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AIはプロダクト開発をどう変えたか?〜 3つの役割から見る「変化」と「未来」〜 / How A...
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iwashi
November 07, 2025
Business
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150
AIはプロダクト開発をどう変えたか?〜 3つの役割から見る「変化」と「未来」〜 / How AI Transformed Product Development: A Look at "Change" and "Future" via Three Roles
https://qiita.com/official-campaigns/conference/2025-autumn
の発表資料です。
iwashi
November 07, 2025
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Transcript
AIはプロダクト開発をどう変えたか? 〜 3つの役割から見る「変化」と「未来」〜 2025/11/7 Qiita Conference 2025 fukabori.fm 岩瀬(@iwashi86)
今、何が起きているか? 今後どうなるのか? 自分はどうすればいいのか?
変化の理解 「変わっていること」について、最新の動向を把握できていること 学びの指針 「変わらないこと」を把握した上で、今後の学びの指針を得ること 20分後のゴール
• 岩瀬 義昌 (@iwashi86) • お仕事 ◦ NTTドコモビジネスで生成AI関連 • サイドワーク
◦ 非常勤講師(モバイルプログラミング) ◦ Podcaster (fukabori.fm) ◦ 翻訳者
本題
個人 • AIの恩恵を強く感じ、日々の活動に取り入れ始めている人が多い • 生成AIを使わずに過ごしている日の方が少ない? 今起こっていること(個人/企業)
個人 • AIの恩恵を強く感じ、日々の活動に取り入れ始めている人が多い • 生成AIを使わずに過ごしている日の方が少ない? 企業 • 個人に比べると緩やか? • 利用契約を結んでいる割合は
40% に過ぎない (STATE OF AI IN BUSINESS 2025) 今起こっていること(個人/企業) https://mlq.ai/media/quarterly_decks/v0.1_State_of_AI_in_Business_2025_Report.pdf
Dev (Software Engineer) EM (Engineering Manager) PdM (Product Manager) 3つの役割から「変わった/変わらないこと」を眺める
Designerもあった方が良いが本日は割愛
Dev (Software Engineer)
コーディングスタイルの変革 • 数年前まで ◦ エディタの補完機能を利用しつつtabを連打しながらコードを書いていた • 現在 ◦ コーディングエージェントに対し、自然言語で「仕様」や「意図」を提案 ◦
AIがコードブロック全体を生成 Dev:変わったこと - AI Assisted Codingの浸透
コーディングスタイルの変革 • 数年前まで ◦ エディタの補完機能を利用しつつtabを連打しながらコードを書いていた • 現在 ◦ コーディングエージェントに対し、自然言語で「仕様」や「意図」を提案 ◦
AIがコードブロック全体を生成 • 構造の変化 ◦ 開発者は「コードを書く人」から 「コーディングエージェントを管理・指示する人」へと変わりつつある Dev:変わったこと - AI Assisted Codingの浸透
Dev:変わったこと - 市場の変化 https://leaddev.com/hiring/what-happens-when-learn-code-fails-generation
AIが単純なコーディング(How)を代替する結果... Dev:変わったこと - 個人に求められるスキルの変化
