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AIエージェントで加速する開発と意思決定:ナレッジ蓄積型AIエージェントと対話型KPI分析の最前線

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 AIエージェントで加速する開発と意思決定:ナレッジ蓄積型AIエージェントと対話型KPI分析の最前線

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    MIXI MEETUP!AI DAY 2026 - SESSION ARCHIVE
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AIエージェントで加速する開発と意思決定:ナレッジ蓄積型AIエージェントと対話型KPI分析の最前線
 
AIエージェントによって開発と意思決定を加速する実践事例を紹介。Claude Codeを活用した調査・レビュー・PR作成の伴走では、組織ナレッジを蓄積し成長するAIエージェントの設計と現時点の到達点を共有します。さらに、Geminiを用いたSlack上での対話型KPI分析により、データに基づく迅速な意思決定を実現する組織的アプローチを解説します。
 
モンスト開発部/クライアント2グループ/クライアント1チーム
川端 恭広

モンスト運営部/解析グループ/解析チーム
北島 祥伍

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□セッション情報
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□イベントハッシュタグ
#miximeetup2026
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April 06, 2026

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Transcript

  1. ©MIXI ©MIXI ①背景 モンスターストライクのコード C++11 / Cocos2d-x v2.x レガシーゲームエンジン 約1,200ファイル

    10年超の歴史 手動メモリ管理 retain / release パターン クロスプラットフォーム iOS / Android / Windows → 独自の設計パターン・命名規則・メモリ管理の流儀がある
  2. ©MIXI ©MIXI 壁 ① AIの常識 ≠ モンスターストライクの法則 AIの知識 • モダンC++

    • 一般的な設計パターン • 標準ライブラリ GAP モンストの法則 • 独自命名規則 • 独自設計パターン • 手動メモリ管理 → 会話では合意できるが、コードに反映されない
  3. ©MIXI ©MIXI 解決 ① 対話→リサーチの反復ループ よくあるイメージ: リサーチ → 設計 →

    コーディング 実際に効果があった方式: ( 対話 → リサーチ ) を繰り返す ← ギャップを埋める ▼ 十分縮まったら リサーチ → 設計 → コーディング ポイント 1回の調査ではAIはモンスト の法則を十分に理解できない 何回かループを回してギャップ を縮めてから設計に進む
  4. ©MIXI ©MIXI 壁 ② 設計が収束しない A方式で実装 → うまくいかない ↓ B方式に変更

    → うまくいかない ↓ C方式に変更 → うまくいかない ↓ A方式に戻る ← 堂々巡り! 毎回、AIは 「新しい案」を出すが、 正解の判断基準を持っていない
  5. ©MIXI ©MIXI 解決 ② 大原則の導入 各AIエージェントに「タスク固有の絶対ルール」を毎回注入 大原則(プロンプト) 【大原則】 タスク固有の絶対ルール 【過去の失敗】

    前回の失敗パターンと原因 【ユーザー指摘】 重要な指摘 【重要度】 温度感 ▼ 全エージェントに毎回注入 結果 AIが 「自由に考える」 ↓ 「ルールの中で考える」 ようになった
  6. ©MIXI ©MIXI 壁 ③ 同じ失敗を繰り返す タスクA: ◦◦で失敗した ↓ セッション終了 <記憶リセット>

    ↓ タスクB: また同じ◦◦で失敗 人間なら 覚えているが、 AIには「記憶」がない
  7. ©MIXI ©MIXI 解決 ③ 教訓(lessons_learned)の循環 タスクA完了 ↓ 記録 教訓ファイル 問題:

    ◦◦で失敗 原因: △△だったため 解決策: □□すべき タグ: #UI #スクロール ↓ 自動参照 タスクB開始 → 過去の教訓を検索 → 同じ失敗を回避 ポイント AIの「忘れる」 という弱点を 仕組みで補う タスクを重ねるほど 教訓が蓄積され 精度が上がっていく
  8. ©MIXI ©MIXI ②プロセス この仕組み自体も試行錯誤だった ① ↓ 方向転換 自前チーム実験 設定が複雑。 本筋に戻る決断

    ② ↓ 方向転換 claude --print 方式 3ヶ月運用、手応えを掴む → 2月: バージョンアップで動作不能に ③ エージェントチーム方式 標準機能で再構築。 現在も運用中 「反復・大原則・教訓」の本質は ツールが変わっても残った
  9. ©MIXI ©MIXI ③成果 チームで使ってみた結果 ― フェーズ別有用性 10名が1〜4件以上の案件で使用、5段階で評価(N=10) 実装 3.7 ←

    最も高い レビュー 3.3 設計 3.2 リサーチ 2.9 ← 評価が二極化 コミット/PR 2.8 リサーチの二極化: 5点と1点が混在 → 使い方次第で大きく効果が変わるフェーズ
  10. ©MIXI ©MIXI ③成果 AIが有効だった案件 vs 向かなかった案件 ◎ 有効 • 既存案件の一部変更

    • ひな型・テンプレ制作 • 小規模・定型案件 • 調査・バグの初動 △ 向かない • ゼロベースの新規実装 • インゲーム案件 • ネイティブ固有処理 ユーザーの声 「ガチャの共通部分を組んでもらったら、 自分で書くより早くてミスが少なかった」 「1つのバグを修正している間に、 別バグの調査をAIに任せられた」
  11. ©MIXI ©MIXI ③成果 工数の実態(N=10) 工数の実感 40% 短縮 20% 変わらない 40%

