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認知行動療法(REBT)事例検討―REBTぼっと♪の実践

PPi, LLC
September 22, 2024

 認知行動療法(REBT)事例検討―REBTぼっと♪の実践

日本人生哲学感情心理学会ラショナルリビングの会2024年第2回研修での発表資料です。

LINEボット:https://lin.ee/A9p7TrC
LINEボットデモ:https://youtu.be/2lXzYJ_PwJ8
心理系AI開発コミュニティ:https://discord.gg/YarVQ3NBMv

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September 22, 2024
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  1. 生成AIの分類 基盤モデル LLM(大規模言語モデル) 教師なし学習または自己教師あり学習で学習 された(人間によるラベル付けなしの)大規模な モデル。 基盤モデルを特定の目的のための事後学習や 人間のラベルに基づく強化学習等により調整 (チューニング)したモデル。アライメント(人間の 価値観に沿った調整)は、主に強化学習により

    行われる。 オープンソース 独自モデル オープンソースは、ソースコードが公開され、誰でも カスタマイズして利用できるモデル(LLaMA、 Alpaca、Bloom等)。商用利用はできないものもあ る。GemmaはGoogleの「オープン」モデル。 カスタマイズ、商用利用はできるが、ソースは公開 されていない。オープンソースのモデルを利用する にはマシンパワーが必要(GPUメモリ; VRAM)。 企業が所有し、一般には公開されていないモデル。 多くは有料(GPT、Claude、Gemini)。 WorkbenchやPlaygroundにて、もしくは、自分で コードを書いて、API(application programming interface)を介して利用することができる。 4 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22
  2. LLMの種類と特徴 LLMモデルにはさまざまな種類があり、どのモデルを選ぶかは、使用する目的、 入出力のデータ、予算によって異なる 種類 例 利用目的 音声・スピーチ 認識 Whisper型モデル 音声入力、字幕生成

    画像生成 DALL-E、Midjourney、 Stable Diffusion 画像生成、デザイン テキスト生成 GPT-3、GPT-4 、o1 チャットボット、文章作成 マルチモーダル GPT-4 Omni、Claude-3.5 Sonnet、Gemini 1.5 Pro 画像とテキストの 複合的な処理 5 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22
  3. LLMの種類と特徴 LLMモデルにはさまざまな種類があり、どのモデルを選ぶかは、使用する目的、 入出力のデータ、予算によって異なる 種類 例 利用目的 音声・スピーチ 認識 Whisper型モデル 音声入力、字幕生成

    画像生成 DALL-E、Midjourney、 Stable Diffusion 画像生成、デザイン テキスト生成 GPT-3、GPT-4 、o1 チャットボット、文章作成 マルチモーダル GPT-4 Omni、Claude-3.5 Sonnet、Gemini 1.5 Pro 画像とテキストの 複合的な処理 6 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22
  4. 認知行動療法におけるAIの活用1) 活用内容 治療前:アセスメント、個別化された治療選択、心理教育 治療過程:CBTの実施、モニターとフィードバック、予後予測、カウンセラーと クライアントの評価 治療後:長期の治療反応性と再発の予測 利点 効率化:スクリーニングや診断、記録・評価、治療計画の調整 個別化されたCBT:豊富なデータに基づくカスタマイズ、動機づけの向上 アクセス向上:遠隔支援、低コスト、24/7

    課題 テキストデータの処理技術は進んだが、動画、音声、行動データの分析はこれから 治療過程の課題:複雑な介入はできない、標準化の欠如、アドヒアランス評価、効果指標、 実践における効果測定 治療後の課題:予測のばらつき、予測の活用 倫理的課題:セキュリティ、プライバシー、透明性、過度の依存 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 8
  5. 認知行動療法におけるAIの活用1) 活用内容 治療前:アセスメント、個別化された治療選択、心理教育 治療過程:CBTの実施、モニターとフィードバック、予後予測、カウンセラーと クライアントの評価 治療後:長期の治療反応性と再発の予測 利点 効率化:スクリーニングや診断、記録・評価、治療計画の調整 個別化されたCBT:豊富なデータに基づくカスタマイズ、動機づけの向上 アクセス向上:遠隔支援、低コスト、24/7

