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老舗メーカーにアジャイル型要求開発を広めてみました

 老舗メーカーにアジャイル型要求開発を広めてみました

2019/01/31 要求開発アライアンスでの講演資料

Kei Nakahara

January 31, 2019
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Transcript

  1. © KONICA MINOLTA 中原 慶 (42歳、大阪市出身) 2 IT系アプリ開発 クラウドサービス開発 全社SW開発力強化

    教育・コンサルティング、 ツール開発 2000年 2004年 2012年 • WEBアプリ開発 • DB管理アプリ開発 • Java、モデリング、SPL、仕様記述 • TRICHORD, astah*の開発 • 講演、執筆 • クラウドサービス開発 • アジャイル型開発の展開 • ICT技術者育成 ソフトハウス
  2. © KONICA MINOLTA 【ゴール】 売れる企画を考えること SW要求 SW要件 企画/ ビジネス要求 動くソフトウェア

    役割によってゴールが違う ビジネスを考える人 SWを作る人 【ゴール】 要求通りのSWをQCDを 守って開発すること 1. 組織構造と文化の変革 22
  3. © KONICA MINOLTA SW要求 SW要件 企画/ ビジネス要求 動くソフトウェア 情報劣化/誤解が起こる 言わなくても

    わかるだろ!! ビジネスを考える人 SWを作る人 聞いてない!! 書いてない!! ココ 誰が考えるの? 1. 組織構造と文化の変革 23
  4. © KONICA MINOLTA 言わなくても わかるだろ!! SW要求 SW要件 企画/ ビジネス要求 動くソフトウェア

    組織構造と文化を変える ビジネスを考える人 SWを作る人 聞いてない!! 書いてない!! ココ 誰が考えるの? 細かいことは開発で よきに計らってね 売れるかどうか は企画次第 言われたものを QCDを守って開 発するのが仕事 儲かる企画を 考えることが仕事 1. 組織構造と文化の変革 25
  5. © KONICA MINOLTA Ops Biz Customer DevOps cycle Dev Scrum

    Team Product Owner (企画部門) Dev/Scrum Master (開発部門) 部門を超えたチームを構築 1. 組織構造と文化の変革 29
  6. チームで要求を開発する ビジネスを 考える人 SWを 考える人 • 前も同じような機能を 作ったけど本当にいる? • 〇×より、△▪な機能が

    トレンドだよ ユーザが◦◦な時に××で きる機能があると 70%までシェアが伸ばせる 開発者も要求を提案、却下する 脱御用聞き ビジネス観点 技術観点 Product Owner (企画部門) Developer (開発部門) 32
  7. ビジネスの仮説検証サイクルの中で ゴールを共有するために アジャイル型要求開発 ビジネスを 考える人 SWを 考える人 Product Owner (企画部門)

    Dev (開発部門) 企画/ ビジネス要求 アジャイル型 要求開発 設計 テスト 実装 33 チームで要求を開発する
  8. リリース計画 スプリント計画 開発 スプリントレビュー ふりかえり リリースふりかえり Product Backlog Scrum Product

    Owner (企画部門) Dev (開発部門) ビジネスビジョン/ マイルストン 製品 アジャイル型 要求開発 43
  9. © KONICA MINOLTA ステイクホルダーリスト プラグマティックペルソナ As-Is Customer Journey Map To-Be

    Customer Journey Map User Story Mapping よく用いる手法 利害関係者の特定 ターゲットユーザーの共有 顧客課題の共有 解決策と提供価値の共有 最小限の価値と実現範囲の特定 誰の どんな課題を どのように 解決するか 何をどこまで 作るか 手順 2. アジャイル型要求開発の進め方 45
  10. © KONICA MINOLTA ステイクホルダーリスト プラグマティックペルソナ As-Is Customer Journey Map To-Be

