2022年6月2日に開催された、Observability Lounge 「『監視』の原則と変化」という勉強会での発表資料です
https://forkwell.connpass.com/event/247721/
入門 監視5年を経て変わったこと、変わらないことJun 2, 2022松浦 隼人
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01. テキスト「入門 監視」● 原著出版 2017年● 日本語訳 2019年変わったこと変わらないこと
監視をめぐる移り変わり
01. テキスト監視をめぐる移り変わり● オブザーバビリティ(可観測性)という考え方の広がり○ オブザーバビリティ■ システムの振る舞いや内部をどれだけ把握できるか■ システム全体の性質に焦点○ 監視■ コンポーネントの振る舞いや出力を観察し続けること■ コンポーネントに焦点■ (高い)オブザーバビリティを実現する1要素
01. テキスト監視をめぐる移り変わり● オンプレミス → 仮想マシン → コンテナ → サーバレス → ?○ 進む抽象化○ 使い始めるのは簡単に○ 低レイヤの挙動を意識する必要がない■ トラブルシュートが難しいケースも
01. テキスト監視をめぐる移り変わり● コンテナオーケストレーション○ 複雑な通信経路○ 点の監視ではなく線的な監視(トレース)が必要になる
01. テキスト監視をめぐる移り変わり● クラウド監視サービス○ (以前) ある特定監視分野に特化したサービスが多かった○ (現在) フルスタック的な監視サービスが増えている
改めて読み直す「入門 監視」
01. テキスト監視のアンチパターン 1● ツール依存○ 何をやるかよりもツールに焦点を当ててしまう○ 銀の弾丸はない今も銀の弾丸となる監視ツールはない変わらないこと
01. テキスト監視のアンチパターン 1● ツール依存○ 監視とは複雑な問題を一括りにしたもの■ 専門化されたツールを使おうフルスタックなツールの選択肢が増えた変わったこと何をどう監視したいかでツールを選ぼう変わらないこと
01. テキスト監視のアンチパターン 1● ツール依存○ 「一目でわかる」は迷信以前より「一目でわかる」ダッシュボードを作りやすく変わったことツールの数を無理に絞る理由にはならない変わらないこと
01. テキスト監視のアンチパターン 2● 役割としての監視○ 監視とは役割ではなく、スキル何を監視すべきか一番知っているのは作った人変わらないこと
01. テキスト監視のアンチパターン 3● チェックボックス監視○ 「これは監視してます」と言うための監視○ 「動いている」かどうかを監視する○ OSのメトリクスはあまり意味がないますますOSなど低レイヤのメトリクスの重要性は(多くの人にとっては)低く変わらないこと
01. テキスト監視のアンチパターン 4● 監視を支えにする○ 監視に寄りかかり、監視の先にある改善を忘れてしまう監視しなくていいよう改善するのは常に大事変わらないこと
01. テキスト監視のアンチパターン 5● 手動設定○ 監視対象の追加削除は自動化すべき基本はIaCで管理変わらないこと
01. テキスト監視のデザインパターン 1● 組み合わせ可能な監視○ 専門化された監視ツールを疎に組み合わせて自分たちの監視プラットフォームを作る○ 監視サービスのコンポーネント■ データ収集■ データストレージ■ 可視化■ 分析とレポート■ アラート
01. テキスト監視のデザインパターン 1● 組み合わせ可能な監視○ アラート■ アラートを出すのが監視の目的ではない監視は、質問を投げかけるためにある変わらないこと
01. テキスト監視のデザインパターン 2● ユーザ視点での監視Synthetics監視、RUMなどユーザ視点の監視がやりやすく変わったことできるだけユーザに近いところから監視変わらないこと
01. テキスト監視のデザインパターン 3● 作るのではなく買う○ 監視の仕組みが成熟していないなら、最初から作るなツールの進化により、ますます作るより買った方がいい変わらないこと
01. テキスト監視のデザインパターン 4● 継続的改善○ 継続した注意深さと改善から世界レベルのシステムが生まれる一度作ったら終わりではない変わらないこと
01. テキストアラート、オンコール、インシデント管理● 今もほとんど変わりない○ システムの状態を知る方法は進化を続けている監視によって得られた情報をもとに行動するのは人間変わらないこと
まとめ
01. テキストまとめ● システム監視をめぐる状況は進化し続けている● アンチパターンにハマりにくく、デザインパターンに誘導されるようツールが進化● 監視の結果をもとにした人間のアクションは変わらない