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電気工学II第3回 /eleceng2_03

電気工学II第3回 /eleceng2_03

Kazuhisa Fujita

March 23, 2023
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  1. 正弦波の式とパラメタ • 正弦波 • 𝑒 = 𝐸 sin 2𝜋𝑓𝑡 •

    波を表すための指標 • 周期 𝑇 [s]:⼭から⼭(⾕から⾕)までの時間 • 周波数 𝑓 [Hz] 𝑓 = 1/𝑇: 1秒間に何個⼭があるか. • 振幅 𝐸:⼭の⾼さ 周期T 振幅E 時間[s] 電圧[V] ⼭ ⾕ 節
  2. 周波数と周期 • 周波数𝑓は1周期の波が1秒あたり𝑓個あることを意味する. • 1周期の波が1秒あたり𝑓個あるのだから,1個あたりの時間は1/𝑓である.これ が周期𝑇である. • 𝑇 = 1/𝑓

    • 1周期分の⾓度は,2𝜋[rad]だから1秒あたり2𝜋𝑓[rad]進む.これが⾓周波数( ⾓速度)𝜔である. • 𝜔 = 2𝜋𝑓 1周期の波が𝑓個ある.
  3. 位相と位相差 • sin内の𝜔𝑡,𝜔𝑡 + 𝜋/3,𝜔𝑡 − 𝜋/4を位相と呼ぶ. • 𝑒! を基準とした時,+𝜋/3,−𝜋/4を位相差と呼ぶ.

    • 𝑒" は𝑒! より位相が𝜋/3進んでいる. • 𝑒# は𝑒! より位相が𝜋/4遅れている. 𝑒! 𝑒" 𝑒# 𝜋/3 𝜋/4 𝜋 2𝜋 𝐸$ 𝑒! = 𝐸" sin 𝜔𝑡 𝑒# = 𝐸" sin 𝜔𝑡 + 𝜋 3 𝑒$ = 𝐸" sin 𝜔𝑡 − 𝜋 4
  4. 正弦波交流の実効値の計算 • 抵抗Rに𝑣 𝑡 = 𝑉 sin 𝜔𝑡の電圧を加えたときの電⼒は • 𝑃

    𝑡 = 𝑖 𝑡 𝑣 𝑡 = !!(#) % = &!'()! *# % • 1周期の平均電⼒は • * 𝑃 = + , ∫ - , &!'()! *# % 𝑑𝑡 = & .% & . = 𝐼/ 𝑉 / • よって,正弦波交流の実効値は振幅の 𝟏 𝟐 となる. 𝜔𝑇 = 2𝜋 cos 2𝜃 = cos! 𝜃 − sin! 𝜃 = 1 − 2 sin! 𝜃 $ 𝑃 = 1 𝑇 ) ! " 𝑉#sin# 𝜔𝑡 𝑅 𝑑𝑡 = 𝑉# 𝑇𝑅 ) ! " 1 2 1 − cos 2𝜔𝑡 𝑑𝑡 = 𝑉# 2𝑇𝑅 𝑡 − 1 2𝜔 sin 2𝜔𝑡 ! " = 𝑉# 2𝑇𝑅 𝑇 − 1 2𝜔 sin 2𝜔𝑇 + 1 2𝜔 sin 0 = 𝑉# 2𝑇𝑅 ×𝑇 = 𝑉# 2𝑅 = 𝑉 2𝑅 𝑉 2 = 𝐼$𝑉 $ 𝑃 𝑡 𝑡 𝑇 𝑉 2 電⼒が同じ 𝑣 𝑡 𝑖 𝑡 𝐼2
  5. 実効値(資格試験・国家試験のために覚える) • 交流 • 振幅: " • 全波整流(計算で2乗するため,交流と同じ値となる) • 振幅:

    " • 半波整流 • 振幅: " 半波整流正弦波の実効値 $ 𝑃 = 1 𝑇 ) ! "/# 𝑉#sin# 𝜔𝑡 𝑅 𝑑𝑡 = 𝑉# 𝑇𝑅 ) ! "/# 1 2 1 − cos 2𝜔𝑡 𝑑𝑡 = &" #"' 𝑡 − ( #) sin 2𝜔𝑡 ! "/# = &" #"' " # − ( #) sin 𝜔𝑇 + ( #) sin 0 = 𝑉# 4𝑇𝑅 ×𝑇 = 𝑉# 4𝑅 = 𝑉 2𝑅 𝑉 2 = 𝐼$𝑉 $
  6. 問題解説 • 時刻𝑡[s]における交流電流の瞬時値が以下の式で与えられるとき,周期[s]は いくらか.(第39回ME2種) • 𝑖 𝑡 = 20 sin(40𝜋𝑡

    − 𝜋/4) 1. 0.025 2. 0.05 3. 0.5 4. 20 5. 40 波の式は次のとおりである. 𝐼 𝑡 = 𝐴 sin(2𝜋𝑓𝑡 − 𝜙) よって周波数は 𝑓 = 20Hz 周期は 𝑇 = 9 :; = 0.05s
  7. 問題解説 • 𝑖 𝑡 = 10 2 sin(40𝜋𝑡 − 2

