があったからでしたですが、そのとき心に決めていたことがありました。それは...
“強烈” な原体験(仕事で Developer をしていたころの私)● あるサービスにフィードバックをしたときのこと。○ 私「現在の挙動は〜〜だけど、ちょっとおかしいと思うよ」○ (「フィードバックありがとう」という返信があるかな?)○ 私が連絡した4分後に、「修正します!」との連絡が。○ そしてさらにその30分後、「ただ直すだけじゃなくて、こういうふうにしてみたよ」と、その様子がわかるGIFアニメーションが添付されたメールを受け取ったのです!● この一連のやりとりは、あらゆる点で、私の期待を超えるものでした
● このやりとりに、私はとても感動しました○ 期待を超える体験は感動を呼ぶ、ということを身を以て理解しました● 今でもそのプロダクトのことを愛しています○ プロダクトに対する強いロイヤリティを生み出す体験だった、と言えます● これらはきっと、 DevRel が目指すゴールのうちのひとつでもありますよね :)● これを、今度は自分がやっていく番だ、と考えたのです○ 自分の好きなサービスであるからこそ「Mackerel のセールスエンジニア」というキャリアを選んだのだし、その一員としてお客様に接するからには、自分たちのプロダクトに感動し、好きになってほしい!○ 業務外においては変わらず自身も Developer だった、ということも大きい?“強烈” な原体験(仕事で Developer をしていたころの私)
セールスエンジニアとして join してからやったこと● (職務として求められていることである)営業活動をこなしつつ......● テクニカルサポートを含む、カスタマーサポート● 上記のような活動で得られる意見や要望(VoC)を社内に届けること● 他にもいろいろ :)○ サービスアップデートをお知らせするブログ記事の執筆○ 各種技術イベントでの登壇○ ハンズオンイベントの開催○ OSSプロダクトへのcontribute■ Goによるプログラミング
もっと具体的に:営業活動で何をしたか● 商談の場で聞かれるあらゆる質問に、できるだけその場で回答できるようにしました○ 「疑問点やわからないことは、できるだけその場で解消したい!」○ プロダクトについての理解を深めて、誰よりも詳しいと言えるように努力しました■ テクニカルサポートも兼務していた(後述)ことも功を奏しました● これから会うことになるお客様に実際に会う前に必ず、そのお客様のことを知り、考え、準備する時間を取っていました○ どのような事業を展開されているのか○ 今回貴重な時間をいただけることになったのはなぜなのか○ 利用状況のデータなどから、お客様は今どのような状態にあるのか?○ 私たちはどのような形でそのお客様の力になれるだろうか?
● 「遅くても、翌営業日までには返信をする」というチーム内ポリシーに対して常に99%以上の水準を保ちました○ 自分がした問い合わせの返信が早くもらえることほど、嬉しいことはありませんよね :)○ 前期のCSAT(Customer Satisfaction Score)では、93%以上の「満足」評価をいただけた、という実績をあげることができましたもっと具体的に:テクニカルサポートで何をしたか
● ときには、なぜそのようなお問い合わせをされたのか?が不可解なものもあります。○ そんなときは、一呼吸おいて、その理由についてじっくり考えます○ 対症療法的な回答だけではなく、「こちらからの回答によって、質問者を1つ上のステージにステップアップさせられないか?」を考えます■ 技術プロダクトであるため。質問者のスキルアップにも貢献したい■ 自分の期待以上の回答がもらえたときの感動は言い表せないものがあることは、自分の “原体験” からも言えること :)○ そして、そもそもそのお問い合わせをさせずには済まなかったのか?どうすればそれができたのか?を考えます■ ヘルプやFAQで解決策をさらに見つけやすくするには?■ プロダクトを改善すると、自然に解決できるようにならないか?もっと具体的に:テクニカルサポートで何をしたか
● 要望登録のフローを整備し、要望を誰でも簡単に記録できる&それをプロダクトオーナーがいつでも見られるようにしました。○ 要望登録のハードルをとにかく低く。■ 重複を恐れることなく登録できるようなものに。■ そもそも要望の重複を排除する必要はない・「同様の要望が複数されている」という情報を排除してはならない○ お客様からの生の声も同時に記録します■ 「お客様からの生の声」には魔力が宿っていると考えています :)● それだけではなく、要望をプロダクトの機能としてもたせるべく、要望を実現する改善プロジェクトのリード役にもチャレンジしました○ 一番効果的なことは、お客様であれば必ず使うことになるプロダクトそのものを改善すること!もっと具体的に:要望の社内還元のために何をしたか
かんたんにまとめると、こう?● スピード第一!● お客様について、よく考えること。● 型にはまらないこと・限界を定めないこと。本当に必要なことはなにかを考えること。● これらはきっと、「Developerである自分が、されて嬉しかったこと」の本質でもあり、共通点!
ここまで話してきたことと「カスタマーサクセス」● 最近になって、こうした「私たちが大事にしていること」いずれも、「カスタマーサクセス」という理念においてどれも大切だとされているものだ、ということに気がつきました● たとえば、カスタマーサクセス曰く.......○ “カスタマーに成功(成果)を届ける”○ “エフォートレス・セルフサービス化せよ/カスタマーがイライラする負荷をなくそう”○ “最大の武器は、カスタマー一人ひとりを知り尽くすこと”○ “カスタマーの声を収集しプロダクトや業務に反映する フィードバックループの仕組みを持とう”カスタマーサクセスとは何か(英治出版・弘子ラザヴィ 著)
● オンボーディングの支援○ 私達のプロダクトのスムーズな利用開始を支援することで、「私達のプロダクトを導入する本当の目的を達成すること」を支援。● テクニカルサポート○ プロダクトを利用する過程で生じた問題を、できるだけスムーズに解決することの支援。○ 「問い合わせをさせないサポート」も目指す● データ分析・そのための基盤整備○ 私達のたくさんのお客様について正確に知り、CREとしての活動やプロダクト開発に活かす● プロダクトフィードバックループへの積極的な関与○ お客様からの声を精度高くプロダクトに届けるもう少し詳しく:現在の私、そして私のチームの主な業務内容再掲
私たちは、カスタマーサクセスに「行き着いた」のです
● 賢明な聴衆のみなさんの中には、「カスタマーサクセス」を既に知っておられる方も多いでしょう● 現在私もカスタマーサクセスについてキャッチアップをしている真っ最中です○ 自分の経験を裏付けるようなことや、とても参考になるプラクティスが多く、とてもエキサイティングに感じています● カスタマーサクセスをDevRelに活かし、DevRelをカスタマーサクセスに活かす、双方向のやりとりを今後も加速していければいいなと思っていますDevRel カスタマーサクセス
今日お話したこと●自分の中の「Developer」がされて嬉しいことを。●プリセールス、テクニカルサポート、プロダクトへのフィードバック。さまざまな活動から見えてきたもの。●DevRel と カスタマーサクセスThanks!!