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プログラミング教育について〜開始まであと1年〜/NAKAGAMI201904

 プログラミング教育について〜開始まであと1年〜/NAKAGAMI201904

昭島市立中神小学校 校内研修会
2019年4月12日

Naoki Kato

April 12, 2019
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Transcript

  1. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 昭島市立中神小学校 校内研修会 20190412 プログラミング教育について

    ~開始まであと1年~ 東京学芸大学 ICTセンター 教育情報化研究支援チーム 加藤直樹
  2. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 ICTセンター

    教育情報化研究チーム 専門:情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 ペン入力I/Fの教育への利用
  3. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 産業(工業)革命:社会の確実な変化 画像引用:SCF2015webサイト http://scf.jp/ja/essay/a005.php

    →石炭→石油・電気 農業→軽工業→重工業 労働力:人→コンピュータ 判断:人→コンピュータ AI,IoT?
  4. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 成熟社会の形成に向けての教育の必要性も 経済成長 人口

    一人当たりの生産力 生産人口 成長社会 → 成熟社会 Society5.0 一人一人が持続可能な社会の担 い手として,その多様性を原動 力とし,質的な豊かさを伴った 個人と社会の成長につながる新 たな価値を生み出していく力 創造 協働 自立 生きる力
  5. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 学習指導要領における情報教育の方針 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
  6. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 小中高一貫の視点からの位置付け 情報Ⅰ(必修) 技術分野

    情報に関する技術 情報Ⅱ 情報技術の発展・浸透 情報の科学的な理解に 裏打ちされた 情報活用能力 を育むことが重要 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020-
  7. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 世界中でプログラミング教育 l イスラエル

    n 2000年,高校で「Computer Science」 l ハンガリー n 2003年 「Informatica」6~10歳で必修 l イングランド(英国) n 2014年 「Computing」5~13歳で必修 l フィンランド n 2016年から必修化(教科横断型) l オーストラリア n 2016年「Digital Technologies」
  8. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    l 教科等の中でプログラミング教育 第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  9. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  10. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  11. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領での記載 第3 1

    (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8) プログラミング 論理的に考える力 のために ※単なるコンピュータ利用とも解釈できるが 文脈からプログラミングであることは自明
  12. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 学習指導要領からプログラミング的思考へ 自分が意図する一連の活動を実現するために、 どのような動きの組合せが必要であり、

    一つ一つの動きに対応した記号を、 どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、 より意図した活動に近づくのか、 といったことを論理的に考えていく力 (小学校学習指導要領解説 p.85) プログラミング するときの一連の活動 を 論理的に考える力
  13. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育 もう一つの育む力 プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータをはじめと する情報技術によって支えられていることなどに気付き,身近

    な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手 に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む こと (小学校学習指導要領解説 p.85) すごい やってみる のような態度
  14. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング的思考 唯一の定義 自分が意図する一連の活動を実現するために、 どのような動きの組合せが必要であり、

    一つ一つの動きに対応した記号を、 どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、 より意図した活動に近づくのか、 といったことを論理的に考えていく力 (小学校学習指導要領解説 p.85)
  15. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング的思考 プログラミング的思考 抽 象

    化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である 論理的思考・パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ
  16. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング的思考 プログラミング的思考 抽 象

    化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である 論理的思考・パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ 順次 反復 分岐 分解 抽象化 一般化 組み合わせ 振り返り
  17. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 正多角形 を描く 正三角形

    を描く 正方形 を描く 正五角形 を描く (問題の)分解 線分を描く 線分を描く 線分を描く 分解+手順(順次)
  18. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く

    特定の長さの 線分を描く 定規を 合わせる 特定の長さの 線分を描く 分解+手順(順次)
  19. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く

    分度器を 合わせる 60度の方向を 調べる 定規を 合わせる 同じ長さの 線分を描く 60度の方向 に点を打つ 同じ長さの 線分を描く 分解+手順(順次) 分解+手順(順次)
  20. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 線分を描く 線分を描く 線分を描く

    分解+手順(順次) 端点を結ぶ 線分を描く 定規を 合わせる 端点を結ぶ 線分を描く
  21. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの

    線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正方形を描く 正五角形を描く 特定の長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの 線分を描く 60度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正三角形を描く
  22. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの

    線分を描く 90度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正方形を描く 正五角形を描く 特定の長さの 線分を描く 108度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 端点を結ぶ 線分を描く 特定の長さの 線分を描く 60度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く 正三角形を描く 1回繰返し 2回繰返し 3回繰返し パタン認識 + 手順化 (繰り返し)
  23. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 正多角形を簡単に綺麗に描きたい 正N角形を描く 端点を結ぶ 線分を描く

    特定の長さの 線分を描く X度の方向を 調べる 同じ長さの 線分を描く N回繰り返す X=180-360/N パタン認識 ↓ パラメタライズ =一般化 正三角形を描く 正方形を描く 正五角形を描く
  24. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 プログラミング的思考=問題解決力? 若年層への プログラミング教育