AIが単純なコーディング(How)を代替する結果... 幅広い知識(横軸) システム全体を理解し、複数の技術領域にまたがる知識 Dev:変わったこと - 個人に求められるスキルの変化
AIが単純なコーディング(How)を代替する結果... 幅広い知識(横軸) システム全体を理解し、複数の技術領域にまたがる知識 一つの深い専門性(縦軸) AIが出したコードをレビューし、 その妥当性を判断できる&説明できる深い専門知識 Dev:変わったこと - 個人に求められるスキルの変化
果たすべき説明責任 • AIの支援によりアウトプットは増加 • しかし、業務で必要となる「説明責任」を 果たしてくれる存在ではない ◦ 「ChatGPTがそう書いてました」 と言われて納得できるか問題 Dev:変わらない本質
- AIは、人の代替になりきれない
果たすべき説明責任 • AIの支援によりアウトプットは増加 • しかし、業務で必要となる「説明責任」を 果たしてくれる存在ではない ◦ 「ChatGPTがそう書いてました」 と言われて納得できるか問題 〜性(ity)を最後に担保するのは人
Dev:変わらない本質 - AIは、人の代替になりきれない • AIの設計、コードを理解し、品質(保守 性、安全性、〜性/ity)を担保するのは、 「現時点」では人である • その判断能力が人に求められる
EM (Engineering Manager)
• 管理構造の追加 ◦ AI Assisted Codingを行うIC(開発者)を マネジメントする、という新しいレイヤーが発生 ◦ 「部下」の「部下(Agent)」が増えていた? EM:変わったこと
• 管理構造の追加 ◦ AI Assisted Codingを行うIC(開発者)を マネジメントする、という新しいレイヤーが発生 ◦ 「部下」の「部下(Agent)」が増えていた? •
EMのプレイング ◦ EM自身もAIの支援で コードを書くハードルが下がった ▪ たとえば、1on1の前にエージェントを動かして 一定の実装や技術課題把握も可能に EM:変わったこと
目指すべき先を決め、明確さをもたらす チームがどこに向かうべきか、大きな指針を決める※ 不確実性を取り除き、チームが自律的に迷わず進めるように あらゆる手段をとる 上記を実現するために、あらゆるリソースを調達・活用する EM:変わらないこと - EMの役割 ※EM以外が担うことも
チームをブーストする例 • 環境整備 ◦ ツール(AI)をチームが安全かつ効果的に使いこなし、 チームが全力疾走できる環境を作る(セキュリティ、予算、ガイドライン策定) EM:変わらないこと - 環境整備とブロッカーの排除
チームをブーストする例 • ステークホルダーと会話時の翻訳 ◦ AI導入のメリット、コスト、リスクをビジネスの論理を使って 経営層に説明し、合意形成を得る • 環境整備 ◦ ツール(AI)をチームが安全かつ効果的に使いこなし、
チームが全力疾走できる環境を作る(セキュリティ、予算、ガイドライン策定) EM:変わらないこと - 環境整備とブロッカーの排除
チームをブーストする例 • ステークホルダーと会話時の翻訳 ◦ AI導入のメリット、コスト、リスクをビジネスの論理を使って 経営層に説明し、合意形成を得る • ボトルネックの見極めと解消 ◦ チームが自走する上で、どこにボトルネックが生まれているか(レビュー?
デプロイ?それ以外?)を観察し、一つずつ潰していく • 環境整備 ◦ ツール(AI)をチームが安全かつ効果的に使いこなし、 チームが全力疾走できる環境を作る(セキュリティ、予算、ガイドライン策定) EM:変わらないこと - 環境整備とブロッカーの排除
PdM (Product Manager)
「動くもの」を即座に作り検証へ • プロト/プレトの爆速実装 ◦ かつて「紙芝居」「ポンチ絵」で説明していたアイデアが AIの支援(v0やlovable)で即座に「動くプロトタイプ」として実装可能に PdM:変わったこと - ディスカバリーの高速化
Talk is Cheap. 「動くもの」は雄弁 • 「言葉」や「静的な絵」だけで説明するのと 「動くプロトタイプ」を見せるのとでは、 得られるフィードバックの質が全く異なる • 「動くもの」は、社内外のステークホルダー
(経営層、顧客)の「見る目」を変える → より自分事となった議論を引き出す 補足:なぜ実物が大事なのか?
