Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
LangGraphのノード・エッジ・ルーティングを深堀り
Search
西岡 賢一郎 (Kenichiro Nishioka)
May 24, 2024
Technology
1
560
LangGraphのノード・エッジ・ルーティングを深堀り
機械学習の社会実装勉強会第25回 (
https://machine-learning-workshop.connpass.com/event/319050/
) の発表資料です。
西岡 賢一郎 (Kenichiro Nishioka)
May 24, 2024
Tweet
Share
More Decks by 西岡 賢一郎 (Kenichiro Nishioka)
See All by 西岡 賢一郎 (Kenichiro Nishioka)
LangGraphを使ったHuman in the loop
knishioka
0
94
AIシステムの品質と成功率を向上させるReflection
knishioka
0
23
LangGraph Templatesによる効率的なワークフロー構築
knishioka
0
110
AIエージェントの開発に特化した統合開発環境 LangGraph Studio
knishioka
0
150
LangGraphを用いたAIアプリケーションにおけるメモリ永続化の実践
knishioka
1
390
Text-to-SQLをLangSmithで評価
knishioka
0
190
効果的なLLM評価法 LangSmithの技術と実践
knishioka
1
380
LangGraphでマルチエージェントワークフローを構築
knishioka
0
420
LLMアプリケーションで使用するVector Databaseの比較
knishioka
0
2.7k
Other Decks in Technology
See All in Technology
I could be Wrong!! - Learning from Agile Experts
kawaguti
PRO
8
3.4k
Reactフレームワークプロダクトを モバイルアプリにして、もっと便利に。 ユーザに価値を届けよう。/React Framework with Capacitor
rdlabo
0
130
三菱電機で社内コミュニティを立ち上げた話
kurebayashi
1
360
生成AI × 旅行 LLMを活用した旅行プラン生成・チャットボット
kominet_ava
0
160
WantedlyでのKotlin Multiplatformの導入と課題 / Kotlin Multiplatform Implementation and Challenges at Wantedly
kubode
0
250
20250116_JAWS_Osaka
takuyay0ne
2
200
生成AIのビジネス活用
seosoft
0
110
ABWGのRe:Cap!
hm5ug
1
120
信頼されるためにやったこと、 やらなかったこと。/What we did to be trusted, What we did not do.
bitkey
PRO
0
2.2k
「隙間家具OSS」に至る道/Fujiwara Tech Conference 2025
fujiwara3
7
6.4k
Oracle Base Database Service:サービス概要のご紹介
oracle4engineer
PRO
1
16k
Bring Your Own Container: When Containers Turn the Key to EDR Bypass/byoc-avtokyo2024
tkmru
0
850
Featured
See All Featured
Fireside Chat
paigeccino
34
3.1k
Being A Developer After 40
akosma
89
590k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
44
7k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
6
500
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
3.6k
Visualization
eitanlees
146
15k
Building Applications with DynamoDB
mza
93
6.2k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
96
5.3k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
44
13k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
366
19k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
132
33k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
790
250k
Transcript
LangGraphの ノード・エッジ・ルーティングを深堀り 2024/05/25 第35回勉強会
自己紹介 • 名前: 西岡 賢一郎 ◦ Twitter: @ken_nishi ◦ note:
https://note.com/kenichiro ◦ YouTube: 【経営xデータサイエンスx開発】西岡 賢一郎のチャンネル (https://www.youtube.com/channel/UCpiskjqLv1AJg64jFCQIyBg) • 経歴 ◦ 東京大学で位置予測アルゴリズムを研究し博士 (学術) を取得 ◦ 東京大学の博士課程在学中にデータサイエンスをもとにしたサービスを提供する株式会社ト ライディアを設立 ◦ トライディアを別のIT会社に売却し、CTOとして3年半務め、2021年10月末にCTOを退職 ◦ CDPのスタートアップ (Sr. PdM)・株式会社データインフォームド (CEO)・株式会社ディース タッツ (CTO) ◦ 自社および他社のプロダクト開発チーム・データサイエンスチームの立ち上げ経験
はじめに 本日の発表内容 • LangGraphを構成する要素を一つ一つ深堀りする • ノード・エッジ・ルーティングを中心にデモを使って紹介
LangGraphを何故学ぶのか • 2024/05/10にLangChain v0.2がPrerelease ◦ https://blog.langchain.dev/langchain-v02- leap-to-stability/ • 記事の中でLangGraphについて言及 ◦
旧AgentExecutorは引き続き利用可能。 ◦ LangGraphが推奨されるエージェント構築方 法に。 ◦ AgentExecutorに相当するプレビルト LangGraphオブジェクトで、カスタマイズが 容易に。
