Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
IoT領域でのブロックチェーン実践
Search
GMO次世代
May 16, 2017
Technology
1
1.8k
IoT領域でのブロックチェーン実践
2017年5月11日 GMOエンジニアトークにて公開
GMO次世代
May 16, 2017
Tweet
Share
More Decks by GMO次世代
See All by GMO次世代
ソース公開を通じて分かった非中央集権型アプリケーション(DApp)とは
jisedai
0
4.2k
AppleのARkitとGoogleの最新のARプラットフォーム ARCore 可能性と応用
jisedai
2
1.3k
モバイルAR技術の最先端 Google Tangoを活用してバーチャル道案内スタッフを実現してみた
jisedai
1
1.3k
深層学習は金融市場をシミュレーションすることができるか?
jisedai
1
6.4k
Unity3DとOculus Riftで VR空間にWebコンテンツを表現する
jisedai
0
1.5k
ブロックチェーンを利用したサービス開発について
jisedai
1
1.2k
Deep Learningによる株価変動の予想
jisedai
0
1.7k
Other Decks in Technology
See All in Technology
United™️ Airlines®️ Customer®️ USA Contact Numbers: Complete 2025 Support Guide
flyunitedguide
0
790
shake-upを科学する
rsakata
7
930
【あのMCPって、どんな処理してるの?】 AWS CDKでの開発で便利なAWS MCP Servers特集
yoshimi0227
6
740
american airlines®️ USA Contact Numbers: Complete 2025 Support Guide
supportflight
1
120
Enhancing SaaS Product Reliability and Release Velocity through Optimized Testing Approach
ropqa
1
250
データ基盤からデータベースまで?広がるユースケースのDatabricksについて教えるよ!
akuwano
3
160
ポストコロナ時代の SaaS におけるコスト削減の意義
izzii
1
280
クラウド開発の舞台裏とSRE文化の醸成 / SRE NEXT 2025 Lunch Session
kazeburo
1
450
VGGT: Visual Geometry Grounded Transformer
peisuke
1
630
サイバーエージェントグループのSRE10年の歩みとAI時代の生存戦略
shotatsuge
4
840
Contributing to Rails? Start with the Gems You Already Use
yahonda
2
120
NewSQLや分散データベースを支えるRaftの仕組み - 仕組みを理解して知る得意不得意
hacomono
PRO
3
230
Featured
See All Featured
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
31
1.3k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
184
22k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
281
13k
RailsConf 2023
tenderlove
30
1.1k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
51
3.3k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
299
21k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
79
6.5k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
21
3.4k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
267
13k
StorybookのUI Testing Handbookを読んだ
zakiyama
30
5.9k
KATA
mclloyd
30
14k
Designing for humans not robots
tammielis
253
25k
Transcript
IoT領域でのブロックチェーン実践 GMOインターネット株式会社 次世代システム研究室
2 ・スマート宅配ボックスの実証実験 ・スマートコントラクト概要 ・世界の事例 ・ GMO Internet での検討/取組 ・まとめ アジェンダ
3 Z.Com Cloud ブロックチェーン PaaS型のブロックチェーンプラットフォーム 「より簡単にブロックチェーンの恩恵を得る事ができるサービス」 ブロックチェーン技術にEthereumを採用。スマートコントラクトを使って通貨以外のビジネスロ ジックを構築する事も可能。 今までEhereumには「記録データがオープンになる」「利用ユーザーには仮想通貨(Eth)による手 数料が必要」など障壁がありましたが、これらの障壁を可能なかぎり取り除きパッケージングした
のが特長です。
4 アーキテクチャ概要 アプリケーション サンプルの一つ 次世代システム研究室は 基盤も開発しています。 ▪ Z.com Cloud ブロックチェーンアーキテクチャ
