Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
インデックスのパフォーマンス調べてみた
Search
matumoto
October 15, 2022
Technology
0
75
インデックスのパフォーマンス調べてみた
2022/10月に行われた大LTでの発表資料です
イベントページはこちら
https://zli.connpass.com/event/261496/
matumoto
October 15, 2022
Tweet
Share
More Decks by matumoto
See All by matumoto
sync/v2 プロポーザルの 背景と sync.Pool について
matumoto
0
52
Goトランザクション処理
matumoto
0
35
いまいちどスライスの 挙動を見直してみる
matumoto
0
320
Go1.22のリリース予定の機能を見る
matumoto
0
61
GoのUnderlying typeについて
matumoto
0
180
Typed-nilについて
matumoto
0
280
GoのType Setsという概念
matumoto
0
22
GoのRateLimit処理の実装
matumoto
0
310
Webプッシュ通知触ってみた
matumoto
0
31
Other Decks in Technology
See All in Technology
(非公式) AWS Summit Japan と 海浜幕張 の歩き方 2025年版
coosuke
PRO
1
270
SFTPコンテナからファイルをダウンロードする
dip
0
340
讓測試不再 BB! 從 BDD 到 CI/CD, 不靠人力也能 MVP
line_developers_tw
PRO
0
220
産業機械をElixirで制御する
kikuyuta
0
170
Web3 のリアリティ / Web3 Reality
ks91
PRO
0
100
TODAY 看世界(?) 是我們在看扣啦!
line_developers_tw
PRO
0
220
新卒3年目の後悔〜機械学習モデルジョブの運用を頑張った話〜
kameitomohiro
0
290
評価の納得感を2段階高める「構造化フィードバック」
aloerina
1
200
「実体」で築く共通認識: 開発現場のコミュニケーション最適化 / Let's Get on the Same Page with Concrete Artifacts: Optimization of Communication in dev teams
kazizi55
0
140
TerraformをSaaSで使うとAzureの運用がこんなに楽ちん!HCP Terraformって何?
mnakabayashi
0
140
型システムを知りたい人のための型検査器作成入門
mame
15
3.8k
AI技術トレンド勉強会 #1MCPの基礎と実務での応用
nisei_k
1
210
Featured
See All Featured
Connecting the Dots Between Site Speed, User Experience & Your Business [WebExpo 2025]
tammyeverts
4
160
For a Future-Friendly Web
brad_frost
179
9.8k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1370
200k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
42
7.5k
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.7k
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
367
19k
Designing Experiences People Love
moore
142
24k
VelocityConf: Rendering Performance Case Studies
addyosmani
329
24k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
79
6.4k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
77
9.4k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
10
640
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
137
34k
Transcript
インデックスの パフォーマンス 調べてみた matumoto
自己紹介 • ハンドルネーム:matumoto • 本名:松本響輝 • 学年:28期 • 趣味:イカᔦꙬᔨ •
やってきた技術: ◦ ゲーム作り ◦ フロントエンド ◦ AtCoder 水💧 • Twitter:@matumoto_1234
インデックスについて
インデックスとは? • インデックスとは、データの検索速度を向上させるために、どの行がどこにあるかを示した索引のこ と (https://www.techscore.com/tech/sql/15_01 より引用) • DBのテーブルに適切にインデックスを作ることで、パフォーマンス向上につながる • MySQLなどではCREATE
