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アジャイル/DevOps文化を組織に根付かせる方法

20dd6ed6aa3cf68c2eabe56360512808?s=47 Haruyuki Seki
February 14, 2022

 アジャイル/DevOps文化を組織に根付かせる方法

アジャイルやDevOpsの文化を、組織内に根付かせるには、どうすべきでしょうか。
プレゼンターの関は、シビックテックを行政に広げていく課程で、行政のアジャイルプロジェクトの推進も数多く行ってきました。
行政での経験を元に、組織内でアジャイルやDevOpsの文化を根付かせるためのハードルや対応策についてまとめた資料です。

2022年2月14日の、 GitHub Japan 主催/株式会社ゼンアーキテクツ 共催イベント「今DX推進者が学んでおきたい DevOps 文化を組織に根付かせる方法」でのプレゼンです。

20dd6ed6aa3cf68c2eabe56360512808?s=128

Haruyuki Seki

February 14, 2022
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Transcript

  1. アジャイル/DevOps文化を組織に根 付かせる方法
 一般社団法人コード・フォー・ジャパン
 関治之
 2022/02/14
 CC-BY-SA 4.0


  2. スクエアの写真を
 ここに入れる
 2 自己紹介
 関 治之(Hal)
 • 一般社団法人コード・フォー・ジャ パン 代表理事


    • 合同会社Georepublic Japan CEO 
 • 株式会社HackCamp 代表取締役社長/CEO 
 • デジタル庁 プロジェクトマネージャー 
 • 東京都、神戸市、浜松市、山口県、枚方市、 
 西粟倉村 等のアドバイザー
 

  3. ともに考え、ともにつくる。


  4. 公共モデルを「行政依存」から
 
 
 
 シビックテック アプローチ
 オープンにつながり、社会をアップデートする
 4 市民 行政

    「共創」へ
 行政と市民 (エンジニア、デザイナー、 民間企業、NPO、学生など) Conflicts
 Work together
 社会課題
  5. 5 世界26カ国で同様のコミュニティが活動


  6. 日本国内にも80を超える Code for XX が活動中
 6

  7. 各地で自らの地域を良くする活動を実施中
 7

  8. コロナ禍の情報連携課題
 8

  9. • リモートワークへの対応、押印見直し、給付問題、etc
 • アナログなやり取りの効率が極端に下がったため、急速なデジタル化が必要となっ た
 
 コロナ禍で、自治体のデジタル化が急務に
 9

  10. • COCOA、HER-SYS、自治体の予約システム、etc
 • 突貫で作らざるを得ない事態となり、不具合が多発
 
 相次ぐシステム不具合
 10 NHK News Web

    
 NHK News Web 
 カナロコ

  11. 国と自治体間のデータがつながっていなかった
 11 自治体から国へタイムリーに情報が伝 達できない
 デジタルIDが使えず、国から直接国民に 給付ができない
 個別に乱立するシステム 
 アナログな業務フローで、とどかないラ ストワンマイル


    届かない現場からの声 

  12. 組織を超えた全体最適化が重要
 12

  13. 総務省 自治体2040 より(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou8.pdf) 13

  14. 14 出典:デジタル田園都市国家構想実現会議(第1回)牧島大臣資料

  15. これまでの歩み
 15

  16. None
  17. None
  18. None
  19. 伽藍モデルの課題
 ・変化に弱い
 ・一つの組織にノウハウが留まる
 ・利用者側は手を出せない


  20. 行政の仕組みに
 バザールモデルを
 適用できないだろうか?
 


  21. None
  22. 災害×検索機能:
 民間支援情報ナビ
 緊急時対応として立ち上げられた 複数の民間や国の支援策を横断 的に検索できるサイト。データは 経産省が標準化、オープンデータ 化を推進。CfJでもデータ収集を 実施。
 災害×マップ:
 紙マップ


    2018年の広島豪雨で開始し、台 湾・韓国・日本の合同ハッカソン でのバージョンアップを経て、 2019年の千葉水害などにも活用 された災害支援地図。印刷で端 末がない状況にも対応。 
 
 地域の活動・市民の困りごとに対して、素早く手を動かすアプローチ
 22 シビックテックの事例
 教育×オープンデータ:
 おうちで時間割
 臨時休校期間にスマホから動画 コンテンツなどを組み合わせた学 習計画表を閲覧して勉強できる ツール。NHK for Schoolのデータ 提供もあり、実際に千葉など複数 の小学校で導入。
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000039198.html https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000039198.html https://hack4.jp/articles/sd/vol97/ 