詳細は… 『ブロックチェーンサービスガイド』 で検索(あとで)
5 スマート宅配ボックスの取組
6 紹介動画 ▪ 紹介動画URL ブロックチェーン技術を利用した、スマート宅配ボックスの取組みに関して。 https://youtu.be/84UZeNhXgxI (2:52) ※ YouTubeで『GMO ブロックチェーン』で検索(あとで)
7 プレゼンス ▪ プレスリリース GMO インターネット https://www.gmo.jp/news/article/?id=5542 ▪日経産業新聞(紙面) セゾン情報システムズとGMOインターネットグループ、ブロックチェーンとIoT を活用した実証実験を共同で実施
http://www.nikkei.com/article/DGXLRSP431696_Q6A221C1000000/?au=1 ▪ITPro http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122003804/
8 業界の動向 ▪ 日経紙面トップ記事(2017/01/17) (次世代システム研究室が関与していることではないですが…) 宅配ボックス普及へ補助金 再配達減らし効率化 政府、まず500カ所 http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS16H4F_W7A110C1MM8000/ 追い風
≡3
9 スマート宅配ボックス概要 https://www.gmo.jp/news/article/?id=5542
10 実証実験概要 ▪ 配達物受渡しイメージ
11 実証実験の内容 ・スマートフォンとBoxはBLE通信。 ・BoxとZ.comブロックチェーンの間はHTTP通信。 ・開閉の記録/宅配業者のマスタ管理/ビル・部屋マスタを 全てブロックチェーン上で管理。 ・宅配ボックス提供事業者用のサーバを用意することなく実現。
12 その他の特徴と課題 ▪ 特徴 • 配送端末の登録制御 • ビルマスタ/部屋マスタのアクセスコントロール • 開閉可能な部屋の管理
▪ 課題 • 受取人(住民)のユーザ登録フロー • 受取人の個人特定 • 内容物の完全な証明 受渡しの事実の記録以外にもほんとは色々工夫が…
13 ブロックチェーン利用のメリット ブロックチェーン(Ethereum)に記録されたデータは、 ただデータがそこに記録されているだけで、 『第三者による証明なしに』次のことが保障される。 ・ 『いつ』遅くともブロックに入った時刻には ・ 『誰が』その人(KeyPair所有者)が ・
『何を』その内容を記録したこと。 ▪ 事実の保証 客観的な受渡しの事実の証明
14 ・スマート宅配ボックスの実証実験 ・スマートコントラクト概要 ・世界の事例 ・ GMO Internet での検討/取組 ・まとめ アジェンダ
15 基本的な内容の確認 ▪ ブロックチェーンの特性… 『Deep Leaning』『AR』への興味で来場された方も多いと思うので、 「ブロックチェーンは、 なぜ『客観的な事実の証明』ができるのか」 を、抽象度を上げた形で解説します。
16 基本的な内容の確認 ▪ ハッシュの特性の確認 • あるデータの1ビットでもずれると、そのデータから求められ る値は大きくずれる。 • 不可逆!
17 基本的な内容の確認 ▪ 秘密鍵 - 公開鍵の特徴の確認 • 秘密鍵で暗号化されたデータは、公開鍵でしか復号化できない。 • 公開鍵で暗号化されたデータは、秘密鍵でしか復号化できない。
18 ブロックチェーン概要 ▪ ブロックイメージ(トランザクション) Aさん『自身』の署名のもと、数値の受け渡しを記録する。
19 ブロックチェーン概要 ▪ ブロックイメージ(ブロック) 前のブロックのハッシュ値が、次のブロックの入力になる。 改竄すると 後続のBlockの整合性が 合わなくなる。 ⇒ 実質的に改竄不可
(すぐばれる)
20 ブロックチェーン概要 ▪ データの伝播 できたブロックやトランザクションは全ノードで共有される。 全ノードにコピーデータがある。 ↓ 全滅しなければ稼動する。 (ほんとは最低ノード数はある。)
21 スマートコントラクト概要 ▪ スマートコントラクトとは? トランザクション内にロジックを入れて処理を行う。
22 スマートコントラクト概要 ▪ ロジック呼出 デプロイ時のアドレスに対して直接命令を実行する。 ※コントラクトのデプロイは、一般的にはメソッド呼び出しよりもコストがかかる。
23 スマートコントラクト概要 ▪ 実装イメージ ※ msg.sender は、関数の呼出元のアドレス。 contract Members {
mapping (address => bool) members; function join() { members[msg.sender] = true; } function isMember(address _address) returns(bool) { return members[_address]; } }
24 スマートコントラクト概要 ▪ プログラム実行イメージ(アドレス空間) コントラクトの動作は概ね通常のプログラムと同じ。
25 スマートコントラクト概要 ▪ 実装に関する更なる詳細は… ほんとはもっとたくさん説明したいですが、 主旨から外れてしまうので… もっと詳細を把握したい方は、 『ブロックチェーンサービスガイド』 で検索(あとで) ブロックチェーンサービス利用ガイド
https://guide.blockchain.z.com/
26 スマートコントラクト概要 ▪ スマートコントラクトでプログラムすると... プログラミング自体大変! バグの改修が非常に困難! 確定に時間がかかる! データの記録にはお金(仮想通貨)がかかる! 秒間処理数でDBに敵わない!
