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スタートアップ調査:女性起業家を取り巻く課題と解決策

 スタートアップ調査:女性起業家を取り巻く課題と解決策

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January 14, 2026
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    スタートアップ調査 女性起業家を取り巻く課題と 解決策 2026.1
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    レポート概要 • 国内スタートアップの女性起業家を取り巻く課題を 明らかにし、解決策を提言する 調査方法 • 国内スタートアップ46社に対するアンケート調査 • 国内スタートアップ9社へのインタビュー • 国内外スタートアップ等に関する文献調査 調査期間 • 2025年9月~10月 1. 女性起業家を取り巻く課題 • 国内スタートアップの起業家の現状 • 起業ステージごとの課題と男女別の傾向 (アンケート調査/インタビューに基づく示唆) 2. 女性起業家の活躍機会の拡大に向けた解決策 • 各課題に対する解決の方向性と具体策 (投資家、政府・自治体等への提言、 起業家に求められるマインドセット) 構成 目的
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    目的: 国内スタートアップが抱える課題やその男女差を定量化する 回答社数: 46社 アンケート調査 目的: 課題の背景・要因を詳細に 把握し、解決への示唆を得る • 形式: オンラインインタビュー • 実施社数: 9社 – レイター企業の女性起業家を 中心に調査 • 内容: – アンケート回答内容の深堀り – 課題を克服した経験 – 女性起業家の活躍機会の 拡大に向けた意見 等 インタビュー調査 テクノロジー &デジタル 製造& エネルギー ヘルスケア &ライフ サイエンス 公共& 教育 ビジネス サービス 消費財& 小売 メディア& エンタメ 不動産& インフラ 金融 24% 20% 13% 11% 9% 9% 7% 7% 2% 52% 13% 35% 男性のみ 男女混合 女性のみ 事業 領域 起業家 性別 企業 ステージ シード アーリー ミドル レイター 11% 41% 20% 28% 調査の概要 注: 企業ステージの定義は、アーリーはプレシリーズA~シリーズA、ミドルはシリーズB、レイターはシリーズC以降とする 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
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    序文 女性の活躍推進に関する国際的な潮流を踏まえ 、日本でも女性起業家の 輩出と活躍を後押しする機運は着実に広がっている しかしながら、国内スタートアップにおける女性起業家の割合は全体の約1割に 留まり、2024年の資金調達額においても上位100社のうち女性起業家による 調達額はわずか1%未満にすぎない。日本全体として、女性起業家が持つポテ ンシャルは十分に活かされていないのが現状である このことは、女性起業家が創業時あるいは創業後の事業成長において大きな 壁に直面していることを示唆するが、具体的にどこでどのような課題を抱えている かは、データがが限られているため、定量的な評価は困難だったのが実情である 本レポートは、国内スタートアップにおける女性起業家をとりまく課題を可視化し、 解決の方向性と推奨されるアクションを明らかにした 第1章では、国内スタートアップ46社へのアンケート調査、9社へのインタビュー、 国内外の関連調査をもとに、「国内スタートアップの女性起業家の現状」および 「企業ステージごとの課題と男女別の傾向」を整理する 第2章では、第1章で明らかになった課題に対し、解決の方向性と、起業家に 求められるマインドセット、各ステークホルダー (起業家、投資家、政府等) に推 奨されるアクションを提示する 本レポートを、スタートアップ経営者、ベンチャーキャピタル (VC)、 リミテッド・パー トナー (LP) / 投資家、政府関係者の皆さまにお読みいただき、女性起業家の ポテンシャルの最大化、ひいてはスタートアップの持続的成長の実現にご活用い ただければ幸いである
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    エグゼクティブサマリー (1/2) 国内スタートアップにおける女性起業家の比率は約1割、 2024年の資金調達額においても上位100社のうち女性起業家による調達額は わずか1%未満に留まる。女性起業家の創業初期の企業評価額は男性より半分に満たない一方、2020~2024年のIPO (新規株式公 開) 実績に基づくと「調達額に対するIPO時の時価総額の比率」は男性の約1.5倍に上るという結果もあり、女性起業家の創業意欲の向 上と適切な企業価値評価に基づく資金の調達・提供は業界における大きな課題といえる 特に、創業初期において性別に起因するネガティブな影響を自覚する女性起業家は38%に上り、主に以下の5つの領域における課題が複 合的に絡み合い大きな "壁" を形成していると考えられる 人材・スキル: 経営知識・経験の不足、適切なメンター・相談相手と出会うハードル、人材採用・定着への課題 • 19%が事業や資金調達について気軽に相談できる相手がいない (男性8%) プロダクト: 先端技術活用の知見・人的リソース不足、対象市場が大きい/拡張性の高い事業構想の難しさ • 81%が「市場規模、拡張性等」について投資家から指摘を受けている (男性54%) 資金調達: 女性起業家の事業領域が投資家の選好に合いづらく、大口資金の調達が困難 • 自己資金やエンジェル投資家からの出資等小口資金に偏り、VCからの調達は50%に留まる (男性68%) 制度・インフラ: 同性を前提としたコミュニケーション文化、育児・介護等時間的制約への不安 • 50%がライフイベントに伴う時間の確保に不安を抱えている (男性29%) 文化・社会: 女性起業家に対する無意識的なバイアスと、ロールモデルの多様性の欠如 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ
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    エグゼクティブサマリー (2/2) 女性起業家の課題を解決しそのポテンシャルを最大化するには、短期的な視点では「事業可能性を最大化するリソース獲得機会の向 上」と、そのベースとなる「起業への不安の解消と性別を超えた活動基盤の整備」、そしてより中長期的な視点では「女性の起業が後押しさ れる文化・社会の形成」まで一貫した解決策の設計が不可欠である 本稿では、これらを含む5つの解決の方向性と各ステークホルダーに対する推奨アクション、起業家に求められるマインドセットを提示する ステークホルダーとの接点/ノウハウ習得の機会の拡充 • 経営・人材採用、プロダクトの壁打ち・先端技術導入、資金調達等のノウハウ習得と適時適切な相談機会の拡充 投資評価における多様性への配慮 • 事業構想や将来見通しに表れる性別による傾向の違いを考慮した投資評価の推奨 行動指針の策定と浸透 • 性別が制約とならないネットワーキングを可能にする、時間帯・場所・運営方法等の指針を策定 時間的制約の懸念を解消する制度設計 • 育児・介護等への経済的支援の拡充、パートナーや関係者に頼れる文化の形成 無意識的な「女性」ラベリングの軽減に向けた働きかけ • ジェンダーバイアスを緩和するための働きかけと、メディア等における多様な起業家像の可視化 起業家に求められるマインドセット • A~Eの解決策を最大限活用するための考え方 女性起業家の参入と成長可能性を高めるには、投資家による機会・場の拡充( )や投資評価の見直し( )や、その土台となる行動指針 ( )や制約を緩和する制度( )の設計が必要になる。また、何より起業家や起業を見据える女性にこれらを最大限活用する意識( )を 高めてもらうことで、施策の効果が加速し、中長期的に無意識のバイアスの低減( )にも波及することが期待される。 A B C D E F C D B A E F
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    本レポートの構成 6 女性起業家を取り巻く課題 1 2女性起業家の活躍機会の拡大に向けた解決策 • 国内スタートアップの起業家の現状 • 企業ステージごとの課題と男女別の傾向 (アンケート調査・インタビューに基づく示唆) • 各課題に対する解決の方向性と具体策 (投資家、政府・自治体等への提言、 起業家に求められるマインドセット) Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.
