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屋内自転車競技場を走行する自転車の走行状態を 遠隔取得するテレメトリーデバイスの開発

屋内自転車競技場を走行する自転車の走行状態を 遠隔取得するテレメトリーデバイスの開発

MIXIでは、公益財団法人日本自転車競技連盟 様より、デバイス開発の提案依頼を受け、プロトタイプの開発を受託しました。本スライドでは、その開発内容についてご紹介します。

MIXI ENGINEERS
PRO

June 01, 2023
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Transcript

  1. ©MIXI
    屋内自転車競技場を走行する自転車の走行状態を
    遠隔取得するテレメトリーデバイスの開発
    2023年4月
    株式会社MIXI
    開発本部CTO室

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  2. ©MIXI
    概要
    公益財団法人日本自転車競技連盟 様よりデバイス開発の提案依頼を受け、プロトタイプの開発を受託。
    2023年3月にプロトタイプを納品。
    2
    公益財団法人日本自転車競技連盟
    HPCJC(High Performance Center of Japan Cycling)
    日本自転車競技連盟(JCF)トラック競技強化指定選手のトレーニングセンターとして、世界選手権やオリンピック
    でメダルを獲得を目指してアスリートを強化、育成する組織
    https://japanhpc.com/
    開発内容
    トラック競技用自転車のサドル後ろに取り付ける、ANT+センサーデータのネットワーク転送機能付きデータロガーの
    開発
    ※各社の商品またはサービスなどの名称は各社の商標または登録商標です。
    なお、本開発は競輪の補助を受けて公益財団法人日本自転車競技連盟と共同で実施しました。

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  3. ©MIXI
    開発の流れ
    日本自転車競技連盟 様からご依頼を受け事前検証を実施、納期までの完成可否を確認しました。
    競技用自転車とANT+センサーを連盟よりご提供していただき開発と動作確認を繰り返し行い、伊
    豆ベロドロームでの走行動作確認を経て2023年3月にプロトタイプを納品。
    事前検証
    ・ANT+の調査
    ・部品の調査、選定
    ・技適確認
    ・提案内容の検討
    …etc
    開発
    ・logger
    ・Cplane
    ・ディスプレイ表示
    ・筐体設計
    ・部品の再選定
     ...etc
    動作確認
    ・ANT+受信
    ・データ記録、転送
    ・ディスプレイ表示
    ・伊豆バンク走行
     ...etc
    納品
    3

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  4. ©MIXI
    事前検証
    当初、Nordic社nrf52832をファームアップしANT+の通信を検討していたが、ファームアップする
    には新規で技適取得が必要なため大幅に開発期間が必要になってしまうことが判明。プランを変更
    し連盟へ提案しました。
    ANT+に対応したファームのマイコンで国内技
    適取得しているものが無く、別の方法を模
    索、開発期間(約2カ月)を考慮し技適取得済
    の製品を組み込む方針で連盟へ提案
    プランの変更
    ANT+センサー受信 Garmin
    USB ANT+STICK
    マイコン
    Wi-Fi2.4GHz
    BCM2835
    RaspberryPi/Zero-W
    当初のプラン
    ANT+
    Sensors
    nrf52832
    ISP1507
    ANT
    ProtocolStack
    S332
    SoC
    ESP32-W
    ROOM
    Wi-Fi
    ProtocolStack
    Specific
    firmware
    SoC
    UDP/IP
    management
    Application
    /Server
    UDP/IP
    UART
    RX/TX
    Wi-Fi
    2.4Ghz
    radio
    ANT+
    2.4Ghz
    radio
    4

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  5. ©MIXI
    MIXI-CycleComputer
    MIXI-CycleComputer
    Cplane
    for
    Development
    Speed Sensor
    MIXI-CycleComputer は、自転車側に取り付けてある各種センサーをANT+USBドングル、GPIO、I2C、
    UART、インタフェイス等によって制御、終端し、それら各センサーデータを同一ネットワーク上の受
    信機(cplane)に転送および、制御するモジュールです。
    5
    Power Sensor
    Wi-Fi
    Logger
    UART
    6-Axis
    Accelerometor
    ANT+
    センサーデータ
    制御・設定

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  6. ©MIXI
    電子回路ブロック
    Logger
    Logger は RaspiOS Lite 32bit 環境でCompile/Link して動作するCycleComputerモジュールです。
    6
    搭載パーツ
    BCM2835
    RaspberryPi/Zero-W
    加速度、角速度センサー ディスプレイ/ボタン バッテリー USB ANT+STICK
    6-axis
    Accelerometor
    Display
    Button
    Battery Power
    BCM2835
    RaspberryPi
    Zero-W
    USB ANT+STICK
    Garmin
    UART/TX,RX
    GND
    3.3V
    UART/TX,RX
    GND
    3.3V
    SDA/SCL
    GPIO
    GND
    SDA/SCL
    GND
    5V
    SDA/SCL
    GND
    5V
    5V
    GPIO
    GND
    5V
    USB micro USB micro

