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AIがAIを拡張する時代へ ~Claude Codeで実現する高品質文書作成~

AIがAIを拡張する時代へ ~Claude Codeで実現する高品質文書作成~

機械学習の社会実装勉強会第51回 (https://machine-learning-workshop.connpass.com/event/370282/) の発表資料です。

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Transcript

  1. Claude Code - ターミナルAIアシスタント user@macbook ~ $ claude claude> claude>

    利用規約作成用のWebアプリケーションを作成してくださ い ユーザーが会社名、サービス名、個人情報の取扱などを入 力するとNext.jsアプリケーション用の利用規約が自動生成 される機能が欲しいです 利用規約生成Webアプリの作成を承りました。どのような機能が 必要ですか? 了解しました。Next.jsアプリケーションとして以下の機能を実装 します: 1. フォーム入力コンポーネント(会社名、サービス 名、個人情報取扱方針) 2. 入力内容に基づく利用規約生成ロ ジック 3. Next.jsページとAPI routeの構築 まずプロジェクトの 実際のターミナル環境で⾃然⾔語によるコード開発が可能 ターミナル完結型開発 追加サーバーや複雑なセットアップ不要。お使いのターミナルでシームレ スに動作 コードベース全体を理解 プロジェクト全体を⾃動解析し、コンテキストを維持しながら開発を⽀援 スクリーンショット解析 画像の直接貼り付けに対応。UI問題の診断やコード修正を視覚的に⽀援 開発環境との統合で作業フローを中断せず開発効率向上 コーディングは簡単になったが、⽂書作成には別の課題が...
  2. 開発以外の壁 - サービスリリースへの道 開発完了! コード開発は完了AIのおかげで⾼品質な実装が実現 しかし、次の課題が... 利⽤規 約 プライバシー ポリシー

    特商法表 記 SLA契 約 API利⽤ 規定 ヘルプドキュ メント 免責事 項 GDPR対 応 セキュリティ ポリシー マニュア ル 法務書 類 規約 リリースへの次のステップ... 法務書類や規約⽂書という開発とは異なる新たな壁が⽴ちはだかる
  3. Context汚染という罠 修正依頼 前の版 新要求 履歴 ⻑すぎるコンテキストは性能を劣化させる AIのコンテキストウィンドウ 新しい情報: ⼊りきらない... ⼊⼒情報が増えすぎると...

    Context汚染が発⽣! 情報過多で「Context汚染」が発⽣ 新要求: EUのGDPRに準拠した内容 に変更 前の版: 当社は個⼈情報を適切に管 理します 修正依頼: 利⽤規約の第3条をより 具体的な表現に
  4. 解決策:Claude Code Sub Agent Slash Command Context管理 専⾨家チームを作る それぞれの専⾨分野に集中 した

    エージェントが連携して ⾼品質な成果物を ⽣み出します 定型作業を⾃動化 コマンド⼀つで複雑な処理を 瞬時に実⾏できます 効率的なワークフローを実 現 AIの頭を常にクリアに 情報過多による性能低下を 防ぎ 常に最適なパフォーマンスを 維持します 法務レビュー専⾨家: リスク評価専⾨家: テンプレート作成専⾨家: 各国の法規制に準拠した条項作成 潜在的な法的リスクを特定‧対策 業界標準のフォーマット適⽤ 法的要件とコンプライアンスを検証 ⻑い会話履歴を⾃動要約して圧縮 コンテキストをリセットして新たに開始 対話型で利⽤規約を段階的に作成 法改正に合わせて⾃動更新 /tos-wizard /tos-check /tos-update /compact /clear
  5. Sub AgentとSlash Commandの仕組み 専⾨家チームのアーキテクチャ 各Sub Agentは独⽴したコンテキストで動作専⾨分野に集中できるため⾼ 品質な成果物 ⾃動化を実現するコマンド群 /tos-wizard /tos-check

    /tos-update 対話型の利⽤規約作成ウィザード。ユーザーからの情報⼊⼒を基に最適な⽂書を⽣成。 コンプライアンスチェック機能。法的要件との整合性を⾃動検証し、問題点を指摘。 法改正対応機能。最新の法規制に合わせて既存の利⽤規約を⾃動アップデート。 Slash Commandで定型作業を瞬時に実⾏メインのコンテキストは常にク リーンに保持 メインAgent Sub Agent: 法務レビュー専⾨ 家 Sub Agent: リスク評価専⾨家 Sub Agent: テンプレート作成 専⾨家
  6. Context分離の重要性 Sub Agentの主な特⻑ 各Agentが分離されたコンテキストで動作 - 専⾨領域に特化した処理が可能 メインの⻑い会話履歴から分離 - 関連性の⾼い情報に集中できる環境 タスクに関連する情報を優先的に処理

