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LayerXの急成長を支える営業システムと組織文化【全体最適を諦めない】20240423

Fukutaro
April 23, 2024

 LayerXの急成長を支える営業システムと組織文化【全体最適を諦めない】20240423

Fukutaro

April 23, 2024
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Transcript

  1. Confidential © LayerX Inc. 2 2 アジェンダ
 1. 自己紹介(会社・スピーカー) 


    2. LayerXにおけるSalesforceの位置付け 
 3. 全体最適でない状態 
 4. 全体最適を実現するためのSalesforce運用指針 
 a. データの再活用
 b. 部門間での対話
 c. 将来の拡張を予測する 
 5. まとめ
 6. LayerXにおけるSalesforceの変遷 

  2. Confidential © LayerX Inc. 3 3 • マイブーム
 ◦ おデコを出したヘアスタイル

    
 ◦ 麻雀、筋トレ
 松本 福太郎 
 兵庫県生まれ。29歳。メガバンク、SaaSを経験した後 
 2021年8月 LayerX入社。営業をしながらSalesforceの導入・利活用を担 当。2022年7月よりSalesforceの専任管理者。 
 
 自己紹介 • Salesforce関連資格(抜粋)
 ◦ 認定上級アドミニストレーター 
 ◦ 認定アプリケーションビルダー 
 ◦ 認定Dataアーキテクト

  3. Confidential © LayerX Inc. 4 会社名
 株式会社LayerX(レイヤーエックス) 
 創業
 2018年

    8月1日
 従業員数
 330名 (2024年4月時点) 
 資本金
 132.6億円 (資本準備金含む、全事業含む) 
 事業概要
 バクラク事業、Fintech事業、Privacy Tech事業 
 会社概要

  4. Confidential © LayerX Inc. 5 5 圧倒的に使いやすいプロダクトでわくわくする働き方を届けるバクラクシリーズ
 
 経費精算を効率化
 


    仕訳・支払処理を効率化
 
 ワークフローを構築・強化
 
 法令対応・書類保存
 
 法人用クレジットカード

  5. Confidential © LayerX Inc. 7 7 行動を変える
 LayerXにおける、Salesforce活用の意義
 • 徹底した商談の管理


    NextAction管理
 • 活動を記録と追跡
 IP電話連携(架電 & ログ)
 業務の効率化
 • 見積書・契約書の作成
 • 請求書の作成・送付
 • 反社チェック依頼
 • お客様環境の発行
 • 高度なサブスク契約管理
 インサイトの獲得
 • レポート・ダッシュボード機能
 • お客さまご利用概要のデータ
 • 仮説検証(新規項目作成)
 
 → 受注数UP → 作業品質UP 作業時間短縮 → 受注率UP
  6. Confidential © LayerX Inc. 9 9 全体最適ではない状態とは
 個別最適
 部分最適
 全体最適


    全体最適と個別(部分)最適は両立しうる 
 • 全体最適ではない状態は、部門ごとの成果がお互いに影響し合う状況で、 一部門の成果を高めた結果として、全体の成果が抑制されている状態。(合 成の誤謬)
 • 他の部門に悪影響がない前提では、各部門は「最適化」すべき 

  7. Confidential © LayerX Inc. 10 10 • 営業、事務、経理、カスタマーサポート 
 •

    マネージャー、経営陣、協力パートナー会社 
 全体最適でない状態はどのように起きるのか
 他部門への影響を考慮しない個別最適化が行き過ぎる 
 1
 • 共通のダッシュボード自部門で使うためにカスタマイズした。 
 • 特定のKPIを上げようとすると他のKPIが下がる(リード数→転換率) 
 ビジネスに関係する人の種類が増える・細分化する 
 2
 新しいタイプのビジネスが発生する 
 3
 • ビジネスプロセスの異なる新商品 
 • 新しい商流
 事業の全体を考えずに一部門だけ対応すると、全体最適から遠ざかる!
  8. Confidential © LayerX Inc. 11 11 • KPIが部門ごとに違う以上、システムの要望にズレが生じる 
 •

    管理者が、全社の利益の観点から優先度をつける 
 システムを運用するうえでのTips
 部門をまたいだデータの流れを整理する (Apex、フロー、他サービスを活用) 
 1
 • 前工程で入力したデータを、後工程で使用する 
 • データの入力をなるべく減らす 
 チーム間での要望のズレを調整する (サボらずに考え抜く) 
 2
 ビジネスの成長を予測し、先回りする (データ品質や設計にこだわる) 
 3
 • 取り扱いの商材が増える 
 • 営業地域が増える
 • 協力企業が増える

