Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
2023-03-09 suzuka
Search
Takahiro Sumiya
March 09, 2023
Education
120
1
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
2023-03-09 suzuka
Takahiro Sumiya
March 09, 2023
More Decks by Takahiro Sumiya
See All by Takahiro Sumiya
生成AI活用セミナー/GAI-workshop
gnutar
0
190
GAI-FD2025
gnutar
0
110
卒論・修論執筆における生成AI 活用とAI 不安:広島大学での実態調査 (2)/CE180
gnutar
0
85
大学教育現場と著作権/DME-2025-06-04
gnutar
0
88
著作権と授業に関する出前講習会/dme-2025-05-01
gnutar
0
270
Excelグラフはどうしてダサいのか/csd2024-3-sumiya
gnutar
1
360
出前講習会-西海市教育委員会/DME-2025-02-10
gnutar
0
120
オンデマンド授業と著作権/dme-2024-12-17
gnutar
0
110
著作権に関する アンケート (2024) 結果報告/sugowaka-enq-2024
gnutar
0
140
Other Decks in Education
See All in Education
SARA Annual Report 2025-26
sara2023
1
360
Course Review - Lecture 13 - Next Generation User Interfaces (4018166FNR)
signer
PRO
0
2.3k
2026年度春学期 統計学 第1回 イントロダクション ー 統計的なものの見方・考え方について (2026. 4. 9)
akiraasano
PRO
0
150
Visionary Initiative: Materials-Positive Society 「モノの進化をポジティブな社会の原動力に」|Science Tokyo(東京科学大学)
sciencetokyo
PRO
0
360
応募課題(’25広島)
forget1900
0
1.6k
Lectura 1 (PIT : Python Basico)
robintux
0
360
0513
cbtlibrary
0
190
Design Guidelines and Principles - Lecture 7 - Information Visualisation (4019538FNR)
signer
PRO
0
3.1k
[2026前期火5] 論理学(京都大学文学部 前期 第3回)「形式言語と四つのキーワード:メタ・構成・意味論・ハーモニー」
yatabe
0
540
BITCOIN : Les fondamentaux !
rlifchitz
0
170
!コスパよくインターンに受かる方法!
ruribou
0
260
Course Review - Lecture 13 - Information Visualisation (4019538FNR)
signer
PRO
1
2.6k
Featured
See All Featured
How to build a perfect <img>
jonoalderson
1
5.6k
Chasing Engaging Ingredients in Design
codingconduct
0
220
The Anti-SEO Checklist Checklist. Pubcon Cyber Week
ryanjones
0
160
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
28
3.5k
Building Adaptive Systems
keathley
44
3k
DevOps and Value Stream Thinking: Enabling flow, efficiency and business value
helenjbeal
1
230
How to Align SEO within the Product Triangle To Get Buy-In & Support - #RIMC
aleyda
2
1.5k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
52
3.7k
Introduction to Domain-Driven Design and Collaborative software design
baasie
1
830
Tell your own story through comics
letsgokoyo
1
950
