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今月の電気代の見込みを予測する

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 今月の電気代の見込みを予測する

スマートメーターの活用法に関する考察

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Hiroomi Nishikawa

November 14, 2021

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Transcript

  1. 今 ⽉ の 電 気 代 の ⾒ 込 み

    を 予 測 し て お 知 ら せ す る ス マ ー ト メ ー タ ー の 活 ⽤ 法 に 関 す る 考 察 2 0 2 1 年 1 1 ⽉ ⻄ 川 博 ⾂
  2. 2 ゴ ー ル ビジネス課題 - ユーティリティ会社においてスマートメーターの導⼊を検討しているが、 データの活⽤⽅法を特定できていない。 プロジェクトのゴール -

    他都市における類似データを分析し、⾃社でも適⽤できそうなデータ活⽤の 参考例を⽰す。 アウトプット - 顧客の電⼒使⽤量の傾向ごとにマーケ ティングのアプローチの仮説を⽴てる。 クラスタリング 予測モデル - 顧客に対し、今⽉の電気代の⾒込み を⽉の半ば頃にお知らせするための予 測モデルを構築し、⼼地よくエネルギー を使ってもらう。 - 翌⽉まで料⾦が分からず、後から⾼い 料⾦を請求されることへの不安から、エ ネルギーの使⽤を控える傾向にある 現状の課題 - 単⼀の料⾦タリフ、全顧客を対象とし たキャンペーンのみで、顧客に刺さって いない 分析の狙い
  3. 3 使 ⽤ デ ー タ - ロンドンの家庭(5,567軒)からスマートメーターが収集した電⼒使⽤量データ、および、使⽤量に影響を与えていると考えられるデータを使⽤。 - 使⽤量のデータ数は、⽇別データで419,516件。

    データ ソース データ期間 粒度 列(抜粋) 例 ロンドンの家庭の 電⼒使⽤量データ London Datastore (UK Power Networks) からcsvで DL 23 Nov. 2011 to 28 Feb. 2014 Half Hour/Daily LCLid (Customer ID) MAC000002 Time Stamp 00:00/30:00 Energy (kWh/hh) 0.143 ロンドンの家庭の 属性データ Per Customer ID LCLid (Customer ID) MAC000002 Tariff Time of Use Income Group Affluent Block Block_0 ロンドンの気象 データ Dark Sky (kaggle) Hourly/ Daily Time 2011-11-11 00:00:00 Temperature 9.76 Apparent Temperature 8.24 icon partly-could-day, fog… 英国の銀⾏ 休商⽇ kaggle 1 Feb. 2012 to 26 Dec. 2014 Date Christmas Day 2012-12-26
  4. 4 分 析 の 流 れ データを 理解して 処理する クラスタリング

    によって 顧客を知る 電気代の ⾒込みを 予測する - 分析対象とする期間の選定 - 分析対象とする顧客の選定 データの前処理 データの理解 特徴量の作成 クラスタリングの実装 クラスターの可視化 打ち⼿の考察 予測モデルの構築 モデルの最適化 予測モデルの考察 - データに対する仮説 (電⼒使⽤量に影響を与える要素は何か︖) - 仮説検証のための可視化 - K-Means法 - エルボー法、シルエットスコア - LightGBMなど、主に回帰⽊モデル - RMSE、MAE、決定係数(R^2) - クラスター x マッピング
  5. 6 デ ー タ の 前 処 理 : 分

    析 対 象 期 間 - 顧客のクラスタリングのために軒数が多い期間を抽出したい - 直近1年間を採⽤ 対象期間︓直近1年
  6. 7 デ ー タ の 前 処 理 : 分

    析 対 象 顧 客 - 年間使⽤量が著しく多い顧客が含まれている - 顧客の使⽤量を上げることがビジネスゴールだが、すでに使⽤量が多い顧客は分析したい対象と傾向が異なると考えられる(外れ値になりやすい) - 年間使⽤量が6,000kWh以下の顧客(4,707件、総顧客数の約9割)を分析対象とする 分析対象顧客 対象外
  7. 8 デ ー タ の 理 解 : 季 節

    ・ 曜 ⽇ - ⽇照時間が少なく、暖房需要のある冬場の使⽤量が多いのではないか︖ Ø 電⼒使⽤量は冬場に増加し、2⽉がピーク - 在宅時間が多い週末の使⽤量が多いのではないか︖ Ø 週の中では⽊曜・⾦曜の電⼒使⽤量が多く、週末を上回る ライフスタイルの傾向が掴めそう ⽉別の使⽤量 曜⽇別の使⽤量
  8. 9 デ ー タ の 理 解 : 時 間

    x 曜 ⽇ - 週末と平⽇では電⼒の使⽤時間帯に差が現れるのではないか︖ Ø 週末は早朝の使⽤量が少ないが、⽇中を通して使⽤量がある Ø 平⽇は⽇中の使⽤量が少なく、使⽤量のほとんどが夜の時間帯 Ø 夜の時間帯の使⽤は⽉曜から⽔曜にかけて多く、⽊曜から⼟曜は減り、⽇曜に多くなる
  9. 10 デ ー タ の 理 解 : 地 区