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  7. ©MIXI
    Logger
    7
    Logger は RaspiOS Lite 32bit 環境でCompile/Link して動作するCycleComputerモジュールです。
    OLEDディスプレイ、ボタンを搭載することでセンサーデータの表示や操作が可能です。
    主な機能
    ・各センサーデータの受信
    ・ANTセンサーとのペアリング、キャリブレーション
    ・センサーID、通信状況等の各ステータス表示
    ・スピード、パワー、ケイデンスデータ表示
    ・Cplaneとの時刻同期
    ・ログデータの書き出し
    端末番号 通信状況 時刻 電池残量
    スピード、パワー、ケイデンス
    データ表示

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  8. ©MIXI
    Control Plane
    Cplaneは Loggerと同一ネットワーク上に配置することで、Loggerに対してリモートコントロー
    ルコマンドを発行できます。
    リアルタイムにセンサーデータをデコードし視覚化し、logger 開発時/動作確認に利用するソフ
    トウェアモジュールです。
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  9. ©MIXI
    筐体製作
    Loggerの筐体は自社設計、複数の形状を3Dプリンターにて製作しています
    9
    横型、最小サイズ案 縦型、厚みを抑えた案 プロトタイプ用筐体

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  10. ©MIXI
    動作確認
    動作確認のため伊豆ベロドロームにて走行テストを実施
    走行時のセンサーデータの転送(Wi-Fi 2.4GHz)を確認しました。
    10
    Logger
    Cplane
    Wi-Fi
    2.4GHz
    ANT+
    デバイス
    センサーデータ
    制御・設定
    使用機材
    logger MIXI開発プロトタイプ
    Cplane macOS x86_64
    ANT+デバイス 自転車競技連盟様ご提供
    Wi-Fi AP 2.4GHz Aruba APIN0515
    ネットワーク SW NETGEAR GS105E
    Wi-Fi
    AP
    Internet
    SW

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  11. ©MIXI
    動作確認
    動作確認のため伊豆ベロドロームにて走行テストを実施
    走行時のセンサーデータの転送(Wi-Fi 2.4GHz)を確認しました。
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  12. ©MIXI
    動作確認(一部抜粋) ANT+ センサーデータの受信         
    内容
    データロガーのUSB ANT StickでANT+センサーデータを受信する 確認
    事項
    a. ANT+ Device Profile Bike Speed (Device type 123)
    センサーデータの受信を確認する
    検証
    方法
    speedデータの連続パケット差分を確認する
    ANT+センサーデータのUDPパケットの流し込みは有線クロス接続経由とする
    結果
    SPDセンサーID : 62937
    到達パケット - 1(ID: f5 d9, データ: 7b 01 ff)
    到達パケット - 2(ID: f5 d9, データ: 7b 01 7f)
    同一のUIDでSpeedデータが更新されていることを確認
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  13. ©MIXI
    動作確認(一部抜粋) NTP同期
    内容
    NTPでサーバーと時刻同期しタイムスタンプを付与する
    cplane端末とlogger端末の時刻同期先(ntp.nict.jp)
    確認
    事項
    データに付与されているパケット内のtimestampが
    cplane端末と同時刻であることを確認する
    検証
    方法
    cplane端末とlogger端末はWi-Fi経由でNTP時刻同期
    ANT+センサーデータのUDPパケットの流し込みは有線クロス接続経由とする
    結果
    データ受信時刻 = 12:17:37 JST(EpochTime : 1679455057)
    ANT+センサーデータパケット内時刻 = 641A893D 16進数(EpochTime : )1679455057
    cplane端末時刻 = データ受信時刻 logger端末時刻 = パケット内時刻 = データ生成時刻 となり。時刻同期ができていることを確認
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  14. ©MIXI
    動作確認(一部抜粋) ANT+ Wi-Fi UDP転送
    内容
    データロガーが受信したANT+センサーデータを 2.4GHz Wi-Fi で同
    一ネットワーク上のホストに UDP で転送する(約4Hz)
    確認
    事項
    約4HzでUDP転送できていること
    4Hz = 0.25秒間隔
    検証
    方法
    speedデータの連続パケット到達時刻を確認する
    ANT+センサーデータのUDPパケットの流し込みは同一AP接続経由とする
    結果
    センサーデータのパケット到達状況
    おおよそ0.25秒間隔で到達していることを確認
    ※ただし現地Wi-FiのRTTの状況によっては到達時間が遅れる場合がございます
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  15. ©MIXI
    動作確認(一部抜粋) ANT+ Wi-Fi UDP転送
    内容
    センサーデータは、ANT トランシーバーが受信(RX)した
    Broadcast メッセージをデコードせずに転送する
    確認
    事項
    デコードせずに転送していること
    検証
    方法
    cplane端末でパケットキャプチャ(wireshark)利用して到達パケットの中身を確認する
    結果
    最後のデータ領域のとおりデコードされていない状態で到達していることを確認
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  16. ©MIXI

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