  8. 7 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    本レポートの構成 7 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 女性起業家を取り巻く課題 1 2女性起業家の活躍機会の拡大に向けた解決策 • 国内スタートアップの起業家の現状 • 企業ステージごとの課題と男女別の傾向 (アンケート調査/インタビューに基づく示唆) • 各課題に対する解決の方向性と具体策 (投資家、政府・自治体等への提言、 起業家に求められるマインドセット)
  9. 8 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    国内スタートアップの起業家の現状 国内のスタートアップ起業家における女性の比率は約1割、資金調達でも2024年の調達額上位100社のうち 女性起業家による調達額はわずか1%未満に留まり、ジェンダーに基づく、資金提供ギャップがあることは明らか 女性起業家は、「調達額に対するIPO時の時価総額の比率」が男性の約1.5倍と高い一方、創業初期の評価 額は男性の約0.4倍と過小評価されている シード期の事業領域別平均調達額は、B2C領域では男女差は小さく、B2B領域では女性起業家の調達額が 顕著に小さい • B2B: 「テクノロジー&デジタル」、 「製造&エネルギー」における評価額はいずれも男性比約0.2倍 • B2C: 「消費財&小売」における評価額は男性比約1.0倍、「ヘルスケア&ライフサイエンス」は約0.9倍 女性起業家は、特に創業初期において、性別によるネガティブな影響を感じる傾向がある • 女性起業家 (調査対象者) の38%が性別によるネガティブな影響を受けたと実感 (男性はほぼ実感なし)
  10. 9 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    正規雇用者の男女比は3対2である一方、国内のスタートアップは9割超が男性のみでの創業 であり、女性のみでの創業は1割に満たない 国内スタートアップの状況 1. 「日本のスタートアップ」は、Crunchbase掲載企業のうち本社が日本国内にあり、2015年以降に設立された企業と定義。数値は、起業家または共同起業家の性別データをCrunchbaseで確認できた企業にて算出 出所: 総務省「2024年労働力調査」; Crunchbase(2025年9月) 90.3% 男性のみ 起業家の 性別構成 (N=1,544社) 正規雇用 性別構成 国内における25~49歳の正規雇用者の性別構成(%) 国内のスタートアップにおける起業家の性別構成(%)1 女性 38.0% 男性 62.0% 女性のみ 8.1% 男女混合 1.7%
  11. 10 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    1. STARTUP DBより、2024年1月1日~12月31日に実施された資金調達の合計額を集計。資金調達額には融資や社債での資金調達も含まれる 2. MPowerの独自調査 出所: STARTUP DB(2025年9月) 資金調達額上位企業の調達額における女性創業企業の比率は0.3%に過ぎず、新規上場 企業に占める比率も2%に留まる 国内スタートアップの状況 99.7% 0.3% 女性が創業者/社長に含まれる企業の調達額割合 資金調達額 上位100社 98.0% 2.0% 女性創業 新規 上場企業 (N=402社) 2024年 資金調達額上位100社における 女性創業/社長企業の調達額割合(%)1 2020~2024年 新規上場に占める女性創業企業の比率2
  12. 11 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性創業企業は、IPO時の調達額あたりの時価総額が男性の約1.5倍と高いうえに、早く IPOに到達する傾向があるにも関わらず、創業初期の評価額は男性の半分に満たない 25.1 17.2 +46% 684 1,617 -58% 1. 女性(n=91)、男性(n=882) 2. 算出方法: 初値時価総額/調達額(円)にて算出。女性(n=8)、男性(n=388) 3. 女性(n=8)、男性(n=388) 出所: 起業家の性別はMPower調査、IPO時の時価総額・調達額及び設立・IPO年月日はINITIAL、シード期の評価額はSTARTUP DBに基づく 国内スタートアップの状況 女性 男性 約13年7ヶ月 約19年0ヶ月 -28% 2020~2024年 シード調達企業 2020~2024年 IPO企業 評価額 (百万円/社)1 調達額に対するIPO時 初値時価総額の比率2 設立からIPOまでにかかっ た日数3 ×0.4 ×1.5 ×0.7
  13. 12 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    0% 0% 33% 60% 7% 0% 1% 18% 77% 4% 0% 0% 17% 72% 11% 0% 0% 37% 59% 4% 0% 0% 17% 50% 33% 1% 2% 28% 64% 5% 0% 0% 20% 67% 13% 1% 1% 35% 60% 3% 1,000億円~ ~1,000億円 ~ 100億円 ~ 10億円 ~ 1億円 1. 女性(n=60)、男性(n=472) STARTUP DBを基に事業領域および評価額を集計・分析。女性起業家が15名以上確認できた事業領域のみを掲載 2. MPower分析 出所: 起業家の性別はMPower調査; STARTUP DB(2025年9月) シードステージにおける企業評価額は、1億円~10億円が大半を占める一方、女性起業家 の企業では1億円未満の割合が高く、100億円超はほぼ存在しない 国内スタートアップの状況 中央値 4.6億円 3.9億円 5.0億円 6.8億円 2.4億円 5.8億円 5.8億円 6.7億円 • 同領域においても、女性起業家は市場規模や拡張性の面で課題を抱える傾向があり、シード期の評価額が伸びづらい可能性(P19参照) • さらに個社レベルで対象市場や業績が同等の企業同士を比較した場合でも、女性起業家は男性起業家に比べ評価額が著しく低い例 もみられる2 ×1.2 2020~2024年 シード調達企業の評価額別構成比1 消費財&小売 ヘルスケア&ライフサイエンス テクノロジー&デジタル 製造&エネルギー 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 ×0.7 ×0.4 ×0.9 要因分析
  14. Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 13

    シード期において 女性起業家の38%が 性別がネガティブに影響 19%がポジティブに影響 したと回答 一方、男性起業家は ほぼ影響を感じていない 19% 13% 38% 0% ポジティブに 影響した ネガティブに 影響した 注: 女性(n=16)、男性(n=24) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」 女性 男性 国内スタートアップの状況 あなたの性別は自社の業務または財務パフォーマンスに影響したか
  15. 14 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    本レポートの構成 14 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 女性起業家を取り巻く課題 1 2女性起業家の活躍機会の拡大に向けた解決策 • 国内スタートアップの起業家の現状 • 企業ステージごとの課題と男女別の傾向 (アンケート調査/インタビューに基づく示唆) • 各課題に対する解決の方向性と具体策 (投資家、政府・自治体等への提言、 起業家に求められるマインドセット)
  16. 15 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    以降のページはそれぞれの課題×ステージにおいて の箇所を詳細に取り上げる Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 創業・経営に関する知識/相談相手の不足 人材の獲得/マネジメントのハードル プロダクトの想定市場、拡張性の低さ テクノロジー活用に必要な知識/リソースの不足 事業領域・リスクの投資家の選好との不一致 リスクマネー調達における成長性の訴求不足 男性とのコミュニティ/ネットワーク形成のハードル ライフイベントによる時間確保の懸念の大きさ 女性の起業に対する過度な特別視 女性起業家のロールモデルの多様性不足 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 シード アーリー ミドル レイター 課題 ( ) 大 中 小 資金調達 プロダクト 人材・スキル Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 起業への不安を和らげ、活動を容易にする基盤の整備 事業ポテンシャルを最大化するリソース獲得機会の向上 女性の起業が当たり前になり、挑戦が後押しされる社会・文化の形成 制度・インフラ 文化・社会 女性起業家が直面する課題は成長段階に応じて変化し、初期はプロダクトから資金調達 まで幅広いが、レイターステージでは性別問わず人材採用や経営マネジメントが中心の傾向 女性起業家を取り巻く課題の全体像 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 15 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー
  17. 16 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    創業初期の課題は「創業・経営に関する知識/相談相手の不足」、レイターステージでは 「経営マネジメント」に変化 人材・スキルの課題 女性起業家の経営に関する知識/経験の不足が顕在化 • 組織マネジメントや財務/契約面の知識不足を感じるケースや、他の 起業家との情報交換、相談の機会に恵まれていれば、投資家との条 件交渉や資金管理をもう少しうまく行えていたのではないかと感じる ケースがある 先輩女性起業家の絶対数の少なさもあり、適切なメンターや 相談相手に出会うハードルが高い • 特に創業前/創業初期において、視座を引き上げ、事業内容・拡張 性・成長スピード等にポジティブな影響をもたらすメンターや相談相手 との出会いの少なさに課題がある レイターステージでは、専門性の高いCXOの確保や採用した人材 のマネジメントに関する課題が大きい • 外部人材が急速に増加することによるカルチャーの変容や、インクルー ジョンの難しさに課題を感じやすい 人材・スキル 資金調達 プロダクト 人材・スキル Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 起業への不安を和らげ、活動を容易にする基盤の整備 事業ポテンシャルを最大化するリソース獲得機会の向上 女性の起業が当たり前になり、挑戦が後押しされる社会・文化の形成 制度・インフラ 文化・社会 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  18. 17 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    初期は経営スキル・知識/経験不足が課題になりやすいが、女性起業家はそれらを相談で きる相手が少ない傾向にある 1 創業・経営に関する 知識/経験の不足 相談相手の不足 ビジネスプランの壁打ち相手の不足 • 創業当初の事業構想を起業経験者や投資 家に相談したいが、容易には繋がれない 専門分野における助言を得るのが難しい • 法務・財務の専任者を雇うのは費用の問題 で困難 • ビジネスプランの作り込みが弱点であったため、一定期間ディスカッションをして 信頼関係を構築できる投資家などの相談相手が欲しかった • 足元の業界トレンドを踏まえた、組織や事業戦略の助言をもらいたかった • 法務や財務などは、各企業に共通するものの起業家が専門的知見を持って いない。アーリー期では専任者を雇えないのでサポートがあればよいと思う 財務/契約面の課題 • 財務経験がなく、契約・条件交渉の理解が 不十分 • 財務・契約面の知識が不足していた。同じタイミングで資金調達を行った他の 起業家との情報交換機会に恵まれていれば、投資家との条件交渉や資金 管理をもう少しうまく行えていたのではないかと感じる • シード期のエクイティ調達では問題なかったが、シリーズAの銀行融資ではその 必要性が増した マネジメント面の課題 • マネジメント経験が乏しく、初期から全社を 見通す視点が不足 • 人員配置や業績評価等、組織設計の 知見が不足 • 組織マネジメント経験がなく、企業運営の視座が下がってしまっていた • 組織設計に対する意識が薄く、配置や評価の設計が適切にできていなかった ために、コア人材となり得るメンバーが退職に至ってしまった 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー 人材・スキル (シード) インタビュー・アンケートからのコメント 知識/経験や相談相手に関する主な意見
  19. 18 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    レイターステージでは、性別を問わず組織の成長に応じた人材獲得やマネジメントに関する 課題が顕在化する傾向がある 2 • 事業拡大に伴い、求めるCXOの人材像が、「創業期の仲間として熱量高く 働ける人材」から、「成熟した企業におけるプロ経営人材」へと変容したため、 社内では賄えず外部採用が必要になった 起業者の役割 転換/経営人材の 獲得 求めるCXO人材の高度化 • IPO準備に対応できるCFO等の専門人材 • 海外展開を見据えたグローバル人材 • 求めるCXO人材はエージェント経由では転職しないため、数年かけて直接アプ ローチする必要があるが、その時間が確保できない • エージェントに払う手数料も年々上昇し、スタートアップにとって採用ハードルが 高くなっている • テック領域では、スキルを有するミドル〜シニア層人材の流動性向上が必要 採用・ オンボーディング 求める人材の不在・激しい競争 • 欲しいシニア層の流動性が低い • 大手・外資との人材獲得競争が激しい 採用コストの負担が大きい • エージェント利用は経済的負担大 • 人手・時間も余裕なし • 創業期のメンバーとは価値観が共通していたが、 外部での成功体験から 脱却して既存文化にフィットしてもらうのが難しい • プロフェッショナルファームとは異なり、スタートアップではロジックだけでは説明し きれないアイデアや意思決定が要る。これが欠ければ破壊的革新も非連続 成長も生まれず、成功は凡庸に終わってしまう。橋渡しが重要 • 産育休等ライフイベントに関する制度を整備中だが、負担が大きい 社内文化 社内文化の摩擦 • 新規参画者の学び直し/カルチャーとの相性 • メンバー増加による社内カルチャーの維持、 創業メンバーとのカルチャーとの相性の難しさ 社員の長期離脱への対応 • 産育休や復帰後の制度設計 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー インタビュー・アンケートからのコメント 人材獲得・オンボーディング・社内文化に関する主な意見 人材・スキル (レイター)
  20. 19 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性起業家は、プロダクトの市場規模の小ささや拡張性の低さを投資家から指摘されやすく、 テクノロジー活用の知見・リソースも相対的に不足 プロダクトの課題 女性起業家は、プロダクトの完成度よりも、プロダクトの対象市場 や拡張性を投資家から指摘されやすい傾向 • 「プロダクトの完成度」について、女性起業家は38%しか投資家から 指摘を受けていない (男性は63%) • 「市場規模、拡張性等」について、女性起業家の81%が投資家から 指摘を受けている (男性は54%) テクノロジー開発とプロダクトへの実装に関する知見の不足、人的 リソースの確保のハードルが高い • 「技術開発」について、女性起業家は50%が難しさを感じている (男性は33%) • 技術活用に関する知識不足のため、サービスの実現に必要な人材 要件の定義が難しいと感じている プロダクト 資金調達 プロダクト 人材・スキル Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 起業への不安を和らげ、活動を容易にする基盤の整備 事業ポテンシャルを最大化するリソース獲得機会の向上 女性の起業が当たり前になり、挑戦が後押しされる社会・文化の形成 制度・インフラ 文化・社会 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  21. 20 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    男性起業家は投資家からプロダクトへの指摘を多く受ける一方、女性起業家のうち81%は その前段階の市場規模、拡張性等の指摘を受けている 投資家からのフィードバックで指摘された内容を教えてください (複数選択可) 81% 50% 38% 54% 54% 63% 27 pt -4 pt -25 pt 男女差 (女性-男性) 3 プロダクト (シード) 投資ステージ・領域が合わない/ 市場規模が小さい/拡張性が 限定的 ビジネスモデルの収益性や 持続性が不透明 競合との差別化が不十分/ プロダクトの完成度・検証が 不十分 男性 女性 注: 女性 (n=16)、男性 (n=24) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  22. 21 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    テクノロジーは事業に拡張性をもたらす要素となり得るが、技術開発に関する知見の不足や、 プロダクトへの実装を行える人材へのアクセス、獲得のハードルが高い 注: 女性 (n=16)、男性 (n=24) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー 4 50% 33% 17pt 事業運営で最も困難と感じられた点として、 「技術開発」の選択をした割合 (複数選択可) • 開発のコストとリスクが大きいので研究開発の助成金は常に必要 • 製造を委託する工場探しに苦労。知名度で劣る上に、開発段階の発注は 工数がかかるのに最小ロットにならざるを得ず、将来性を評価されないと受け てもらえない • テクノロジーを利用したサービスを構想したものの、技術知識が不足していた ため、エンジニア採用でどのような人材が適しているか判断できなかった プロダクト (シード) 女性 男性 インタビュー・アンケートからのコメント 17pt
  23. 22 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性起業家の比率が高い領域は、ハイリスク・ハイリターンの投資家の選好と必ずしも一致 しない。また、成長性に対する保守的な見立てが調達額に影響しているおそれ 資金調達の課題 女性起業家は、B2Cかつ地に足の着いた事業を選択する傾向が あり、VC等の投資家の選好にフィットしづらい • 女性起業家の比率が最も高い領域は「公共&教育」で16%を占める 一方、VCの投資先割合としては最下位 • VCの投資先割合が最も高い領域は「製造&エネルギー」だが、女性 起業家の比率は4%に留まる • 女性起業家は手堅いビジネスを志向する傾向があり、ハイリスク・ハイ リターンのVC投資とフィットしないことが多い 女性起業家のスタートアップは、自己資金・エンジェル投資家等 の小口資金は活用できているが、VC等からの大口の資金調達 に苦戦している • 女性起業家は将来の市場規模や事業ポテンシャルを堅く見積もる (野心的な金額を見積もらない) 傾向にあり、調達時の事業評価に 影響している可能性がある • シードステージの企業では、起業家の性別の違いにより調達額に約 1.6倍の開きがある (男性起業家の方が大きい) • 女性起業家の63%はエンジェル投資家から資金調達しているが、VC からの調達は50%に留まる (男性起業家はVCから68%調達) 資金調達 資金調達 プロダクト Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 起業への不安を和らげ、活動を容易にする基盤の整備 事業ポテンシャルを最大化するリソース獲得機会の向上 女性の起業が当たり前になり、挑戦が後押しされる社会・文化の形成 制度・インフラ 文化・社会 人材・スキル Ⅰ 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  24. 