    3 ) [mA]で表される交流について誤っているのはどれか. (第34回ME2種) 1. 振幅:14.1mA 2. 周波数:40Hz 3. 位相遅れ:30° 4. ⾓周波数:126rad/s 5. 実効値:10mA
  8. 問題解説 • 𝑖 𝑡 = 10 2 sin(40𝜋𝑡 − "

    # )[mA]で表される交流について誤っているのはどれか.(第34回ME2 種) 1. 振幅:14.1mA 𝐴 = 10× 2 ≅ 14.1mA 2. 周波数:40Hz 𝜔 = 40𝜋 = 2𝜋𝑓,𝑓 = 20Hz 3. 位相遅れ:30° 𝜙 = − 3 4 = −30° 4. ⾓周波数:126rad/s 𝜔 = 40𝜋 ≅ 126rad/s 5. 実効値:10mA 𝑉 = !< " " = 10mA
  9. 問題 • 正弦波交流 𝑖+ = 141 sin 100𝜋𝑡 + 2

    4 [A], 𝑖. = 282 sin 100𝜋𝑡 − 2 3 [A]において, 𝑖+ と𝑖. の位相差[rad]について正しいのはどれか.(臨床⼯学技⼠国家試験30回) 1. 𝑖+ が𝑖. より𝜋/6進んでいる. 2. 𝑖+ が𝑖. より𝜋/2進んでいる. 3. 𝑖+ が𝑖. より2𝜋/3遅れている. 4. 𝑖+ が𝑖. より𝜋/6遅れている. 5. 𝑖+ が𝑖. より𝜋/2遅れている.
  10. 問題 • 正弦波交流 𝑖+ = 141 sin 100𝜋𝑡 + 2

    4 [A], 𝑖. = 282 sin 100𝜋𝑡 − 2 3 [A]において, 𝑖+ と𝑖. の位相差[rad]について正しいのはどれか.(臨床⼯学技⼠国家試験30回) 1. 𝑖+ が𝑖. より𝜋/6進んでいる. 2. 𝒊𝟏 が𝒊𝟐 より𝝅/𝟐進んでいる. 3. 𝑖+ が𝑖. より2𝜋/3遅れている. 4. 𝑖+ が𝑖. より𝜋/6遅れている. 5. 𝑖+ が𝑖. より𝜋/2遅れている. 2 4 − − 2 3 = 2 . よって𝑖+ が𝑖. より𝜋/2進んでいる.
  11. 問題解説 • 図は50Hz正弦波交流の全波整流波形である.実効値は何Vか.(第34回ME2種 ) 1. 140 2. 100 3. 71

    4. 50 5. 32 全波整流交流は正弦波交流と同じ実効値である. よって実効値は 𝑉 = +-- . ≅ 70.7V 100V
  12. 問題 • 表は,正弦波交流波形Aとその整流波形B,Cについて,それぞれの平均値[V] および実効値[V]を⽰している.標柱の空欄箇所(ア)および(イ)に記⼊す る値として,正しい組み合わせはどれか.(国家試験33回) • (ア) (イ) 1. 31.8

    60.4 2. 31.8 70.7 3. 45.0 50.0 4. 45.0 60.4 5. 45.0 70.7 ໰୊ɹüøɹද͸ɺਖ਼ݭ೾ަྲྀ೾ܗ " ͱͦͷ੔ྲྀ೾ܗ #ɺ$ ʹ͍ͭͯɺͦΕͧΕͷฏ㑸 ஋ ʦ7ʧ ͓Αͼ࣮ޮ஋ ʦ7ʧ Λ͍ࣔͯ͠ΔɻදதͷۭനՕॴ ʢΞʣ ͓Αͼ ʢΠʣ ʹه ೖ͢Δ஋ͱͯ͠ɺਖ਼͍͠૊߹ͤ͸ͲΕ͔ɻ ೾ܗ ฏ㑸஋ ʦ7ʧ ࣮ޮ஋ ʦ7ʧ ೾ܗ " ిѹ ʦ7ʧ ø÷÷ ÷ ÷ þ÷ɽ þ ೾ܗ # ిѹ ʦ7ʧ ø÷÷ ÷ ʢΞʣ ü÷ɽ ÷ ÷ɽ ÷ø ೾ܗ $ ÷ ÷ɽ ÷ù ÷ɽ ÷ú ࣌ؒ ʦTʧ ిѹ ʦ7ʧ ø÷÷ ÷ ÷ɽ ÷û ÷ɽ ÷ü ýúɽ þ ʢΠʣ ɹɹɹɹ ʢΞʣ ɹɹɹɹɹ ʢΠʣ
  13. 問題 • 表は,正弦波交流波形Aとその整流波形B,Cについて,それぞれの平均値[V]および実効値[V]を⽰している.標柱の空欄箇所(ア)お よび(イ)に記⼊する値として,正しい組み合わせはどれか.(国家試験33回) • (ア) (イ) 1. 31.8 60.4

