▼サマリー
・新型コロナウイルスによる外出禁止・自粛により、世界的にデジタルメディアのトラフィックは30%、コンテンツ消費量は60%増加した。これはコロナ禍における一時的なトレンドではなく、オンラインでの購買を急速に普及させ、人々のソーシャルメディア消費を変容させる可能性を持っている。具体的には、ビデオチャットなど動画や音声のコミュニケーションが増加し、ネットスーパーなどオンラインショッピングを急速に普及させ、ビジネスシーンにおいてはリモートでのオンライン会議が当たり前の光景になるかもしれない。
・一方、トラフィックが増加したわりには、消費者の購買意欲は複数セクターで急落した。消費の低迷により、広告もパフォーマンス型からブランド広告にシフトして、広告代理店の収益は2020年に平均6%減少するという見方もある。ニュースメディアは記録的なトラフィックを集めつつも、広告収益への懸念からリストラに至る企業も増えている。
・企業にとっては、オンラインでの存在感やデジタルチャネルでのつながりがますます重要になり、そのインフラとしてビジネスアプリの重要性が増していく。この変化はセキュリティなど新たなリスクをもたらすが、動画やコミュニティ・マネージメントによるマーケティング、顧客とのリレーションはより重視されていく。
・コロナ禍以前からの流れではあるが、ローカルな情報や信頼できるニュースへの期待が引き続き高まる。あわせて、在宅勤務などによる隙間時間の増加が、同期型コミュニケーションSNSなど新たなサービスを生み出す可能性もある。