    - 不要な情報による混乱を軽減 Context汚染の問題を効果的に軽減 - より⼀貫性のある応答を実現 Context分離の仕組み - 各Sub Agentは独⾃のメモリ空間を持つ - 特定のタスクに必要な参照情報を保持 - メインAgentは全体の調整と統合を担当 - 専⾨知識を持つAgentが協調して作業 具体例:法務レビューAgent 分離された専⾨処理 従来のAIとの違い - 法規制データに主に焦点 - 修正履歴の影響を低減 - より安定した判断基準 - 法的コンプライアンスに特化 - 全ての情報が単⼀コンテキストに混在 - 情報を専⾨分野ごとに整理 - ノイズ軽減: ⼀貫性向上: 専⾨性: 情報過多による混乱を軽減 - より少ない修正回数で品質向上 参照情報: 従来のAI: Claude Code: 結果: 効果:
  7. Claude Codeを⾃⼰拡張 Sub Agentの設定を難しく考えなくて⼤丈夫 Claude Code⾃⾝に作ってもらえます 1 利⽤規約作成⽤のClaude CodeのSub Agent

    とSlash Commandを作成してください 2 3 Claude Codeが⾃動的に必要なファイル構 造を⽣成 Sub AgentsとSlash Commandsが即座に利 ⽤可能に うまくいかない場合は? Claude Codeに「この部分を修正して」と指⽰するだけ。⾃分で設 定を調整する必要はありません。 専⾨的な知識がなくてもAIに⾃⼰拡張を任せられる
  8. デモンストレーション - Claude Codeの実演 ⾃⼰拡張 > Claude Code、利用規約作成用の Sub AgentとSlash

    Commandを 作成してください 実⾏結果 Sub Agents作成完了 Slash Commands作成完了 即座に利⽤可能 利⽤規約作成 > /tos-wizard 対話型ウィザード サービス種別を選択 対象地域を指定 必要条項を⾃動判定 ⽣成結果 法的要件を満たした利⽤規約 業界標準に準拠 コンプライアンスチェック済み
  9. Before / After 従来の⽅法とClaude Codeを⽐較 項⽬ 従来の⽅法 Claude Code 作成時間

    修正回数 Context 専⾨性 数⽇間 数⼗回 数時間 品質 バラバラ 汚染される 数回程度 ⼀貫性あり 1⼈で全部 効果的に管理 専⾨家チーム ⼤幅な時間短縮、品質は向上、ストレスフリー
  10. Context管理がもたらす⾰新 従来のAI:すべての情報が混在 Context汚染 すべての情報が⼀つのコンテキストに混在 混乱の蓄積で判断能⼒が低下 Claude Code:専⾨家ごとに分離 法務Agent:法規制のみ 各国の法規制データのみを参照 法的整合性を常に確保

    リスクAgent:リスク評価のみ 潜在的リスクに集中 ⼀貫した評価基準 テンプレートAgent:形式のみ ⽂書構造と形式に特化 業界標準テンプレートを適⽤ 独⽴したコンテキストで分離管理 限りなくクリーンな状態 結果:⼀貫性のある⾼品質な成果物 新しい要求 「サブスクリプション条項 を追加」「英語版も作成」 競合情報 「A社は7⽇間の返⾦保証」 「B社は権利譲渡を禁⽌」 法規制 GDPR、CCPA、個⼈情報保 護法、各国の法令... 修正履歴 「第3条を修正して」「もっ と詳しく」「簡潔にして」 前の版 「第1条」「第2条」...
  11. 他の応⽤例 プライバシーポリシー SLA(サービスレベル契約) ユーザーマニュアル 個⼈情報の取り扱いや保護⽅針を明確に説明 し、法的要件を満たした⽂書を短時間で作成 サービス品質の保証内容や責任範囲を明確に し、顧客との信頼関係を構築する契約書 技術仕様書 API

    ドキュメント 製品やシステムの詳細な技術情報を整理し、 開発者や技術者に必要な情報を提供 APIの使⽤⽅法やエンドポイント、パラメー タを説明し、開発者の統合作業を効率化 法的⽂書 契約書や規約など、法的効⼒を持つ⽂書を適 切な形式と内容で作成し、リスク管理を強化 製品やサービスの使⽤⽅法を分かりやすく説 明し、顧客満⾜度と⾃⼰解決率の向上に貢献