    2. 31.8 70.7 3. 45.0 50.0 4. 45.0 60.4 5. 45.0 70.7 ໰୊ɹüøɹද͸ɺਖ਼ݭ೾ަྲྀ೾ܗ " ͱͦͷ੔ྲྀ೾ܗ #ɺ$ ʹ͍ͭͯɺͦΕͧΕͷฏ㑸 ஋ ʦ7ʧ ͓Αͼ࣮ޮ஋ ʦ7ʧ Λ͍ࣔͯ͠ΔɻදதͷۭനՕॴ ʢΞʣ ͓Αͼ ʢΠʣ ʹه ೖ͢Δ஋ͱͯ͠ɺਖ਼͍͠૊߹ͤ͸ͲΕ͔ɻ ೾ܗ ฏ㑸஋ ʦ7ʧ ࣮ޮ஋ ʦ7ʧ ೾ܗ " ిѹ ʦ7ʧ ø÷÷ ÷ ÷ þ÷ɽ þ ೾ܗ # ిѹ ʦ7ʧ ø÷÷ ÷ ʢΞʣ ü÷ɽ ÷ ÷ɽ ÷ø ೾ܗ $ ÷ ÷ɽ ÷ù ÷ɽ ÷ú ࣌ؒ ʦTʧ ిѹ ʦ7ʧ ø÷÷ ÷ ÷ɽ ÷û ÷ɽ ÷ü ýúɽ þ ʢΠʣ ɹɹɹɹ ʢΞʣ ɹɹɹɹɹ ʢΠʣ øɽúøɽ ÿçɹɹɹɹçý÷ɽ û ùɽúøɽ ÿçɹɹɹɹçþ÷ɽ þ úɽûüɽ ÷çɹɹɹɹçü÷ɽ ÷ ûɽûüɽ ÷çɹɹɹɹçý÷ɽ û üɽûüɽ ÷çɹɹɹɹçþ÷ɽ þ શ೾੔ྲྀ$ͷ࣮ޮ஋͸ɼਖ਼ݭ೾ަྲྀ"ͱಉ͡ͳͷͰʢΠʣ͸Ͱ͋Δɽ ൒೾੔ྲྀ#ͷฏۉ஋͸ɼ໌Β͔ʹશ೾੔ྲྀ$ͷ൒෼ͳͷͰʢΞʣ͸Ͱ͋Δɽ
  14. Vm v Im i 𝜃# 𝜃$ 正弦波 • 正弦波交流の電圧(瞬時値)を次の式で表す. •

    𝑣 = 𝑉 5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃& ) • 𝑖 = 𝐼5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃6 ) • 電圧と電流の値は時間変化するが,その特性は振幅𝑉 5 , 𝐼5 ,⾓周波数𝜔,位相 𝜃& , 𝜃6 の3つのパラメタで表現できる.𝜔が同じなら,振幅と位相の2パラメタ で良い.
  15. 複素数と実効値・位相 • 電圧が ̇ 𝑉 = 𝑉 = + 𝑗𝑉

    > のとき • 実効値は ̇ 𝑉 = 𝑉 $ % + 𝑉 & % • 位相は𝜃' = tan() '* '+ (偏⾓という) • 複素数の掛け算 • ̇ 𝑉) ̇ 𝑉% の⼤きさは ̇ 𝑉) ̇ 𝑉% ,偏⾓は 𝜃', + 𝜃'- • 複素数の割り算 • ̇ ', ̇ '- の⼤きさは ̇ ', ̇ '- ,偏⾓は 𝜃', − 𝜃'- • 実効値の⽐と位相差計算は複素数の割り算で求まる. 𝜃& ̇ 𝑽 𝑉 > Im 複素平⾯ 𝑉 =
  16. 確認 ̇ 𝑉! = ̇ 𝑉! 𝑉!7 ̇ 𝑉! −

    𝑗 𝑉!8 ̇ 𝑉! = ̇ 𝑉! cos 𝜃5! + 𝑗 sin 𝜃5! ̇ 𝑉" = ̇ 𝑉" 𝑉"7 ̇ 𝑉! − 𝑗 𝑉"8 ̇ 𝑉! = ̇ 𝑉" cos 𝜃5" + 𝑗 sin 𝜃5" ̇ 𝑉! × ̇ 𝑉" = ̇ 𝑉! cos 𝜃5! + 𝑗 sin 𝜃5! × ̇ 𝑉" cos 𝜃5" + 𝑗 sin 𝜃5" = ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" cos 𝜃5! + 𝑗 sin 𝜃5! cos 𝜃5" + 𝑗 sin 𝜃5" = ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" cos 𝜃5! cos 𝜃5" − sin 𝜃5! sin 𝜃5" + 𝑗 cos 𝜃5! sin 𝜃5" + sin 𝜃5! cos 𝜃5" = ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" cos 𝜃5! +𝜃5" + 𝑗 sin 𝜃5! + 𝜃5" ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" = ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" cos 𝜃5! + 𝑗 sin 𝜃5! cos 𝜃5" + 𝑗 sin 𝜃5" = ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" cos 𝜃5! + 𝑗 sin 𝜃5! cos 𝜃5" − 𝑗 sin 𝜃5" cos" 𝜃5" + sin" 𝜃5" = ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" cos 𝜃5! cos 𝜃5" + sin 𝜃5! sin 𝜃5" + 𝑗 cos 𝜃5! sin 𝜃5" − sin 𝜃5! cos 𝜃5" = ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" cos 𝜃5! − 𝜃5" + 𝑗 sin 𝜃5! − 𝜃5"
  17. 例 • 次の式の複素数表⽰を求めよ.さらにフェーザ図をかけ. • 𝑣 = 100 2 sin(100𝜋𝑡 +