27 スマートコントラクト概要 ▪ ちなみに... これらの問題は、 「Z.com Cloud ブロックチェーンサービスでは」 ほとんど解消しています。 もっと詳細を把握したい方は、
『ブロックチェーンサービスガイド』 で検索(あとで) ブロックチェーンサービス利用ガイド https://guide.blockchain.z.com/
28 スマートコントラクト概要 ▪ スマートコントラクトでプログラムする意味 技術的な観点では… 『落ちない』 『消えない』 『改竄されない』
29 スマートコントラクト概要 ▪ もっと根本的には… ただそこにデータが記録されているだけで、 『いつ』 『だれが』 『何を』 記録したかが、 『第三者による証明なしに』
保障される。
30 スマートコントラクト概要 ただそこにデータが存在しているだけで、 「いつ」「誰が」「どれだけ」 数値を移動させたかを、「第三者による証明なしに」保障できる。 試しに、数値の移動を保障してみたら、 今まで世の中になかった『仮想通貨』ができちゃった。 (本当は順番逆だけど…) はぁ?それが何? ▪
DBとの決定的な違いは?
31 スマートコントラクト概要 じゃぁ、ロジックをブロックチェーンに載せて、 「いつ」「誰が」「何を」 したかを、「第三者による証明なしに」保障したら何が起こるか … ・クラウドファウンディング ・土地債券などの所有権管理 ・証拠の保存 …その他
現在(世界中で)考え中 ▪ スマートコントラクトでは?
32 ・スマート宅配ボックスの実証実験 ・スマートコントラクト概要 ・世界の事例 ・ GMO Internet での検討/取組 ・まとめ アジェンダ
33 世界での取り組み状況 ▪ 世界での『Fintech以外』の取り組みは… 「サービスとして提供しているもの」 「行政の取組みとして行われているもの」 など、様々存在する。 どういった取組みが行われているかの確認と、 ブロックチェーンを利用する意義について検討してみる。
34 サービス展開 ▪ Spells of Genesis ゲーム内のカードなどのコンテンツをトークン化してブロック チェーン管理。 カードの値段は数万円で取引されるものもあるとか。 https://spellsofgenesis.com/
35 サービス展開 ▪ Ujo Music ブロックチェーンを利用して、作成した音楽を販売者でダイレク ト販売。 今まで販売業者が取っていたマージンを無くそうという試み。 https://ujomusic.com/
36 世界での取り組み状況 ▪ PINS 2014/03にローンチした、ラトビア発のオープンなポイント基盤。 基盤にブロックチェーンを利用している。 北欧を中心に急速にユーザを増やしているとのこと。 実は日本にも上陸している。 情報は見つかりにくく『ラトビア PINS』で検索すると見つかりや
すい。 https://www.pinsforme.com
37 世界での取り組み状況 ▪ そのほか国レベルでの取り組み… まだ実運用されている事例はないものの、 国をあげての検証が非常に盛んにおこなわれている。 それぞれ国が抱えている問題に合わせて利用が検討され ている。
38 世界での取り組み状況 ▪ 文書管理 • 不動産登記 スウェーデン/国土調査庁 ガーナ グルジア ホンジュラス
• 公文書管理 ドバイ/ドバイ政府
39 世界での取り組み状況 ▪ 投票 • 議決権行使 ロシア エストニア • 直接民主主義投票
オーストラリア
40 世界での取り組み状況 ▪ 記録証明 • 身分証明 オーストラリア/国有郵便局 スペイン • 学位証明
アメリカ/MIT キプロス
41 世界での取り組み状況 ▪ その他 • 医療データ管理 イギリス/ケンブリッジ大学 • 電力取引 アメリカ
オーストラリア 中国 • 物流 オランダ
42 ・スマート宅配ボックスの実証実験 ・スマートコントラクト概要 ・世界の事例 ・ GMO Internet での検討/取組 ・まとめ アジェンダ
