Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
「多様性の科学」が言いたいこと
Search
hiroshi ueda
June 02, 2025
Business
2
87
「多様性の科学」が言いたいこと
マシュー・サイド著『多様性の科学』を読んで、自分なりに重要な点を抜粋したものです。
https://d21.co.jp/book/detail/978-4-7993-2752-4
hiroshi ueda
June 02, 2025
Tweet
Share
More Decks by hiroshi ueda
See All by hiroshi ueda
生成AI時代 文字コードを学ぶ意義を見出せるか?
hrsued
1
1.2k
「休養学 あなたを疲れから救う」を読んで得た学びを共有したい
hrsued
0
89
直線思考-フロー状態の罠
hrsued
0
91
Webアプリ開発未経験者が SIer脱出時にやるべき3つの準備
hrsued
0
590
Other Decks in Business
See All in Business
株式会社STYZ会社概要資料
culumu
1
470
FABRIC TOKYO会社紹介資料 / We are hiring(2025年10月07日更新)
yuichirom
36
350k
Mercari Group Code of Conduct
mercari_inc
0
260
minto 10万ダウンロードまでにやったこと・やらなかったこと / minto 100k DL
hirothings
4
1.5k
宣言やガイドを示したってよくならない!スクラムチームが回るようにするためにはきっかけが必要だ!
abe2014
0
160
at FOREST_recruit_pitch deck202510
atforest
0
300
パーソルイノベーション_会社案内
pinotalentbranding
1
34k
製造業界の人とアジャイルをやってみたよ
toshiaki0315
1
560
朝日新聞社 ITエンジニア キャリア採用 紹介資料
asahi_cto
0
860
採用ピッチ資料
mimirin
0
130
フルカイテン株式会社 採用資料
fullkaiten
0
76k
20251003-GENDA経営戦略チーム-Value-Upの全体像
geshi0820
0
2.1k
Featured
See All Featured
Navigating Team Friction
lara
190
15k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
34
2.3k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
21
1.2k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3.1k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
333
24k
[Rails World 2023 - Day 1 Closing Keynote] - The Magic of Rails
eileencodes
37
2.6k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
307
110k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
4k
Become a Pro
speakerdeck
PRO
29
5.6k
Leading Effective Engineering Teams in the AI Era
addyosmani
7
660
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
36
6.1k
Templates, Plugins, & Blocks: Oh My! Creating the theme that thinks of everything
marktimemedia
31
2.6k
Transcript
「多様性の科学」 が言いたいこと
2 Agenda 「多様性の科学」が言いいたいこと 多様性とは 多様性を阻むアンチパターン 多様性のエッセンス 集合知の形成 1. 2. 3.
4.
3 Agenda 「多様性の科学」が言いいたいこと 多様性とは 多様性を阻むアンチパターン 多様性のエッセンス 集合知の形成 1. 2. 3.
4.
多様性 ≠人口統計学的な分布(人種, 性別, 宗教, 出身など) 4 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
5 多様性 =認知的多様性 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
6 多様性 =認知的多様性 =色んな考え方をもつ人の集まり 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
7 多様性とは 「多様性の科学」が言いいたいこと 問題空間に賢い個人がいるときに、その人がその問題をカ バーする様子
8 多様性とは 「多様性の科学」が言いいたいこと 賢いが、似たような人が集まった場合、集団としては無知な集 団=クローン集団
9 多様性とは 「多様性の科学」が言いいたいこと 賢い集団とは、それぞれのカバー領域をかぶらせないように問 題空間全体を覆うこと
10 多様性とは 「多様性の科学」が言いいたいこと 単に多様な人を集めても問題空間とは別なら、それは結局無 知な集団
【完全版】なぜ組織は衰退していくのか? https://note.com/fuuuuuta21/n/n5bd165fa9e3c 11 参考)「多様性」というオブラートに包んだ上品な状態ではなく、 ただ「思考/思想がバラバラなだけ」
12 Agenda 「多様性の科学」が言いいたいこと 多様性とは 多様性を阻むアンチパターン 多様性のエッセンス 集合知の形成 1. 2. 3.
4.
13 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと • 専門性だけを追求して多様性が失われる パターン • 個人個人はどれだけ頭脳明晰でも、同じ 背景を持つ者ばかりで意思決定する集団 を形成すると盲目になりやすい。
クローン集団
• ものの見方が似た者同士は、まるで鏡に 映したように同調し合う(バンドワゴン効 果) • 盲点も共通しがちで、その傾向を互いに 強化してしまう(ミラーリング) • 重大な過ちを過剰な自信で見過ごし、そ のまま判断を下してしまう
14 バンドワゴン効果と ミラーリング 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
• 担当者の裁量・自由意志に委ねられると き、無意識のバイアスにかかってしまう • 人事評価や中途採用候補者の実力が 競っている場合に、自分と同じ傾向の人 を評価する 15 裁量の余白 多様性を阻むアンチパターン
「多様性の科学」が言いいたいこと
• 私が良いと思ったものは、みんなも良いと 思うはず • 結婚式を行うカップルが招待客に向けて 準備する贈り物と、招待客が欲しいと思う 贈り物には、ズレがあるという事象 • ものの見方や考え方の枠組みから飛び 出すのは、どれだけそうしたいと思ってい
ても驚くほど難しい。 16 ウェディングリスト ・パラドックス 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
17 • 集団の構成員がみな同じ判断をして、一 方向になだれ込んでいく現象 • 支配的なリーダーが場の流れを決めてし まう場合に起こりやすい 情報カスケード 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
18 支配型ヒエラルキー 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
19 • 不確かな状況に直面すると、支配的な リーダーを支持して、秩序を取り戻そうと する傾向 • 自分の不安を他人の主導力で「埋め合わ せ」すること 代償調整 多様性を阻むアンチパターン
「多様性の科学」が言いいたいこと
• フィルターバブルの中では、外部の声が 聞こえない • エコーチェンバーの中では、聞こえるが一 切信じない 20 フィルターバブルと エコーチェンバー現象 多様性を阻むアンチパターン
「多様性の科学」が言いいたいこと
21 Agenda 「多様性の科学」が言いいたいこと 多様性とは 多様性を阻むアンチパターン 多様性のエッセンス 集合知の形成 1. 2. 3.
4.