    2 4 ) • 𝑖 = 20 sin(100𝜋𝑡 − 2 3 ) • それぞれの複素数表⽰は次のようになる. • ̇ 𝑉 = 50 + 50 3𝑗 • ̇ 𝐼 = 5 6 − 5 2𝑗 60° 30° 50 3 5 2 50 −5 2 100 10 2 ̇ 𝑉 ̇ 𝐼
  18. 問題 • 次の複素数で表された電圧の実効値と位相を求めよ. 1. ̇ 𝑉 = 1 + 3𝑗

    2. ̇ 𝑉 = −1 + 𝑗 • 次の複素数で表された電圧の実効値を求めよ. 1. ̇ 𝑉 = 3 + 4𝑗 2. ̇ 𝑉 = 10 − 5𝑗
  19. 問題 • 次の複素数で表された電圧の実効値と位相を求めよ. 1. ̇ 𝑉 = 1 + 3𝑗

    実効値は2,位相はπ/3 2. ̇ 𝑉 = −1 + 𝑗 実効値は 2,位相は3π/4 • 次の複素数で表された電圧の実効値を求めよ. 1. ̇ 𝑉 = 3 + 4𝑗 実効値は5 2. ̇ 𝑉 = 10 − 5𝑗 実効値は 100 + 25 = 125 = 5 5
  20. 問題 • 7 489 +89 4 の偏⾓はどれか.ただし,jは虚数単位である.(臨床⼯学技⼠国家試験 29回) 1. −

    2 . 2. − 2 3 3. 0 4. 2 3 5. 𝝅 𝟐 − 3 + 𝑗 1 + 𝑗 3 = − 3 + 𝑗 1 − 𝑗 3 1 + 3 = 1 4 − 3 + 3 + 1 + 3 𝑗 = 𝑗 よって 3 " 別解 − 3 + 𝑗の偏⾓は5𝜋/6 1 + 𝑗 3の偏⾓は𝜋/3 よって 5𝜋 6 − 𝜋 3 = 1 2 𝜋
  21. 問題 • 絶対値が最も⼩さいのはどれか。ただし、jは虚数単位である。(臨床⼯学技⼠ 国家試験30回) 1. + 9 2. + +89

    3. + .79 4. +79 .89 5. +79 +89 1 𝑗 = 1 1 = 1 1 1 + 𝑗 = 1 1 + 1 = 1 2 1 2 − 𝑗 = 1 4 + 1 = 1 5 1 − 𝑗 2 + 𝑗 = 1 + 1 4 + 1 = 2 5 1 − 𝑗 1 + 𝑗 = 2 2 = 1 よって3の ! "98 が最も⼩さい.
  22. 交流と抵抗 • オームの法則は • 𝑣 = 𝑅𝑖 • 電流を𝑖 =

    𝐼5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃6 )とすると,電圧は次のようになる. • 𝑣 = 𝑅𝐼5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃6 ) = 𝑉 5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃& ) • したがって, • 𝑉 5 = 𝑅𝐼5 • 𝜃& = 𝜃6 • である.よって複素数表⽰は • ̇ 𝑉 = 𝑅 ̇ 𝐼 • 抵抗では電流と電圧は同位相である. i = I ζ el U=ん/j'l,) と な る . そ こ で, 式 (10 . 2) に対応 し て, 電圧 u を フ ェ ーザで表示す よ う に な る . V=RI 乙 el 三 V乙 Bv こ の式は, 式 (10 . 3) と ま っ た く 同 じ内容で, 一般 に, V=Ri [VJ ま た は i = 長[A] と 表示 し, こ の と き の V と I の表わ し 方 と フ ェ ー ザ図 は 図 10 . 2 の る . 。R ぷ:1
  23. コンデンサ(キャパシタ) • 電荷を貯める機能を持つ. • 電荷の量𝑄の単位は[C](クーロン) • コンデンサに電圧𝑉を加えたときに,コンデンサに 貯まる電荷𝑄[C]は,次の式で求まる. • 𝑄

    = 𝐶𝑉 • 𝐶はコンデンサの静電容量と呼ばれる量で,単位は [F](ファラッド)である. t*E¥* is [f¥¥,E¥tEt ۚଐ൘ ༠ిମ ฏߦ൘ίϯσϯα t*E¥*IE t is [f¥¥,E¥tEt . 7<7> 2<$>ஷ·Δ 詳しい話は電磁気の講義のときに
  24. コンデンサの電圧と電流 • コンデンサに加える電圧𝑣を次のとおりとする. • 𝑣 = 𝑉 5 sin(𝜔𝑡 +

