Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

国際連合における測量・地図に関する活動と日本の役割について

 国際連合における測量・地図に関する活動と日本の役割について

2020-01-09T15:30/17:00
測量技術懇話会@測量年金会館中会議室

Hidenori FUJIMURA

January 09, 2020
Tweet

More Decks by Hidenori FUJIMURA

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 国際連合における測量・ 地図に関する活動と 日本の役割について 国⼟地理院企画部 地理空間情報政策調整官 元・国連地理空間情報課 上級地理空間専⾨官 国連ベクトルタイルツールキット 主任 UN-GGIM

    防災作業部会 演習主任 UN-GGIM-AP 統計統合作業部会 副議⻑ 藤村 英範(ふじむら ひでのり) 2020-01-09T15:30/17:00 測量技術懇話会@測量年⾦会館中会議室 国連憲章前⽂
  2. ⾃⼰紹介 藤村英範(ふじむら ひでのり) 1 情報⼯学採⽤ ロボットビジョン・超並列処理 2 地球地図プロジェクト 1:100万デジタル地図技術移転 3

    情報普及課 電⼦国⼟ウェブシステム運⽤ 地形図⽴体視 4 ハノーファー⼤学写真測量・地理情報研 だいちで道路中⼼線の⾃動検証 5 測図技術開発室 地理識別⼦、基盤地図情報街区 住居表⽰住所 6 国⼟交通省海外プロジェクト推進課 下⽔道・地図の海外プロジェクト 7 情報普及課⻑ 地理院地図・地理院タイル 8 国際課⻑ 電⼦基準点網技術の海外展開 地球地図プロジェクト完了 9 国連地理空間情報課 ウェブ地図技術の移転 国連ベクトルタイルツールキット 10 地理空間情報政策調整官 技術の政策調整(2019-08〜) 11 ISO/TC 211 に継続的に関与 ICTと地図の関わりを⻑く考える 2
  3. 4

  4. 8

  5. 10

  6. 11

  7. Operation(運⽤) • 国連事務局 運⽤⽀援局 / 情報通信技術局 地理空間情報課 → 安全保障理事会、国連平和維持活動 ①

    地図については地理空間情報当局の経験が⽣きるところが多い。 ② 測量については個別の⽂脈に特化したコンサルタントがいるようだ。 12
  8. Forum(意⾒交換の場) • 国連事務局 経済社会局 統計部 → 経済社会理事会(地球規模の地理空間情報管理、地名標準化) 地球規模の地理空間情報管理は測量・地図の両⽅を広くカバー。 ⽇本が最近寄与しているコンポーネントは、 ①

    アジア太平洋地域委員会(UN-GGIM-AP) ② 防災作業部会(UN-GGIM WG-Disasters) ③ 地球規模の測地基準座標系(GGRF) ④ 国連ベクトルタイルツールキット(UNVT) 13
  9. ⽇本の特徴 • アジアや欧州等と類似の高めの人口密度(〜⼟地利⽤形態) • ドイツのような連邦国家と⽐べると中央に集まった技術行政 • 測量法に技術事項が明確に記載されている • 特に測量法第27条「2 国⼟交通⼤⾂は、…地図…を刊⾏し…なければな

    らない。」により地図刊行が大臣の権限と明⽰しているのは特徴的と思料。 想定される基本戦略 ① 運用技術の強さを国連の運用の⽀援に⽣かす。 ② 運用技術の強さを意見交換の場にも打ち出していく。 20
  10. 23

  11. デスクトップ GIS と⽐較してのウェブ地図 メディア デスクトップ ウェブ地図 ターゲットユーザ 専⾨家 ⼈々 データ形式

    ZIPした Shapefile タイル 主な利⽤モード 地理解析 ⾒る・読む デスクトップGIS 専⾨家 ウェブ地図 ⼈々 25
  12. 国連ベクトルタイルツールキット創設までの流れ 2003 国⼟地理院,ベクトルタイル技術を使ってウェブ地図を開始する. →誇るべきことであると同時に,地図づくりを知る者として当然の決断とも⾔える. 2012 国⼟地理院,オープンソースソフトウェアをウェブ地図の運⽤のため採⽤する. 当時のオープンソースソフトウェアは画像タイル技術に基づくものであった. →技術的な妥協と引き換えに,システムの透明性やアカウンタビリティを強化. 2014 オープンソースライセンスに基づくベクトルタイル技術が提供される.

