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編集者視点でのテックカンファレンスの作り方 #DevReljp / How to Make a Tech Conference From an Editor's Perspective

kondoyuko
September 07, 2019

編集者視点でのテックカンファレンスの作り方 #DevReljp / How to Make a Tech Conference From an Editor's Perspective

DEVREL/JAPAN CONFERENCE 2019
https://devrel.tokyo/japan-2019/
https://devrel.connpass.com/event/132576/
での発表資料です。

kondoyuko

September 07, 2019
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Transcript

  1. 編集者視点での
    テックカンファレンスの作り方
    2019.9.7 @kondoyuko from SHOEISHA Co.,Ltd.
    DevRel/Japan Conferece 2019

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  2. #devreljp
    今日お話したいこと
    編集者として、開発者ではない人として
    どのようにテックカンファレンス作りに
    向き合っているか
    (開発者=ざっくり ITエンジニア)

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  3. #devreljp
    今日話さないこと
    カンファレンス運営Tips
    (たぶんいろんな人がシェアしてるはず)

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  4. #devreljp
    自己紹介
    近藤佑子 aka @kondoyuko / ゆうこりん
    • 所属:株式会社翔泳社
    – CodeZine編集部 副編集長
    – Developers Summit/Developers Boost
    オーガナイザー
    • 趣味:テクノロジーや自分をハブにしたイベントを
    作って遊ぶこと
    – 近藤佑子誕生祭、スナックゆうこ、Tech Pub、
    雑学サミット etc...
    kondoyuko516
    kondoyuko
    アイコン
    アー写

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  5. #devreljp
    主な仕事
    Webメディア「CodeZine」編集
    ● 寄稿記事の企画・編集
    ● インタビュー記事の企画・編集
    ● イベントレポートの企画・編集
    ● PR記事の企画・編集
    ● 打ち合わせなど
    エンジニア向けカンファレンス企画
    Developers Summit/Developers Boost
    ● 2019年度は年6回開催
    ● コンセプト決定
    ● セッション企画
    ● スポンサーセッションのアドバイス
    ● 集客
    ● 当日運営・取材など
    その他
    ● POD書籍編集
    ● セミナー企画

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  6. #devreljp
    2019年の業務外のアウトプット
    登壇10回以上、技術書典で単著執筆、勉強会グラレコ約20本
    勉強会・イベントの主催を4回、3か月連続でAWS/GCP/Azureの資格を取る

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  7. #devreljp
    あなたはなぜ開発者になりましたか?
    or
    なぜ開発者と関わるようになりましたか?

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  8. #devreljp
    私がいまここに立っている理由
    • エンジニアやIT業界で働いている人が面白そうだから
    一緒に働きたかった
    • 出版社志望ではなかったが、編集を志望したら就活が
    上手くいきだしたので、結果IT系編集者になった

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  9. #devreljp
    よく聞かれること
    開発者ではないのに
    • なぜカンファレンスが作れるのか?
    • なぜ勉強会に参加するのか?

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  10. #devreljp
    今回の発表を通して
    編集者としてテックカンファレンスを作るという
    (一見矛盾のある)行為を突き詰めると
    私の仕事のこれまでを見つめることになった

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  11. #devreljp
    今日のおはなし
    • デブサミとは何か? そして私との関わり
    • いいカンファレンスを作るために何をしてきたか
    – 編集者として
    – 開発者ではない人として

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  12. #devreljp
    デブサミとは何か?
    そして私との関わり

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  13. #devreljp
    Developers Summit(デブサミ)とは
    • 翔泳社が主催するITエンジニア
    向けカンファレンス
    • ベンダー中立、幅広いトピック
    • 2003年から毎年開催
    • 会場はホテル雅叙園東京
    • 5トラック2日間のセッション+
    ブース+企画

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  14. #devreljp
    開催の様子

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  15. #devreljp
    カンファレンスの運営体制
    営業チーム
    スポンサー獲得
    イベントチーム
    事務局
    編集部
    コンテンツ企画
    コンテンツ委員会
    イベント会社スタッフ
    社内
    社外

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  16. #devreljp
    年6回のテックカンファレンスを開催
    2003年- デブサミ(2月)
    2019年- デブスト関西(6月)
    2012年- デブサミ夏(7月)
    2015年- デブサミ福岡(8月)
    2011年- デブサミ関西(9月)
    2018年- デブスト(11月)

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  17. #devreljp
    デブサミの歴史と私との関わり
    デブサミ
    2003年              2011年 2012年    2015年      2018年 2019年 
    デブサミ関西
    デブサミ夏
    デブサミ福岡
    デブスト
    デブスト
    関西