22 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと アウトサイダー・マインドセット 古い慣習や思い込みを、 新たな観点から見て疑問を挟むこと
23 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと 概念的距離 対象から(概念的に)距離をとって 新たな視点を生み出すこと cf. 直線思考 -フロー状態の罠
24 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと 前提逆転発想法 問題の核となる「前提条件」を逆転させて アイデアを生み出す方法
25 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと 数と多様性の逆説的効果 大人数よりも少人数の集団の中の方が、 多様性が生まれる
文化的進化により集団内でスキルが洗練され、 最適な学習能力を持つ者が生き残り、 遺伝的進化が生じ、さらなる進化を促進する。 26 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと 自己触媒
27 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと ブレインライティング 「誰のアイデアか」を 明らかにしないで議論する
28 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと 尊敬型ヒエラルキー 力を誇示するのではなく、 知恵を示すリーダーを置く
29 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと アイディアの交配 それまで関連のなかったアイデア同士を掛け合わ せて、問題空間を広くカバーする手段
組織内から広く集めた有能な若手の人材が、 上層部の意思決定に関し定期的に意見を述べる。 上層部にとっては、多様な意見に触れて視野を 広げる「テコ入れ」の機会にする。 30 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと 陰の理事会
31 多様性のエッセンス 「多様性の科学」が言いいたいこと 与える姿勢 交流が途切れている第三者(プロジェクトメンバー ではない人)から意見をもらう
32 Agenda 「多様性の科学」が言いいたいこと 多様性とは 多様性を阻むアンチパターン 多様性のエッセンス 集合知の形成 1. 2. 3.
4.
33 多様性 =認知的多様性 =色んな考え方をもつ人の集まり 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
34 多様性 =認知的多様性 =色んな考え方をもつ人の集まり =集合知が形成されている状態 多様性を阻むアンチパターン 「多様性の科学」が言いいたいこと
35 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成 チームで難問に挑む際にまずやるべきことは、 問題そのものをさらに精査することでは ない。
36 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成 むしろ大事なのは、一歩下がってこう考えることだ。
我々がカバーできていないのはどの分野か? 37 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成
無意識のうちに「目隠し」をして 盲点を作ってしまっていないか? 38 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成
あるいは画一的な人間ばかりで 問題空間の片隅に固まっていないか? 39 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成
40 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成 難問に挑む前に認知的多様性を実現することが 欠かせない。 それで初めてミラーリングを避け、 高い集合知を得ることができる。
対処する問題と密接に関連し、かつ相乗効果を 生み出す視点を持った人々を見つけることがカギ になる。 41 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成
少数派の意見は重要だ。 集団の視野を広げて発想を刺激する。 42 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成
たとえ意見そのものが間違っていても、 新たなアイデアを生むきっかけになり、 結果的に質の高い解決策を導き出せる 43 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成
第三者に意見を求めるのは、 チームへの忠誠心が足りないからではなく、 忠誠心が高いからこそ。 44 「多様性の科学」が言いいたいこと 集合知の形成
45 画一的な組織では盲点を見抜けない 「多様性の科学」が言いいたいこと
46 視点があるからこそ盲点がある 「多様性の科学」が言いいたいこと
肝心なのは、 47 「多様性の科学」が言いいたいこと
集団の中で人々が自由に意見を交換できるか、 48 「多様性の科学」が言いいたいこと
互いの反論を受け入れられるか、 49 「多様性の科学」が言いいたいこと
他者から学ぶことができるか、 50 「多様性の科学」が言いいたいこと
協力し合えるか、 51 「多様性の科学」が言いいたいこと
第三者の意見を聞き入れられるか、 52 「多様性の科学」が言いいたいこと
失敗や間違いを許容できるかだ。 53 「多様性の科学」が言いいたいこと
54 「多様性の科学」が言いいたいこと イノベーションは たった1人の天才が起こすわけではない
55 以上 「多様性の科学」が言いいたいこと
56 「多様性の科学」が言いいたいこと 56
多様性っていいことばかりでもない。多種多様な 人々を新卒で採用したはずなのに、結局社風に 染まりみんなが同じ様になっていく。 https://ameblo.jp/vivace-1207/entry-12769 467218.html 『多様性』を大切にと叫ばれる昨今、それを少 し、間違えたり、勘違いしたり、利用したり、いき すぎじゃないかなぁと思ってしまう場面に出くわ すと、なんだかやりにくい世の中になってるなぁと 思わなくもない
https://booklive.jp/review/list/title_id/9566 27/vol_no/001 実力主義に反する不公平感、逆差別、組織のパ フォーマンス低下…言い分を聞くと、ついなるほど …と思ってしまう https://bookmeter.com/books/18059480 ネガティブな意見もあります 問題解決に直接貢献しないと見なされる個人 が、結果的に「役立たず」と見なされる可能性へ の懸念 https://note.com/onsats/n/n3936a4829383 「多様性の科学」が言いいたいこと 57