Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
主成分分析による3次元点群の形状解析
Search
Kenta Itakura
September 25, 2025
Technology
610
0
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
主成分分析による3次元点群の形状解析
Kenta Itakura
September 25, 2025
More Decks by Kenta Itakura
See All by Kenta Itakura
高性能計算機クラスタを用いた大規模点群処理による森林の単木抽出と構造解析
kentaitakura
1
90
3次元点群からメッシュモデルを作成する ポアソン法について
kentaitakura
0
130
高性能計算機クラスタを用いた大規模点群処理による森林の単木抽出と構造解析
kentaitakura
0
66
画像と点群の統合活用による部材検出とひび割れ損傷長さの推定
kentaitakura
1
220
点群のファイル形式であるE57について
kentaitakura
0
450
オルソ画像を利用した3次元点群の着色処理
kentaitakura
0
370
不動産取引における3次元点群の活用事例
kentaitakura
0
220
PromptDA (Depth Anything) を用いた深度推定や点群生成について
kentaitakura
0
1.2k
3次元点群からメッシュモデルを作成: ボールピボット法について
kentaitakura
0
690
Other Decks in Technology
See All in Technology
SO-101×VLAによる3色キューブのピック&プレース
abeja
0
220
ガバメント AI 源内を地方自治体は活用できるのか可能性と課題、期待について
takeda_h
2
440
研究開発部の紹介 / Sansan R&D Profile
sansan33
PRO
4
24k
SmartHR Engineering Team Deck
smarthr
1
2.6k
少人数チームで実現する、大規模AWSサーバーレス基盤における"揺らがない"信頼性運用
maimyyym
1
110
Kiro Crew入門 - 常駐エージェントの仕組みと使いどころ / Intro to Kiro Crew
k_adachi_01
1
430
ソフトウェアサプライチェーンの構造的リスクとコンテナ環境の保護
kyohmizu
4
410
会社紹介資料 / Sansan Company Profile
sansan33
PRO
24
430k
老害フォレンジッカーはAI羊の夢を見るか?
tadmaddad
0
350
モノリス Rails でも日中に rails db:migrate を走らせたい! / Daytime rails db:migrate on Monolithic Rails!
euglena1215
4
640
QAエンジニア起点で進める、SmartHRにおける信頼性向上について
kaomi_wombat
1
150
AWS ネットワーク構築でハマった(ハマりかけた) 5選とそこから得た教訓
nagisa53
4
260
Featured
See All Featured
Utilizing Notion as your number one productivity tool
mfonobong
4
550
Embracing the Ebb and Flow
colly
88
5.1k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
9
1.5k
HU Berlin: Industrial-Strength Natural Language Processing with spaCy and Prodigy
inesmontani
PRO
0
650
Future Trends and Review - Lecture 12 - Web Technologies (1019888BNR)
signer
PRO
0
3.7k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
79
7k
Information Architects: The Missing Link in Design Systems
soysaucechin
0
1.1k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
270
14k
Navigating the Design Leadership Dip - Product Design Week Design Leaders+ Conference 2024
apolaine
1
400
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
304
22k
"I'm Feeling Lucky" - Building Great Search Experiences for Today's Users (#IAC19)
danielanewman
230
23k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
97
6.8k
Transcript
主成分分析(PCA)を利用した 3次元点群データの形状解析について 板倉健太 博士(農学) ImVisionLabs株式会社代表取締役