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  18. #devreljp
    デブサミの歴史と私との関わり
    デブサミ
    2003年              2011年 2012年    2015年      2018年 2019年 
    デブサミ関西
    デブサミ夏
    デブサミ福岡
    デブスト
    デブスト
    関西
    2017年
    デブサミ
    オーガナイ
    ザー
    2014年
    翔泳社入社
    翔泳社に入ってから3年、デブサミは取材
    したり一部企画を手伝ったり
    ここ2年ほどはオーガナイザーとして、
    コンテンツ企画全般を担当

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  19. #devreljp
    デブサミ初期の状況
    “岩切氏が最初のデブサミの準備を始めたのは2002年4月。
    (中略)開発者向けの大規模なカンファレンスといえば,ベ
    ンダーが自社のサービスや製品を売り込むことを最終的な目
    的としたものだけで,技術を中立の立場で取り上げるカン
    ファレンスはなかった。”
    「開発者の祭りを通して世の中を変える」,翔泳社の岩切氏が開発者向けカンファレンス「デブサミ」への思いを語る
    2008/04/29 日経エレクトロニクス
    https://tech.nikkeibp.co.jp/it/article/NEWS/20080429/300291/

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  20. #devreljp
    デブサミ初期からの状況の変化
    今はさまざまなカンファレンスがある
    • ベンダー主催カンファレンス
    • ユーザーコミュニティ主催カンファレンス
    • 言語やテクノロジーカットのカンファレンス
    • 総合テックカンファレンス
    • 企業主催テックカンファレンス・・・など
    来場者、スポンサーにとって多くの選択肢がある

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  21. #devreljp
    デブサミ初期からの状況の変化
    開発者自身が開発者向けにコンテンツを作る状況が
    さらに加速している
    • 勉強会
    • カンファレンス
    • ブログ
    • 同人誌

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  22. #devreljp
    開発者自身が作るものに勝てない?
    デブサミへの声
    • 「デブサミってぬるいよね」
    • 「ここでしか聞けない」セッションが少ない
    技術同人誌界隈を見て
    • 開発者自身で売れる本が作れている
    • 出版社・編集者はもはやいらないのでは?

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  23. #devreljp
    それでもやっていたら嬉しいフィードバックが
    • 年々拡大する来場者&スポンサー
    • 「なんかイメージ変わったね」
    • 資料をフィードバックしたスピーカーのモチベUP
    • デブサミのために何度もリハやレビューを重ねてくれ
    るスピーカーさんの存在
    「いいイベントが作れている」実感が持てるように

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  24. #devreljp
    いいイベントだと思える要因(私見)
    • 個人のストーリーも会社の事例もどちらも発信できる
    • 長年のファンから、初めてカンファレンスに訪れる人
    まで、幅広い来場者に来てもらってる
    • 洗練された運営
    今までの蓄積もあるけど・・・
    自分の動き方が寄与しているところもあると思っている

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  25. #devreljp
    いいカンファレンスを作るために
    何をしてきたか

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  26. #devreljp
    いいカンファレンスを作るために何をしてきたか
    編集者として
    開発者ではない人として

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  27. #devreljp
    いいカンファレンスを作るために何をしてきたか
    編集者として
    開発者ではない人として

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  28. #devreljp
    編集者はイベントだって編集するのである
    本を作る
    Webメディアを運営する
    イベントを作る
    どれも編集者の仕事
    Hackすることは未来を期待すること 社会の中での役割を担おうとする態度だと
    思う(岩切晃子)
    https://speakerdeck.com/iwakiri/hacksurukotohawei-lai-woqi-dai-surukoto-she-hui
    -falsezhong-defalseyi-ge-wodan-outosurutai-du-datosi-u-number-ipsj-lifehacks

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  29. #devreljp
    みんなが乗ってくれるプラットフォームを作る
    • スピーカー
    • コンテンツ委員
    • スポンサー
    • コミュニティ
    • 参加者
    いろんな人が関われるよ
    うにしていく
    =デブサミの多様性 Hackすることは未来を期待すること 社会の中での役割を担おうとする態度だと
    思う(岩切晃子)
    https://speakerdeck.com/iwakiri/hacksurukotohawei-lai-woqi-dai-surukoto-she-hui
    -falsezhong-defalseyi-ge-wodan-outosurutai-du-datosi-u-number-ipsj-lifehacks

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  30. #devreljp
    編集者視点①
    編集者はタイトルを重要視する

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  31. #devreljp
    イベントに置き換えると
    テーマとビジュアルで
    イベントに命を吹き込む