    課題 テキストデータの処理技術は進んだが、動画、音声、行動データの分析はこれから 治療過程の課題:複雑な介入はできない、標準化の欠如、アドヒアランス評価、効果指標、 実践における効果測定 治療後の課題:予測のばらつき、予測の活用 倫理的課題:セキュリティ、プライバシー、透明性、過度の依存 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 9
  6. 利用したアプリ LINEⓇを使ったチャットボット、 “REBTぼっと♪” 仕様の概要 LINE APIを通じてユーザとのメッセージのやり取り LangChainによるLLMの構成 LLMモデルは、分岐判断(質問か相談か)にGoogle gemini-1.5-flash, 応答文生成にOpenAI

    gpt-4o-2024-08-06を使用 LLMの応答文制御はプロンプティングのみ(RAGは未使用) アプリはHerokuにデプロイ Heroku PostgreSQLを用いて対話履歴やユーザ情報を管理 Heroku Data for Redisを用いて対話履歴リセットの再確認 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 13 REBTぼっと♪ 作り方
  7. 利用したアプリ LINEⓇを使ったチャットボット、 “REBTぼっと♪” 仕様の概要 LINE APIを通じてユーザとのメッセージのやり取り LangChainによるLLMの構成 LLMモデルは、分岐判断(質問か相談か)にGoogle gemini-1.5-flash, 応答文生成にOpenAI

    gpt-4o-2024-08-06を使用 LLMの応答文制御はプロンプティングのみ(RAGは未使用) アプリはHerokuにデプロイ Heroku PostgreSQLを用いて対話履歴やユーザ情報を管理 Heroku Data for Redisを用いて対話履歴リセットの再確認 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 14 REBTぼっと♪ 作り方
  8. 事例1:仕事と子育ての両立(1/5) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 18 user 1 子育てのことでイライラします system 1

    子育てのことでイライラしてしまうんですね。そのイライラが、どのような状況で 感じやすいか、考えてみましょう。 user 2 特に朝ですね。出社時間が迫っている中で、子供がグダグダしているお腹が 立ちます。 system 2 出社前の忙しい時間に、子供が思うように動いてくれないとお腹が立ってしま うんですね。その気持ち、わかるような気がします。まず、どのようになりたいか 考えてみましょうか。 「お腹が立ってしまう」は、誤字を訂正できていませんが、意味 は通じているよう。「わかるような気がします」が気持ち悪いで すね。「考えてみましょう」がワンパターン user 3 はい system 3 子育てでのストレスを減らし、朝の時間を少しでもスムーズに過ごしたいと 願っているのですね。その目標に向けて、どのような変化があればいいと思い ますか? user 4 朝の時間を穏やかに過ごせるのが理想ですね。 system 4 その穏やかな朝の時間を目指すために、具体的にはどのような障害となる感 情があるかを考えてみましょう。 「考えてみましょう」がワンパターン。おそらく、履歴の影響を受 けている user 5 怒りですかね system 5 出社時間が迫る朝に、子供が思うように動かないことで怒りが湧くのですね。 この怒りを感じると、どのような結果が起こると考えますか?
  9. 事例1:仕事と子育ての両立(2/5) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 19 user 6 結局、余計に時間がかかっていると思います system 6

    怒りによって、余計に時間がかかってしまっていると感じるのですね。 それがさ らにストレスを増やす要因になっているのかもしれませんね。 user 7 そうですね。怒る事自体がストレスでもあります。 system 7 怒り自体がストレスとなり、さらに状況を悪化させているように感じているんで すね。そのことが、穏やかに過ごしたいという理想に反する状態を作り出して いるのですね。 user 8 はい system 8 この状況を改善するために、まず怒りを引き起こしている考え方を振り返って みましょう。どのような考え方があるのか、少し考えてみませんか? user 9 はい system 9 例えば、「出社時間に間に合うためには、子供がもっと早く準備しなければな らない」という考えがあるかもしれません。その他にも、心の中で感じているこ とがあれば教えてください。 悪くはないけど、「出社時間に間に合うために、子供が早く準 備をする必要がある」というのは事実なので、「出社時間に遅 れてはならない」、「出社時間に間に合わせるために、子供が 行くことを聞かなければならない」などの方がよりよい user 10 最低限のことはちゃんとすべきだと思いますね。正直、出社時間に遅れても大 したことではないので、確実に遅刻なのに何ぐだぐだしてんだという思いのほ うが強いです system 10 「最低限のことはきちんとすべき」という考えと、「遅れても大したことではない のにグダグダしている」という思いが、過度な怒りを引き起こしているのかもし れません。この考え方がどんな影響を与えていると思いますか? 意味を取り違えている。「確実に遅刻なのに何ぐだぐだしてん だ」の部分を拾わなければならない
  10. 事例1:仕事と子育ての両立(3/5) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 20 user 11 こういう考えがなければ、怒りは弱まるだろうとは思います system 11

