Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
クリエイター組織のリファクタリング
Search
Livesense Inc.
PRO
July 28, 2017
Technology
2
2.4k
クリエイター組織のリファクタリング
2017/07/28 @ Developers Summit 2017 Summer
A-5セッション「組織と文化のリファクタリング」前編資料
Livesense Inc.
PRO
July 28, 2017
Tweet
Share
More Decks by Livesense Inc.
See All by Livesense Inc.
株式会社リブセンス 会社説明資料(報道関係者様向け)
livesense
PRO
0
740
26新卒_総合職採用_会社説明資料
livesense
PRO
0
1.1k
株式会社リブセンス会社紹介資料 / Invent the next common.
livesense
PRO
1
8.4k
26新卒_Webエンジニア職採用_会社説明資料
livesense
PRO
1
4.7k
中途セールス職_会社説明資料
livesense
PRO
0
140
EM候補者向け転職会議説明資料
livesense
PRO
0
54
コロナで失われたノベルティ作成ノウハウを復活させた話
livesense
PRO
0
170
転職会議でGPT-3を活用した企業口コミ要約機能をリリースした話
livesense
PRO
0
1.2k
株式会社リブセンス マッハバイト_プレイブック
livesense
PRO
0
710
Other Decks in Technology
See All in Technology
Lambdaと地方とコミュニティ
miu_crescent
2
250
フルカイテン株式会社 採用資料
fullkaiten
0
40k
AIチャットボット開発への生成AI活用
ryomrt
0
140
隣接領域をBeyondするFinatextのエンジニア組織設計 / beyond-engineering-areas
stajima
1
230
OCI Data Integration技術情報 / ocidi_technical_jp
oracle4engineer
PRO
1
2.6k
地理情報データをデータベースに格納しよう~ GPUを活用した爆速データベース PG-Stromの紹介 ~
sakaik
1
110
Exadata Database Service on Cloud@Customer セキュリティ、ネットワーク、および管理について
oracle4engineer
PRO
0
1.1k
メールサーバ管理者のみ知る話
hinono
1
100
データの信頼性を支える仕組みと技術
chanyou0311
6
1.6k
全社横断データ活用推進のコツと その負債とのつき合い方
masatoshi0205
0
170
リンクアンドモチベーション ソフトウェアエンジニア向け紹介資料 / Introduction to Link and Motivation for Software Engineers
lmi
4
300k
株式会社ログラス − エンジニア向け会社説明資料 / Loglass Comapany Deck for Engineer
loglass2019
3
28k
Featured
See All Featured
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
79
8.7k
Embracing the Ebb and Flow
colly
84
4.5k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
65
11k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
31
6.3k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
67
4.3k
A better future with KSS
kneath
238
17k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
169
50k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
27
4.2k
Optimizing for Happiness
mojombo
376
69k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
