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古地図アプリMaplat、その後の進化/geoactivity2021

 古地図アプリMaplat、その後の進化/geoactivity2021

Geoアクティビティコンテスト2021、奨励賞受賞の発表

Code for History

December 21, 2021
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  1. 目次 • 2018 Mの復習 • その後の発展 (1) 線を線に変換する技術 • その後の発展

    (2) 線を線に変換するGIS出力 • その後の発展 (3) 地図をオフライン販売できる技術 • 利用事例の紹介 • まとめ 2
  2. 一般的GISデータとMデータの比較 7 データ仕様 汎用 Web GIS データ形式 (WMTS/TMS) M データ形式

    データビューア Google Maps API, HERE maps API, Leaflet, OpenLayers, MapBox GJ JS M M データエディタ Maptiler QGIS + gdal2tiles MaplatEditor (HTGCL (後に説明) を利用) MaplatEditor 説明 • 標準データフォーマットはメルカトル図法で の正確な地図を提供 • 不正確な地図は、この仕様では次の2つの要 素を同時に満たしつつ提供することはできな い • 地図画像を歪めない • 全ての地図上の点を正確な経緯度と対応 付ける • 不正確な地図を、次の2つの要素を同時に満た しつつ提供することができる • 地図画像を歪めない • 全ての地図上の点を正確な経緯度と対応 付ける 備考 WMTS: Web Map Tile Service TMS: Tile Map Service
  3. 線を線に変換する技術はGISでも有用か 14 • Mは古地図を歪めない技術だが、古地図を歪めるGISの手法も 意味がないわけではない • 全ての対応点が正確に位置合わせされたうえで一望できる • 既存の多様なGISツールで活用できる •

    全てはユースケース次第 • 対応点 (GCP) ベースでの座標変換はGISにも存在するが、対応線 (HTGCL) ベースでの座標変換はGISには存在しない • HTGCL座標変換でのGISデータ生成も有用なのではないか仮説
  4. 座標変換性能自体の特徴比較 Method Rely on Pros Cons GIS (GDAL, シンプレート スプライン)

    GCP • データ作成が容易 • 変換結果が全体的にスムー ス • 変換が連続的でなかった り、双方向的でなかった りする場合がある • 線を線に変換できない M HTGCL • 同相変換 • 線を線への変換 • 三角網の辺をまたぐ部分 で変換が鋭角的になる場 合がある • トポロジーエラーが発生 した場合、手作業での改 善が骨の折れる作業 15 • MaplatEditorにHTGCL変換でのWMTSタイル出力機能をつけてみた
  5. 線を線に変換したGISデータの生成例 16 既存GIS技術 (GDAL with GCP) HTGCL • 緑の線は現代の 道路の位置を示

    している。既存 技術だと、古地 図側の道路は大 きくカーブを描 いて破壊的に変 形され、現代の 道路の位置に沿 わない。 • HTGCLを用い た変形では、古 地図側の道路は 幾分かは歪むも のの、基本的に 現代の道路の位 置にぴったりと 沿っている
  6. 同相変換の有用性についても確認 17 既存GIS技術 (GDAL with GCP) HTGCL • (線を線に変換す るために複雑な

    GCPを設定して いるせいもある が) 既存技術で は変換の連続性 と双方向性が失 われ、道路が ループや8の字 状に変換されて いる • はげしく歪んで 変形してはいる ものの、座標の 連続性と双方向 性は強力に維持 されたまま変換 できている
  7. 線を線に変換する技術はGISでも有用か 18 • Mは古地図を歪めない技術だが、古地図を歪めるGISの手法も意味が ないわけではない • 全ての対応点が正確に位置合わせされたうえで一望できる • 既存の多様なGISツールで活用できる •