43 GMO Internet での検討/取組 ▪ ブロックチェーンの取組みと検証 GMO Internet では、スマートコントラクトアプリケーション基盤 をサービスとして提供するため、自分たちで様々なアプリケー
ションを構築して課題を検証してきました。 ブロックチェーンの特性と照らし合わせながら、内容を紹介する。
44 GMO Internet での検討/取組 ▪ ゲームのコンテンツ管理 GMO Internet が提供するゲームのキャラやアイテムをブロック チェーンでトークン化して管理。
所有権の移転などを実現しようとした。 ( Spells of Genesis の真似っ子 ) …そこまで厳密な所有権管理は必要ないか… …企業やタイトルをコンテンツが跨ぐような ことはなさそうだし…
45 GMO Internet での検討/取組 ▪ 個人所有データの管理 個人が所有するデータ(写真/音楽など)を個人で管理。 共有、販売なども可能にする。 … 作ってみたけど
今ある共有サービスで いいかな…
46 GMO Internet での検討/取組 ▪ ポイントの管理 GMOポイントをブロックチェーン管理にするのはどうだろう。 … 一企業の責任範囲で管理する ポイントであれば、DBがいい。
http://point.gmo.jp/
47 GMO Internet での検討/取組 ▪ スマート宅配ボックス 受渡しの事実を、ブロックチェーンで管理。 これはかなりよかった。 ただ、一般的な宅配では、受領記録の厳 密性をそこまで必要としていない。
本人限定郵便などまで踏み込んだ段階で、 よりブロックチェーンが効いてくるかな。
48 『Z.com Cloud ブロックチェーン』特有のアクセスコントロール機能を 利用することで、 『申込の事実の記録』と『個人情報の開示コントロール』が 同時に実現可能。 ⇒ ワンクリック口座開設! GMO
Internet での検討/取組 ▪ KYC(Know Your Customer) 金融系口座開設では、本人確認に数千円のコストがかかっている。 ブロックチェーンを利用することで、申込者本人が確かに口座開設を申請し たという事実が保証できる。
49 GMO Internet での検討/取組 ▪ その他検討している領域 • 特許アイデア保管 内容を他の誰にも伝えずに、アイデアの発生日時を保障。 •
遺言管理 弁護士にも伝えずに自分自身で遺言記録。 亡くなった後の公開の意思確認は課題。 • お薬手帳/カルテ管理 機密的な個人情報を個人で管理。 必要なときにだけ病院や薬局に読込み/書込み権限付与。
50 ・スマート宅配ボックスの実証実験 ・スマートコントラクト概要 ・世界の事例 ・ GMO Internet での検討/取組 ・まとめ アジェンダ
51 まとめ ▪ ブロックチェーンを利用する利点は… ただそこにデータが記録されているだけで、 『いつ』 『だれが』 『何を』 記録したかが、 『第三者による証明なしに』
保障されること。
52 ブロックチェーン『だからこそ』 ▪ さらに条件を加えるなら… 今まで 事実(『いつ、だれが、何を』)の証明 に、専用の費用を要していた箇所。 ( 現時点でそうじゃない箇所ってのは、 大概そこまで厳密な証明を必要としていない。)
53 まとめ あ、じゃ、 こんなサービスいいんじゃないかな… そんなあなたには ブロックチェーン (スマートコントラクト) がお勧め
54 まとめ あ、でも、 アクセスコントロールどうしよう… エンドユーザの仮想通貨保有はどうしよう… そんなあなたには Z.com Cloud ブロックチェーン がお勧め
55 まとめ ▪ 個人開発者にはConoHaブロックチェーンで無償提供中 個人の開発者向けに、ConoHaブランドで展開中 『ConoHa ブロックチェーン』 で検索ください。
56 ご清聴ありがとうございました。