23 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    事業領域別のスタートアップ起業家の性別構成 (%)(N=1,544社)1 女性起業家は小売・教育等消費者向け事業に多く、VCが積極投資する領域には少ない 傾向がある 1. 「日本のスタートアップ」は、Crunchbase掲載企業のうち本社が日本国内にあり、2015年以降に設立された企業と定義。数値は、起業家または共同起業家の性別データをCrunchbaseにて確認できた企業にて算出 2. STARTUP DBより、VCのうち投資先数の多い順に独立系20社、金融系20社、大学系10社、政府系5社を抽出。各VCごとに、投資先企業に占める事業領域構成比を算出 出所: STARTUP DB(2025年9月); Crunchbase(2025年9月) 4% 4% 製造 &エネルギー 5% 1% ヘルスケア &ライフ サイエンス 5% 1% テクノロジー &デジタル 8% 1% メディア &エンタメ 不動産 &インフラ 7% ビジネス サービス 11% 2% 消費財 &小売 2% 4% 金融 16% 5% 公共 &教育 男女共同 女性のみ 起業家の構成: VCにおける投資割合 (社数ベース)2 5 資金調達 (シード~レイター) 0% 小 大
  25. 24 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性のみで創業したスタートアップは男性のみで創業された企業と比較して、いずれの成長 ステージにおいても資金調達額が小さい 1. Crunchbaseより、本社所在地が日本国内かつ2015年以降に創業した企業を「日本のスタートアップ」と定義。このうち、創業者(共同創業者を含む)の性別情報が確認可能な企業のみを対象とし分析。資金調達額・ 企業ステージはSTARTUP DBのデータを使用。企業ステージは、アーリー=プレシリーズA~シリーズA、ミドル=シリーズB、レイター=シリーズC以降と定義 注: 女性(n=42)、男性(n=619) 出所: Crunchbase(2025年9月); STARTUP DB(2025年9月) 94 363 2,636 152 1,078 3,762 シード アーリー ミドル/レイター -38 -66 -30 女性 男性 ステージ別の平均合計資金調達額1 (百万円) 6 ×0.6 ×0.3 ×0.7 資金調達 (シード~レイター) 起業家の構成:
  26. 25 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    男性は調達手段として大口調達が可能なVCの利用率が高い一方、女性は相対的に小口 なエンジェル投資家や銀行融資の利用率が高く、VCの利用率は男性に比べると低い 利用した資金調達方法を教えてください (複数選択可) 63% 63% 56% 50% 50% 25% 13% 54% 38% 50% 25% 63% 0% 4% 9 pt 25 pt 6 pt 25 pt -13 pt 25 pt 9 pt 6 資金調達 (シード) 社内資金・自己資金 エンジェル投資家 政府系金融 ベンチャーキャピタル クラウドファンディング 事業会社からの出資 銀行融資 男女差 (女性-男性) 男性 女性 注: 女性 (n=16)、男性 (n=24) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  27. 26 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    VC調達に関する障壁は性別で異なる傾向がみられ、男性の方が多様な項目で困難を感じ る割合が高い一方で女性は投資家の審査の厳しさを特に強く感じている VCからの資金調達に関して、苦労したことを教えてください (複数選択可) 46% 38% 31% 23% 8% 15% 50% 50% 38% 54% 13% 4% -4 pt -12 pt -7 pt -31 pt -5 pt 11 pt 6 資金調達 (シード) 男女差 (女性-男性) 男性 女性 投資家の審査基準の厳しさ 事業計画・資料の作成が 難しかった 投資家とのネットワーク不足 その他 想定以上に時間がかかった 希望条件での調達が難しかった 注: 女性 (n=16)、男性 (n=24) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  28. 27 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    事業の将来見通しについて、男性は野心的に振る舞う傾向がある一方で、女性は保守的/ 控え目に振る舞う傾向がみられ、過小評価に繋がっている可能性がある • 周囲がライフイベントに過度に配慮 • 「女性はこうあるべき」という社会的規 範が意思決定を抑制 • 女性はマネジメントやリーダーシップの経験 が相対的に少ない • 伝統的な性役割に沿う行動・キャリアを周 囲から期待されがち • 女性は他者の経験を通じて自己の可能性を実感 する (「自分もできるはず」と思う) 機会が限定的 • 「野心的な振る舞いをして成功した女性起業家」 をイメージしづらい • 投資家が女性に「リスク回避」を問う質問を投げかける ことが多いため、女性は堅実な事業計画を作る傾向 • 女性は自信を前面に出して表現しにくい傾向 (強気 な行動をとると反感をもたれやすい) 1. Kanze et al. (2018) 2. Rudman & Glick (2001) 3.金融庁 (2023) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー 起業 ロールモデル 不足 キャリア形成 成功体験不足 周囲からの影響 ジェンダー規範の 刷り込み 資金調達 投資家の バイアス 6 女性が投資家に対して保守的/控え目に振る舞うように なる要因 • 女性で事業のスケールより社会課題の解決を大事にする人が多いが、 解決にはインパクトが必要で、そのためにはスケールが必要。視座を上げてくれ る人と話すことで変わるのでは • 自信がない方が世間一般から好かれやすいという感覚や、「儲け」を追求する 価値観が女性にそぐわないという感覚ゆえに、保守的になってしまうのでは • 「女性は野心的でない方が望ましい」という価値観のもとで育つことが多く、大 きな成功を強く追求する動機が弱まりやすいのでは インタビュー・アンケートからのコメントや関連研究 • ピッチ (投資家向け事業説明) の際、投資家から男性には「将来の可能性・ 成長性」を、女性には「リスク回避・損失防止」を問う質問が多い1 • 自信や主導性を前面に出した女性は、「能力は高いが好ましくない」と評価2 • スタートアップに投資する投資家の投資意思決定組織のうち、約7割が男性 のみで構成されている 関連研究 資金調達 (シード)
  29. 28 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    男性中心のコミュニティでは、女性起業家のネットワーク形成が難しく、育児・介護等のライフ イベントによる活動時間の制約への懸念も強い 制度・インフラの課題 女性起業家は、様々な局面で適切な情報や相談相手を 見つけにくい状況にある • 女性起業家の19%が事業構想や資金調達について気軽に 相談できる相手がいないと感じている (男性は8%) • スタートアップ業界は男性が多数を占めるため、女性はコミュニティ アクセスに少なからず躊躇を感じる傾向がある 女性起業家は、将来のライフイベントによる時間的制約に 懸念を抱く傾向にある • 事業創出・育成に不可欠な時間を十分に確保できないという 懸念から、女性起業家の50%がライフイベントが仕事にネガティブに 影響すると感じている (男性は29%) 制度・インフラ Ⅳ 起業への不安を和らげ、活動を容易にする基盤の整備 事業ポテンシャルを最大化するリソース獲得機会の向上 女性の起業が当たり前になり、挑戦が後押しされる社会・文化の形成 制度・インフラ プロダクト Ⅱ 人材・スキル Ⅰ 資金調達 Ⅲ Ⅴ 文化・社会 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  30. 29 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性は事業について相談できる相手がいない割合が19%と男性と比較し高く、事業構想・ 初期段階で相談相手を見つけるハードルが高い 7 注: 女性 (n=16)、男性 (n=24) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」 19% 92% 81% 8% 有 無 友人・ 知人紹介 アクセラ レーター/ 公的機関 カンファレンス・ イベント 営業メール SNS 0% 67% 100% 0% 0% 事業推進や資金調達プロセスにおいて 気軽に相談できる人の有無 投資家とのコンタクトを得たきっかけ (女性創業企業の回答のみ) 85% 31% 38% 15% 23% 有 (81%) 無 (19%) 制度・インフラ (シード) 女性 男性
  31. 30 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    男女とも長時間労働が常態化しているが、ライフイベントが仕事にネガティブに影響していると 感じる割合は女性の方が21ポイント高く、事業に必要な時間を確保する負荷が大きい 仕事 時間 69% 74% 31% 26% 60時間以上 60時間未満 ライフ イベント 50% 29% 50% 71% 感じたことがない 感じたことがある 注: 女性 (n=16)、男性 (n=24) 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」 8 女性 男性 21pt 制度・インフラ (シード) ライフイベント: 結婚・出産育児・介護等ライフイベントの存在がネガティブに影響していると感じられたことがあるか 仕事時間: 平均的な一週間において、どのくらい起業した企業に関する仕事に取り組んでいるか