LangGraphについて改めて復習 • LangGraphは、LLMを使って状態を持つマルチアクターアプリケーションを 構築するためのライブラリ • Pregel、Apache Beamにインスパイアされ、NetworkXライクなインター フェイス • 主な用途は、LLMアプリケーションに循環と永続性を追加すること
• 単純なDAGはLangChain Expression Language(LCEL)で実現可能 • 単純なアプリを構築するのは簡単だが、ハマりどころがたくさんある。。
LCEL • LangChain Expression Language (LCEL) とは ◦ 宣言的な方法でチェーンを簡単に構成でき る言語
◦ 最もシンプルな「プロンプト + LLM」 チェーンから最も複雑なチェーンまで対応 ◦ コードを変更せずにプロトタイプを本番環 境に導入可能 • LCELの主な機能 ◦ ファーストクラスのストリーミングサポー ト ◦ 非同期サポート ◦ 最適化された並列実行 ◦ リトライとフォールバック ◦ 中間結果へのアクセス ◦ 入力と出力のスキーマ ◦ シームレスなLangSmithトレース ◦ シームレスなLangServerデプロイメント from langchain_core.prompts import ChatPromptTemplate from langchain_openai import ChatOpenAI model = ChatOpenAI() prompt = ChatPromptTemplate.from_template("tell me a joke about {topic}") # LCELを使ってチェーンを構成 chain = prompt | model
Graph • LangGraphにおけるワークフローの中心的な表現方法で、ノードとエッジで 構成される • グラフはステートマシンとして機能し、共有状態を持つマルチアクターのア プリケーションを柔軟に構築可能 • グラフの主要コンポーネント: ◦
State (状態): グラフの実行中に共有されるデータを表現 ◦ Node (ノード): 状態を処理する基本的な構成要素で、Python関数またはRunnableとして定義 ◦ Edge (エッジ): ノード間の接続を表現し、実行の流れを制御 • 汎用的なStateGraphと簡単に利用できるMessageGraph
Graphの種類の推移 • Graph自体も大きく分けて3種類存在する • StateGraph ◦ nodeやedgeの追加ができる ◦ CompileするとCompiledStateGraphに変換で きる
• CompiledStateGraph ◦ Workflowを実行できる ◦ Runnable Interfaceに対応 ◦ get_graphでDrawableGraphに変換できる • DrawableGraph ◦ グラフを描画できる
LangGraphのState • LangGraphにおける中心的な概念で、グラフの実行中に共有 されるデータを表現 • 各ノードは状態を受け取り、処理後に更新された状態を返す (Returnを定義せずStateを更新しない場合もある) • Stateは通常、TypedDictまたはPydantic BaseModelとして
定義されるが、ほぼ任意の型を使用可能 • reducer は、ノードの出力を現在の状態に適用する方法を定 義 ◦ 状態フィールドにreducer関数を注釈 (annotation) 付 けすることで、データフローを正確に制御可能 • 共有状態の使用には、グローバル変数と同様の設計上のト レードオフがある ◦ 予期しない副作用、変更の追跡の難しさ、テストの複 雑化、並行処理のバグなどのリスクがある • ただし、LangGraphの共有状態には以下の利点がある ◦ 型付きの状態により、各スーパーステップの前後で データフローを完全に検査可能 ◦ ミュータブルな状態により、ユーザーや他のソフト ウェアがスーパーステップ間で状態を更新可能 ◦ チェックポイント時に明確に定義されているため、 ワークフロー全体の実行を保存、再開、バージョン管 理が容易
Node • グラフの基本的な構成要素で、状態を処理する役割を持つ • 通常は、状態を入力として受け取り、処理を行い、更新された状態を返す Python関数またはRunnableとして定義 • ノードは同期的にも非同期的にも実装可能 • ノードの第1引数は状態
(state)、第2引数 (オプション) は設定 (config) を受 け取る • add_node メソッドを使って、ノードをグラフに追加 • 内部的には、関数はバッチ処理、非同期サポート、トレース、デバッグ機能 を備えたRunnableLambdaに変換される
Nodeの実行結果 (Return) • 各ノードの処理結果を表現し、グラフの共有状態をどのように更新するかを指定 • ノードの返り値は、状態の特定の属性を上書き (SET) するか、既存の属性に追加 (ADD) する操作を表す
• Reducer関数は、ノードの返り値を現在の状態に適用する方法を定義 ((Value, Value) -> Value) • ノードが返り値を省略した場合、状態は変更されず、現在の状態がそのまま次の ノードに渡される • すべてのノードが値を返す必要はない (外部システムの変更のみするノードなど) • ノードの返り値は、グラフの状態の型と互換性がある必要がある • 複数のノードが同じ状態属性を更新する場合、Reducer関数が更新の競合を解決
Edge • ノード間の接続を表現し、実行の流れを制御する • 現在の状態を受け取り、遷移先のノードを決定する値を返す • デフォルトでは、エッジの出力値は次に実行するノードの名前 • 条件付きエッジ (Conditional
Edge) を使って、状態に応じて遷移先を動的に 決定可能 ◦ add_conditional_edges メソッドを使って、条件付きエッジを追加 ◦ 条件付きエッジは、現在の状態を入力とし、次のノードの名前または終了を示す特別な値を 返す関数として定義 • 通常のエッジは、特定のノードから別のノードへの無条件の遷移を表現 ◦ add_edge メソッドを使って、エッジを追加 • 1つのノードが複数の出力エッジを持つ場合、宛先ノードは並列に実行され る (次のスーパーステップ)
デモ • デモ内容 ◦ LCELとRunnable Interface ◦ StateGraph → CompiledStateGraph
→ DrawableGraphの変換 ◦ Stateの更新 ◦ Conditional Edgeを使ったRouting ◦ Multiple Edgeを使ったRouting ◦ Reducer関数によるStateの更新 • ソースコード ◦ https://github.com/knishioka/machine-learning-workshop/blob/main/langchain/Lang Graph%20Node%2C%20Edge%2C%20Routing.ipynb