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  32. #devreljp
    デブサミにおいてテーマが重要だと思う理由
    • テーマが決まるとすべてが回りだす
    • ステークホルダーの意識が揃う
    – 社内
    – コンテンツ委員会
    – スピーカー
    – スポンサー
    – 来場者
    デブサミの企画の
    ざっくりとした流れ
    ・テーマ決め
    ・公募 募集開始
    ・セッション案検討
    ・スピーカー検討
    ・タイムテーブル組み
    ・スピーカー打診
    ・公募 選考
    ・サイトオープン
    ・集客
    ・本番

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  33. #devreljp
    テーマの事例:デブサミ
    • その年の開発者が取り
    巻く状況をイメージ
    し、方向づけを行うよ
    うなテーマを考える
    • 講演者、スポンサー、
    公募の応募者などさま
    ざまな方が乗っかりや
    すいテーマにする

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  34. #devreljp
    テーマの事例:デブサミ関西
    • コンテンツ委員会で関西
    の状況を聞きつつ、ブレ
    ストしながら作っていく
    • 過去イベントと連続しつ
    つ、今年ならではのメッ
    セージを込める

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  35. #devreljp
    テーマの事例:デブサミ夏
    • 他のデブサミシリーズと
    異なりテーマカット
    • その年ならではのキー
    ワードを据える

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  36. #devreljp
    テーマ・ビジュアル決めで気をつけていること
    • 覚えられるテーマ、一言で説明しやすいテーマ
    • 「今」を表す
    • ステッカーにしても愛らしく思えるビジュアルを選ぶ
    • 困ったときはビジュアルから探す
    • テーマと絵がセットで浮かんできたら良いテーマ
    テーマ決めはめちゃくちゃ難しい、、けどやりがいがある

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  37. #devreljp
    編集者視点②
    編集者は1人では物が作れない

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  38. #devreljp
    イベントに置き換えると
    さまざまな役割を持った人と
    うまくコミュニケーションしていく

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  39. #devreljp
    カンファレンスの運営体制(再掲)
    営業チーム
    スポンサー獲得
    イベントチーム
    事務局
    編集部
    コンテンツ企画
    コンテンツ委員会
    イベント会社スタッフ
    社内
    社外

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  40. #devreljp
    スタッフ間のコミュニケーション
    • マメに直接コミュニケーションする
    • 嬉しいこと、気になることなど些細なことも話す
    • 私が「目」となり、業界で見てきたことを共有する
    • 「このイベントめっちゃ面白いから頑張ろう!」って
    言う

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  41. #devreljp
    編集者視点③
    編集者は読み手視点に立つ

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  42. #devreljp
    イベントに置き換えると
    参加者視点に立ち
    ステークホルダーにとって
    最高のイベントを目指す

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  43. #devreljp
    登壇者・スピーカーとのコミュニケーション
    • イベントのコンセプトや、期待することを伝える
    • to 登壇者:参加者目線でフィードバックをする
    – いい発信ができるようなコーチでありたい
    • to スポンサー:スポンサーがアピールしたいことと
            参加者が嬉しいことの両立を探る

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  44. #devreljp
    いいカンファレンスを作るために何をしてきたか
    編集者として
    開発者ではない人として

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  45. #devreljp
    開発者ではない人として
    「踊る阿呆」でいる

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  46. #devreljp
    2019年の業務外のアウトプット(再掲)
    登壇10回以上、技術書典で単著執筆、勉強会グラレコ約20本
    勉強会・イベントの主催を4回、3か月連続でAWS/GCP/Azureの資格を取る

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  47. #devreljp
    「踊る編集者」
    • 技術書典6の経験をLTした際
    の発表タイトル
    • 開発者自身がアウトプット
    する時代において、編集者
    の存在を不安視しつつも
    「楽しそうだから一緒に
    なって踊りたい」
    https://speakerdeck.com/kondoyuko/an-editor-who-dances-with-engineers

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  48. #devreljp
    踊ってみてよかったこと
    • 技術、コミュニティ…たくさんのインプットがある
    • 同じ土俵で開発者と仲良くなれる
    • 技術に関して貢献・議論できることの喜び
    • 発信する開発者を心から尊敬できるように
    • 貢献しないと存在していられない焦り

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  49. #devreljp
    「踊る編集者」としての快楽と使命感
    • 開発者と一緒になって楽しむ(快楽)
    ↓↑ 
    • その先に、開発者ではないならではの業界への貢献の
    仕方が見えてくる…かも(使命感)

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  50. #devreljp
    まとめ:いいカンファレンスを作るために
    編集者として
    • テーマとビジュアルでイベントに命を吹き込む
    • さまざまな役割を持った人と
    うまくコミュニケーションしていく
    • 受け手視点に立ちステークホルダーにとって
    最高のイベントを目指す
    開発者ではない人として
    • 「踊る阿呆」でいる

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  51. #devreljp
    ありがとうございました!!!
    次の現場でお会いしましょう!

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