    国土地理院ベクトルタイル提供実験が開始される. →技術動向を捉えて,技術的に正しい⽅向性を改めて回復する. 2015 国連オープンGISイニシアティブが設⽴される. →国連活動の効率化のためのオープンソースGISの導⼊を追求が開始される. 2017 ⽇本政府,上級地理空間専門官を国連地理空間情報課に派遣する →技術による国連活動への⼈的貢献を実現.地球地図プロジェクトの伝統に基づく 実装志向と技術移転重視の技術が,国連事務局から要請された. 2018 国連オープンGISイニシアティブが国連ベクトルタイルツールキットを創設する →国連内部⽤のウェブ地図を,連続⾃動更新されるベクトルタイルに転換する.そ のための技術を持続可能にし,多様なウェブ地図を持続可能にするために,その 技術をオープンソースソフトウェアプロジェクトとして⾃⽴させる. 2019 国連ベクトルタイルツールキットを⽤いた地理院地図 Vector が試験公開される. →⾃らの責務を果たす中で国連とともに歩む姿勢を明確にする. 30
  13. unvt/v6 based on arm32v6/alpine General Compile Tools Interpret Tools Geospatial

    Tools Support bash curl git htop nano openssh python ruby ruby-rake tmux vim zip zlib-dev autoconf automake g++ libtool linux-headers make sqlite sqlite-dev nodejs npm yarn browserify budo hjson pm2 rollup @pushcorn/hocon-parser tippecanoe @mapbox/mapbox-gl- style-spec -> gl- style-validate maputnik/editor vt-optimizer PROJ gdal asciinema 40
  14. The UNVT Team UNGIS GeoThings 国土地理院 国立天文台 農業環境変動研究センター Mapbox マップル・オン

    OSGeo 日本支部 国連地理空間情報課 国連グローバルサービスセンター 42 領域横断 セクター横断 今後、 さらなる参加 を誘致する。
  15. 43

  16. The UNVT Team UNGIS GeoThings 国土地理院 国立天文台 農業環境変動研究センター Mapbox マップル・オン

    OSGeo 日本支部 国連地理空間情報課 国連グローバルサービスセンター 50
  17. UNVT: Recent progress Raising awareness of the UN Open GIS

    through the UNVT. Exercise with multiple P3s. Land information app from the UNVT community. # date UNVT presentations in: 1 2019-10-13 FOSS4G 2019 Kobe (Kobe, Japan) 2 2019-11-03 UN-GGIM-AP WG-3 workshop (Canberra, Australia) 3 2019-11-05 UN-GGIM-AP Plenary (Canberra, Australia) 4 2019-11-15 ESCAP workshop on land information management (Tashkent, Uzbekistan) 5 2019-11-22 Mapping Technology Association Symposium (Tokyo) 6 2019-11-28 GSI Maps Partner Network Conference (Tokyo) 7 2019-11-30 Geospatial Expo 2019 (Tokyo) 8 2019-12-03 JICA training course exercise (Tsukuba, Japan) 9 2019-12-10 ISO/TC 211 19160-2 workshop (Omiya, Japan) Raise awareness of our “Contribution by Tangible Running Code” through the United Nations regional cooperation channels, software development community channels, and local channels. 54
  18. ࠃ࿈((*.の⽬的と機能 (E/2011/L.53) B ڠྗڧԽについての調整と対話 C ૬ޓӡ༻のための共通原則、共通の⽅法、共通のメカニズム c. 国のೳྗڧԽについて、また、興味を持った国が地理空間情報 と背景技術を開発することについて、効果的なઓུを⽴案 d.