  32. 31 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性リーダーの数の少なさ、ロールモデルの多様性の乏しさが女性起業家を "例外化" し、 挑戦のハードルを高めている 文化・社会の課題 女性の起業家は依然として少なく、女性の起業に対する 無意識的なバイアスが存在 • 女性起業家が少ないがゆえに、女性の起業を過度に特別視したり、 不安視したりする風潮が存在 • 失敗が許容されにくく、再挑戦が難しい風土のため、 心理的安全性が低い 女性起業家の絶対数な不足に起因するロールモデルの多様性 の欠如 • 成功した女性起業家に対し、プロフェッショナル、大手企業の 新規事業開発経験者、多様なハードルを乗り越えて成功した人物と いったイメージが固定化され、そのようなキャリアをもたない女性にとって 起業が身近/現実的な選択肢と認識されにくい 文化・社会 事業ポテンシャルを最大化するリソース獲得機会の向上 プロダクト Ⅱ 人材・スキル Ⅰ 資金調達 Ⅲ Ⅴ 女性の起業が当たり前になり、挑戦が後押しされる社会・文化の形成 文化・社会 起業への不安を和らげ、活動を容易にする基盤の整備 Ⅳ 制度・インフラ 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」
  33. 32 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性起業家によるジェンダーバイアスの感じ方は個人間で大きく異なり、性別が不利に働いた と感じたことはないという声も一定数存在 9 挑戦・失敗に 非寛容な文化 ジェンダーバイアス • 世の中の捉え方として、起業が奇抜で危険だという考えが多数派 • 所属していた大手企業を辞めて起業する際は周囲から「リスクが高い」と反対 を受けた 挑戦をリスクとみなし、失敗を受け入れない • 起業は「レールを外れるもの」という認識 • 「前例のなさ」を過剰に危険視 一度の挫折で再挑戦が難しくなる風土 • 「やり直せる」という心理的安全性が薄い • 「起業家の挑戦を社会が肯定する文化」と「挑戦しても生活基盤や再挑戦 の道が守られる制度」が両輪で必要 • セカンダリ・マーケット (未上場株を二次流通させる場) が出来上がると安心 • 失敗しても元の職業に戻れる、という自信が安心材料になった 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー インタビュー・アンケートからのコメント 文化・社会的要因に関する主な意見 「性別による不利や差別は経験なし」との声も • ビジネスの場面で、性別による差別や不利に 感じることはない、あっても気にしたことはない、 との意見も存在 • スタートアップは成果が全てで性別は無関係。ネットワークにおいても性別より もプロダクトや経歴が重要で、性別によって対応を変えるような人もいない • むしろ女性であることで注目されやすかったり、女性起業家を対象とした プログラムに採択されることもあり有利 女性起業家へのステレオタイプ • 他のラベリングも可能であるに関わらず、 珍しいがゆえに「女性」であることのみに着目 • 「女性はスモールビジネスが多い」 「数字に弱い」等の固定観念を通してみる • 資金調達の場で、「女性起業家は成功確率が低い」といわれた。 また、特定の成功した女性起業家を引き合いに出した質問をされた • 女性は、「儲かるから起業」という経済的価値ではなく、身の回りの課題の 解決といった社会的価値で起業する、という世間の先入観がある • 女性をビジネスの話をする相手と認識していない男性が一定存在 文化・社会
  34. 33 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    一方、ロールモデルの少なさと多様性の不足は、起業を現実的な選択肢として捉える上での ボトルネックとなっている可能性がある 10 インタビュー・アンケートからのコメント ロールモデルの少なさに関する主な意見 ナビゲーターとしての ロールモデル 「私にもできそう、やってみたい」と思えない • 起業家を身近な存在と捉えられず起業の 心理的ハードルを下げることができない 相談相手としての ロールモデル 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー • 自分は前職の業界の影響により、起業のリスクがこれまでにとった選択と 比べてとりわけ高いわけではないと思えたが、そうでなければ越えられない壁に 見えるのでは • リスクだけでなくリターンと併せて腹落ちできたら男女ともに起業が増えるのでは 起業のリスクを正しく理解できず選択肢から除外 • 同コミュニティに起業家が少ないため、 リスクだけに着目し起業を敬遠 多様なキャリア・ライフ像が提示されない • 激務なイメージがつきまとい、「一部の すごい人だけがやれるもの」という認識に • スタートアップは激務な印象があるが、自分がどんな組織文化を築くか次第。 ロールモデルが多様化して、様々なやり方があることを示すことが重要 心理的安全性の高い相談相手を見つけづらい • ロールモデルは必ずしも同性である必要は ないが、同性の方が心理的安全性が高い • 夜の会食・飲みの場に異性を誘うことは誤解を招く懸念から難しい • 女性だけに聞くのは良くないと考えるものの、育ってきたカルチャーや不快な 経験が原因で、同性からフィードバックをもらいたいと考える女性は一定数 存在する 出会えるロールモデルの多様性が乏しい • 女性のロールモデルを求めると、出会える人材 の背景・経営規模が限定される • 情報を持っている先輩には男性が多いのが現状。女性だけで固まってしまうと 得られるフィードバックの質が偏ってしまう 文化・社会 • 「私にもできそう」「こうなりたい」と思う像に出会えることが重要だが、絶対数が 少なく難しいのでは
  35. 34 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    本レポートの構成 34 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 女性起業家を取り巻く課題 1 2女性起業家の活躍機会の拡大に向けた解決策 • 国内スタートアップの起業家の現状 • 企業ステージごとの課題と男女別の傾向 (アンケート調査・インタビューに基づく示唆) • 各課題に対する解決の方向性と具体策 (投資家、政府・自治体等への提言、 起業家に求められるマインドセット)
  36. 35 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 創業・経営に関する知識/相談相手の不足 人材の獲得/マネジメントのハードル プロダクトの想定市場、拡張性の低さ テクノロジー活用に必要な知識/リソースの不足 事業領域・リスクの投資家の選好との不一致 リスクマネー調達における成長性の訴求不足 男性とのコミュニティ/ネットワーク形成のハードル ライフイベントによる時間確保の懸念の大きさ 女性の起業に対する過度な特別視 女性起業家のロールモデルの多様性不足 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 課題 ( ) 大 中 小 資金調達 プロダクト 人材・スキル Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 起業への不安を和らげ、活動を容易にする基盤の整備 事業ポテンシャルを最大化するリソース獲得機会の向上 女性の起業が当たり前になり、挑戦が後押しされる社会・文化の形成 制度・インフラ 文化・社会 女性起業家を取り巻く課題は、ヒト・モノ・カネのノウハウ・リソース獲得から、土台となるネット ワーク形成や時間的制約、さらに文化・社会的なものまで多岐にわたることが明らかになった 女性起業家を取り巻く課題の全体像 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 35 出所: MPowerとボストン コンサルティング グループの共同調査「スタートアップ起業家に関するサーベイ (2025)」; 国内スタートアップへのインタビュー 再掲 シード アーリー ミドル レイター
  37. 36 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    特定された課題に対し、大きく5つの解決の方向性 (接点/機会の拡充、投資評価、行動 指針、制度設計、バイアスの軽減) と具体的なアクションを提示 女性起業家の課題に対する解決策の全体像 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 創業・経営に関する知識/相談相手の不足 人材の獲得/マネジメントのハードル プロダクトの想定市場、拡張性の低さ テクノロジー活用に必要な知識/リソースの不足 事業領域・リスクの投資家の選好との不一致 リスクマネー調達における成長性の訴求不足 異性間のコミュニティ/ネットワーク形成のハードル ライフイベントによる時間確保の懸念の大きさ 女性の起業に対する過度な特別視 女性起業家のロールモデルの多様性不足 課題 人材・ スキル プロダクト 資金調達 制度・ インフラ 文化・ 社会 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ ステークホルダーとの 接点/ノウハウ習得の 機会の拡充 • ステージに応じた経営相談・アドバイスを受けられる機会の拡充 • CXO人材のマッチング支援及び人材定着のための支援 • 性別を問わず起業家と "壁打ち" できるオープンな機会の拡充 • テクノロジーの活用やコミュニティにアクセスできる機会の拡充 • 資金調達のノウハウ習得や起業家同士が情報交換できる 機会の拡充 投資評価における 多様性への配慮 • 事業構想や将来見通しに表れる男女の傾向の違いを考慮 した投資評価の推奨 行動指針の策定と 浸透 • 誰もがつながりやすいネットワーキングを促進する行動指針の 策定・浸透 時間的制約の懸念に 対する制度設計 • 育児/介護等への経済的支援の拡充、パートナーや関係者に 頼れる文化の形成 無意識的なバイアスの 軽減に向けた働きかけ • 安易な「女性」ラベリングの軽減に関する行動規範の策定・ 浸透 • 包括的な取り組みを通じた中長期的な女性起業家の ロールモデルの多様化促進 解決の方向性と具体的な取り組み A A-1 A-2 A-3 A-4 A-5 B B C C D D E E-1 E-2 A ~ E の 解 決 策 の 理 解 と 最 大 限 活 用 す る 意 識 ・ 考 え 方 ( 女 性 ) 起 業 家 に 求 め ら れ る マ イ ン ド セ ッ ト F
