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社会的インパクトと企業の成長を両立させるブランド戦略
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KI Strategy
January 01, 2018
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社会的インパクトと企業の成長を両立させるブランド戦略
サステナビリティーとブランド戦略との関わりについて紹介します。
KI Strategy
January 01, 2018
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Transcript
社会的インパクトと企業の成長を両立させるブランド戦略 ~リスクマネジメントの観点も~ 1 2018年1月 株式会社KI Strategy代表 今井健太郎
弊社紹介/代表取締役プロフィール 今井健太郎(いまいけんたろう) 埼玉県深谷市生まれ。 早稲田大学 政治経済学部 国際政治経済学科卒 ・専門は国際金融と開発経済 ・第54回全日本大学囲碁選手権で全国制覇 野村総合研究所 ・保険業界を中心とした調査・研究
・内部統制やリスクマネジメントに関わるコンサルティング ・ファンドラップ販売に関わるフロントシステム企画、営業 等 株式会社KI Strategy、代表取締役 ・事業会社の経営戦略、中期経営計画策定支援 ・外資戦略系コンサルファームのPJ支援 等 項目 内容 会社名 株式会社KI Strategy 所在地 〒108‐0014 東京都港区芝5丁目27番3号B-102 ホームページ https://www.kistrategy.co.jp/ 設立 2016年 事業内容 中小企業の社会的インパクト最大化を専門と したコンサルファーム ・中小企業のビジネスを通じた社会貢献支援 ・経営戦略×SDGs~継続的な革新支援~ ・マッチング支援コミュニティー・勉強会 ・途上国BOPビジネス企画・支援 等 代表取締役 今井健太郎 代表取締役社長プロフィール 2
要旨 • 企業の競合優位性を担保するには、「内的要因」と「外的要因」という二つのドラ イバーがある • 長年の研究では、どこで商売するか(外的要因)より、誰が商売するか(内的要 因)の方が企業の成長には重要 – ただし、15%程度はどこで勝負するかで成功するかが決まるという研究結果 –
また、業界によっても内的要因と外的要因の重要度は変動してくる • 企業の成長や経営戦略のテーマに「ブランド」があり、社会目的をブランドにいか に適合させるかが今回のメインテーマ • 企業の取り組みに社会目的やサステナビリティが注目される背景に、消費者の購買 行動の変化もある – 商品購入の意思決定に、単に値段やデザインだけでなく、商品の物語や評判・共感、他商品との違い が重要な要素になっている 3
要旨 • 社会的ニーズの中で、自社ブランドが最も貢献できる領域を検討する際に重要なポ イントは、社会目的とブランドとのフィット感 • 社会目的とブランドを無理に結びつけて失敗する例もある – ブランドが社会的メリットを主張した場合に、消費者が抱くイメージを、ポジティブなものと、ネガ ティブなもの両方について慎重に評価することが重要 •
どのブランドイメージを、どの層に訴求するかの戦略的切り分けが重要 – なにがなんでも発信すればいいというものではない(ポジティブとネガティブな面があることを認識 する) • ブランドイメージとアクションを一致させ、企業価値の向上を実現に繋げていくこ とが求められる 4
• 企業の競合優位性を担保するには、「内的要因」と「外的要因」という二つのドラ イバーがある 5 内的要因 外的 要因 競争優 位 ブランドの前に、競争優位や企業の成長について
・社内のリソース(専門性等含む) ・人、モノ、カネ、情報、プロセス など 他社に比べて、低いコストで事業を運営している か、高い価格を課しているか、その両方を実現 ・ポジショニング、差別化 ・顧客の明確化 ・バリューチェーン分析 など