    国の活動について柔軟性は残しつつ、ϕετϓϥΫςΟεを編 纂・普及 e. 関係分野の既存のフォーラムや機構に⽴脚しなければならない。 ࠃ࿈((*.ͱ͸ɺڠྗڧԽɾ૬ޓӡ༻ɾೳྗڧԽͰ͋Δɻ 運用技術がこの意見交換の場に貢献できる余地は大いにある。 58
  19. 仙台防災枠組×UNVT グローバルターゲット(g)「2030年までに,…災害リスク 情報…の入手可能性とアクセスを⼤幅に向上させる」の達 成に貢献。具体的には,「優先⾏動1:災害リスクの理 解」のうち,次の優先⾏動に貢献しうる。 24. (c) リスクマップを含む位置情報ごとの災害リスク情 報を,(作成し,定期的に更新し,そして)政策決定者, 一般市民,災害リスクに直面している地域コミュニティに対し,

    利⽤できる場合には,地理空間情報技術を使⽤して,適 切な形式で,適宜,普及する. 24. (m) 特定の対象者とそのニーズを考慮しつつ,… コミュニティの動員により,災害リスク情報及び知識を 含む,災害リスクの削減に関する公教育と国⺠意識を強 化するための国家戦略を促進する. 24. (o) 地域密着型の組織や NGO の関与を通じて,災 害リスク情報を広めるために地域レベルで人々の協力関係 を強化する. 60
  20. 統計地理空間地球規模枠組×UNVT 原則4「統計と地理空間の相互運⽤性」によれば, 相互運⽤性の恩恵を実現するために重要な意味を 持つのは,規格への明確な合意とその規格の実装 への深い関与である。 UNVTは,原則4に掲げられた下位⽬標のうち,と りわけ次の⽬標に寄与する 1. アクセスと使⽤を⼤幅に効率化し,時間を経て も採択と進化が可能な(例えばAPIを通じた)アク

    セスメカニズムを実装すること. 2. データとツールを再利⽤できるよう,取り組み の重複を避けて,共通の解決策を開発すること. 3. 可能な限りデータとツールが自由で開かれたもので あることを確保し,技術その他の相互運用性の問 題によって情報が失われることなく,ユーザがす べての情報にアクセスできるようにする 65
  21. 66

  22. SDGs×UNVT ⽬標9「レジリエントなインフラを整備し,包摂的で持続可能な 産業化を推進するとともに,イノベーションの拡大を図る」 9.a …途上国への…技術の支援強化を通じて,…持続可能かつ強靭 (レジリエント)なインフラ開発… 9.b …開発途上国の国内における技術開発,研究及びイノベーションを⽀ 援… ⽬標17「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し,グロー

    バル・パートナーシップを活性化する」 17.6 科学技術イノベーション(STI)…に関する…協⼒…を向上さ せる.また,…相互に合意した条件において知識共有を進める. 17.9 …効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援 を強化する. 17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした, 効果的な公的,官民,市民社会のパートナーシップを奨励・推進する. 17.18 2020年までに,後発開発途上国及び⼩島嶼開発途上国を含む 開発途上国に対する能力構築支援を強化し,所得,性別,年齢,⼈ 種,⺠族,居住資格,障害,地理的位置及びその他各国事情に関連 する特性別の質が高く,タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入 手可能性を向上させる. 「⽇本の得意」 「⽇本の苦⼿」
  23. 国際連合における測量・ 地図に関する活動と 日本の役割について 国⼟地理院企画部 地理空間情報政策調整官 元・国連地理空間情報課 上級地理空間専⾨官 国連ベクトルタイルツールキット 主任 UN-GGIM

    防災作業部会 演習主任 UN-GGIM-AP 統計統合作業部会 副議⻑ 藤村 英範(ふじむら ひでのり) 2020-01-09T15:30/17:00 測量技術懇話会@測量年⾦会館中会議室 国連憲章前⽂