Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
知能のコモディティ化と社会運動
Search
Yoshihito Kuranuki / 倉貫義人
February 05, 2025
Business
0
27
知能のコモディティ化と社会運動
2025年1月のソニックガーデンの全体会議で話した内容(抜粋)
Yoshihito Kuranuki / 倉貫義人
February 05, 2025
Tweet
Share
More Decks by Yoshihito Kuranuki / 倉貫義人
See All by Yoshihito Kuranuki / 倉貫義人
経営組織論〜ソニックガーデンの場合(2024/11版)
kuranuki
0
830
いいソフトウェアを創るための組織と経営
kuranuki
0
150
エンジニアのキャリアを考える
kuranuki
0
880
不確実な世界で成果をあげる〜変化を抱擁するアジャイル思考
kuranuki
3
2.6k
経営組織論〜ソニックガーデンの場合(2023/10版)
kuranuki
3
15k
納品をなくせばうまくいく〜当たり前を問い直す思考法
kuranuki
0
11k
ソニックガーデンの会社紹介(2022年3月版)
kuranuki
1
96k
テレワークでの人材育成
kuranuki
1
39k
進化する「納品のない受託開発」
kuranuki
2
2.2k
Other Decks in Business
See All in Business
株式会社グラム -会社紹介資料
tokunagayuichi
0
120
味噌汁作り あるいは仕事の学び
usuyuki
0
740
クラスメソッド_営業向け会社紹介資料_202502 / introduction to classmethod for sales
classmethod_jinji
0
1.4k
ソーシャルPLUS会社紹介
socialplus
PRO
0
140
株式会社BANKEY 会社説明資料(Mar.4.2025)
bankey
0
230
AI駆動プロダクト開発で最速価値検証
nakawai
0
160
WDB株式会社エウレカ社会社説明資料
eureka01
0
180
AmbientNavi_紹介資料.pdf
ambientnavi0329
0
750
生成AIが変える新時代のビジネスインテリジェンス
marreta27
0
270
心に灯を、過去に感謝を、未来に花束を。
viva_tweet_x
10
4.2k
Sales Marker Culture book
salesmarker
PRO
20
38k
ご参考資料
ryoheig0405
1
150
Featured
See All Featured
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
244
12k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
298
20k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1030
460k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
344
40k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
34
3.1k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
32
2.2k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
35
1.7k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
366
25k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
280
13k
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
521
39k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
80
8.9k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
134
33k
Transcript
知能のコモディティ化と、 株式会社ではなく社会運動だった話 倉貫 義人 株式会社ソニックガーデン 代表取締役 2025.1.24 ソニックガーデン 全体会議 2025/01
© SonicGarden 2 話したいこと • 知能がコモディティ化された社会における文化 • 「いいソフトウェアをつくる」ための社会運動
© SonicGarden 知能がコモディティ化された社会 における文化 3
© SonicGarden 4 どう人工知能に取り組むか • 会社にとっては、もしくは個人にとって、脅威か機会か • 開発者の観点と、経営者の観点の違いを、どう捉えるか • イノベーションのジレンマに陥らないためにどうするか