22
3.1k
Being A Developer After 40
akosma
86
590k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.2k
Transcript
https://job.j-sen.jp/ 1 クリエイター組織のリファクタリング 株式会社リブセンス 海野 拓 2017/07/28 Developers Summit 2017
Summer A-5 「組織と文化のリファクタリング」前編
https://job.j-sen.jp/ 2 海野 拓 Taku Unno@boscoworks • 「転職ナビ」運営 • もともとPHPエンジニア
→エンジニアマネージャ • 身長: 190cm (よく聞かれる) • ヤフー→ドワンゴ→リブセンス 自己紹介
株式会社リブセンス http://www.livesense.co.jp/
4 リブセンスとは • 「あたりまえを、発明しよう。」 ◦ 求人・不動産・医療等のインターネットメディアを運営 • プロダクトを自社で開発 ◦ エンジニアは本社全社員の40%程度
◦ 一番古い「ジョブセンス」で11年め ◦ PHPとRubyが半々くらい ◦ オンプレとクラウドも半々くらい
None
https://job.j-sen.jp/
7 転職ナビとは • 正社員向け転職サービス ◦ 成功報酬型ビジネスモデル ◦ 幅広い転職者のニーズに応えるべくサイト・電話・アプリ によるサービス提供 •
旧「ジョブセンスリンク」(〜2017/06/30) ◦ サービスを通じてより多くの求職者の転職(=幸せ) をナビゲートし たいという思いを込めてリニューアル
8 前半 サマリ 組織の特色と課題点 テックリードたちが試したこと 改善を揺るがす一大事 半年の改善の成果は 01 02 03
04
1. 組織の特色と課題点
10 組織の特色 (1/2) • 事業部長が強い発言力と行動力 ◦ ビジネス職出身なのに開発を始めるバイタリティ ▪ 施策の仕様の決定まで出来る ◦
多岐にわたる事業や施策をすべて把握しきる ▪ ガントチャートに対しても積極的に意見出し ▪ 全施策の優先度をひとりで管理 • 事業部全体の施策が常に高速に実施出来た
11 組織の特色 (2/2) • 色濃い「越境型組織」 ◦ 組織一丸となって大きな目標を追う一枚岩感 ◦ 職種はオワコン ▪
営業でもSQLは余裕 ▪ 誰でも効果測定や顧客の分析などが出来る ◦ 営業からエンジニアに転身したメンバーも存在 ▪ ビジネスを理解しているから要件定義が正確で高速
12 課題点 (1/2) • 優先度も仕様も事業部長任せにしてしまった ◦ 自分で考えずとも何となく成果が出る ◦ 議論なく仕様やスケジュールが決まり、振り回される現場 ◦
プロダクトに責任感や自分事感を持てない人もいた
13 課題点 (2/2) • 越境型組織の副作用に対する対応の遅れ ◦ ジョブチェンジ組も多いので教育にもコストがかかる ◦ 事業貢献度合で判断する評価によって不公平感がうまれた
14 結果なにがおきたか プロジェクト遅延が散発 自分事感を持ちづらい 評価の不公平感 エンジニアのモチベーション低下 01 02 03 04
2. テックリードたちが 試したこと
16 課題に対するアプローチ プロジェクト遅延が散発 自分事感を持ちづらい 評価の不公平感 エンジニアのモチベ低下 01 02 03 04
意思決定の場を設立 クリエイター組織の再編成 評価の仕方の明文化 エンジニアの育成方針の検討 01 02 03 04 採用活動 05
17 課題に対するアプローチ プロジェクト遅延が散発 自分事感を持ちづらい 評価の不公平感 エンジニアのモチベ低下 01 02 03 04
意思決定の場を設立 クリエイター組織の再編成 評価の仕方の明文化 エンジニアの育成方針の検討 01 02 03 04 採用活動 05
18 意思決定の場の設立 • クリエイター組織の意思決定を 事業部長→テックリード にした • 事業部長は組織全体の優先度決定のみ • 情報の流れの整理、意思決定の明確化 •
現場のクリエイターたちが自主性を取り戻した 01
19 クリエイター組織の再編成 • ミッションと目標を明確にしよう ◦ 部門を越えて互いが互いを支え合うのは当たり前 ◦ 自分たちが何にコミットすべきなのか考えよう • 事業部長にチームリーダーを兼任させない
◦ 自分たちのチームは自分たちで責任を持とう ◦ 自分たちでチーム運営をやろう 02
20 課題に対するアプローチ プロジェクト遅延が散発 自分事感を持ちづらい 評価の不公平感 エンジニアのモチベ低下 01 02 03 04