  38. 37 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    経営等のバックグラウンドのない人やメンターのいない人向けに、創業時期/ステージに 応じた悩み相談やアドバイスを受ける機会・場の提供・拡充 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 37 ステークホルダーとの接点/ノウハウ習得の機会の拡充 (相談相手の不足) A-1 • 創業初期のつまずき (資本政策/プロダクト設計等) を未然に防ぎ、初回売上の創出とPMF (プロダクト・マーケット・フィット) 到達を早める • 身近に相談相手がいない起業家に相談先を提供することで情報の非対称性を縮小。起業 初期の失敗コストを削減 • 起業家の意思決定の迷いが減少し、事業の前進速度を向上 解決策の詳細 (人材・スキル) 期待される効果 推奨される取り組み 政府・ 自治体 • 創業初期の経営知識が浅い起業家に対し、レイターステージ経験済の 起業家等が悩みに応じて実践的なアドバイスを行う場を提供 – 助言中心ではなく「手触り感のある実践ノウハウ」を学ぶ – 初期的には女性をメインターゲットに、男性起業家や投資家との繋がりを持ち やすいような企画運営も推奨 • 同じ課題を抱える起業家同士が出会えるコミュニティも提供 解決策 創業・経営に関する 知識/相談相手の不足 • 創業初期には、起業家 の経営スキル・経験不足 や人材獲得が課題となり やすく、相談できる相手 が少ない傾向にある • プロダクト構築に必要な 専門スキルに関する基礎 知識が不十分なため、 求める専門性の要件を 適切に定義できず、採用 が難航 課題 1 投資家 注: 東京都は女性起業家向けの成長支援プログラム「APT Women」を実施
  39. 38 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    CXO人材のマッチング支援と、人材の定着を実現するための支援や成功事例の周知 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 38 ステークホルダーとの接点/ノウハウ習得の機会の拡充 (人材採用、定着支援) A-2 • 成功事例の横展開により、最適なプロセス設計が可能となり、優秀人材の確保率や採用 スピードの向上が見込まれ、初期離職リスクが減少し、安定した組織基盤の構築が加速 • 手数料や契約の明確化によって、過剰な手数料が是正されコストが抑制できる • 副業・兼業の「お見合い期間」によって相互理解が深まりミスマッチが減少し、 採用後の定着 や早期活躍につながる 解決策の詳細 (人材・スキル) 解決策 推奨される取り組み 人材の獲得/マネジメント のハードル • レイターステージでは事業 拡大のための専門性を備 えたCXOの確保や、外部 採用人材の組織文化へ の適応等、人材マネジメ ントが課題として挙がる • 成長局面のスタートアップ では、CXOなどの希少な 人材を短期間で確保し、 早期に立ち上げる必要が ある一方、要件の曖昧さ やカルチャーとの相性の問 題により採用長期化・ミス マッチ・早期離職が生まれ やすい 課題 2 • 採用に関わる人材紹介手数料等の原則をスタートアップ協会等と協力し ながら示す – コストの透明性と標準契約等を“原則ベース”で示す • CXO人材とスタートアップのマッチング(「お見合い期間」)を支援・円滑に 進めるため副業・兼業を推奨するガイドラインを示す – 業務開始前の合意事項(業務内容、担当範囲・権限、期間)を明確化 • 投資先企業の採用・オンボーディングの成功事例をワークショップで共有し、 他社へ横展開 政府・ 自治体 投資家 期待される効果
  40. 39 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    ステークホルダーとの接点/ノウハウ習得の機会の拡充 (プロダクト壁打ち機会) A-3 解決策の詳細 (プロダクト) 性別を問わず多様な先輩起業家から、実務経験に基づくリアルな視点でプロダクトを 壁打ちできるオープンな機会・場を提供 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 39 解決策 プロダクトの想定市場、 拡張性の低さ • プロダクトの完成度よりも、 事業全体の対象市場の 選定やスケーラビリティを どう描くかが課題として挙 げられる傾向あり 課題 3 推奨される取り組み • 第三者による早期レビューで方向性の誤りや手戻りを抑え、PMF到達までの期間を短縮 • 多様な先輩起業家からの示唆により、仮説検証の質と頻度が高まり、プロダクトの 市場適合性が向上 • ジェンダーや属性による機会格差を縮小し、接点の少ない起業家にもプロダクト品質向上の 機会が広がる • 成功パターンが横展開されることで、市場拡張の再現性がエコシステム全体で高まる • 心理的安全性を担保した場で、プロダクトをブラッシュアップする環境の提供 – 守秘とフィードバックの指針を明らかにし、少人数制や同業の協業とは別にするな ど、参加しやすい場を設計 投資家 期待される効果
  41. 40 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    ステークホルダーとの接点/ノウハウ習得の機会の拡充 (ノウハウの習得) A-4 解決策の詳細 (プロダクト) テクノロジー・コミュニティへのアクセス改善と、経営者として必要なプロダクト・マネジメント スキルの短期習得を目指すブートキャンプ等の提供・拡充 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 40 解決策 テクノロジーの実装に関す る知識/リソースの不足 • 技術活用の知識・経験の 不足に加え、技術人材へ のアクセスが難しい • ネットワークや資金調達の 制約によりハイスキル人材 の獲得難易度が高く、成 長のボトルネックになりうる 課題 4 • コミュニティを通じた恒常的な知見へのアクセスにより、技術的知識が蓄積し、ビジネスにおける 意思決定の精度が向上する • テクノロジー人材との接点が少ない起業家も、コミュニティを介し新たなつながりの機会を得られる • 起業家の経営スキルが底上げされ、意思決定の質が向上する • 起業家・経営者に必要なマネジメントスキルを体系的に習得する場を 提供し、実務に直結する意思決定と実行力をサポートすることを目標 – 短期ブートキャンプ (資金計画~経営の基礎等を学ぶ) 場を設置し、学びを意思 決定と事業に直結させる場を提供。 – 上記とあわせて、女性参加者の拡大に向けた取り組みの実施 推奨される取り組み • テクノロジーコミュニティに恒常的にアクセス可能な導線を整備し、 知見・技術人材との接点を継続的に確保する場を提供 – テクノロジーに関する勉強会への参加支援 (補助、枠確保等) や、技術メンター の登録プールの整備や月次相談会等の実施 投資家 政府・ 自治体 期待される効果
  42. 41 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    ステークホルダーとの接点/ノウハウ習得の機会の拡充 (資金調達ナレッジ獲得) A-5 解決策の詳細 (資金調達) 投資家の種別に応じた資金調達ノウハウを体系的に学ぶ機会や、VC調達を目指す 類似ステージの起業家同士の情報交換の機会を提供 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 41 解決策 事業領域・リスクの投資家 の選好との不一致 • 女性起業家は、比較的 「地に足の着いた事業」を 選択する傾向があり、VC 等の投資選好と必ずしも 合致しない • 女性のみで創業した スタートアップは、男性の みで創業した企業と比べ、 いずれの成長ステージでも 資金調達額が相対的に 小さい傾向にある 課題 5 • 起業家が投資家の求める観点で事業を説明できるようになり、資金調達成功率の向上に つながる • 同じステージの起業家同士で最新の知見や相場観が共有され、資金調達の再現性が向上 • 投資家も、従来のネットワーク外にある良質なスタートアップへアクセスできるようになる • 資金調達ノウハウを共有するコミュニティを形成し、地域や属性に関係なく 起業家が成長できる仕組みを構築 • 起業をめざす人と成功した起業家や投資家との交流を促し 、持続可能な 事業成長と投資獲得の方法を学ぶ場を提供 – 壁打ちオフィスアワーの実施、資金計画シートおよびピッチ骨子フォーマットの提供 – 女性が参加しやすい環境づくり (時間・場所・開催方法への配慮等) 推奨される取り組み 投資家 政府・ 自治体 注: Tokyo Women in VCは「女性起業家向けのオフイスアワー」を実施 期待される効果
  43. 42 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    性別による起業家の事業構想や将来見通しに表れる傾向の違いとりまとめ・周知と、 それらを考慮した価値評価・投資の推奨 企業評価における多様性への配慮 (多面的評価の実施) B 解決策の詳細 (資金調達) 42 解決策 リスクマネー調達における 成長性の訴求不足 • 自己資金やエンジェル投 資家等の小規模資金は 一定程度活用できている ものの、その後のVCからの 十分な規模の資金調達 には結びついていない • 女性起業家は将来の市 場規模や事業ポテンシャ ルを堅く見積もる (野心 的な金額を見積もらな い) 傾向にあり、調達時 の事業評価に影響してい る可能性がある 課題 6 • 事業の本質的な実力・成長性を引き出しすことで、よりよい判断が行われる • 評価基準の透明化と多角化により、資金調達における性別バイアスが縮小 • 投資委員会や上級管理職層に女性が参画することで、見過ごされてきた投資機会の発掘に つながり、長期的には「資金の流れそのもの」が多様性を担保する仕組みに変わり、バイアスの 再生産を防ぐ • 投資家・支援者が企業の実態に即して価値を評価できるような基準を 構築し、資金調達や事業成長における性別バイアスを最小化し、多様な 起業家が挑戦できる環境を整備 • 資金提供者・LP等に対し、投資先VCの評価基準にダイバーシテイの観点 の組み込みを推奨、投資の意思決定に関わる層への女性参画を確保 • 性別や経験に起因する「過大/控え目な表現」等の傾向の違いがあること を踏まえ、起業家に対する資金調達上の助言を実施 推奨される取り組み 投資家 政府・ 自治体 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 期待される効果
