Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
カオナビにおける マイクロサービスの取組と今後の展開 / kaonavi rearchitecturing
Search
Ryo Tomidokoro
March 15, 2022
Technology
2
3k
カオナビにおける マイクロサービスの取組と今後の展開 / kaonavi rearchitecturing
カオナビにおける Re Architecturing の現状、今後の方向性について
Ryo Tomidokoro
March 15, 2022
Tweet
Share
More Decks by Ryo Tomidokoro
See All by Ryo Tomidokoro
集中して作業する技術/how_to_work_deeply
hanhan1978
55
34k
PHPでデータベースを作ってみた/create-data-with-php
hanhan1978
6
1.7k
ADRを一年運用してみた/adr_after_a_year
hanhan1978
8
3.1k
B+木入門:PHPで理解する データベースインデックスの仕組み/b-plus-tree-101
hanhan1978
5
4k
ADRを一年運用してみた/our_story_about_adr
hanhan1978
5
1.7k
PHPで学ぶ Session の基本と応用 / web-app-session-101-2024
hanhan1978
12
5.1k
レガシー回避のPHP開発術/avoid_php_legacy
hanhan1978
16
12k
Laravel Collectionの計算量を調べてみた2023/laravel_collection_time_complexity_2023
hanhan1978
1
1.1k
PHP で学ぶ Cache の距離の話 / study_cache_with_php
hanhan1978
7
2k
Other Decks in Technology
See All in Technology
AWS IAMのアンチパターン/AWSが考える最低権限実現へのアプローチ概略(JAWS-UG朝会#59資料改修20分版)
htan
0
330
シフトレフトで挑む セキュリティの生産性向上
sekido
PRO
0
270
テストケースの自動生成に生成AIの導入を試みた話と生成AIによる今後の期待
shift_evolve
0
180
初中級者用如何使用backlog -VALE TUDOEDITION-
in0u
0
140
スタートアップにおける組織設計とスクラムの長期戦略 / Scrum Fest Kanazawa 2024
yoshikiiida
13
3.6k
[2024最新版]AWS Control Towerを使ったセキュアなマルチアカウント環境の作り方
hiashisan
0
270
Datadog Cloud SIEMを使ってAWS環境の脅威を可視化した話/lifeistech-datadog-cloud-siem
gidajun
0
480
Amazon FSx for NetApp ONTAPのパフォーマンスチューニング要素をまとめてみた #cm_odyssey #devio2024
non97
0
220
GoとアクターモデルでES+CQRSを実践! / proto_actor_es_cqrs
ytake
1
150
Docker互換のセキュアなコンテナ実行環境「Podman」超入門
devops_vtj
6
3.2k
Github Actions 로 Android 팀의 효율성 극대화
hadonghyun
0
160
ペパボのオブザーバビリティ研修2024 説明資料
kesompochy
0
1.1k
Featured
See All Featured
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
26
1.8k
The Mythical Team-Month
searls
217
43k
Happy Clients
brianwarren
94
6.5k
The Art of Programming - Codeland 2020
erikaheidi
48
13k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
46
7k
Gamification - CAS2011
davidbonilla
78
4.9k
Easily Structure & Communicate Ideas using Wireframe
afnizarnur
189
16k
Web Components: a chance to create the future
zenorocha
307
41k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
201
24k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
75
5.9k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1026
450k
Done Done
chrislema
179
15k
Transcript
@hanhan1978 カオナビにおける マイクロサービスの取組と今後の展開 SaaS.tech #1 LT
@hanhan1978 カオナビにおける マイクロサービスの取組と今後の展開 SaaS.tech #1 LT
@hanhan1978 カオナビにおける リーアキテクチャリングの取組と今後の展開 SaaS.tech #1 LT
弊社におけるモノリシックサービス改善の取組や経緯です。 少しでも参考になると幸いです。 4 本日のお話
5
現状のソフトウェアアーキテクチャー 6
- PHP (Laravel) - AWS (EC2) - モノリシック いわゆる LAMP