    判断できない コード修正度合い 40% 小規模修正 30% 案件による 30% 大幅書き直し 使用件数と工数の相関 使用件数 「短縮」割合 傾向 4件以上 75% 見極めた 3件 約35% 差が大きい 1〜2件 0% 手探り かかわり年数と工数の相関 年数 「短縮」割合 傾向 1年 100% 調査で恩恵大 4〜5年 約25% 人による 10年以上 約35% 自力が早い場面も 使い込むほど効果が上がる / 経験が浅い人ほどAI調査の恩恵が大きい
  12. ©MIXI ©MIXI ③成果 見えてきた課題 課題(アンケート上位) 応答が遅い 約70% 的外れな調査結果 約50% 確認ステップが多い

    約50% 教訓の不適切な適用 別案件の教訓を誤って適用 課題はあるが、仕組みの方向性は正しい → では、次に何をするか?
  13. ©MIXI ©MIXI ③成果 次の一手: 教訓 → ナレッジベースへ進化 教訓17件 → 計80件のAIミス

    既存パターン理解不足 18件 実装漏れ 14件 設計の方向性ミス 12件 → ドメイン別ナレッジベース 共通ルール(常時読み込み) 「既存の同種処理を3件以上調査」「独自実装禁止」 マスタデータ編 追加は必ず4箇所変更 インゲーム編 ステート初期化は3箇所必要 UI編 / ネットワーク編 / ... タスク開始 → 案件タイプ判定 → ナレッジ自動読込 ※ 構想段階。教訓分析で傾向は見えている → これから構築
  14. ©MIXI ©MIXI まとめ: 3つの壁と解決策 壁 解決策 ① AIの常識 ≠モンスターストライク 対話→リサーチの反復

    ② 堂々巡り 大原則の導入 ③ 同じ失敗の繰返し 教訓の循環 チームで使って分かったこと: 得意な案件を見極めて使い分けるのが現実解 使い込むほど効果が上がる 仕組みの方向性は正しい。精度を上げるフェーズへ AIは賢いが「知らないこと」と「忘れること」がある → そこを仕組みで補うのが鍵
  15. ©MIXI ©MIXI 自己紹介 • 北島 祥伍(きたじま しょうご) • モンスト運営部 解析グループ

    ◦ モンストのデータ基盤を管理するエンジニアと、モンスト のデータ分析を行うアナリストで構成する部署 • 2019年よりモンストなどのデータ基盤の開発・運用に従事
  16. ©MIXI ©MIXI 利用者像 • 社内のモンスト事業に関わる人が使える • 約190人がbotと会話できるSlackチャンネルに参加中 • 直近30日で問いかけたのは31人、168回 •

    雑談やお礼を除く111回のうち、 ◦ 新しいスレッドの開始は42回 ◦ スレッド内での追加質問は計69回 ◦ 単発の問い合わせで終わらず、追加の質問をする人が多い ただの問い合わせ窓口ではなく、しっかり深掘りをしている POINT
  17. ©MIXI ©MIXI 開発のきっかけ • データの民主化(誰もが気軽にデータを活用できること) は、第四次AIブーム以前から、データを扱うものにとっては 継続的なテーマである。 • AIの思考力は飛躍的に向上している一方で、事業データを渡 せなければ活かしきれない。

    • データの民主化を掲げるものとして、「AIを活かしたデータ 活用インターフェイス」を提供しよう • アナリストが行うような高度な分析をいきなり目指すのでは なく、一旦「日常的に確認するKPIを手軽に扱う」ことを目標 にする。簡単なところからまずはやってみよう精神
  18. ©MIXI ©MIXI AIにデータを与えるとは AIは自分でデータを取得でき ないので、人間がデータを集 めて貼りつける。 Function Calling 以前 ツールの仕様をAIに渡してお

    く。AIは自分で必要に応じて 呼び出す。 Function Calling(2023) 今回のAIエージェントに用意したツールを紹介します NEXT
  19. ©MIXI ©MIXI AIに渡しているツール 検索ツール • お知らせ検索ツール   モンストの公式サイトに載せている「お 知らせ」を検索できるツール。日付範囲を指定したり、検索ワー ドをあいまい検索できる。

    • Lookerダッシュボード検索ツール   BIツール Looker にある ダッシュボードを検索できるツール。KPIツールで答えられない 質問に対してはダッシュボードを紹介する。
  20. ©MIXI ©MIXI アーキテクチャ メン シ ョン 問い合わせ function calling function

    calling Gemini KPI集計(BigQuery) 検索 (Vertex AI Search) 応答 転送 配 信 Cloud Functions Slack Cloud Functions Pub/Sub
  21. ©MIXI ©MIXI 現在生まれている価値と今後 • 利用者はLooker上で目的のデータを探し回らず、チャットで気 軽に確認できる ◦ KPIツールで分かれば、すぐに応答。施策情報も一緒に参照でき る。 ◦

    KPIツールになければ、近い目的のダッシュボードを返す ◦ ダッシュボードがなければ、アナリストに依頼 • 「みんなが何を知りたがっているか」がSlack上で可視化され、潜 在的な分析ニーズを拾いやすい • KPIツールを増やすのは限界があるのは事実。長年整備した LookerのExploreという資産を活用できるように検証中