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
360
30k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
25
1.9k
Transcript
オンライン授業と著作権 隅谷孝洋 <
[email protected]
> 広島大学 情報メディア教育研究センター/先進理工系科学研究科/情報科学部 鈴鹿工業高等専門学校 FD研修会 (2023/03/09)
複製 複製 上映 公衆送信 他人の著作物 説明資料 自らの著作物に部分転載 元資料の部分的なコピー 例題 ・
参考資料など 授業においては、これらの利用の多くを、著作権者に許可を得ることなく行えるよう 「権利制限」を適用することが多い。 ・著作権法第32条(引用) ・著作権法第35条(授業の過程における複製・公衆送信など)
著作者 著作物 著作物の利用 (鑑賞する) (評論する) (複製する) (公衆送信する) (貸与する) 著作権(財産権) (特定の条件を
満たす利用) 権利制限 著作者人格権
著作者の権利 4 著作者の権利 著作者人格権 著作権(財産権) 公表権 氏名表示権 同一性保持権 複製権 上映権
公衆送信権 送信可能化権 口述権 展示権 頒布権 譲渡権 貸与権 翻訳・翻案権 二次的著作物の利用に関する 原著作者の権利 (18〜20条) (21〜28条)
複製 複製 上映 公衆送信 他人の著作物 説明資料 自らの著作物に部分転載 元資料の部分的なコピー 例題 ・
参考資料など 授業においては、これらの利用の多くを、著作権者に許可を得ることなく行えるよう 「権利制限」を適用することが多い。 ・著作権法第32条(引用) ・著作権法第35条(授業の過程における複製・公衆送信など)
チェックポイント 6 自由利用可能? 32 条 (引用) 適用可能? 35 条 (授業目的)
適用可能? 許諾をとる / あきらめる YES YES YES NO NO NO □ 著作物か? □ 保護期間内か? □ ライセンスがあるか? □ 公表された著作物? □ 公正な慣行に合致? □ 正当な範囲内? □ 基本的な要件をみたす? □ 必要な限度内? □ 著作権者の利益を不当に害さない? OK 利 用 https://youtube.com/playlist?list=PLA4qVXmVfic6gnUalSeFkH63_X8jgJIWD 教育著作権の基礎 利 用 OK 授 業 利 用 OK
著作物かどうか ‣ 著作物=思想や感情を創作的に表現したもの ‣ 人が創作するもののほとんどは著作物と考えた方がよい ‣ 著作物でないと考えられるもの(他の法律で保護されるものもある) ✓ 事実そのものやアイデアは著作物ではない ✓
誰が表現しても同じようになるものは著作物ではない ✓ 工業製品の外観などは著作物ではない ‣ 法律等の条文や裁判所の判決文等、著作権法では保護されない 7
保護期間内か ‣ 著作者の死後70年(死亡翌年の1/1から70年間)保護 ✓ 映画の著作物や無名の著作物は、公開後70年 ‣ 著作権(財産権)は遺族に相続される ✓ 生前他者に譲渡されていることもある ‣
著作者人格権は死亡時に消滅 ✓ 消滅するが、侵害と思われる行為はしてはならない ‣ 法人著作は発表後70年保護 ‣ 第2次世界大戦の交戦国の著作物には10年程度の「戦時加算」 8
著作権の存続期間の算出(日本人の場合) ‣ 著作者の生存中と,死後70年間(50条) 9 1970/mm/dd 1971/1/1 2040/12/31 … 70年 ※
2018年までは死後50年だった… 1. 亡くなった年に50を足す 2. 2017以下なら,その年の12/31までが存続期間 3. 2018以上ならばもう20足した年の12/31までが存続期間
日本が第二次世界大戦で交戦していた国に対しては、 「戦時加算制度」があるので注意 10 ※相手国により、戦争期間は異なる 1900 1920 1940 1960 1980 2000
2020 2040 アーネスト ・ ヘミングウェイ (1899-1961) グレン ・ ミラー (1904-1944) コルトレーン (1926-1967) 1994 2011 2017 2005 2041 戦争期間 3794 日 1941.12.8-1952.4.28 2018年末に、保護期間が死後50年から70年に延長されたので、なおさらややこしい… 連合国の国民の著作物は、戦争期間中日本で保護されてなかったはず、という前提
ライセンスがあるか ‣ この場合のライセンス=「この範囲で利用可」と宣言・許諾するもの ✓ 利用者が著作権者に依頼する ✓ 著作権者があらかじめ宣言する ‣ Webに無料公開されていても、教材に再利用可能とは限らない ✓
原則は、ライセンス宣言がなければ「許諾が必要」 ‣ ライセンスのはっきりした素材を利用しましょう ✓ Creative Commonsとか ✓ pexels, 看護roo!, いらすとや, ジブリ などなど ✓ Wikimedia (Wikipedia) は結構あやしい 11