スタック 2012年4月の事業開始から、2回ほどのリアーキテクチャリング 7 https://dev.classmethod.jp/articles/ec2-lamp-al2-userdata/ ※Amazon Linux2 のLAMP環境、PHP7.2と MariaDB10.2.10をUserDataで初期設置してみた
現状の問題点 3つ 8
1. ソースコードの問題点 9
- 機能追加による暗黙知の増大 - ファイル数・ディレクトリ数の増加 - Package by Layer の限界 -
機能ごとに微妙にアーキテクチャーが異なる 10
結果として、Dev/Ops 共に認知負荷が増大 → 一人あたりのコミット数は低下傾向 11
2. インフラの問題点 12
- EC2 (これ自体は問題じゃない) - 開発環境はコンテナ - ECS 等に乗り換えられないと旨味が少ない 13
CodePipeline 利用や、 Blue/Green デプロイなど 改善は進んでいる ソフトウェアエンジニア側がインフラレイヤーに もう少し踏み込める形が望ましい PHPのバージョンアップとか、PHPのバージョンアップとか 14
3. チーム開発の問題点 15
- 開発チーム (Dev) -> 機能開発後は解散 - Dev の開発物は Ops の範疇として積まれる
16
仲が悪いわけではない。 暗黙知の継承など、スムーズに行えているとは言い難い Ops は日に日につらくなる どこかで見たコンウェイの法則 17
ここまでのまとめ 18
- いわゆる事業会社あるある - ゆでガエル状態 19
状況は日に日に悪くなっている気配を感じる 問題の大きさが、各チームが保持するゆとりでは 解決できない大きさになっている Big Ball of Mud 化しつつある 20
21 このへんで、銀の弾丸が求められる
最近のイキのいい銀の弾丸 - マイクロサービス - モジュラーモノリス というあたりで私は入社しました。(2020年11月) 22
@hanhan1978 • 富所 亮 • 所属 ◦ 株式会社カオナビ • 肩書
◦ エキスパート (??) • 役割 ◦ マイクロサービス化担当 ◦ リアーキテクチャリング担当 23
24 弊社における取り組み
25 高度な情報戦 https://codezine.jp/article/detail/15176?p=2
バズワードは使ってますが、私達は正気です。 手段を目的にしない! 26
最近のマイクロサービスについての情報 27
- Mercari - Retty - 本イベント 皆様アウトプットしてくれてありがとう... 28
コアドメインを含めたマイクロサービス化は、相当の困難が ありそう 集約として切り離しやすそうな機能は事例がチラホラ BFFとかもよく聞く 29
マイクロサービス化の結果として縦割り組織ができないか? Customer Success の阻害要因にならないか? 慎重な組織設計も求められる 30
マイクロサービス化は、その後の運用 チーム体制、その他考慮することがたくさんある ログどうする?デバッグどうする?結果整合性?とりあえずツラい 31
最近のモジュラモノリスについての情報 32
33 原点確認 http://www.codingthearchitecture.com/presentations/sa2015-modular-monoliths
34 http://www.codingthearchitecture.com/presentations/sa2015-modular-monoliths 分散デカ泥団子
モノリスを適切なモジュラー分割できないのは マイクロサービス以前 モジュラーモノリスの実例は、少しずつ出てきている 最近は弊社と同じ境遇の会社がモジューラモノリスに舵を切っている雰囲気を感じ ている 35
36 神発表の予感 https://fortee.jp/phperkaigi-2022/proposal/95bc3631-7683-4201-9f82-d7e7feeb7bab PHPerKaigi 2022, 4/9〜11 チケット発売中
Reアーキが現在考えていること 37
モノリスの複雑化の増大に対して どうやって軽減、改善していくかという構想・妄想 38
39 基本の考え方
40 モノリスを水平・垂直で考える
41 水平の例
- 認証 - 通知 - メール送信 - バッチ フレームワークにおいて、ミドルウェアで切り出されるような機能群 コアドメインから疎結合にしやすい
AWSのマネージドサービス利用、マイクロサービスとしての分割が現実的 42
43 垂直の例
- カオナビの各機能単位のソースコード群 - 各機能から使われる共通モジュール - フレームワーク 機能単位では Package By Feature
で名前空間・ディレクトリで分割 Composer Package として責務分離することで、全体の認知負荷を軽減 44
45 大切にしていること
- 既存の価値提供が毀損されないこと - セキュリティ的に脆弱な構成にならないこと - ビッグリライトを避けること できれば、後戻りができる算段をした上で段階的にやりたい 46
47 アーキテクトが価値を提供する相手
- 顧客・一般ユーザー - 開発者 顧客はもちろん、開発者の開発体験にも寄与したい。 秩序を保ちつつ、チャレンジの余地を残すアーキテクチャーの模索 48
49 実際に取り組んでいること
- プロトタイピングによる実験 - Composer Package を使ったモジュールの分割 - AST に影響を与えにくいリファクタリング -
コメント追加 - メソッド移動、名称変更 - 未使用クラス・メソッドの削除 50
- 考古学調査 - Unknown unknown の掘り出しと文書化 - 曖昧な仕様の調査と文書化 - 複雑な仕様の調査と文書化
- とにかく調べて調べて調べて調べて...... 51
問題から目をそらさない! 52 地味でも、大切な改善を繰り返す。栄光のゴールはその先に見えてくる!
53 https://kaonavi.connpass.com/event/240653/ 来週木曜開催!!
54 私と一緒に考古学調査しませんか? https://corp.kaonavi.jp/recruit/list
55 ご清聴ありがとうございました。