    𝜃& ) • コンデンサに流れる電流Iは電流の定義から • 𝑖 = ;< ;# = ;=! ;# = 𝐶 ; ;# 𝑉 5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃& ) = 𝜔𝐶𝑉 5 cos(𝜔𝑡 + 𝜃& ) • = 𝜔𝐶𝑉 5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃& + 2 . ) = 𝐼5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃6 ) 𝑣 𝑖
  25. コンデンサの電圧と電流 • よって,次のことが成り⽴つ. • 𝐼R = 𝜔𝐶𝑉 R • 𝜃S

    = 𝜃T + U : • つまり,電流は電圧よりも位相が90°進んでいる. ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃& 電圧𝑉 電流𝐼
  26. コンデンサの電圧と電流の複素数表⽰ • 電流と電圧の実効値を ̇ 𝐼, ̇ 𝑉とする.電流は電圧より位相がπ/2進んでいるの で,電流と電圧の関係を複素数表⽰で表すと • ̇

    𝐼 = 𝑗𝜔𝐶 ̇ 𝑉 • ̇ 𝑉 = + 9*= ̇ 𝐼 ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃5 ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃5 電流は電圧に対し90度進んでいる. 電圧は電流に対し90度遅れている.
  27. 複素数表⽰の意味 • ̇ 𝑉 = + 9*= ̇ 𝐼は何を意味するか? •

    ̇ 𝐼偏⾓を𝜃6 , 𝑗𝜔𝐶偏⾓を𝜃= とする. 𝑗𝜔𝐶は複素数成分だけなので偏⾓は 𝜃= = 𝜋/2 である. • ̇ 6 9*= は複素数の割り算なので,偏⾓は 𝜃6 − 𝜃= = 𝜃6 − 𝜋/2である. • つまり,コンデンサにより電圧の位相を90度遅れたことを⽰している.
  28. インダクタ(コイル) • 導線を巻いたもの. • 電流が変化すると電圧を発⽣させる. • 誘導起電⼒𝑣は次の式で書かれる. • 𝑣 =

    𝐿 @A @B • 𝐿を⾃⼰インダクタンスもしくはインダクタンスという. • 単位はH(ヘンリー) • 誘導起電⼒は電流により発⽣する磁場を打ち消す⽅向に発⽣する. • 電流変化に対しブレーキとして働くので,変化に対しインピーダンスが⾼くなる. 図記号 詳しい話は電磁気の講義のときに
  29. インダクタの電圧と電流 • インダクタに加える電流iを次のとおりとする. • 𝑖 = 𝐼5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃6

    ) • インダクタに流れる電圧vは誘導起電⼒の式から • 𝑣 = 𝐿 ;? ;# = 𝐿 ; ;# 𝐼5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃6 ) = 𝜔𝐿𝐼5 cos(𝜔𝑡 + 𝜃6 ) • = 𝜔𝐿𝐼5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃6 + 2 . ) = 𝑉 5 sin(𝜔𝑡 + 𝜃& )
  30. インダクタの電圧と電流 • よって,次のことが成り⽴つ. • 𝑉 R = 𝜔𝐿𝐼R • 𝜃T

    = 𝜃S + U : • つまり,電圧は電流よりも位相が90°進んでいる. ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃&
  31. インダクタの電圧と電流の複素数表⽰ • 電流と電圧の実効値を ̇ 𝐼, ̇ 𝑉とする.電圧は電流より位相がπ/2進んでいるの で,電流と電圧の関係を複素数表⽰で表すと • ̇

    𝑉 = 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃5 ̇ 𝐼偏⾓を𝜃6 , 𝑗𝜔𝐿偏⾓を𝜃@ とする. 𝑗𝜔𝐿は複素数成分だけなので偏⾓は 𝜃@ = 𝜋/2である. 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼は掛け算なので,偏⾓は 𝜃6 + 𝜃@ = 𝜃6 + 𝜋/2である. つまり,インダクタにより電圧の位相が90度進んだことを⽰して いる.
  32. インピーダンス,レジスタンス,リアクタンス • どのような回路であれ,電圧と電流の関係を次のように表すとする. • ̇ 𝑉 = ̇ 𝑍 ̇

    𝐼 • ここで ̇ 𝑍をインピーダンスという. • 抵抗の場合 • ̇ 𝑉 = 𝑅 ̇ 𝐼 • と書け,Rをレジスタンスという. • また,コンデンサの場合, • ̇ 𝑉 = ( .)/ ̇ 𝐼 • と書け, ( )/ を容量性リアクタンスという • インダクタの場合 • ̇ 𝑉 = 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 • と書け,𝜔𝐿を誘導性リアクタンスという. • それぞれの単位はΩである. ̇ 𝑉 = 𝑅 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉 = 1 𝑗𝜔𝐶 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉 = 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉 = ̇ 𝑍 ̇ 𝐼 インピーダンスを導⼊す ることで,交流でも素⼦ 関係なくオームの法則の ようなものが使える.
  33. 問題解説 • 最⼤値10Vの正弦波交流電圧を誘導リアクタンス2.0Ωのインダクタに加えた. 交流電圧の瞬時値が-10Vのときにインダクタを流れる交流の瞬時値[mA]とし て正しいのはどれか.(第41回ME2種) 1. -5.0 2. -3.5 3.