    プログラミング的思考 解説にある説明 ・・・論理的思考 学習指導要領 問題解決力 解釈 含む 確かに必要
  25. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 でも忘れてはいけない背景 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
  26. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 重要なのは 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要 コンピュータがあることを 前提とする点 コンピュータプログラミングに つながらなければもったいない (意味がない)
  27. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 教科等の学びとの関係 さらに,教科等で学ぶ知識及び技能等をより確 実に身に付けさせることにある。

    (小学校学習指導要領解説 p.85) 従来の教科等の学び 育てる資質・能力 プログラミング教育 で育てる 資質・能力 教科書等
  28. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 教科等の学び捉え方を広げる必要 さらに,教科等で学ぶ知識及び技能等をより確 実に身に付けさせることにある。

    (小学校学習指導要領解説 p.85) 従来の教科等の学び 育てる資質・能力 教科等の学び 教科書等 プログラミング教育 で育てる 資質・能力
  29. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 手順作りの思考は言語に依存する l 言語を知らないと

    プログラミング的思考を働かしての 試行錯誤もできない 100歩進む 左に向く 100歩進む (0,0)から(100,0) に線を描く (100,0)から(100,100) に線を描く : : : : 言語A 言語B プログラミング的 思考
  30. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 コーディングできないと楽しめない l ある程度はできる必要があります

    学習活動としてプログラミングに取り組むねら いは,プログラミング言語を覚えたり,プログ ラミングの技能を習得したりといったことでは なく (小学校学習指導要領解説 p.85) 日本語を知らずに 作文を書く ボールが 投げれないのに 野球をする リコーダが 使えないのに 演奏を楽しむ
  31. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 そもそものプログラミング教育の背景 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切かつ効果的に 活用して、問題を発見・解決したり自 分の考えを形成したりしていくために 必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 情報の科学的な理解に裏打ちされた 情報活用能力を育むことが重要
  32. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 間違えないプログラミング教育 創造する力を育てるプログラミング教育 論理的思考力 試行錯誤

    創造 協働 自立 プログラミング教育が担うべき いくら 身につけても × プログラミングは 創造ツール
  33. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 教科横断・系統的な学びから創造へ 創造的プログラミング ア

    ン プ ラ グ ド 情報化社会に関する 探究的課題の中での プログラミング プログラミング 導入 操作練習 教科の学びに絡めた プログラミング 総合 教科 課程外 多角形を描く 電気の利用
  34. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 今年度の取り組みへのアドバイス l 基礎基本の力として、ICTの操作に慣

    れ親しむ必要がある。 l プログラミング活動で慣れさせる l 教科の目標と、プログラミング教育で育 む資質・能力の2つをどのように指導案 上で表現するのか。 l 二つは別物.併記すべきもの
  35. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 今年度の取り組みへのアドバイス l プログラミング的思考を取り入れた時の

    各教科及びプログラミングの資質・能力 をどう評価すればよいのか。 l 教科は教科の評価 n プログラミングを入れない場合との 比較ができればベスト l プログラミング教育で育てる資質・能力 n 論理的思考の問題で評価 n プログラミング自体で評価 n 総合や芸術系教科の評価と考えた方が
  36. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグドの取り組み方 アンプラグド活動を成功させるためには l 考える手順に論理性がある課題

    写真:小平市立小平第七小学校 プログラミング的思考を (論理的に思考を) させる 又は したことを振り返させる 実行とデバッグを できるように
  37. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグドの取り組み方 アンプラグド活動を成功させるためには l 考える手順に論理性がある課題

    l 間違いの発見と修正を容易にする手立て 写真:小平市立小平第七小学校 プログラミング的思考を (論理的に思考を) させる 又は したことを振り返させる 実行とデバッグを できるように
  38. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグドの取り組み方 アンプラグド活動を成功させるためには 写真:小平市立小平第七小学校 プログラミング的思考を

    (論理的に思考を) させる 又は したことを振り返させる 実行とデバッグを できるように 記号(言語)を 意識させる
  39. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグドの取り組み方 ひかれる数の十の位 から1をひく ひかれる数の一の位

    がひく数の一の位 よりちいさい ひかれる数の一の位に10を たした数から ひく数の一の位をひく 十の位から繰り下げて 一の位をひく 一の位をひく 分解 抽象化 人相手の場合 分解が最小限で すんでしまう可能性 どこまで 分解すべきかの 目安もない
  40. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU アンプラグドの取り組み方 アンプラグド活動を成功させるためには l 使える言葉を規定した方がよい場合も

    写真:小平市立小平第七小学校 プログラミング的思考を (論理的に思考を) させる 又は したことを振り返させる 実行とデバッグを できるように 記号(言語)を 意識させる
  41. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに 宣伝 l 公開講座

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