    Customer Journey Map User Story Mapping よく用いる手法 利害関係者の特定 ターゲットユーザーの共有 顧客課題の共有 解決策と提供価値の共有 最小限の価値と実現範囲の特定 誰の どんな課題を どのように 解決するか 何をどこまで 作るか 手順 2. アジャイル型要求開発の進め方 46
  11. © KONICA MINOLTA ステイクホルダーリスト プラグマティックペルソナ As-Is Customer Journey Map To-Be

    Customer Journey Map User Story Mapping よく用いる手法 利害関係者の特定 ターゲットユーザーの共有 顧客課題の共有 解決策と提供価値の共有 最小限の価値と実現範囲の特定 誰の どんな課題を どのように 解決するか 何をどこまで 作るか 手順 2. アジャイル型要求開発の進め方 48
  12. © KONICA MINOLTA 2. アジャイル型要求開発の進め方 ステイクホルダーリスト プラグマティックペルソナ As-Is Customer Journey

    Map To-Be Customer Journey Map User Story Mapping よく用いる手法 利害関係者の特定 ターゲットユーザーの共有 顧客課題の共有 解決策と提供価値の共有 最小限の価値と実現範囲の特定 誰の どんな課題を どのように 解決するか 何をどこまで 作るか 手順 運用体制/コスト面も含む サービスの保証範囲(サー ビスレベル)の検討と共有 サービスレベルを満たす 非機能要求と 実現範囲を特定 56
  13. © KONICA MINOLTA 最小限の価値と実現範囲の特定 非機能要求特定 評価方法と目標値 設定 ユーザータスクの 洗い出し 受け入れ基準

    設定 見積もり 優先順位付 見積もり 優先順位付 User Story Mapping 非機能検討 要求項目(User Story) 非機能要求評価項目 サービスの 保証範囲 どんな観点を どんな優先順位で どの程度保証するか 非機能要求の観点 ex. ・IPA非機能能要求グレイド ・JIS X 25010:2013 製品品質モデル Product Backlog リリースまでに絶対にやらない といけない項目(ex. セキュリ ティテスト、負荷テスト)は最優 先に配置 非機能要求対応項目 2. アジャイル型要求開発の進め方 非機能要求も含む実現範囲の特定 57
  14. © KONICA MINOLTA Ops Biz Customer DevOps cycle Scrum Team

    Product Owner (企画部門) Dev/Scrum Master (開発部門) 部門を超えたチームを構築 QA (品証部門) Dev 2. アジャイル型要求開発の進め方 品質担保 67
  15. © KONICA MINOLTA 3つの観点で要求と品質を開発する ビジネスを 考える人 SWを 考える人 • 前も同じような

    機能を作ったけ ど本当にいる? • 〇×より、△▪ な機能がトレン ドだよ ユーザが◦◦な 時に××できる機 能があると 70%までシェア が伸ばせる 他の製品では こんな問題が起こったよ あ~だこ~だ ユーザー視点で 品質を 考える人 要求項目と 保証範囲 2. アジャイル型要求開発の進め方 品質担保 69
  16. リリース計画 スプリント計画 開発 スプリントレビュー ふりかえり リリースふりかえり Product Backlog Scrum •

    品質レベル決定 • テスト計画/テスト要 求分析/テスト設計 • 受け入れ基準の決定 • 受け入れテスト作成 PBI毎の受け入れ基準の決定 テスト要求分析、設計、およ び、テスト設計に従った要求項 目ごとの受け入れテスト作成 テスト実施状況の確認 テスト結果(プロダク ト品質)の確認 Product Owner (企画部門) Dev/Scrum Master (開発部門) QA (品質保証部門) 品質観点での プロセス改善提言 (プロセス品質) 品質観点での プロセス改善提言 (プロセス品質) 注)PBI:Product Backlog Item 70
  17. © KONICA MINOLTA 受け入れテストでゴールを合意 受け入れテスト作成 自動テスト作成/ テスト実施 テスト結果確認 スプリント計画 スプリント

