Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

Comp.X リサーチデザイン 経営知識想像の基本技術 6章

Comp.X リサーチデザイン 経営知識想像の基本技術 6章

Avatar for K.Ichikawa

K.Ichikawa

March 16, 2026

More Decks by K.Ichikawa

Other Decks in Research

Transcript

  1. 2 1. 因果推論のプロセス 定量的因果推論の狙いと課題を明確化を行わなければ、正しい因果推論を行うことができない。 定量的因果推論の狙い 定量的研究は多数の分析単位にわたる変数間 の関連の一般的なパターンを発見したり、 検証することを目的とする。 十分な数の消費者(分析の単位)を抽出 変数を分離する

    変数間の因果効果について、消費者は相互 に 同質であるとみなす ここで言われる「一般的」とは、各分析単位で 同じ現象が見られるということではなく、問題に なる変数間の関連が多くの分析単位にまたがって いるということ。 研究課題の明確化 定量的研究における因果推論問題は下記の三種類 か、その組み合わせである。 【問題1】仮説検証:私の仮説(因果モデル)は 正しいだろうか。 【問題2】関連の説明:変数XとYの関連を何が 説明するのだろうか。 【問題3】従属変数の規定因の発見:従属変数と 有意に関連する説明変数は何か。 これら研究課題が明確になってはじめて、 課題の解決に必要なデータが何か、データ の分析に利用すべき推論技法が何かの見通 しがついてくる。
  2. 3 2.1. 因果関係の存在 因果推論の共通の推論手続きは存在しないが、下記三つの条件が必要であることが認められている。 必要条件 実証手順 XとYは共変動する ① 相関係数の有意水準が5%以下 XとYの共変動を

    説明する他の 変数が存在してはならない ② XとYの相関が擬似相関ではない XはYに先行しなければならない ③ 時間的先行性 これら三つの条件は因果関係の必要条件で あって、十分条件ではない。
  3. 4 2.2. 因果関係の存在 共変動(共分散) 二つの変数X,Yが共に変動する時、存在する状態の ことを指す。 例:顧客満足Yと品質Xが共に高/低くなる状態。 有意性の検定 • 定量的研究では変数間に共変動が存在するか

    否かを、相関係数の有意性検定により判断。 • 有意性の程度は有意水準(仮説が真である時 に、それを誤って棄却する確率)で示される。 相関係数 二つの変数X,Yがどの程度強く関係して変動するか を表す指標。 相関係数の有意水準は相関係数の値と標本 数によって変わる。 標本数 相関係数
  4. 5 2.3. 因果関係の存在 擬似相関の確認 • 変数X,Yが共に第3の変数Zを原因にしている ならば、X,Yの相関は擬似的に生じる。 • 相関r xy

    が擬似相関ならばr xy,z =0になる。 媒介変数の存在 偏相関r xy,z が0であっても、変数ZがX,Yの介在変数 として作用している場合がある。 先行条件 • 統計による変数間の因果先行性の判断は困難。 • 理論的知識に加え、下記の時間的先行性に着目 して判断する。 X Y Z r xy r xz r yz 偏相関が0に近づくと擬似相関の可能性あり 擬似相関を見極めるには下記3点の視点が有用。 変数Zは、変数X,Yの両方に有意な相関関係 がある。 正の擬似相関を発生させる変数Zは、変数 X,Yに同じ符号の相関を持っている。 負の擬似相関を発生させる変数Zは、変数 X,Yに異なる符号の相関を持っている。 X Y Z 偏相関が0でなく有意になる場合、XがYに直接影 響しかつ、Zが媒介変数として間接的に影響する。 Zが介在変数として作用しているか否かは、時間的先行性によって決定される。 1. 時間的にXがYに先行する。 2. 既知の時系列でXがYの前段階に関わる。 3. Xが一定で変化できない。 4. Xが安定的で、何かを生み出す性質を持つ。
  5. 6 3.1 従属変数の規定因 従属変数の選択 1. 定量的因果推論で頻繁に現れる問題は、説明 変数の発見や、それの仮説検証である。 2. 従属変数が概念内容をうまく表すことが できているかに加え、概念に的確に対応

    した操作的定義ができるかも重要。 従属変数の設定については、下記の二つの ルールを守る必要がある。 1. 従属変数はあくまで説明されるべき変数で あって、従属できでなければならない。 2. 従属変数の値は、分析単位間で適度に散ら ばっていなければならない。 例:成長率の高い営業マンは、どのような 営業活動を行なっているのか? ⇨このような場合、成長率や営業成績などが従属 変数となる。これら従属変数の決定如何に よって、因果推論が成功するか否かが決まる。 例:企業の営業力の比較 そもそも企業の営業力とは何か? それを操作的にどう測定するか? A社 B社
  6. 7 3.2 従属変数の規定因 重回帰分析 1. 従属変数の規定因の問題は下記に分解できる • 特定の変数が従属変数と関連しているか ⇨変数と従属変数の相関を見る(P4など) •

    特定の変数がどのように従属変数と関連するか ⇨従属変数の規定因になりそうな複数の説明 変数と従属変数の関連を調べる(回帰分析) 2. 標準的な重回帰分析では、従属変数と説明変数 の間に、下記のような線形モデルを想定して 回帰式を計算する。 Y:従属変数 X:k個の説明変数 b:k個のパラメータ(回帰係数 a:定数 e:誤差項 • 重相関係数R • 従属変数と説明変数の相関関係を示す。重相関係数Rの 二乗である決定係数R2は、従属変数の分散の何割が全て の独立変数の働きを説明できるかを示す。 • 各独立変数の回帰係数 • 線形モデルを使うと、各説明変数が従属変数に与える影 響を独立に加算的に解釈することができる。 • 標準回帰係数 • 回帰係数が測定単位の影響を受けて変数間で比較しにく いため、目的変数・説明変数を標準化した上で求めた回 帰係数である。 • T-検定量 • 回帰係数が0であるという仮説の有意性検定のために、 T-検定量が使用される。T-検定量は回帰係数をその推定 値の標準誤差で割った値。 重回帰分析での主要な統計量
  7. 8 4.1 定量的因果推論技法の選択 推論技法選択の基本ルール 定量的因果推論に用いる技法の選択の際に、主要 な判断基準として下記がある。 1. 概念モデルとしてどのような因果図式が考え られるのか。 2.

    変数の測定はどの水準で行われているのか。 そのほかの基礎的な因果図式 X1 Y Xk ……… 多数原因モデル 多数結果モデル 混合モデル 多数原因・結果モデル 多数原因モデルが最もよく利用される 因果図式である。
  8. 9 4.1 定量的因果推論技法の選択 多数原因モデルの技法 変数の測定水準によって、下記のような技法を 使用することができる。 多数結果モデル 必要条件 距離 序数

    名義 名義 ① ② ③ ③ 実証手順 通常回帰分析 カテゴリ回帰分析 (CATEREG) ロジスティック回帰分析 対数線形分析 必要条件 距離、名義 序数 距離、名義 名義 例:職業が変数カテゴリの場合 会社員である:0 会社員でない:1 • 多数結果モデルは、多く の結果が少数の原因に よって生じているような 場合に用いられる。 • このモデルの代表的な技 法は因子分析である。 因子分析 因子分析はいくつかの変数の変動間パターンを 発見することによって行われる。 α γ ……… 生活の質の向上 A C ……… 生活合理化 潜在因子 建材変数