    考え方を変えることで、怒りの強さが軽減されるかもしれないという気付きは 大切ですね。これにより、穏やかな朝を迎えられる可能性が高まりますね。 user 12 はい system 12 それでは、イラショナルな信念をラショナルな信念に変える方法について考え てみましょう。あなたはどのような考え方に変えてみたいと思いますか? user 13 最低限のことができなくても、怒らない。怒っても仕方ない。 system 13 そのように考えることで、少し気持ちが楽になるのではないかと思います。ラ ショナルな信念を頭の中で理解するとどのような変化が期待できると思いま すか? まずはもう少し定型文でラショナルな信念を確認したい。「最 低限、遅刻しないように準備して欲しいけど、必ずしもそうはな らない。仕方ない部分はある。それでも、ダメ人間ではない」な ど。派生部のネガティブな評価が同定できていない点も課題。 さらに、もう少し提案されたラショナルな信念の有効性につい て、検討したい。「気持ちが楽になりますか?」とか user 14 最低限と思うことができなくても、許容する。怒っても仕方ないと思うと、怒りは おさまりますね。 system 14 面倒ながらも、許容することで怒りが和らぎ、気持ちが穏やかになれるかもし れないと感じるのですね。これが目標達成に役立つと感じられますか? user 15 そうですね。 system 15 このラショナルな信念を持つことで、穏やかな朝を迎えるための一歩となるか もしれません。引き続きこの考え方を活かしてみてくださいね。 この言い方だと、ここでやり取りを終えられてしまうかも
  11. 事例1:仕事と子育ての両立(4/5) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 21 user 16 はい system 16

    ラショナルな信念を強化するために、実際の状況でどう活かせるか、少しイ メージしてみましょう。どんなふうに行動するか考えてみてください。 ラショナルな信念の有用性、現実性、柔軟性(非絶対)につい て、もう少し議論したい user 17 朝、時間がない中で、子供が遅刻してもふざけている。まぁ仕方ないと思う。 system 17 「まぁ仕方ない」と許容することで、自分の感情を和らげたり、子供のペース を見守る余裕が生まれるかもしれません。そのような捉え方ができることで、 朝の時間の過ごし方がどう変わるか楽しみですね。 user 18 はい system 18 この信念を日常生活で実践していくことで、少しずつ慣れていくと思います。 続けていくことで、より心地よい日常を作り上げられると良いですね。 この言い方だと、ここでやり取りを終えられてしまうかも user 19 はい system 19 ラショナルな信念を深めつつ、実践を通じて身に付けていけると良いですね。 今後もこの考え方を試行し、徐々に自分のペースに取り入れてみてください。 この言い方だと、ここでやり取りを終えられてしまうかも user 20 はい system 20 ここまで取り組んでくださったことを心から労います。穏やかな朝を目指して 努力されていること、素晴らしいですね。 この言い方だと、ここでやり取りを終えられてしまうかも
  12. 事例1:仕事と子育ての両立(5/5) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 22 user 21 はい system 21

    セッションを通してどんなことに気づき、どんな学びを得られたかを振り返って みてください。どんなことでも構いませんので、気付きをできるだけ多く挙げて みましょう。 2ターン早くこの発言が欲しかった。普通にすると質問が出過 ぎるので、プロンプトで質問を抑えている。その副作用として、 質問が欲しい部分でも質問の形式で発言してもらえない。 user 22 せめて最低限のことはできないとと思っていましたね。私が決めた最低限すら できないことはありうるし、それをできないといけないと思っているのは、私自 身なのだと思いました。怒っても仕方ないので、できないことは許容して、少し ずつできるようになるように、サポートしてあげるといいと思います。 system 22 それは素晴らしい気付きですね。自分に課していたルールを緩めることで、怒 りではなくサポートする姿勢になることで、前向きな変化が生まれるかもしれ ません。他に感じたことがあれば教えてください。 user 23 はい system 23 他にも何か学びや気付きがあれば、是非教えてください。あなたの内面的な 成長をサポートできたら嬉しいです。 user 24 そんなところです system 24 これまでの過程で気づきを深め、成長されていることに感心します。このセッ ションがあなたの目標に向かって良い方向に進む手助けになれば幸いです。 これでセッションを終えてもよろしいでしょうか。 user 25 はい system 25 これからも、穏やかな毎日を目指して進んでいけることを願っています。応援 していますので、いつでも必要なときに声をかけてくださいね。本日はお疲れ 様でした。
  13. 事例2:仕事のだるさ(1/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 25 user 1 相談お願いします system 1