© SonicGarden 5 技術的進化とエンジニアの生産性向上 1940〜50年代: パンチカードからの脱却 1950〜60年代: コンパイラとアセンブラの登場 1960年代: タイムシェアリングシステム
1960〜70年代: オペレーティングシステムの進化 1970〜80年代: 高水準プログラミング言語の普及 1980〜90年代: IDEの登場、モジュール化・オブジェクト指向 1990年代: インターネットとリモートコラボレーション 2000年代: オープンソース革命、クラウド技術の登場 2010年代以降: 自動化技術の進化 by ChatGPT
© SonicGarden 技術の進化は、 一人当たりの生産性と多能性を高めてきた 6
© SonicGarden 7 人工知能がもたらすもの • 一人当たりの生産性・出せる価値の増大化 • 知能に対する価値の低下、コモディティ化 • 労働者の削減、マネジメント人材の需要増
© SonicGarden 知能の提供だけでは価値になりえず、 主体的な動機をもって、 成果を出そうとするマネジメントに価値が移る 8
© SonicGarden 9 人工知能に内発的な動機付けはありますか? • 人間のような内発的動機づけ=“自分自身の興味や欲求” をAIが持 つわけではない。 • あくまでプログラムされた報酬・アルゴリズム上の仕組みがあり、
それを“擬似的な内発的動機づけ”として利用することはある。 • したがって、今のところAIの「興味や好奇心」といったものは、研 究者が設定したアルゴリズムの枠内で機能しているに過ぎず、主観 的な体験を伴うものではないと考えられています。 人間が感じるような“ワクワク”や“楽しいからやる”といった内発的動機 づけをAIが本質的に持つには、まだまだ研究的にも哲学的にも大きな ギャップがある、というのが現状です。 by ChatGPT
© SonicGarden 10 ソニックガーデンに優位性はあるか • 内発的動機付けを前提にしたマネジメント • 人を増やさず成果をあげるマインドセット • 工数を直接的に換算しないビジネスモデル
量志向 ではなく 質志向
© SonicGarden 11 ソニックガーデンの目指す方向性 • 人を「人件費」と考えない。削減でなく活用を考える • より主体性・視野&視点・生産性の高い人材を目指す • 経済の拡大ではなく、余暇を生み出し文化に投資する
© SonicGarden 「いいソフトウェアをつくる」 ための社会運動 12
© SonicGarden 13 ソニックガーデンの経営理念 いいソフトウェアをつくる。 社会 顧客 仲間 一緒に悩んで、いいものつくる。 いいコードと、生きていく。
© SonicGarden 14 なぜ「納品のない受託開発」だったのか • お客さまの求めるソフトウェアを無駄なく作り続けたい • プログラマが健やかにジレンマなく創造性を発揮したい • 理想とする「いいソフトウェアの作り方」を証明したい
© SonicGarden 15 経済活動か社会運動か • そもそも、n2jkも事業活動というより文化活動だった • 採用やDevRelやマーケではなく、文化活動と捉えたい • ソニックガーデンは、経済活動の前に社会運動だった
納品のない受託開発
© SonicGarden 16 経済活動と社会運動の違い 項目 経済活動 社会運動 目的 利益の追求、経済成長 社会的正義、環境保護、権利拡大など
動機 経済的合理性、資本の効率的運用 価値観や理念、道徳的使命 主体 企業、投資家、消費者 市民団体、コミュニティ、個人 時間軸 短期的な成果(利益、売上)を重視 長期的な変化(意識改革、制度変更)を重視 手段 商品やサービスの生産・流通 教育、抗議活動、政策提言、コミュニティ活動 評価基準 財務的な成果、収益、成長 社会的インパクト、意識の変革、制度の変化 by ChatGPT
© SonicGarden 17 ソニックガーデンの資本戦略 経済資本 (土地・現金etc) 関係資本 (顧客・仲間etc) 文化資本 (影響力・認識etc)
広がる 投資していく
© SonicGarden 18 ソニックガーデンの目指す方向性 • 文化活動そのものの目的・ゴールを採用・集客としない • うまく事業活動とリンクさせていくことがマネジメント • 「プログラマの生きる道」を整えていく=育成を広げる
© SonicGarden ソニックガーデンは会社というよりも 「いいソフトウェアをつくる」ための 社会運動だったのではないか 19
© SonicGarden Social Change (変化の希望になる) 20 ソニックガーデンの理想 Embrace Change (変化を受け入れる)
Drive Change (変化を率先していく)
© SonicGarden 21
© SonicGarden ありがとうございました(講演者について) 22 倉貫義人 株式会社ソニックガーデン代表取締役 https://kuranuki.sonicgarden.jp ブログ 連絡先
[email protected]