  9. Confidential © LayerX Inc. 12 12 • KPIが部門ごとに違う以上、システムの要望にズレが生じる 
 •

    管理者が、全社の利益の観点から優先度をつける 
 システムを運用するうえでのTips
 部門をまたいだデータの流れを整理する (Apex、フロー、他サービスを活用) 
 1
 • 前工程で入力したデータを、後工程で使用する 
 • データの入力をなるべく減らす 
 チーム間での要望のズレを調整する (サボらずに考え抜く) 
 2
 ビジネスの成長を予測し、先回りする (データ品質や設計にこだわる) 
 3
 • 取り扱いの商材が増える 
 • 営業地域が増える
 • 協力企業が増える

  10. Confidential © LayerX Inc. 13 13 営業会議 Salesforceのデータを 転記して会議資料を作成 ①部門をまたいだデータの流れを整理する

    :ありがちな業務フロー
 問い合わせ対応 フォーム送信結果か らメアドをコピー ファーストピッチ 議事録とヨミを登録す るが、商品は登録しな い 見積作成 見積システムに 品目の明細を登録 契約書作成 雛形(Word) に商品を追加 契約一覧作成 スプレッドシートに登 録 請求書作成 スプレッドシート上 で加工してインポー ト 契約締結 • ファイルをアップロー ドして送信 • 郵送して押印
  11. Confidential © LayerX Inc. 14 14 営業会議 ダッシュボードを見ながら ディスカッション ①部門をまたいだデータの流れを整理する

    :改善案
 問い合わせ対応 フォーム送信結果を 見てCRM上で返信 ファーストピッチ 議事録とヨミを登録す るし、提案中の商品を 登録しておく 見積作成 CRM上のデータから PDFを出力 契約書作成 CRM上のデータから PDF・Wordを出力 契約一覧作成 カスタムオブジェクト に登録される 請求書作成 CRM上のデータを 元に請求を実行 契約締結 CRMから直接ファイ ルを送信。署名結果 をCRMに戻す。 • フロー • Apex • AppExchange • API
  12. Confidential © LayerX Inc. 15 15 • KPIが部門ごとに違う以上、システムの要望にズレが生じる 
 •

    管理者が、全社の利益の観点から優先度をつける 
 システムを運用するうえでのTips
 部門をまたいだデータの流れを整理する (Apex、フロー、他サービスを活用) 
 1
 • 前工程で入力したデータを、後工程で使用する 
 • データの入力をなるべく減らす 
 チーム間での要望のズレを調整する (サボらずに考え抜く) 
 2
 ビジネスの成長を予測し、先回りする (データ品質や設計にこだわる) 
 3
 • 取り扱いの商材が増える 
 • 営業地域が増える
 • 協力企業が増える

  13. Confidential © LayerX Inc. 16 16 • 個別のニーズに対応してペー ジをカスタマイズ・運用する のは負荷が高い

    • その商談が失注した理由を知 りたい。 • どんな機能があったら受注で きたのか、詳しく見たい • 締結された契約書ファイルに 簡単にアクセスできるように して欲しい。 ②チーム間での要望のズレを調整する:商談ページについて 営業 • 商談は案件管理のもの • BANTと完了予定日、次のス テップを一番目立つ場所に配 置して欲しい サポート担当 • 受注した商品がひと目でわか らないと困る。 • 契約商品一覧と、今後の活用 予定が一番大事 事務担当 • 個別のニーズに対応してペー ジをカスタマイズ・運用する のは負荷が高い 開発担当 経営企画 • どこと競合してるのかに興味 がある。 • どの商品がどの属性の顧客 に売れているのか、分析した い。 Salesforce管理者 ◦ でも自分はデータを入れたくない! 別ページを作成 営業・経営企画・ 管理者で議論して決定 最優先
  14. Confidential © LayerX Inc. 17 17 • ドキュメントを整備 • 担当者への周知

    • リリース実行 • データの移行 ②チーム間での要望のズレを調整する:アドミンの業務プロセス ①依頼者との相談 • その依頼を対応すべきかど うか議論・吟味する。 • より良い実装方法がないか を検討する。 • 他のタスクとの兼ね合いで、 実装タイミングを調整する ②開発・影響の調査 • Sandboxで実際に手を動か してみる。 ◦ 複雑な場合は、 画面だけ作ってみる • 他の部門の人(特に入力者) に相談してコメントを貰う(パ ブコメ) ③本番反映・データ移行
  15. Confidential © LayerX Inc. 18 18 • KPIが部門ごとに違う以上、システムの要望にズレが生じる 
 •