TABLEなどの文でインデックスを指定できる • 例. CREATE TABLE people ( id INT, name VARCHAR(512), age INT, INDEX name_INDEX (name) )
インデックスがどう使われるのか? • クエリに対応して、インデックスが自動で使われる • 例. ◦ peopleという名前の、こんなテーブルがあったとする id name age
1 matumoto 20 2 Aizu Taro 256 • SELECT id FROM people WHERE name = 'matumoto' というような、nameカラムに対しての検索クエリが きたとき、name_INDEXが使われる • SELECT idFROM people WHERE age = 20 というような、ageカラムに対しての検索クエリがきたらイン デックスは使われず、テーブル全体がそのまま読み込まれる
インデックスのパフォーマンス • インデックスは基本的に、ユニーク(重複がない)なもののほうがパフォーマンスが良い ◦ 例. PRIMARY KEYに基づくインデックスやUNIQUE制約のついたインデックスなど →なぜパフォーマンスが良いのか?(本題) →後述
インデックスの内部構造
インデックスを作るとどうなるか • インデックスを作ってもテーブル自体に変更が加わるわけではない • テーブルとは別にインデックス用の領域が取られ、まずはそこにアクセスする テーブル インデックス クエリ ソートとかはされていない! テーブルの場所が効率よく検索で
きるように保存されている
インデックスはどうなっているか • B-treeというようなデータ構造がよく使われている ◦ 厳密にはB+treeや、B*treeという改良版が使われることが多い
B-treeとは? • B-treeは平衡探索木の一種 ◦ よくある、平衡二分探索木とかとは違って多分木 ◦ BはBinaryではなく、Balanceの略 ◦ よくデータベース管理システムや、ファイルシステムで使用される 5
70 2 1 3 8 6 20 82 91 71 85 97
B-treeの特徴 • B-treeの特徴 ◦ 完全に平衡になっている(根から任意の葉までのパスの長さが一定 ) ◦ ノードにいくつかの値を持つ ◦ 一つのノードにm個以下の枝があるものをオーダー
mのB-treeと呼ぶ ◦ これはオーダー3のB-tree 5 70 2 1 3 8 6 20 82 91 71 85 97
挿入操作でB-treeの平衡はどうやって保っているの? • A. 気合い http://wwwa.pikara.ne.jp/okojisan/t23-java/index.html より図を引用
削除操作でB-treeの平衡はどうやって保っているの? • A. もちろん気合い http://wwwa.pikara.ne.jp/okojisan/t23-java/index.html より図を引用
B-treeの計算量 • B-treeの計算量 ◦ nを要素数とする ◦ 挿入:O(log n) ◦ 削除:O(log
n) ◦ 検索:O(log n) • AVL木や、赤黒木といった平衡二分探索木より速い? ◦ そんなことはなくて、遅い ◦ オーダーmのB-treeのノードを辿るときにO(m)回の値比較を行うので遅い ◦ データベース管理システムなどで使われるのは、「枝を辿るコスト」 >「値比較のコスト」な ため
B-treeの亜種 • B+treeというのが存在する ◦ 葉ノードがつながっており、範囲クエリに強い ◦ 葉ノードに実際のレコードが全て存在している ◦ MySQL/InnoDBなどで使われている https://www.cs.usfca.edu/~galles/visualization/BPlusTree.html
より図を引用
インデックスの パフォーマンス
インデックスのパフォーマンス • SQLクエリをEXPLAINすると表示される「type」 • 主なものとしては、以下がある ◦ const:PRIMARY KEYのインデックスやUNIQUEインデックスを使う。最速 ◦ eq_ref:JOINのときにPRIMARY
KEYのインデックスやUNIQUEインデックスを使う ◦ ref:ユニークでないインデックスを使ったときの等価検索など ◦ range:インデックスを用いた範囲検索 (0 <= key <= 10を満たすkeyを検索するなど) ◦ index:フルインデックススキャン。インデックス全体を見る ◦ all:フルテーブルスキャン。インデックスが使用されていない • なぜユニークだと早くなる傾向にあるのか?
インデックスのパフォーマンス • 検索で遅くなるのは葉ノードの走査が大きな原因の一つとしてある • 検索対象がユニークなら、見つけ次第終了できるが、ユニークでない場合は他の 葉ノードを見る必要がある • 例. 20を見つけたとしても、20が他にあるかもしれないので葉ノードを辿る必要があ る
https://www.cs.usfca.edu/~galles/visualization/BPlusTree.html より図を引用
まとめ
まとめ • インデックスの内部構造はB-treeがベースになっていることが多くて、計算量は だ いたい O(log n) ◦ 範囲クエリでk個の要素がみつかるときは、 O(log
n + k) 程度
ご静聴ありがとうございました