    0.0 4. 3.5 5. 5.0 電圧の位相は0だとすると電圧は次の式でかける. 𝑉 = 10 sin 𝜔𝑡 V=-10だから sin 𝜔𝑡 = −1 𝜔𝑡 = − 𝜋 2 電圧の位相は0だとすると 電流は次の式でかける. 𝐼 = 𝐼C sin(𝜔𝑡 − 𝜋 2 ) 𝜔𝑡 = − D " だから I=0 ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃5
  34. 問題解説 • 最⼤値10Vの正弦波交流電圧を誘導リアクタンス2.0Ωのインダクタに加えた. 交流電圧の瞬時値が-10Vのときにインダクタを流れる交流の瞬時値[mA]とし て正しいのはどれか.(第41回ME2種) 1. -5.0 2. -3.5 3.

    0.0 4. 3.5 5. 5.0 別解 ̇ 𝑉 = ̇ 𝑍 ̇ 𝐼 ̇ 𝐼 = ̇ 𝑉 ̇ 𝑍 = ̇ 𝑉 𝑗𝜔𝐿 = −𝑗 𝑉 𝜔𝐿 よって電流は電圧に対し− 3 " ほど位相がずれている. 電圧が-10Vのとき,電圧の位相は# : 𝜋だから(−10 = 10 sin # : 𝜋),電流の位相は𝜋なので,電流10 sin 𝜋 = 0 である. ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃5
  35. RC直列回路 • 図のように抵抗とコンデンサを直列につなぐ. • 直列なので,各素⼦を流れる電流は等しく,各素⼦に加わ る電圧の総和がab間の電圧となる. • 各素⼦に加わる電圧は, • ̇

    𝑉% = 𝑅 ̇ 𝐼, ̇ 𝑉= = + 9*J ̇ 𝐼 • である.このことから,抵抗の電圧は電流と同位相である が,コンデンサの電圧は電流及び抵抗の電圧からπ/2遅れ ている. ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉; ̇ 𝑉< 𝜃6 𝜃5
  36. RC直列回路 • ab間の電圧は,それぞれの端⼦にかかる電圧の和なので • ̇ 𝑉 = ̇ 𝑉% +

    ̇ 𝑉= = 𝑅 ̇ 𝐼 + + 9*= ̇ 𝐼 = 𝑅 + + 9*= ̇ 𝐼 • ここで,電圧と電流を ̇ 𝑉 = ̇ 𝑍 ̇ 𝐼と表すとき, ̇ 𝑍をインピーダンスという. • RC直列回路の合成インピーダンスは • ̇ 𝑍 = 𝑅 + + 9*= • である. ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉; ̇ 𝑉< 𝜃6 𝜃5 ̇ 𝑉はベクトルの和になっている.
  37. RL直列回路 • 図のように抵抗とインダクタを直列につなぐ. • 直列なので,各素⼦を流れる電流は等しく,各素⼦に 加わる電圧の総和がab間の電圧となる. • 各素⼦に加わる電圧は, • ̇

    𝑉% = 𝑅 ̇ 𝐼, ̇ 𝑉@ = 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 • である.このことから,抵抗の電圧は電流と同位相で あるが,インダクタの電圧は電流及び抵抗の電圧から π/2進んでいる. ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉; ̇ 𝑉= 𝜃6 𝜃5
  38. RL直列回路 • ab間の電圧は各素⼦にかかる電圧の和なので • ̇ 𝑉 = ̇ 𝑉% +

    ̇ 𝑉@ = 𝑅 ̇ 𝐼 + 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 = 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 • RL直列回路の合成インピーダンスは • ̇ 𝑍 = 𝑅 + 𝑗𝜔𝐿 • である. ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 ̇ 𝑉; ̇ 𝑉= 𝜃6 𝜃5
  39. (4) 5 × 10-4 (5) 1 × 10-3 【AM22】図の電圧 V

    の値[V]はどれか。 (1) 0 (2) 1 (3) 1.5 (4) 2 (5) 3 【AM23】 V(t)= 282sin(200πt+π/4)[V]で表される交流について誤っているものはどれか。 (1) 周波数 :200Hz (2) 実効値 :200V (3) 位相進み:45 ° (4) 振幅 :282V (5) 角周波数:628 rad/s 【AM25】ある抵抗に 100V の電圧をかけたとき 50W の電力を消費した。この抵抗を 2 本 直列にして 100V の電圧をかけると何 W の電力を消費するか。 (1) 200 (2) 100 (3) 50 (4) 25 (5) 12.5 【AM34】500W の電気ポットに 10℃の水 1 ℓを入れた。10 分間通電すると、水の温度はお よそ何℃になるか。ただし 1 カロリーは 4.2 J で、消費電力の 60 %が水の加熱に利 用されるものとする。 (1) 15 (2) 24 (3) 43 (4) 53 (5) 82 10V 10μF 3V 5kΩ 1μF V 1mH 10kΩ 問題解説
  40. (4) 5 × 10-4 (5) 1 × 10-3 【AM22】図の電圧 V