    スプリント レビュー テスト管理ツール PO QA Dev [ 受け入れテスト All Green ] リリース計画 リリース レビュー [All Green ] 2. アジャイル型要求開発の進め方 品質担保 71
  18. © KONICA MINOLTA 79 3. 全社展開 ~アジャイル型要求開発の展開~ 2018年 社内課題収集 世の中調査

    自社の課題に 合ったメソッド 構築 研修作成 試行 人事施策 として 全社展開 各事業部門の トップへ 説明行脚 2016年 2017年 賛同者作り 話を大きく する コミュニティ発足 トップの巻き込み 仲間づくり 「アジャイル型要求開発」の構築から社内展開までの経緯 展開のカギ 仲間を作る事と、影響力と決定権を 持つ人(トップマネジメント)を巻き 込み話を大きくする事
  19. © KONICA MINOLTA 80 3. 全社展開 ~アジャイル型要求開発の展開~ 2018年 社内課題収集 世の中調査

    自社の課題に 合ったメソッド 構築 研修作成 試行 人事施策 として 全社展開 各事業部門の トップへ 説明行脚 2016年 2017年 賛同者作り 話を大きく する コミュニティ発足 トップの巻き込み 仲間づくり 「アジャイル型要求開発」の構築から社内展開までの経緯
  20. © KONICA MINOLTA 81 3. 全社展開 ~アジャイル型要求開発の展開~ SW開発 企画 ア

    イ デ ア ( 要 望 ) SW 要 求 SW 要 件 要望検討/ 商品検討 市場 動向 利用 状況 市場展開 受け入 れ(評価) 開発 • 社内のソリューション領域で起こった問題事例を収集 • 問題事例の対策となる世の中の方法論、手法を調査 • メソッドを構築し、研修として展開 問題
  21. © KONICA MINOLTA 83 3. 全社展開 ~アジャイル型要求開発の展開~ 2018年 社内課題収集 世の中調査

    自社の課題に 合ったメソッド 構築 研修作成 試行 人事施策 として 全社展開 各事業部門の トップへ 説明行脚 2016年 2017年 賛同者作り 話を大きく する コミュニティ発足 トップの巻き込み 仲間づくり 「アジャイル型要求開発」の構築から社内展開までの経緯
  22. © KONICA MINOLTA 84 3. 全社展開 ~アジャイル型要求開発の展開~ 既存企業はデータ分析技術を活用した ソフトウェアシステムを競争力の中心に切替 ▪

    世の中の動向 橋渡し 仮説検証サイクルを効果的にまわすために、ビジネスと技術の両方に精通 し、 開発チームの作業とプロダクトの価値を最大化する人財が必要性 • 人事部門に重要人財として提案 • 社内の定例開催研修として人事予算で実施 • 客観的なスキルの把握状況を可視化すべく、社内認定制度化 • 各事業部門のトップに説明 • 部門内で広く告知、教育体系への織り込み
  23. © KONICA MINOLTA 3. 全社展開 多数の役員、事業部長を招き アジャイルの理解を揃える会を毎年開催 FY2016 自部門向け講習会 FY2017

    全社向け共有会 FY2018 全社向け共有会 新規事業開発部門を対象 に、外部有識者によるア ジャイルの基礎知識につ いての講習会 社内事例の共有と外部有識 者によるビジネスとアジャ イルにいての講演 社内事例のナレッジ共有と 他事業会社の実践者による 実践における勘所の講演 (参加者: 6拠点, 200名) (参加者: 11拠点, 450名) (参加者: 12拠点, 620名) 86
  24. © KONICA MINOLTA 3. 全社展開 ~アジャイルの展開~ 社内横断的な全社活動の立ち上げ • ナレッジや課題の蓄積、共有 •

    現場レベルのコミュニティ(気軽に相談できる場) 事業領域 3部署 10部署 22部署 2016 2017 2018 活動への参加人数と参加部署 開発以外も参加 海外も参加 事業部門 が参加 87