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不動産取引における3次元点群の活用事例

 不動産取引における3次元点群の活用事例

不動産取引において3次元点群が活用される事例を紹介しています。

以下のイベントにて講演しました。
【uTIE×NTTデータ】イノベーション・ピッチ ~ 住まいとくらし ~
https://utie-connect-251127.peatix.com/

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Kenta Itakura

January 07, 2026
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Transcript

  1. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 不動産取引における点群活用事例: 越境調査での利用 

    被越境(えっきょう):隣地の建物・工作物・植栽などが、自分の土地境界線を越えて侵入してい る状態  不動産売買・建築設計において、被越境の有無は土地評価・建築面積・契約交渉に直結 画像出典: https://www.seiwa-f.jp/column/page_421.html • 被越境物は、その面積が正味の土地面積(=建築有効敷地面積)に直接的な影響す るため、取引や建築計画の意思決定を左右する重点項目
  2. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 従来手法と課題  従来は二次元の図面や画像のみを用いて境界周辺の状況を把握していたが、実際の

    空間では建物・樹木・塀などの構造物が境界に対して三次元的に入り組んでいる  不動産取引の現場では、どの構造物が取引対象地に入り込んでいるか、 あるいは外に出ているかの判定が極めて重要 項目 従来手法 課題 測定 トータルステーションによる測量 点的測量のため、全体把握が困難 可視化 2D図面上の境界線表示 立体的な被越境(屋根・パイプ等)の 判断が難しい 証明 写真・測量図 客観的・定量的証拠として弱い 立体的な被越境(屋根や配管のはみ出し)を検知するには 立体的なデータ(3次元点群)が有効
  3. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 点群を利用するイメージ  点群を利用した越境調査の際に調査対象範囲を効率よく絞りこむ方法について紹介

    • 境界線付近の数cm〜数十cm精度の範囲のみを抽出することで、調査の負荷を軽減  3次元点群と境界線のデータを重ね合わせ、越境している点を把握 対象の土地の3次元点群を取得 被越境の可能性のある 調査対象の領域を絞り込み : 被越境の可能性のある箇所 : 植生 土地境界のデータを重ね合わせ
  4. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 点群を利用した例  例として画地の情報をOpen

    Hinata 3(略記:OH3)経由で取得 ※注意事項: 利用するデータは参考図であり筆界や権利関係を証明するものではありません
  5. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 点群を利用した例 ※ Open

    Hinata 3(略記:OH3) (https://kenzkenz.xsrv.jp/open-hinata3/) を利用しています  例として画地の情報をOpen Hinata 3(略記:OH3)経由で取得
  6. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 土地境界の3次元投影例(遠景)  港区芝公園4丁目407番6の土地を東京都が公開している航空機点群に投影した例

     線幅10 cmにてSIMA形式のファイルを点群へ変換しました SIMAデータ出典:東京都提供 地番参考図データ
  7. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 土地境界の3次元投影例(近景)  隣接地の樹木が大きく越境し、墓地側との地盤には約9

    mの高低差  崖条例などの適用を踏まえ、建築制限の影響も即座に評価できる  現地に赴かずとも、地形と法規制の関係を立体的に把握できる
  8. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs まとめ  越境調査は、不動産取引や建築設計において土地境界のリスクを明確化する上で重要

     本スライドの例で利用した航空レーザー点群では、地上分解能が粗く、 線幅10 cm 程度が精度評価の限界 • 従来の2D測量では難しかった、屋根・配管・植栽など立体的な被越境の把握が、 3D点群により定量的に可能となった • 地上型レーザースキャナ(TLS)による高密度点群では、1〜2 cm幅での被越境の検 出が可能 • 建物外壁・フェンス・パイプなどの微小な被越境も三次元的に可視化でき、実際に 不動産取引や境界確定業務での実用化が広がっている 監修:吉田史郎(土地家屋調査士)  境界線と点群の接触が分かるだけでは、それが「何が」「どの程度」被越境している のかが判断できない→今後は点群のセグメンテーションなども利用し越境している物 体の種類や量を自動判定するといったことが望ましい
  9. All rights Reserved. Copyright © 2025 ImVisionLabs 番外編  デジタル空間では、東京タワーとスカイツリーを隣り合わせに配置するのも、

    建物のある土地を仮想的に更地へ変えるのも自由に編集が可能  点群データはスケールと位置精度を重視する用途に適するが、よりリアルな 表現を求めるなら、ガウシアンスプラッティングやメッシュモデルの併用も有効