    - 地区ごとの平均年間電⼒使⽤量は最⼤で2.6倍の開きがある - 地区ごとに刺さる打ち⼿は異なる︖ 顧客の所在地は112の地区に分かれている。 地区あたりの顧客数は最⼤48軒から最⼩8軒。 地区ごとの平均年間電⼒使⽤量は 最⼤4,266kWhから最⼩1,917kWh。
  10. 11 デ ー タ の 理 解 : 社 会

    経 済 グ ル ー プ - グループごとの平均年間電⼒使⽤量の差は最⼤で1.13倍で、ほぼ同じと⾔える - 分析対象外とした電⼒使⽤量の多い顧客をみると、有意な違いが得られるかもしれない 合計年間電⼒使⽤量では、 グループごとの⼤きな差はみられない。 グループごとの顧客数は、1,011〜1,367軒。 グループごとの平均年間電⼒使⽤量は 最⼤3,063kWhから最⼩2,701kWh。 ARCON-UはUnknown
  11. 13 ク ラ ス タ リ ン グ - ⽉別、曜⽇別、時間別それぞれの電⼒使⽤量について、K-means法でクラスタリングを実施

    - クラスター数はエルボー法とシルエットスコア、説明性のバランスをみながら設定 ⽉別使⽤量︓4クラスターで分析 曜⽇別使⽤量︓6クラスターで分析 時間別使⽤量︓3クラスターで分析 シルエットスコア︓0.24 シルエットスコア︓0.32 シルエットスコア︓0.17
  12. 14 ⽉ 別 使 ⽤ 量 で の ク ラ

    ス タ リ ン グ 暖房に電気を使っているユーザー 暖房に電気を使っているユーザー (3⽉に特徴あり) 夏場・冬場の使⽤量が多い 3⽉をピークに春先の使⽤量が多い 冬場の使⽤量が多い 冬場の使⽤量が多いが、特に3⽉に多くなる 冷房・暖房に電気を使っている ユーザー [春先に使⽤が多いユーザー (3⽉に特徴あり)] ※クラスター毎のラベルは消費量の傾向をベースとした仮説 0 1 2 3
  13. 15 ⽉ 別 使 ⽤ 量 で の ク ラ

    ス タ リ ン グ - 正規化された波形ではクラスターの規模感(顧客数・平均使⽤量)が分からないので、⺟集団を確認する - ピークが顕著なクラスター0は規模感に⽋け、ベタッと使⽤しているクラスターの⽅がビジネスインパクトを出せそう クラスターごとの消費量は⼤きく異なる クラスターに属する顧客数も⼤きく異なる クラスターごとの平均年間電⼒使⽤量をみても、 ⺟集団が⼤きいクラスターの⽅が使⽤量が多い Train Data
  14. 16 ⽉ 別 使 ⽤ 量 で の ク ラ

    ス タ リ ン グ - クラスタリングの正規化された波形 x 各クラスターの⺟数や使⽤量を掛け合わせてマッピングすることで、打ち⼿と優先順位がみえてくる 顧客数が多い 顧客数が少ない 平均使⽤量が多い 平均使⽤量が少ない 0.暖房に電気を使っ ているユーザー 3.春先に使⽤が多い ユーザー 1.暖房に電気を使っ ているユーザー 2.冷房・暖房に電気 を使っているユーザー ボリュームディスカウント で消費量を増やす サービスフィーのようなものを狙う︖ そもそも在宅が少ない︖ エアコンのようなクイックな暖房が好まれる︖ 顧客数が少ないのに⼿間をかける︖ 在宅が多く電⼒を恒常的 に使⽤しているから、季節 間の差が現れづらい︖
  15. 17 曜 ⽇ 別 消 費 量 で の ク

    ラ ス タ リ ン グ 週の後半は家で過ごし、 週末は外出が多いユーザー 平⽇は不在が多く、 週末は家で過ごすユーザー 平⽇は在宅が多く、 週末は外出が多いユーザー ⼟曜の消費量が少なく、⽇曜が多い ⼟曜から消費量が増え、⽇曜がピーク 平⽇の後半から⼟⽇にかけて消費量が多い ⾦曜に向かって平⽇の消費量が増え、⼟⽇が少ない 平⽇の消費量は少なく、⼟⽇が多い 平⽇の消費量が多く、⼟⽇が少ない ⼟曜は外出が多く、 ⽇曜は在宅が多いユーザー ⽇曜に在宅が多いユーザー 週の前半は外出が多く、 後半は家で過ごすユーザー ※クラスター毎のラベルは消費量の傾向をベースとした仮説 0 1 2 3 4 5
  16. 19 予 測 モ デ ル の 構 築 :