• 勝負する領域と、勝負する企業どちらが重要か? – 割と長らく研究されてきてた領域 6 企業の成長を支えるのは、内的要因・外的要因どちらが大きいか? Rumelt(1991) McGahan and Porter(1999)
• “How Much Dose Industry Matter?” • 企業の利益分配を説明する相関係数 – 外部環境:9-16% – 内部環境:44-46% • どこで商売するかよりも、誰がやる かの方が重要、ただし、約15%は外 部要因で決まってしまう • “The Performance of US Corporaions 1981-1994” • 企業の利益分配を説明する相関係数 – 外部環境:19% – 内部環境:32% • 業界構造の重要性を説くポーター学派に よる再検討では、割合は変わったが、大 小関係(内部環境>外部環境)は変わら ず
7 • 中小企業は売り上げ拡大に課題を抱えているが、その売上拡大を阻む要因として、コモディ ティー化、すなわちブランド構築に課題をもっている企業も 0 10 20 30 40 50
60 70 80 人材不足 製品・サービス・技術不足 資金不足 知識・ノウハウ不足 市場情報の不足 設備の老朽化・不足 規制・制度 その他 0 10 20 30 40 50 60 価格競争の激化 市場ニーズの変化・多様化 消費者の低価格志向 参入企業の増加による過当競争 取引先の廃業 少子高齢化 取引先からの値下げ要請 消費マインドの低下 採用環境の悪化 IT等のビジネス環境変化 公共事業の減少 海外の経済動向 取引先の海外移転 商圏人口の減少 その他 売上拡大を取り組む上での課題 売上拡大を阻害する外的要因 ※東京商工会議所「中小企業の経営課題に関するアンケート結果概要(2017年)」 に基づきKI Strategyが作成 企業の抱える課題の一つに、ブランド構築がある
8 今回は、社会目的×ブランド構築がメインテーマ 2018年1月号 特集:テクノロジーは戦略をどう変えるか 社会の理想と企業の成長を 両立させるブランド戦略 • オマー・ロドリゲス・ヴィラ – ジョージア工科大学
– シェラー・カレッジ・オブ・ビジネス 助 教授 • スンデル・バラドワジ – ジョージア大学 テリー・カレッジ・オ ブ・ビジネス – コカ・コーラ・カンパニー寄付講座 マー ケティング科長 • 今回のテーマにマッチする論文 – こちらも機会があれば目を通してみてく ださい
• 既に社会目的がビジネスモデルに組み込まれてる企業と、そうでない企業では、抱 える課題は全く異なる 9 既に、社会目的がビジネスモデルに組み込まれている企業も 先天的企業群(既に) 後天的企業群(これから) • パタゴニア •
トムス • セブンスジェネレーション • サラヤ • ソーシャルベンチャー? • 社会的メリットと商品、サービスが深く 結びついている • CSRなどは実施はしているが。。 • 事業と社会的メリットは統合されている ような、いないような • 新しいブランド構築の手段についても模 索している • 今回のメインターゲット
• 企業の取り組みに社会目的やサステナビリティが注目される背景に、消費者の購買 行動の変化も 10 社会目的やサステナビリティが注目される背景 販売購入者のポイント ✓ 値段、リアルな商品情報(触感や雰囲気等) ✓ 店舗の近さ、店舗の雰囲気、店員との相性
店頭購入 ネット購入 or ネット事前リサーチ シェアリング等 (モノを買わない) ✓ 値段、デザイン ✓ 他商品との比較検討 ✓ 独自性・共感 ✓ 商品ではなく体験? 販売行動の変化 キーワード ✓ 商圏分析、需要予測、在庫管理 ✓ サプライチェーンマネジメント 等 ✓ SNS、口コミ、評判 ✓ 商品の物語 等 ✓ 共感、体験 ✓ 細分化される「価値」 ✓ 商品購入の意思決定に、単に値段やデザインだけでなく、商品の物語や評判・共感、他商品との違いが重要な要素に!