Creative Commons 12 Copyrighted 全ての権利を主張 Public Domain 全ての権利を放棄 Creative Commons
作品の再利用を許しつつ、 いくつかの権利を主張 表示 (BY) 作品のクレジットを表示すること 非営利 (NC) 営利目的での利用をしないこと 改変禁止 (ND) 元の作品を改変しないこと 継承 (SA) 元の作品と同じライセンスで公開すること https://creativecommons.jp
32条(引用)適用可能? 13 公表された著作物 公正な慣行に合致 正当な範囲(必要最小限) ‣主従関係 ‣明瞭な区別 ‣出所の明示 ‣原型を保持 ※
翻訳しての引用は可 ※ 学術論文やレポートなどでの「引用」とはやや異なる ※ 適法な引用となれば,一般公開や販売も可能 ʢҾ༻ʣ ୈࡾेೋɹެද͞Εͨஶ࡞ ɺҾ༻ͯ͠ར༻͢Δ͜ͱ͕Ͱ͖ Δɻ͜ͷ߹ʹ͓͍ͯɺͦͷҾ༻ ɺެਖ਼ͳ׳ߦʹ߹க͢ΔͷͰ ͋Γɺ͔ͭɺใಓɺ൷ධɺݚڀͦ ͷଞͷҾ༻ͷత্ਖ਼ͳൣғ ͰߦͳΘΕΔͷͰͳ͚ΕͳΒ ͳ͍ɻ
「引用」の適用ができるかどうかは結構重要 → 「引用」の範囲で使っていれば,オープンにできる ‣ 適法な引用になるか判断が難しい ✓ 権利者と利用者で相当のギャップ ✓ 専門家でも言うことが結構違う ‣
資料だけで引用にならない場合も ✓ 講師の説明が主で資料が従 ✓ 講義動画ならOKでもLMSでの資料だけの掲示が微妙な場合も(引用にならなくても授業利用にはなりう る) 14
権利制限 35条授業目的の複製・公衆送信など 15 第三⼗五条 学校 他 教育機関(営利 ⽬的 設置 除 。) 教育
担任 者及 授業 受 者 、 授業 過程 利⽤ 供 ⽬的 場合 、 必要 認 限度 、公表 著作物 複製 、若 公衆送信(⾃動公衆送信 場合 、送信可能化 含 。以下 条 同 。) ⾏ 、⼜ 公表 著作物 公衆送信 受信装置 ⽤ 公 伝達 。 、当該著作物 種類及 ⽤途並 当該複製 部数及 当該複製、公 衆送信⼜ 伝達 態様 照 著作権者 利益 不当 害 場合 、 限 。 具体的な解釈が難しい→「運用指針」が公開されています
「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」で,35条解釈のガイドラインを策定。 16 改正著作権法第35条運用指針 (令和3(2021)年度版) https://forum.sartras.or.jp/info/005/ ① 複製 ② 公衆送信 ③
学校その他の教育機関 ④ 授業 ⑤ 教育を担任するもの ⑥ 授業を受けるもの ⑦ 必要と認められる限度 ⑧ 公に伝達 ⑨ 著作権者の利益を不当に害する こととなる場合 「用語定義」+事例
35条の改正 → 授業目的公衆送信補償金制度 17 旧35条 第1項 要件を満たせば、 授業目的の複製は 無許諾で可 第2項 遠隔合同授業等の場合、
授業目的の公衆送信は 無許諾で可 改正35条 第1項 要件を満たせば、授業目的の 複製・公衆送信・公の伝達は 無許諾で可 第2項 上記の公衆送信を行う場合は、 「教育機関の設置者」が 補償金を著作権者に支払う 第3項 遠隔合同授業等の場合、 授業目的の公衆送信は 補償金不要 2015年から議論 2018年5月25日公布 2020年4月28日施行 補償金(授業目的公衆送信補償金)の扱いについては104条の11〜17
遠隔合同授業等って?→(著作権法を考慮した)遠隔授業の分類 18 すごくわかる著作権と授業/AXIES/CCBY4.0 p.38 遠隔合同授業等
授業形態ごとの権利制限状況 19 遠隔合同授業等 すごくわかる著作権と授業/AXIES/CCBY4.0 p.38
授業目的公衆送信補償金のための仕組みづくり 20 改正35条は, 2018年5月25日公布 → 2020年4月28日施行 2018年11月: 「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」設置 2019年1月: 「授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)」発足 SARTRAS 教育機関
著作権管理団体 補 償 金 支 払 分 配 分配 所属 フォーラム 委員を推薦 委員を推薦 \ \ \ 著作権者 教員/学生 利用調査 \ 2022.6.20から
役割を再確認 ‣ 補償金の管理団体 ✓ 著作権管理団体の協議会が母体 ✓ 補償金制度の設計 ✓ ライセンス制度の設計 ‣
中立の「意見交換の場」 ✓ 教育機関と著作権管理団体が同数の委員を ✓ 有識者も参加。関係省庁も出席 ✓ 35条運用指針(ガイドライン)を策定 21 SARTRAS フォーラム 著作物の教育利用に関する関係者フォーラム 授業目的公衆送信補償金等管理協会
「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」で,35条解釈のガイドラインを策定。 22 改正著作権法第35条運用指針 (令和3(2021)年度版) https://forum.sartras.or.jp/info/005/ ① 複製 ② 公衆送信 ③