    全てはユースケース次第 • 対応点 (GCP) ベースでの座標変換はGISにも存在するが、対応線 (HTGCL) ベースでの座標変換はGISには存在しない • HTGCL座標変換でのGISデータ生成も有用なのではないか仮説 • 結論: 線を線に変換する技術は既存GISでも有用そう • GeoTiffへの変換機能などもユースケース吟味の上、必要ならば開発したい
  8. 20 PWAとは? • “progressive web app”の略 • オフラインで動作 • ブラウザの背後で“service

    worker”というプロセスが走る • Service workerはページの開始前に必要なファイルを取得しキャッシュする • Service workerはプロセスからの処理要求に従い、アクセスしたファイルや データをIndexedDBなどにキャッシュする • プッシュ通知 • ホーム画面に登録可能 • アプリストアへの登録不要 • ネイティブアプリ的なUI/UX
  9. 22 Web地図をPWA化する際の困難 • PWAを動かすためのhtml、javascriptやcssだけでなく、地図タイ ル画像もキャッシュしなければ、オフラインで動作させることはでき ない • 全世界の兆レベルの地図画像を全部キャッシュするのは当然現実的で はない •

    アプリに必要な範囲、あるいはユーザの望む範囲の地図タイルだけ選 択してキャッシュするには、アプリ作成者は球面メルカトル座標や WMTS仕様を十分に理解し、必要なタイル画像のリストを作成して キャッシュする必要がある
  10. 23 Weiwudi – Web地図タイルを扱うた めのServiceworkerフレームワーク Serviceworker Web 地図API IndexedDB Weiwudi

    地図タイルサーバ • URL変換 • タイル画像を indexedDB に蓄積 タイル画像 タイル画像 タイルリクエスト タイルリクエスト 魏武帝 (Weiwudi)
  11. 24 Weiwudiがやってくれること • Mをオフライン動作させるために開発した仕組みだが、古地図 画像タイルのPWA化だけでなく、普通のWebGISでのWMTSタイル 地図のPWA化にも使えるよう設計されている • 単に基本設定をおこなって設置するだけでも、ユーザの表示した範囲 の地図タイルは自動でIndexedDBにキャッシュされる •

    キャッシュされた地図タイルはオフラインで利用可能 • ユーザの操作により、経緯度、ズームの範囲を指定して、その範囲の タイルを全て一気にダウンロードしキャッシュできる • キャッシュした画像の一斉解放も可能
  12. 25 • 現状はラスタタイルのみに対応しているが、原理上ベクタタイルにも 対応可能(なはず) ベクタタイル対応はスタイルの扱いなどを調査の上、対応を進める • Mbtilesを使った一括ダウンロードに対応する • Mbtilesは地図タイルを一括処理するための仕様 •

    Mbtiles形式のデータは、既存のGIS市場の中で利用されている資産 • Mbtilesデータを読み込み、画像を展開してindexedDBにWeiwudi仕様 で格納するserviceworkerがあれば普通に有用 次の開発項目: ベクタタイル、 Mbtilesを使った一括ダウンロード
  13. 26 • 全ての地図データをたった1つのファイルでダウンロードできる機能の 存在は、商用の有償Web地図を配信するのにとても便利!!! • タイルでの配信のみの場合 • 何百、何千枚ものタイル画像ひとつひとつの配信システムに、ユーザごとのア クセス認証を加える必要が生じ、システムが複雑化 •

    さらに表示範囲などでアクセス制御しようとするとさらに複雑化 • Mbtilesで配信=>Service workerに蓄積の場合 • コンテンツ全てが1つのファイルとなるので、ユーザの認証処理の直後の1つの URLへのアクセス制限だけ考慮すればよく、システムが単純化 • 表示範囲の制御なども、表示範囲だけを含むMbtilesを生成すればいいだけな ので簡単 • 副次効果として、PWAの元々の役割であるオフライン閲覧可能などの利点も Webで地図を単一ファイルで販売できる プラットフォームとして機能できる可能性
  14. 28 • 線を線に変換する機能を活用 • バスロケーションシステム「のってみりん」: 愛知県豊橋市、紹介済み • 文化財の調査や普及、活用に利用 • 群馬歴史資料継承ネットワークとの協力活動

    • 群馬県館林市、「ぷらっと館林」 (Code for History作成) での、館林市石造 物調査データの公開 • 群馬県佐波郡玉村町、「ぷらっと玉村」 (史料ネットとの協力作成) での、文化 財地図の活用 • 大阪市東成区での採用 • 区の文化財やオープンデータを活用した「ひがしなり街歩きアプリ」公開 広がる利用事例