「動くもの」を即座に作り検証へ • プロト/プレトの爆速実装 ◦ かつて「紙芝居」「ポンチ絵」で説明していたアイデアが AIの支援(v0やlovable)で即座に「動くプロトタイプ」として実装可能に ◦ 実装したアイデアを想定顧客やステークホルダーに提示し、 フィードバックのサイクルが劇的に速くなった PdM:変わったこと
- ディスカバリーの高速化
「動くもの」を即座に作り検証へ • プロト/プレトの爆速実装 ◦ かつて「紙芝居」「ポンチ絵」で説明していたアイデアが AIの支援(v0やlovable)で即座に「動くプロトタイプ」として実装可能に ◦ 実装したアイデアを想定顧客やステークホルダーに提示し、 フィードバックのサイクルが劇的に速くなった •
手数の増加 ◦ ドキュメント作成(例えば、PRD)の叩き台作成などの対応 PdM:変わったこと - ディスカバリーの高速化
深いドメイン理解 • ドメインを高い解像度で理解するために は、顧客の元へ赴き、業務内容やワーク フローを深く観察する必要がある • AIが備える汎用知識では、 顧客の浅いドメイン知識しか得られない PdM:変わらない本質
深いドメイン理解 • ドメインを高い解像度で理解するために は、顧客の元へ赴き、業務内容やワーク フローを深く観察する必要がある • AIが備える汎用知識では、 顧客の浅いドメイン知識しか得られない WhyとWhatの伝道師 •
「なぜこのプロダクトを作るのか(Why)」 「何を作るのか(What)」を決めるのは人 • WhyとWhatを決めた上で、 熱意を持ってストーリーで伝え 人を動かす重要性は変わらない PdM:変わらない本質
今後に向けて 今後、自分が意識すべきことは? チームとしてなら?
10x 専門性がAIの成果を決める AIは、生産性を高める「増幅器」として機能する。 自分の専門性が高いほど、AIからより良い結果を引き出せる。 最終的に「何が良いか」を判断するセンスとスキルが、 これまで以上に重要に。 今後に向けて - AIは力の増幅器である
• クラウド黎明期を思い出すと ◦ AIの台頭は、オンプレミスからクラウドへの移行期に似ている ▪ 当時は「様子見」勢も多かった ◦ クラウドが浸透した現在、大きな差が生まれている ▪ ソフトウェアを使いこなす力が、個人/組織の競争優位性に直結
今後に向けて - 試行錯誤と手数の重要性
• クラウド黎明期を思い出すと ◦ AIの台頭は、オンプレミスからクラウドへの移行期に似ている ▪ 当時は「様子見」勢も多かった ◦ クラウドが浸透した現在、大きな差が生まれている ▪ ソフトウェアを使いこなす力が、個人/組織の競争優位性に直結
• 試行錯誤と手数を増やす ◦ 「どれが生き残るんだろう」と考える前に とりあえず試して肌感を掴んでおくことが重要 ◦ 一番重要なのは、変化を楽しんで試せる能力/好奇心では ◦ 意外と実際に「手を動かしている人は少ない」 今後に向けて - 試行錯誤と手数の重要性
1 Pizza Team の時代へ • 2 Pizza Team ◦ もともとは「ピザ2枚で足りる」少人数チームの概念
◦ Beforeクラウドは n Pizza (n>2)だったはず 今後に向けて - チームの変化
1 Pizza Team の時代へ • 2 Pizza Team ◦ もともとは「ピザ2枚で足りる」少人数チームの概念
◦ Beforeクラウドは n Pizza (n>2)だったはず • 1 Pizza Team の可能性 ◦ AIにより前提が変わった ▪ より個人の責務や役割が曖昧になっていく ◦ 個人のアウトプットが変わった以上、これからは 「ピザ1枚(ハーフ?)」のチームで十分になっていく可能性が高い ▪ そもそも、コミュニケーション密度の観点などからチームは小さいほど良い 今後に向けて - チームの変化
おわりに
変化の理解 「変わっていること」について、最新の動向を把握できていること 学びの指針 「変わらないこと」を把握した上で、今後の学びの指針を得ること おさらい:20分後のゴール
次の一歩へのヒントとして
次の一歩へのヒントとして お聞きいただきありがとうございました!