意思決定の場を設立 クリエイター組織の再編成 評価の仕方の明文化 エンジニアの育成方針の検討 01 02 03 04 採用活動 05
21 評価の仕方の明文化 • 「3つの評価軸」「2つの職制」を定めた ◦ 評価軸 ▪ キャリア: 元々エンジニアか異職種出身か ▪
マインド: 技術指向かビジネス指向か ▪ 担当業務: 技術寄りかビジネス寄りか ◦ 職制 ▪ テクノロジースペシャリスト (いわゆる技術者) ▪ ビジネスエンジニア (事業課題を技術で解決) • 課題解決力だけでなく技術力でも評価する 03
22 エンジニアの育成方針の検討 • テクノロジースペシャリスト (イメージ通り) ◦ 技術力をあげれば評価される ◦ 事業貢献すれば評価される •
ビジネスエンジニア ◦ ビジネスを加速させれば何でも許されるわけではない ◦ エンジニアとしての最低限は絶対目指させる ◦ 技術力が向上しなければ評価されにくくなる 04
23 採用活動 • 今いる仲間以外に、新しい価値観がほしい ◦ さいわい予算はあった ◦ いい意味で今の組織をぶっ壊せる風が必要! 05
24 やりはじめて2,3ヶ月 意思決定の場を設立 クリエイター組織の再編成 評価の仕方の明文化 エンジニアの育成方針の検討 01 02 03 04
採用活動 05 →自主性の兆し →順調 →不公平感緩和 →自律性の兆し →何名か選考
3. 改善を揺るがす一大事
26 経営判断で大規模な組織統合 • 複数の事業部をまたぐ大規模再編 • (人員)リソース再配分 • プロジェクト優先度の抜本的見直し要求
27 改善はどうなる? 意思決定の場を設立 クリエイター組織の再編成 評価の仕方の明文化 エンジニアの育成方針の検討 01 02 03 04
採用活動 05 →白紙 →維持 →中断 →中断 →中止
28 おりしも「転職ナビ」はリニューアル工事中 • 組織統合前に解決すべき新たな課題 • プロジェクトは何を最優先するか • 人員をどう配置するか
29 プロジェクトの選択と集中 • リニューアル成功を全員が信じてやりきる ◦ 全ては求職者の転職成功体験のために ◦ チームにはプロダクトに対する自分事感が芽生え始めていた ◦ だから全員が信じて進むことが出来た
06
30 リニューアルを中心に人員再編 • リニューアルに集中できる環境づくり ◦ リニューアル以外の施策は、 リニューアル開発メンバー以外がすべて巻き取る 07
2017/06/30 転職ナビリリース
None
4. 半年の改善の成果は
34 みんながオーナーシップを持つチーム • クリエイター組織意思決定の場 ◦ 現在も継続中 ◦ 程よい権限委譲は自分事感・責任感を生む • 組織の再編成
◦ 当初思っていたようにはならなかった ◦ でも、みんなが互いを支え合う一体感・連帯感が強まった
35 エンジニアのモチベーションを高める • 評価の仕方 ◦ 今までの取り組みは、全社的に評価制度を見直すきっかけに ◦ 評価=成長を促すひとつの道具 • 育成方針の検討
◦ エンジニアとしての最低限は決して変えない ◦ リブセンスエンジニアは技術もビジネスも妥協しない
36 採用活動 • ベテランエンジニア2名入社 転職して一ヶ月経ったけどどう? 最高です。 個人的に毎日やる気に満ち溢れているし、とても楽しい。 今のチームは個人的にバランスがよくとても心地よい。 (中略) そんなわけで個人的に数回目の転職でしたが成功していると
思っている。 http://chobi.hatenablog.jp/entry/2017/07/17/095757
• 会社を成長させるのが「転職ナビ」でありたい ◦ 窮地をみんなで乗り越え、やりきった ◦ そしてこれからも「転職ナビ」を育てたい ◦ 全員が「転職ナビ」のオーナー! 37 強いこだわりと誇りを持つプロダクト
LivesenseAward社長賞受賞! • 困難を乗り越え一丸となってやりきった姿勢を評価されました
きっとこれは、ひとつの成功の形
40 教訓 • 「人は城、人は石垣、人は堀」武田信玄 ◦ 信頼は積立貯金 ◦ 窮地こそ、日頃からの信頼が組織全体を救う • 「ならぬことは、ならぬものです」会津藩 什の掟
◦ 施策でも人事でも、払う犠牲に目を背けていたら 長期的成果は出ない
41 大事なのは「自己組織化」 • 言われたことをただやるだけではない • 課題が何かを全員が自ら考え行動すること • 組織全体が勝手に改善していくこと • やり方はひとつではない
◦ 例: 転職会議での事例 ◦ http://made.livesense.co.jp/entry/2017/07/12/083000
ご清聴、 ありがとうございました