    の値[V]はどれか。 (1) 0 (2) 1 (3) 1.5 (4) 2 (5) 3 【AM23】 V(t)= 282sin(200πt+π/4)[V]で表される交流について誤っているものはどれか。 (1) 周波数 :200Hz (2) 実効値 :200V (3) 位相進み:45 ° (4) 振幅 :282V (5) 角周波数:628 rad/s 【AM25】ある抵抗に 100V の電圧をかけたとき 50W の電力を消費した。この抵抗を 2 本 直列にして 100V の電圧をかけると何 W の電力を消費するか。 (1) 200 (2) 100 (3) 50 (4) 25 (5) 12.5 【AM34】500W の電気ポットに 10℃の水 1 ℓを入れた。10 分間通電すると、水の温度はお よそ何℃になるか。ただし 1 カロリーは 4.2 J で、消費電力の 60 %が水の加熱に利 用されるものとする。 (1) 15 (2) 24 (3) 43 (4) 53 (5) 82 10V 10μF 3V 5kΩ 1μF V 1mH 10kΩ 問題解説 ௚ྲྀͷ৔߹ɼఆৗঢ়ଶͰ͸ΠϯμΫλ͸఍߅ͱͳΓ୹བྷɼίϯσϯα͸఍߅ແݶେͱͳΓ։์ͱݟͳͤΔɽͭ·Γɼͭͷ఍߅ ͷ௚ྻճ࿏ͱͳΓɼ7͸LЊͷ఍߅ʹՃΘΔిѹͰ͋ΔɽΑͬͯɼ࣍ͷ͕ࣜ੒Γཱͭɽ 7     ୹བྷ ։์
  41. 有効電⼒ • 𝑣 = 2𝑉 sin 𝜔𝑡 , 𝑖 =

    2𝐼 sin 𝜔𝑡 + 𝜙 とすると瞬時電⼒は • 𝑝 = 𝑣𝑖 = 2𝑉𝐼 sin 𝜔𝑡 sin 𝜔𝑡 + 𝜃 = 𝑉𝐼 cos 𝜙 − cos 2𝜔𝑡 − 𝜙 • ここで 𝑉と𝐼はそれぞれ電圧と電流の実効値である. • 瞬時電⼒𝑝の平均はどうなるか? • cos 2𝜔𝑡 − 𝜙 の平均は0であるから, • 𝑃 = 𝑉𝐼 cos 𝜙 • これを有効電⼒または単に電⼒という. • 単位はW(ワット)である. • 電圧と電流に位相差がなければ𝜙 = 0なので, • 𝑃 = 𝑉𝐼 cos 𝑎 + 𝑏 = cos 𝑎 cos 𝑏 + sin 𝑎 sin 𝑏 cos 𝑎 − 𝑏 = cos 𝑎 cos 𝑏 − sin 𝑎 sin 𝑏 cos 𝑎 + 𝑏 − cos 𝑎 − 𝑏 = cos 𝑎 cos 𝑏 + sin 𝑎 sin 𝑏 − cos 𝑎 cos 𝑏 + sin 𝑎 sin 𝑏 sin 𝑎 sin 𝑏 = 1 2 cos 𝑎 + 𝑏 − cos 𝑎 − 𝑏 (⻄巻,電気回路基礎) 平均は1周期の間,時間で積分して周期で割ったもの. cos 2𝜔𝑡 − 𝜙 の平均は0. 𝑉𝐼 cos 𝜙 だけ残る.
  42. ⽪相電⼒と⼒率 • 単に電圧と電流の実効値を掛けたものを⽪相電⼒という. • 𝑃K = 𝐼𝑉 • 単位は[VA](ボルトアンペア)である. •

    消費電⼒𝑃と⽪相電⼒𝑃K の⽐を⼒率という. • ⼒率は次のように表される. • L L+ = cos 𝜙
  43. 無効電⼒ • 1 − cos. 𝜙 = sin 𝜙を無効率という. •

    ⽪相電⼒𝑃K と無効率の積を無効電⼒𝑃M という. • 無効電⼒は次のように表される. • 𝑃M = 𝑉𝐼 sin 𝜙 = 𝑃K sin 𝜙 • 単位は[var](バール)である. • それぞれの電⼒には次の関係が成り⽴つ. • 𝑃K = 𝑃. + 𝑃M . cos" 𝜙 + sin" 𝜙 = 1 > >- = cos𝜙,𝑃 7 = 𝑃 ? sin𝜙 より 𝑃" 𝑃 ? " + sin" 𝜙 = 1 𝑃" + 𝑃 ? "sin" 𝜙 = 𝑃 ? " 𝑃" + 𝑃 7 " = 𝑃 ? " 𝑃 ? = 𝑃" + 𝑃 7 "
  44. 問題 • 図の回路でab間の正弦波交流電⼒(有効電⼒)を求める式として正しいのは どれか.(臨床⼯学技⼠国家試験35) 1. 電圧の振幅値 × 電流の振幅値 2. 電圧の実効値