  44. 43 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    誰もがつながりやすいネットワーキングの実現に向け、起業家との接点の持ち方に関する 行動指針のとりまとめ・浸透 43 行動指針の策定と浸透 (起業家の交流に関する規範の確立) C 解決策 • 誰もが参加しやすいネットワーキングを実現するための時間帯や場所に配慮 する • 起業家のネットワーキング機会 (ピッチイベント等) における参加者・登壇者 のジェンダーバランスへの配慮を主催者に推奨 – マイノリティ登壇者への枠を設ける 等 解決策の詳細 (制度・インフラ) 異性間のコミュニティ/ ネットワーク形成のハードル • スタートアップ業界は男性 比率が高いため、女性は 限られたネットワークで情 報や相談相手を探す傾 向があり、構想・初期段 階では男性より相談先を 見つけるハードルが高い 課題 7 • 交流の心理的安全性と予見可能性が高まり、誤解のリスクが低下 • 心理的安全性への懸念から参加を見送っていた起業家も含め、ネットワーキングへの参加の 裾野が広がる。これにより、機会配分の偏りが是正され、優秀な起業家との接点の数と質が 向上 • 投資家も有利な立場であることからハラスメントにつながっていないかを再確認 期待される効果 推奨される取り組み 投資家 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. • 起業家に対するハラスメント防止のための社内研修等の実施 注:JICは出資要件に対し行動規範・倫理規範、ハラスメント防止規程制定を実施
  45. 44 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    保育や介護に関わる施設・シッター等の利用に対する経済的支援の制度づくりや、 パートナーや関係者に頼れる文化の形成 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 44 時間的制約の懸念に対する制度設計 (育児・介護の経済的/心理的支援) D 解決策 • 緊急時にもタイムリーに相談できるワンストップ窓口を整備 解決策の詳細 (制度・インフラ) ライフイベントによる時間 的制約への懸念の大きさ • 「ライフイベントが仕事にネ ガティブに影響している」と 感じている人の割合は女 性の方が高く、事業に必 要な時間を確保する上で 大きな負担となっている • 起業家の長時間労働が 常態化している一方で、 ライフイベントを支える社 会的基盤(長時間保育 や柔軟な保育・介護サー ビス等) が不足 課題 8 • 起業家の稼働時間と業務に集中できる時間を拡大し、事業推進が中断される影響を最小化 • 育児・介護と事業の両立不安を低減し、起業の断念防止につなげる • 「育児が落ち着くまで待つ」起業延期のケースを防ぎ、創業数の増加につながる • 保育/介護の負担を軽減し、突発的な事態が起きても事業継続を可能に する社会的制度づくり – 緊急保育・一時預かり・訪問介護・シッター等の確保と費用補助 (地域提携先 の優先枠を確保) – 短期事務サポート/家事支援/行政手続きの代理サポートを紹介・補助 期待される効果 推奨される取り組み • 起業家の子供が会社員と同じ基準で保育園に入園できるよう選考設計を 見直す – 現行制度では、会社代表者 (自営業・起業家) は入園選考の基準点が低く 算定されるため、制度・運用を見直す 政府・ 自治体 • パートナーが育児に参加しやすい社会環境の構築
  46. 45 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    「女性」という性別だけに安易に着目することで起こるバイアスを軽減するため、メディア や自治体向けに過剰なラベリングを防ぐ行動規範を周知 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 45 無意識的なバイアスの軽減に向けた働きかけ (ラベリングへの対応規範の整備) E-1 解決策 • 若年層や次世代起業家が、起業を身近で現実的な選択肢と認識する ように保護者を含めた教育機関に対し働きかける – 地域の起業家・インキュベータと連携した講演会/職業体験等を実施し、学校・ 保護者の“認知の壁”を、教材と体験で下げる企画を実施 解決策の詳細 (文化・社会) 女性の起業に対する 過度な特別視 • 挑戦に対する社会的な 受容度が依然として低く、 加えて無意識的なジェン ダーバイアスが文化・社会 構造に組み込まれている • 失敗に不寛容な風土が 根強く、「一度の失敗= 減点」という認識が広がっ ているためリスクをとる行動 を阻害 課題 9 • 教育現場での働きかけにより、バイアスの再生産を防ぎ、多様なキャリア選択を後押し • メディアの発信力を通じて、社会全体に「女性が起業することは珍しくない、当たり前」という文 化を醸成し、多様な人材がエコシステムに参画しやすい環境を整備 • 無意識的な性的バイアスを緩和し、多様な人材が挑戦できる起業文化を 育むように社会に働きかける – 報道・広報でのラベリング/ステレオタイプ回避のガイド (言い換え例) を周知 期待される効果 推奨される取り組み 政府・ 自治体 • 必要に応じてパートナーがサポート側に回る選択を後押しできる社会風土 の改善
  47. 46 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    中長期的視点で、女性の多様なロールモデルをピックアップ・周知し、世間一般での 女性起業家に対する想起イメージの多様化を促す Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved. 46 無意識的なバイアス軽減に向けた働きかけ (多様な女性ロールモデルの発信) E-2 解決策 解決策の詳細 (文化・社会) • 業種・地域・ライフステージ等の複数の軸で偏りの少ないロールモデルを 発信し、誰もが「自分に近い道筋」を見つけられる状態を目指す – 誰もが身近なロールモデルや進路を見つけられるよう、メディア連携を進め、ピッチ や起業家紹介などの登壇枠に多様性の観点を取り入れ、公共としての参加導線 を整備する 政府・ 自治体 女性起業家のロールモデ ルの多様性不足 • ロールモデルの多様性が 不足しているため、起業に 対して漠然とした不安を 抱きやすい 課題 10 • 社会の女性起業家=特別ではないという認識が定着し、挑戦意欲が向上 • 「自分も挑戦できる」という意識を若手や潜在的な起業家に広げ、起業家人口の裾野拡大に つながる 期待される効果 推奨される取り組み
  48. 47 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    ~ の解決策を実現・加速するには、女性起業家自身も解決策を最大限活かすようなマイ ンドセットを持つことが求められる。それが相乗効果を生み、女性起業家の活躍機会を拡大する 起業家に求められるマインドセット 解決の方向性 レイター以降の女性起業家のコメント (女性) 起業家に求められるマインドセット 無意識的なバイア スの軽減に向けた 働きかけ E 時間的制約に対 する制度設計 D 行動指針の策定 と浸透 C 投資評価における 多様性への配慮 B ステークホルダーと の接点/ノウハウ習 得の機会の拡充 A • 自分が女性であることにフォーカスしすぎない 方が良い • 軸が定まってないと、「ロールモデルが欲しいが、 見つからず困る」ことになる。自分がやっている ことに自信を持てばよい • 起業してからの方が、柔軟に設計ができ 子育てがしやすい • 自分が作る組織文化次第 • ランチでいろいろな人に会いに行った • 知り合いの男性起業家も夜の会食は大変と 思っている。夜の飲みを減らし昼に重要な話 がされる方が全体としてもよい • ピッチで市場性を強調し、スモールビジネスと いう従来の評価を覆した • 投資家側のロジックを理解し、目標を明確化 することで調達を実現 • 投資家からの助言でビジネスモデルを拡張・ 進化させ、成長に繋げた • ロールモデルは不要、代わりに困ったら周りを うまく頼り、巻き込んでいた • 助言を同性に限定する必要はない 女性起業家に求められるマインドセット 自ら道をつくる 意識を持つ • 周囲の目に振り回されない軸を持つ • "きれいな" 女性起業家像に縛られず、自身が新たなロールモデ ルをつくるつもりで、成功も失敗もオープンに語る 支援を把握・ 活用し、 文化を作る • 育児・介護・休暇などの支援制度を広く調べ、共有する • 仕組みや文化を自ら作り、働きやすさに配慮した環境を整える • パートナーや関係者に頼れる文化を形成する 開かれた ネットワークを 自らデザインする • 夜の会食だけでなく、朝〜昼も含めた活動、オープンスペース/ オフラインの活用など、つながりの機会を広く捉える • 「誘われる場」だけでなく「自分が場をつくる」視点を持つ 投資家の視点を 理解し、野心的 に成長像を描く • 事業のスケーラビリティを意識し、潜在事業規模や拡張可能性 について保守的になりすぎていないか自問する • リスクマネー調達においては投資家が求めているものを理解し、 定量感をもって成長ストーリーを示す • 壁打ちを通して視野を広げ、幅広い領域で事業を構想する 性別を問わず 適切な人と繋がる 機会を取りに行く • 同性のロールモデルや相談相手に限らず、その時々で最適な壁 打ち相手を探し、関係を築く機会を探る • 制度・プログラムを "自分から取りに行く" 姿勢を持つ F A E
  49. 48 Copyright © 2026 by MPower Partners. All rights reserved.