点群処理における主成分分析(PCA)を用いた特徴抽出 1 点群の局所構造を定量化する手法 対象の小豆島の点群 地表面のみを抽出した結果 法線推定や幾何分類の基礎に利用される(形状的特徴を捉える) 植生と構造物
形状的特徴の例 • 高さ • 色 • 法線ベクトルの向き • 法線ベクトルの変動 • 植生は緑が多い • 構造物は直線的な構造が多い など
主成分分析(PCA: Principal Component Analysis)の概要 2 多次元データの主な変動方向を抽出する手法 対象の小豆島の点群 • 左図:データの直線性が低くあらゆ
る方向に広がっている • 右図:データの直線性が高く第1主 成分で元データの大半を説明でき る 共分散行列の固有値・固有ベクトルを計算し、データの広がりの方向を抽出 点群に適用することで、局所的な形状の特徴を数値で捉えられる 2次元データにおけるPCAの概要図
1. 3次元点群が5つの点で構成される場合、点群データ行列は以下の通りとなる 点群データ行列 の 行目のベクトルを とする 3 3次元点群におけるPCAの計算 2. データを中心化し共分散行列を求める
a. 各特徴量の平均値を求める ◆ 3次元点群データはXYZ座標の 3つの特徴量を有していると考え ることができる
4 3次元点群におけるPCAの計算 2. データを中心化し共分散行列を求める b. データの中心化 c. 共分散行列の計算 例えば5点の3次元点群の場合 について下記のように計算でき、
が求まる 共分散行列の各要素は以下の通りとなる • 𝑘: サンプル番号 • 𝑖, 𝑗: 特徴量の番号 • 𝑖と𝑗は入れ替えても値が同じになるため
先に求めていた共分散行列 より 写像後の共分散行列は、 転置の性質 より、 5 3次元点群におけるPCAの計算 3. 分散が最大になる方向を基準に新しい座標 を作成
(固有ベクトルを とする) 4. 写像後の分散が最大となる固有ベクトル を求める a. 写像後の共分散行列を求める 解を一意に定めるため の制約を設ける ( が1.1倍や1.2倍などの場合も解となることを防ぐ) より、
この式から となり、これを解けばよい(固有方程式) 6 3次元点群におけるPCAの計算 4. 写像後の分散が最大となる固有ベクトル を求める b. ラグランジュ乗数法を用いて解く ◆
ラグランジュ乗数法: それぞれの変数で微分して0になる点を調べることで 解を得る手法。拘束と目的となる値がある場合に有効 最大化する対象: 拘束条件: ラグランジュ方程式を立てる ◆ ラグランジュ方程式: 最大化したい値から、拘束条件にラグランジュ乗数を かけて引き算したもの これを各変数で偏微分する 対象行列 の二次形式 を微分すると となる性質より、
7 3次元点群におけるPCAの計算 4. 写像後の分散が最大となる固有ベクトル を求める c. 固有値固有ベクトルを求める 固有方程式を展開する ( のみスカラーのため、行列と演算を行うために単位行列
を用いる) となる解を探すため …(式1) 求めた を式(1)に代入し、各 に対応する固有ベクトルを求める ◆ det(A): 行列Aの行列式で、1つのスカラー値を表す 3次元点群データの場合、3つの固有値が求まる 固有値: 固有ベクトル:
8 3次元点群データにおけるPCAの流れ(まとめ) • 各点のk近傍点を取得 • 近傍点群の共分散行列を計算 • 固有値・固有ベクトルを取得 k =
5近傍点 k = 15近傍点 PC1 PC2 PC3 近傍点の数が異なると主成分軸も異なる PC1 PC2 PC3 ◆ 主成分分析における固有値と固有ベクトル: データのばらつきの方向とその重要度 例)点が平面状に分布している場合 • 第1・第2主成分は平面内の方向 • 第3主成分は平面からの微小なズレ →主成分分析で得られた固有値・固有ベクトルから 3次元構造の特徴を取得できる
指標 特徴 1に近いほど直線的 1に近いほど平面的 1に近いほど分散している 例 道路の縁石、鉄道のレール 屋根、建物の壁面 樹木の葉、球状の物体 固有値からわかる幾何学的特徴
9 固有値の大小関係で形状を分類 構造 固有値の関係 例 線形 𝜆1 ≫ 𝜆2 ≫ 𝜆3 電線、枝など 平面 𝜆1 ≈ 𝜆2 ≫ 𝜆3 地面、壁など 𝜆1 ≈ 𝜆2 ≈ 𝜆3 ノイズ、葉、球など 代表的な指標 Linearity = (𝜆1−𝜆2) 𝜆1 Planarity = (𝜆2−𝜆3) 𝜆1 Scattering = 𝜆3 𝜆1
10 3次元点群データにおけるLinearityの例 球体状の点群の場合 • 分布が一定の方向を持たない → 低い直線性 k =
50近傍点 k = 50近傍点 k = 20近傍点 • より直線的な領域ほどLinearityが高くなる • ノイズがあると直線性が低下 • 近傍点数を減らすと直線性増す 直線的な点群の場合
幾何学的特徴の可視化 11 植生 構造物 元データ Linearity Planarity Scattering 構造物の端で高い値 地面や構造物の屋上
で高い値 植生で高い値 局所構造に応じた特徴を捉えることができる
◆ 壁面 PCAと法線ベクトルの関係 12 法線ベクトル PCAによって得られた固有ベクトルのうち、最小固有値𝜆3 に対応するベクトル → 点群が広がっていない方向
• 壁面の法線ベクトル:地面と平行なことが多い • 地面の法線ベクトル:地面と垂直なことが多い • 植生の法線ベクトル:特定の方向を持たないことが多い 法線ベクトル ◆ 地面 ◆ 植生
まとめ 13 3次元点群データにPCAを適用しすることで、局所構造を把握できる PCAで求まる固有値から、直線度や平面度といった幾何学的特徴を取得できる 法線ベクトルはデータの散らばりが少ない方向を表し、局所構造を反映する 多次元データの変動方向を抽出する手法として主成分分析(PCA)がある