    × 電流の実効値 3. 電圧の振幅値 × 電流の振幅値 × ⼒率 4. 電圧の実効値 × 電流の実効値 × ⼒率 5. 電圧の実効値 × 電流の実効値 × 無効率
  45. 問題 • 図の回路でab間の正弦波交流電⼒(有効電⼒)を求める式として正しいのは どれか.(臨床⼯学技⼠国家試験35) 1. 電圧の振幅値 × 電流の振幅値 2. 電圧の実効値

    × 電流の実効値 3. 電圧の振幅値 × 電流の振幅値 × ⼒率 4. 電圧の実効値 × 電流の実効値 × ⼒率 5. 電圧の実効値 × 電流の実効値 × 無効率 有効電⼒は 𝑃 = 𝑉𝐼 cos 𝜙 である.𝑉は電圧の実効値,𝐼は電流の実効値である. cos 𝜙 は⼒率と呼ばれる. よって答えは4である.
  46. 交流回路のポイント • 正弦波𝑉(𝑡) = 𝑉- sin(2𝜋𝑓𝑡 + 𝜃) • 電圧の瞬時値𝑉(𝑡),振幅𝑉<

    ,周波数𝑓, 位相𝜃,⾓周波数𝜔 = 2𝜋𝑓,周期𝑇 = 1/𝑓 • 正弦波𝑉+ = 𝑉- sin(2𝜋𝑓𝑡 + 𝜃+ )と正弦波𝑉. = 𝑉- sin(2𝜋𝑓𝑡 + 𝜃. )の位相差 • 𝜃! − 𝜃" • これが正なら𝑉! が𝑉" より 𝜃! − 𝜃" 位相が進んでいる. • これが負なら𝑉! が𝑉" より |𝜃! − 𝜃" |位相が遅れている. • 実効値 • 正弦波交流:@ " • 全波整流:@ " • 半波整流:@ " 周期T 振幅𝑉! 時間[s] 電圧[V]
  47. 交流回路のポイント • 複素数表⽰ • 電流と電圧をベクトルで表す. • ベクトルは複素平⾯上に(フェーザ図で)書かれる. • ̇ 𝑉

    = 𝑎 + 𝑏𝑗 • ベクトルの⼤きさは実効値,ベクトルの⾓度が位相に対応する. • 実効値は 𝑎# + 𝑏#,位相はtan0( 1 2 • ̇ 𝑉 = ̇ 𝑍 ̇ 𝐼が成り⽴つ.つまり交流でもオームの法則が成り⽴つ. • ̇ 𝑍はインピーダンスと呼ばれる.直流の抵抗と対応する. • ̇ 𝑉と ̇ 𝐼の絶対値は,それぞれの実効値である. • 抵抗のインピーダンス𝑅,コンデンサのインピーダンス ) &,- ,コイルのインピーダンス𝑗𝜔𝐿 • 複素数表⽰を使えば交流でも直流と同じように計算できる. • 合成インピーダンスは直流のときの合成抵抗と同じように計算できる. 𝜃# 𝜃$ ̇ 𝑰 ̇ 𝑽 フェーザ図 Re Im
  48. 交流回路のポイント • 電圧が ̇ 𝑉 = 𝑉 M + 𝑗𝑉

    9 のとき • 実効値は ̇ 𝑉 = 𝑉 = " + 𝑉 > " • 位相は𝜃: = tanE! :D :E • 複素数の掛け算 • ̇ 𝑉! × ̇ 𝑉" の実効値は ̇ 𝑉! ̇ 𝑉" ,位相は 𝜃:F + 𝜃:G • 複素数の割り算 • ̇ :F ̇ :G の実効値は ̇ :F ̇ :G ,位相は 𝜃:F − 𝜃:G 𝜃& ̇ 𝑽 𝑉 > Im 複素平⾯ 𝑉 =
  49. 交流回路のポイント • コンデンサ • 電圧は電流よりも位相が90°遅れている . • 電圧と電流の関係(複素数表⽰) • ̇

    𝑉 = ! 8H< ̇ 𝐼 • コイル • 電圧は電流よりも位相が90°進んでいる. • 電圧と電流の関係(複素数表⽰) • ̇ 𝑉 = 𝑗𝜔𝐿 ̇ 𝐼 • 直流のとき,⼗分時間がたつとコンデンサは開放 ,コイルは短絡 ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃5 ̇ 𝑉 ̇ 𝐼 𝜃6 𝜃5 コンデンサの電圧と電流のフェーザ図 コイルの電圧と電流のフェーザ図
  50. 交流回路のポイント • 交流の電⼒ • 瞬時電⼒ • 電圧の瞬時値 𝑣[V] と電流の瞬時値 𝑖[A]

    をかけたもの. • 𝑝 = 𝑣𝑖 • 有効電⼒ • 電圧 𝑉 と電流 𝐼 の実効値と𝜙を電圧と電流の位相差のcosをかけたもの. • 𝑃 = 𝑉𝐼 cos 𝜙 • ⽪相電⼒ • 電圧と電流の実効値を掛けたもの. • 𝑃? = 𝐼𝑉 • ⼒率 • 消費電⼒𝑃と⽪相電⼒𝑃? の⽐. • > >- = cos 𝜙