• どのように既存のブランドに問題意識を持ち、新しいブランドを創生するか? 11 コカコーラの「ミクアナ」から「い・ろ・は・す」への変貌 ミクアナを覚えていますか? い・ろ・は・す ✓ あなたの少しの行動で世界を変える水 ✓ 「美味しく飲み、しぼって、リサイクルする」
✓ ミクアナブランド販売不調の兆し ✓ コカコーラ、2010年頃より対応を検討
• どの社会面、環境面のニーズに最も自社のブランドが貢献できるか? 12 社会的ニーズの中で、自社ブランドが最も貢献できる領域は? 社会的ニーズ タイミング 自社の特性
• ブランドの伝統 – ブランドが誕生から今まで、顧客に与えてきた 顕著なメリットを詳しく検証 • 顧客の葛藤 – 顧客と関連する社会問題を挙げだすと意味のな いリストが生れる、顧客の葛藤に注目する
– 自身の体験と社会一致のイデオロギーが相容れな いときしばしば悩みが生まれ、それを解決したいと いう消費者の欲求を満たした時、ブランドが高まる by ダグラスホルト • 例:ベトナム戦争時のコカコーラの「愛す るハーモニー」 • 商品の外部性 – 自社の商品の製造や使用の結果として、第三者 が間接的に負担するコストやメリットを検証 13 注力する社会目的決定の判断軸~ブランドとのフィット感~ ブランドの伝 統 商品の外 部性 顧客の葛 藤 ✓ 社会目的とブランドのフィット感が重 要 ✓ それだけでなく、市場における選択行動 と結びつくブランド属性をいかに強化し、 価値を生み出すかも重要となる
✓ ブランドが社会的メリットを主張した場 合に、消費者が抱くイメージを、ポジ ティブなものと、ネガティブなもの両方 について慎重に評価することが重要 ✓ ネガティブな反応が誘引されるケース ✓ ブランドの主張とアクションンの不一致 ✓
主張の政治化 ✓ スターバックスの事例 ✓ 企業の動機に対する不信感 ✓ グリーンウォッシュ:環境等に配慮していると 上辺だけ取り繕う 14 社会目的とブランドを無理に結びつけて失敗する例も ✓ 人権・人種問題が広くアメリカ国内 で議論されるべき CEOの思い スターバックスで実施 顧客からネガティブな 反応続出 ✓ バリスタが顧客に飲み物を手渡す際 、人種問題を語り合うよう推奨 ✓ スターバックスで人種問題を語りたく はない ✓ ゆったりとコーヒーが飲みたい 米スターバックスの事例 取り組みは即刻中止へ リスクマネジメント
15 ダヴのブランドピラミッド~本物の美しさを、本物のケアから~ • 少女たちの自尊心の向上 • ブランドの価値提供、マーケティング、競争での ポジション 競争 • サステナブルなパッケージの使用
• 消費者に向けて発信するがブランドとし て積極的に推進することはしない 主張 • 責任ある雇用 • 投資家や規制当局など、消費者 以外の関係者に向けて発信する 慣行 • 動物の権利の保護 • そのブランドとしては訴 求しない 除外 • どのブランドを、どの層に訴求するかの戦略的切り分けが重要 – なにがなんでも発信すればいいというものではない(ポジティブとネガティブな面があることを認識する)
【ブランド属性】 • この戦略は既存のブランド属性を強化するか? • この戦略によって新たに生まれる、有益なブランド属性はどのようなものか? • この戦略を競合企業が模倣することは困難か? 【事業の隣接領域】 • この戦略は既存顧客向けの新たな商品・サービスの創出に貢献するか?
• この戦略は、新たな市場やチャネルの開拓、あるいは新規顧客層の誘引に貢献するか? • この戦略は、当該事業のコスト削減、または収益性の改善に貢献するか? 【消費者の抱くイメージ】 • この社会的ニーズは、ターゲットの消費者たちに、自分にも関係する問題だと認識してもらえそうか? • この社会目的と当該ブランドのつながりを消費者は容易に理解できるか? • この社会目的追及戦略は、当該ブランドまたは商品のポジティブな(ネガティブではない)イメージを引き出すか? 【ステークホルダーの受け入れ】 • 当該ブランドは、この社会的ニーズに対して明確なインパクトを与えることができるか? • この社会問題の最前線にいる関係者は当該ブランドのこのアクションを支持しそうか? • 当該ブランドは一貫性のないイメージの発信、ご都合主義という印象、政治化という問題を回避できるか? 16 社会目的をブランドに訴求する際に重要となる問い
株式会社KI Strategy 〒108-0014 東京都港区芝5丁目27番3号B102 https://www.kistrategy.co.jp/ 代表取締役:今井健太郎 メール:
[email protected]
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