    管理者が、全社の利益の観点から優先度をつける 
 システムを運用するうえでのTips
 部門をまたいだデータの流れを整理する (Apex、フロー、他サービスを活用) 
 1
 • 前工程で入力したデータを、後工程で使用する 
 • データの入力をなるべく減らす 
 チーム間での要望のズレを調整する (サボらずに考え抜く) 
 2
 ビジネスの成長を予測し、先回りする (データ品質や設計にこだわる) 
 3
 • 取り扱いの商材が増える 
 • 営業地域が増える
 • 協力企業が増える

  16. Confidential © LayerX Inc. 19 19 次の一手
 ③ビジネスの成長を予測し、先回りする: 
 •

    新しい製品 • 新しい職位・職種 • 新しい商流 
 ユーザーの増加に
 ユースケース・ボリューム 
 ✅ プラットフォーム制約の理解 • ガバナ • ストレージ ✅ 拡張性のあるアーキテクチャ ✅ 各種リソースの整理 • 命名ルール • どのツールを使うかの設計 ◦ 権限セットorプロファイル ◦ フローor Apex 対応方法を 想像しておく データ品質と UIにこだわる 制約をきつく 感じるように なってくる ✅ データの整合性確認を強化する • 入力規則 • 必須属性 ✅ まさかこんな使い方しないだろうとた かを括らない • 受注後に取引先を変える • 請求後に金額を変える • コピー&ペーストをミスる 情報を文字で残す • 項目のヘルプテキスト・説明 

  17. Confidential © LayerX Inc. 20 20 • 問題が起きないのであれば、目の前の業務を最速で進められるシステムが最高です 
 まとめ&ひとこと


    全体最適のための指針3つ
 1
 • データの入力を減らせないか、常に考えましょう。ほっとくとデータ入力は増えていきます。 
 • 部門ごとにインセンティブのズレはどうしても発生します。 
 管理者が経営者に代わって、積極的に調整しにいきましょう 
 • ちょっと先の会社の姿を想像して、それに合わせてシステムを構成してみましょう。 
 問題がぶつかりそうになるまで、個別での最適化も追求する 
 2
 最終的には個社の事情に合わせて 
 3
 • 組織として、最大の成果を享受するための手段が全体最適 
 • Tipsにとらわれすぎてもよくない 

  18. Confidential © LayerX Inc. 21 21 Fukutaro 入社 LayerXにおけるSalesforceの変遷
 2021年

    CRM 設計開始 8月 EEにアップグレード 11月 1月 バクラク 請求書受取 バクラク申請 4月 5月 バクラク 経費精算 2022年 Salesforce 運用スタート (15人・PE) 9月 8月 バクラク ビジネスカード DocuSign 導入 7月 オンボーディング業 務をCRMに移行 50ユーザー突破! Fukutaro アドミン専任へ
  19. Confidential © LayerX Inc. 22 22 4人目入社。 開発者 Account Engagement

    導入(Advanced) LayerXにおけるSalesforceの変遷
 2023年 ソアスクの導入を 決定 12月 8月 バクラク 請求書発行 2024年 10月 4月 Sales Cloudが 200ライセンス に 1月 Experience Cloud 導入 7月 2人目の管理者を 採用(100ユーザ) ※インターン生 3人目入社。 ベンダー&アドミ ン経験者 インターン生卒業。 派遣会社に協力を 依頼。 年内、3〜5人 絶賛募集中! 来年以降も継続予定
  20. Confidential © LayerX Inc. 23 23 • DocuSign、DocuSign Gen
 •

    帳票DX(見積書・請求書・支払通知書) 
 Salesforce関連の使用中のサービス
 Salesforceファミリー
 1
 • Slack ビジネスプラス 
 • Sales Cloud Enterprise Edition 
 • Account Engagement (Advanced)、Sales Email & Alerts(試験中) 
 • Experience Cloud (Customer Community) 
 • Tableau(一部メンバー)
 App Exchange、連携サービス
 2
 その他
 3
 • Big Query(データマート)、Embulk、trocco
 • Looker Studio(LWCでSalesforceに埋め込み)
 • SmartHR (人事マスタ)
 • MicroSoft Entra(アカウントの無効化)