    モ デ ル の 選 定 - 線形回帰・回帰⽊モデルでは精度が上がらない - ランダムフォレスト、H2Oは計算に時間がかかり過ぎる(リアルタイム性は必要ないが) - 精度と速度の観点から、LightGBMを採⽤ 線形回帰 回帰⽊ ランダムフォレスト RMSE 4.319 MAE 2.975 決定係数(R^2) 0.315 RMSE 4.033 MAE 2.475 決定係数(R^2) 0.403 グリッドサーチで最適なハイパーパラメーターを 探索した結果︓ • 決定⽊の数︓100 • ⽊の深さ︓100 推論に59分かかる。。。 LightGBM RMSE 4.024 MAE 2.623 決定係数(R^2) 0.405 RMSE 3.873 MAE 2.356 決定係数(R^2) 0.449
  17. 20 B a s e M o d e l

    : 考 察 - 電⼒使⽤量の正解値と予測値に電⼒タリフ(14.228ペンス/kWh、約2円/ペンス)を乗じて、電⼒料⾦の正解値と予測値を算出 - 1⽇あたりの平均電⼒使⽤量は143ペンス(約286円) - 予測⽇ごとに電⼒料⾦の誤差(正解値ー予測値)をみると、約5割が20ペンス未満、8割が50ペンス未満、9割が100ペンス未満に収まる - 1⽉の平均電⼒使⽤量が4,400ペンス(約8,800円)に対して、 顧客の約5割に対しては280ペンス(560円)未満の誤差で電気代の⾒込みをお知らせできそう
  18. 21 B a s e M o d e l

    : 考 察 - 今後のステップとしては、誤差の約9割が100ペンス以内に収まっているものを、より⼩さい誤差に収めてサービスの精度を⾼めていく - あるいは、誤差が⼩さく収まるようにクラスター毎に予測モデルを細分化していく - また、極端なはずれ値や、正解を⼤きく外してしまっているケースについて、前処理が可能なものか検討する はずれ値が多すぎて分からない はずれ値を除いても、正解を極端にはずしてしまっているケースが あることがわかる
  19. 22 B a s e M o d e l

    : F e a t u r e I m p o r t a n c e - 期近の電⼒使⽤量の実績に重み付けされている - 気象データの特徴量は、最⾼気温が4番⽬に 位置づけられているが、それ以外は上位にランクインしてこない
  20. l お天気マーク l 最⾼気温 l 最⾼気温を記録した時間 l 最低気温 l ⾵速

    23 気 象 デ ー タ を 除 い て 学 習 さ せ る と … - 精度評価指標はそれなりに悪化 - 実際の予測時に予測データ(天気予報)を掛け合わせたとしても、使⽤しないよりは精度を⾼められると考えられる RMSE 0.449 MAE 決定係数 (R^2) 2.356 3.873 0.243 2.975 4.541 気象に関する以下の特徴量を取り除き、その他はBase Modelの 特徴量やパラメータを使⽤して学習 結果は、すべての精度評価指標が悪化 Base Model 気象データなし 真値 vs 予測値
  21. 24 分 析 期 間 を 延 ば し て

    学 習 さ せ る と … - 予測精度は⼩幅に改善 - 1年分のデータを蓄積できれば、その予測精度でサービスを開始してもよさそう RMSE 0.423 MAE 決定係数 (R^2) 3.168 5.219 0.386 3.017 4.947 分析期間の違いによる予測精度の変化を相対的に⾒るために、 直近2年間のデータがある顧客(n=414)に限定して分析 サンプル数が少ないため、精度の絶対値は下がっているが、 期間を延ばすことによる予測精度指標の⼩幅な改善がみられた 直近1年モデル 直近2年モデル 対象期間︓直近2年 対象期間︓直近1年 Base Model n=4,707 n=414 真値 vs 予測値
  22. 25 ス マ ー ト メ ー タ ー の

    活 ⽤ 法 に 関 す る 考 察 - スマートメーターのデータ(⽇別・時間別データ)によって、顧客を知る(顧客のライフスタイルを浮かび上がらせる)ことができる - クラスタリングによる波形データとマッピングを掛け合わせることで、ビジネスインパクトにつながる打ち⼿の⽴案に - ただし、夫々の打ち⼿が収益に結びつくかは検証が必要 ⽉次使⽤量 ⽇別使⽤量 30分使⽤量 ⽉次×30分 ⽉次x30分 x機器情報 暖房の使⽤ 曜⽇ごとのライフス タイル 在宅頻度を含めた 1⽇のライフスタイル 暖房を使⽤してい る顧客の具体的な 使⽤パターン 暖房を使⽤してい ないが、暖房機器 は持っている顧客 使⽤データ ⾒えるもの いまできること スマメ導⼊によって得られるデータ 現状︓単⼀の料⾦タリフ、全顧客を対象としたキャンペーン 導⼊後︓顧客に合わせた料⾦プランやキャンペーン、サービスの⽴案が可能になる スマートメーターの 導⼊によって