学校その他の教育機関 ④ 授業 ⑤ 教育を担任するもの ⑥ 授業を受けるもの ⑦ 必要と認められる限度 ⑧ 公に伝達 ⑨ 著作権者の利益を不当に害する こととなる場合 「用語定義」+事例
著作権法第35条運用指針の主な内容 用語 授業目的公衆送信補償金制度の対象の例 授業目的公衆送信補償金制度の対象外の例 公衆送信 サーバへの掲載/電子メールでの一括送信 (履修生以外にもアクセスできるようなもの) 授業 単位の出る授業/教員免許状更新講習/公開講座 (規模の制限あり)/履修証明プログラム
※予習,復習は「授業の過程」とする 大学説明会,オープンキャンパスでの模擬授業など /FD,SD/サークル活動/自主的なボランティア 活動 教育を担任する/授業 を受ける者 教授,講師など(名称,雇用形態は問わない)/学 生,科目等履修生など(実際に学習するもの)/事務 職員など教育支援者,補助者 (支援業者に依頼するもの) 必要と認められる限度 例示なし ※必要性は授業担当者が判断,主観のみ でなく客観的に説明できること 文献情報を示せば足りるような参考資料の複製・ 公衆送信 著作権者の利益を不 当に害する場合 ※ 多くの記述がある ので「運用指針」を参 照のこと 不当に害する可能性が低い例 受信者の数は履修生の数まで/新聞の一つの記事 /テレビ番組を投影しているところを録画して送信 /一報の論文全部。ただし,発行後相当期間が経っ ているなどいくつかの条件あり 不当に害する可能性が高い例 放送から録画した映画や番組の全体/授業を履修 する学生の数を超える利用/試験対策問題集など 学生購入を前提としたもの/小部分の複製を繰り 返し,結果として大部分になる 括弧書きは,運用指針には直接の記載がないもの 「教育のDXを加速する著作権制度」(文化庁) p.14 を改変, 2021/01/29, オンライン説明会 https://sartras.or.jp/educationcopyright/
「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」 ‣ 著作物の種類 ‣ 著作物の用途 ‣ 複製の部数・公衆送信の受信者の数 ‣ 複製・公衆送信・公の伝達の態様 24
、当該著作物 種類及 ⽤途並 当該複製 部数及 当該複製、公衆送信⼜ 伝達 態様 照 著作権者 利 益 不当 害 場合 、 限 。
具体的に考えてみる ‣ 公開されたデータを自分でグラフ化する→OK ‣ 公開されているグラフ→グレー〜NG ‣ 説明図などの借用→一般的にはNG ‣ 説明図などを「その作者が公開してる」ことを伝えたい→引用になる可能性 ‣
書影, Webサイトのスクリーンショット→紹介のためなら、引用になる可能性 ‣ 実験器具の写真→自分で撮影したものならOK (メーカーの許諾不要) ‣ 他人の撮影:カタログ的な写真はOK(正面から単純に撮影したものなどは著作性なし) ‣ 他人の撮影:利用場面の写真はたぶんNG(利用している人の肖像権の問題なども配慮) 25
重要なのは、権利保護と円滑な利用のバランス(再掲) ⽂化的所産の公正な利⽤に留意しつつ、著作者 等の権利の保護を図り、もつて⽂化の発展に寄 与することを⽬的とする。(著作権法第1条) 26 著作者の権利保護 著作物の公正な利用
(おまけ)よくある質問 ‣ テレビ番組の録画をZoom/Teams会議で共有してもよいですか? ‣ 映画のワンシーンを動画ファイルとしてLMSに掲載しても良いですか? ‣ 絶版の本を複製して共有しても良いですか? ‣ 授業で論文1本を共有しても良いですか? ‣
授業で使った資料を一般の講演会で使っても良いですか? ‣ 教員が知らないうちに,学生が著作権を侵害するものをLMSの掲示板に載せてしまった。 誰に責任がありますか? ‣ 授業目的の公衆送信は,授業が終わったら止めなければならないですか? 27
(おまけ)よくある誤解 ‣ 出典さえ書けば,著作権法上の「引用」になる ‣ 学術論文の図表は「引用」できない ‣ 教員が補償金を払わなければならない ‣ 補償金を支払っていない大学の授業で公衆送信をすると,著作権侵害になる ‣
SARTRASに参加している著作権管理団体のもの以外は使えない ‣ インターネットで無料公開されている資料はこの制度とは関係ない ‣ 外国の著作物は使えない ‣ SARTRASは新しい天下り団体だ 28
関連URL ‣ 教育用著作物ネット配信制度 ‣ 著作権法条文 (e-GOV) ‣ 授業目的公衆送信補償金制度のオンライン説明会 ‣ 改正著作権法第35条運用指針(2021年度版)
29 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/92223601_01.pdf https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048 https://sartras.or.jp/entrance/ https://forum.sartras.or.jp/info/005/
None