  23. BADオープンデータ供養寺
 データ分析やサービス開発等にすぐ使用可能な形 式になっていないオープンデータを集める 
 データの作り方・使い方、慣習に対する啓発的なアプローチ
 23 シビックテックの事例(オープンデータなど)
 理由なきハンコ
 不要不急な押印を見直し、新しい働き方の事例をわ かりやすく伝える


    https://stamping.code4japan.org/ https://bad-data.rip/
  24. 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
 オープンソースにしたことで、約300人が開発に参加 (コントリビュート)した。約80地域の派生版が作ら れ、全国的なムーブメントになり、総務省との連携で データの標準化も推進。 
 加古川市 Decidim
 オープンソースの参加型民主主義プラットフォームと

    して日本初導入。地元高校生も含め200名が参加 し、約300のコメントによりスマートシティ構想の策定 に活用。
 
 市民と行政の連携が進み、災害時の垂直立ち上げに貢献するケースも
 24 シビックテックの事例(地域との取り組み)
 https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/ 
 https://kakogawa.diycities.jp/ 

  25. Code for Japan の GitHub 活用方法
 25 • オープンリポジトリ数76
 •

    GitHub Issues/Pull Request/Discussions で参加者とオープンにやりとり
 • GitHub Pages, GitHub Actions や Slack Integrations を積極活用

  26. 26 GitHub Pages 活用例
 https://mynumbercard.code4japan.org/ https://hackday.code4japan.org/ https://kamimap.com/

  27. 27 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト
 金賞

  28. 誰でも再利用可能な形で公開
 28 他の団体 他県の対策 サイト 東京都 Code for Japan 委託

    COVID-19 対策サイト 開発 外部の開発者 広く協力を依頼 開発協力 他の団体 カスタマイズ 他県の対策 サイト 公開 ・多くの開発者が参加してサイトを改善 ・他県にも展開
  29. 世界中から貢献があった
 3週間の間に 224 名が改善に協力 750 件の提案 671 件が取り入れられる 作成数 クローズ数

    Issue数 1,364 1,283 Pull Request 数 2,628 2,604 これまでの累計(Bot等を除いた数)
  30. 誰もが自由に開発に参加できるようにした

  31. 全都道府県に波及


  32. オープンソースへの投資は、社会的な知的資本の蓄積に繋がる
 https://note.com/hal_sk/n/nc9df8b8fd765 行政 事業者 税金 納品 公共財 公開 開発者等 活用

    他の事業者 他の自治体 市民 別のサービス 開発 32
  33. 行政とのアジャイル開発
 33 2014年 浪江町きずな再生支援事業 
 https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/case/689848.html 
 2019年 中小企業庁 制度ナビ

    PJ 
 https://ekkyo-journey.link/gov-agile/ 

  34. 行政xアジャイルで発見された課題
 34 プロダクトーマネージャー役の不在
 従うべき調達/開発プロセスの不在
 KPIやデータの不在


  35. プロダクトマネージャー役の不在
 35 • そもそも、「あるべき姿」が明確でない案件が多い
 • 中小企業庁「助成金を探しやすくしたい」
 ◦ 誰の課題?
 ◦ 主なユーザーは誰?

    
 ◦ 現在はどうしているの? 
 ◦ 理想形は?
 • 立ちはだかった問題
 ◦ そもそも助成金の要件の示し方が自治体や省庁ごとに違う 
 ◦ ベンダーに任されているのは開発部分で、運用と分離されている 
 ◦ そもそも企画部署が現場と離れている 
 ◦ 契約担当部署は、他部署の課題へは口を出しにくい 

  36. 対応例(COCOAの場合)
 36 • アジャイル開発に理解のある
 プロマネ役を省庁側にアサイン。長期で 現場担当者と認識を合わせていく
 • 内部でデザイナーや技術者を入れ、ある べき姿の解像度を高めてコミュニケーショ ンする


    https://github.com/cocoa-mhlw/cocoa
  37. 37 Why? を明確化する
 https://github.com/tokyo-metropolitan-gov/covid19/blob/development/CODE_OF_CONDUCT.md

  38. 従うべき調達/開発プロセスの不在
 38 • DevOps には程遠い調達/開発プロセス
 ◦ 仕様書作成→意見招請→参考見積→ 仕様書確定→公告→入札→事業者決定→ 開発→検収→リ リース