    女性起業家の参入を促し成長ポテンシャルを高めるためには、各ステークホルダーが一丸となって 解決策に取り組むことが期待される 各ステークホルダーに求められるアクション 投資家 起業家 政府・自治体 経営相談・アドバイスの場、起業家 コミュニティの提供 包括的な取り組みを通じた中長期的な女性起業家のロールモデルの多様化 事業構想・見通しにおける男女差の 傾向を踏まえた投資評価の実施 採用・定着の成功事例の共有・展開 マネジメントスキルの習得機会提供 事業成長/投資獲得の学習機会提供 先輩起業家との壁打ち機会の提供、心理的安全性の担保 E-2 A-1 A-2 A-3 A-5 A-4 E-1 B C D 無意識的な バイアスの軽減に 向けた働きかけ E 時間的制約に 対する制度設計 D 行動指針の策定と 浸透 C 投資評価における 多様性への配慮 B ステークホルダーとの 接点/ノウハウ習得 の機会の拡充 A 性別を問わず適切な人と繋がる 機会を取りに行く 投資家の視点を理解し、野心的 に成長像を描く 性別を問わないネットワーキングを 自らデザインする意識を持つ 支援を把握・活用し、文化を作る 自ら道をつくる意識を持つ 安易な「女性」ラベリングの軽減に 関する行動規範の策定・浸透 誰もがつながりやすいネットワーキングの 実現に向け、行動指針の策定・浸透 育児/介護等への経済的支援の拡充、 パートナー・関係者に頼れる文化の形成 人材紹介や副兼業の指針の提示 テクノロジーコミュニティへのアクセス整備 調達/投資家対応の学習の場の提供 ( 女 性 ) 起 業 家 に 求 め ら れ る マ イ ン ド セ ッ ト F
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    ご協力頂いた企業 株式会社N Lab 7 株式会社Agriee 1 bgrass株式会社 2 株式会社elleThermo 3 FastLabel株式会社 4 株式会社HQ 5 株式会社NaLaLys 6 株式会社uniam 14 株式会社PeopleX 8 株式会社RABO 9 株式会社Reelu 10 株式会社SalesTailor 11 株式会社Skillnote 12 TXP Medical株式会社 13 株式会社RABO SHE株式会社 株式会社uniam Wovn Technologies株式会社 株式会社サイフューズ 1 2 3 4 5 株式会社ニューラルポート 21 株式会社With Midwife 15 イチロウ株式会社 16 株式会社サイト-ファクト 17 株式会社助太刀 18 タグシクス・バイオ株式会社 19 日本サイバーディフェンス株式会社 20 +25社 (社名非公開をご希望) +4社 (社名非公開をご希望) ※ 社名公開のご許可を頂いた企業のみ記載 ※ アルファベット順>五十音順 インタビュー調査へ ご協力いただいた 企業: 9社 アンケート調査へ ご協力いただいた 企業: 46社 ※アルファベット/50音順 ※アルファベット/50音順
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    お問い合わせ マネージング・ディレクター & パートナー 栗原 勝芳 マネージング・ディレクター & パートナー 折茂 美保 ゼネラル・パートナー キャシー 松井 ゼネラル・パートナー 関 美和 ゼネラル・パートナー 村上 由美子 照会先 [email protected] 照会先 [email protected]
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    © MPower Partners. 2026. All Rights Reserved. This report was created based on joint research and study by MPower Partners and Boston Consulting Group (BCG). This document has been prepared in good faith on the basis of information available at the date of publication without any independent verification. MPower and BCG do not guarantee or make any representation or warranty as to the accuracy, reliability, completeness, or currency of the information in this document nor its usefulness in achieving any purpose. Readers are responsible for assessing the relevance and accuracy of the content of this document. It is unreasonable for any party to rely on this document for any purpose and MPower and BCG will not be liable for any loss, damage, cost, or expense incurred or arising by reason of any person using or relying on information in this document. To the fullest extent permitted by law (and except to the extent otherwise agreed in a signed writing by MPower and BCG), MPower and BCG shall have no liability whatsoever to any party, and any person using this document hereby waives any rights and claims it may have at any time against MPower and BCG with regard to the document. Receipt and review of this document shall be deemed agreement with and consideration for the foregoing. This document is based on a primary qualitative and quantitative research executed jointly by MPower and BCG. MPower and BCG do not provide legal, accounting, or tax advice. Readers are responsible for obtaining independent advice concerning these matters. This advice may affect the guidance in the document. Further, MPower and BCG have made no undertaking to update the document after the date hereof, notwithstanding that such information may become outdated or inaccurate. MPower and BCG do not provide fairness opinions or valuations of market transactions, and this document should not be relied on or construed as such. Further, any evaluations, projected market information, and conclusions contained in this document are based upon standard valuation methodologies, are not definitive forecasts, and are not guaranteed by MPower or BCG. MPower and BCG have used data from various sources and assumptions provided to MPower and BCG from other sources. MPower and BCG have not independently verified the data and assumptions from these sources used in these analyses. Changes in the underlying data or operating assumptions will clearly impact the analyses and conclusions. This document is not intended to make or influence any recommendation and should not be construed as such by the reader or any other entity. This document does not purport to represent the views of the companies mentioned in the document. Reference herein to any specific commercial product, process, or service by trade name, trademark, manufacturer, or otherwise, does not necessarily constitute or imply its endorsement, recommendation, or favoring by MPower or BCG. Apart from any use as permitted under the Copyright Act of Japan, no part may be reproduced in any form. Disclaimer