    ◦ システム調達の仕組みがそもそも反復開発になっていない 
 • 外部人材採用も始まっているが、既存職員が従うべきプロセスが不明確
 ◦ 結果、内部の技術系人材と開発事業者との連携がうまく行かない 
 ▪ 瑕疵担保責任の問題も発生 
 ◦ 開発プロセス管理に GitHub などが使えない 

  39. 対応例:東京都の場合
 39 • ユーザーテストのフェーズ設けて、早めに仮説 検証をする
 • GitHub 上で開発企業とやりとりする
 • 準委任契約や、請負と準委任の組み合わせな

    ど、契約方式を再検討
 • PMO組織を設け、標準的なプロセスを定義、ア ジャイル開発をサポート(進行中)
 • 内部のプロセス改善にちゃんと投資をする
 (GitHub、Chatツール、ドキュメント共有、タスク 管理ツール等)
 https://shintosei.metro.tokyo.lg.jp/post_utgl/
  40. KPIやデータの不在
 40 • KPIが明確でなく、何を目指せば良いかわかりにくい
 • データを元にした意思決定がされにくい
 ◦ 現場が紙の事務に追われていて、リアルタイムなデータが取れない 
 ◦

    データ形式がバラバラで、加工に大変な手間がかかる 
 ◦ 庁内で共通で使えるデータ分析基盤が無い 
 • ステークホルダーが多く、調整コストがとても高い
 ◦ データを元にしないと、書類づくりが大変 
 ◦ 意思決定が根回しと会議ベースになる 

  41. 対応例:まずはデータを取ろう
 41 • トップがコミット
 • 「測れないものは改善できない」文化の浸透
 • ダッシュボードの活用
 • ユーザーへの価値に関するものをKPIにする


    東京都 構造改革ダッシュボード https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/b asic-plan/kouzoukaikaku/
  42. • 政策立案に必要となるデータを迅速に収集 /分析する
 • データを元に課題や現状を分析し、ステーク ホルダーに届ける
 • データや分析結果をオープンに公開し、より 高度な官民共創を実現する
 政府内のデータ分析プロジェクト


    42 Gov Data Lab
 https://digital-gov.note.jp/n/nb8d99719f706
  43. 東京都 デジタル人材確保・育成基本方針
 43 https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/hr/pdf/001.pdf

  44. 44 人事制度から手をつける必要がある


  45. 信頼とイノベーション
 45

  46. 変化の激しい時代 自治体だけでは解決できないことが増えている 課題解決には市民や民間企業との共創が必要 イノベーションには失敗がつきもの=市民の信頼が必要 「信頼」がイノベーションを加速させる

  47. 海外でもシビックテックが活発に
 https://note.com/hal_sk/n/nd5d71fa9ff5d 台湾、韓国ではマスク在庫 APIを公開、多くの民間アプリが生まれた https://www.reallygoodux.io/blog/korean-mobile-apps-coronavirus-covid-19

  48. 信頼の構築には透明性が必要

  49. 台湾政府の3つのF(Fast, Fair, Fun) マスクがどこで手に入るかわかる API を迅速に公開し、様々な民間アプリ が生まれる デマを封じ込めるために、 ユーモアを交えた広報で情報 を拡散させた

    マスクの購入枚数を制限するととも に、不要なマスクを他の人に譲れる システムを構築した
  50. オープンガバナンスの時代 透明性 参加 協働 情報公開 政策形成プロセスの公開 意思決定根拠の公開 選挙以外の参加機会 納得感のある語りかけ 多様な世代の参加

    ともにつくる 多様な主体との協働 課題を公開し問いかける
  51. オープンコミュニティを通じて学びを深める
 51 アジャイルプロセスは、座学のみで学ぶことは難 しい。(プラクティスの集まり)
 チームの生産性をどのように上げるのか?
 どうしたら、良い振り返りを通じて継続的に組織の プロセスを改善していけるのか?
 仮説を持ち、実践を通じて学ぶことが大切
 オープンにつながることで、組織の既存の力学を 超えた改善が可能になる


    「アジャイル宣言」の著者の一人でもある、 Alistair Cockburn 氏へのインタビュー https://www.agile-studio.jp/post/the-heart-of-agile-interview
  52. 52

  53. 様々な参加機会があります!
 53 Code for Japan と企業のコラボレーション
 CfJ Slack: https://cfjslackin.herokuapp.com/ まちづくり


    NPO連携・CSV
 社会起業家支援・ESG投資 
 若手育成PG・学生支援