    声をかけてくれたことに感謝します。今日はどんなことに取り組みたいです か? user 2 疲れています。 system 2 最近、とても疲れているようですね。どんなことが原因で疲れを感じているの でしょうか? user 3 仕事量が多くて。 system 3 仕事量の多さが疲れにつながっているのですね。具体的にはどんな時にそれ を強く感じますか? user 4 朝起きるとです。 system 4 朝起きた時に疲れが押し寄せるのですね。それは一日の始まりにとても大変 に感じることですよね。 user 5 はい。 system 5 その疲れを軽減して、朝スッキリと目覚めたいと感じているのでしょうか?どん な状態になることを望んでいますか?
  14. 事例2:仕事のだるさ(2/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 26 user 6 望んでるのは、元気にサクサク仕事を進めることです。 system 6

    元気に仕事を効率よく進められることを目指しているのですね。それが実現 できると、毎日が少し楽になるかもしれません。 「少し」はいらない user 7 はい。 system 7 それが叶うと、もっと活力を感じながら日々過ごせるようになるのでしょうね。 今の気持ちはどんなですか? 何の気持ちをたずねているのか不明瞭。「どんなですか」とい う表現も微妙 user 8 そうなったらいいなと思います。 system 8 元気に仕事を進めたいという思いがある中で、どんな感情がその妨げになっ ていると感じていますか? 方向をうまく修正している user 9 ダルさですかね。 system 9 ダルさが元気に仕事を進めるのを邪魔しているのですね。それが続くと、気持 ち的にも負担になりますよね。 user 10 はい。 system 10 そのダルさがいかに影響しているか、しっかり向き合おうとするあなたの姿勢 は素晴らしいです。次に、どんな場面で特に感じるのか考えてみましょう。
  15. 事例2:仕事のだるさ(3/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 27 user 11 はい。 system 11

    特にダルさを感じるのはどんな場面でしょうか?具体的に思い当たる瞬間が ありますか? user 12 机に向かう時ですね。 system 12 机に向かうときに特にダルさを感じるのですね。その時の気持ちや状況につ いて、もう少し掘り下げてみましょう。 user 13 仕事を始めようと机に向かう時、やりたくないと思います。 system 13 仕事を始める際に「やりたくない」と感じることで、ダルさを強く意識してしまう のですね。それは一つの負担になっていると思います。 「やりたくない」は思考なので、「思う」と言ってほしい。「ダル さ」は感情でいいと思うので、「やりたくないと思うことで、ダル さを感じるんですね。それを何とかしたい」でいいと思う。 user 14 はい。 system 14 その気持ちが生じたとき、どんな行動や体の不調が現れていると感じますか? user 15 体もだるく、肩や頭が重い感じ。行動は、少し仕事をしてもすぐにSNSやネット サーフィンを始めたり。 system 15 体の重さが気になり、仕事に集中するのが難しい状態ですね。そして、気をそ らす方法を選んでしまうようですね。
  16. 事例2:仕事のだるさ(4/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 28 user 16 そうですね。 system 16

    それに気づいて、改善しようと考えているのは、とても前向きなことです。次に、 そのような感情に至る考えを確認してみましょう。 user 17 はい。 system 17 仕事を始める際に「やりたくない」と感じる背後には、どんな考えや思いがあ りますか? 「やりたくない」ではなく、「ダルさ」を感情として採用すべき user 18 いい加減休みたいという感じですかね。 system 18 「いい加減休みたい」という考えが、仕事に対するダルさに繋がっているので すね。その思いが強くなると、休むことへの欲求が増すかもしれません。 「休むことへの欲求が増す」は、なかなか仕事が手につかな いとか、仕事をしようとしても体が動かないなど、結果の行動 や身体反応と結びつけるべき。時に、欲求は願望に近い言葉 で、ラショナル(現実的な願望)とイラショナル(絶対的要求) の区別に混乱を生じる user 19 はい。 system 19 日々の疲れがそのような考えを引き起こしていると実感させるものがあります ね。次は、REBT理論に基づいてこの考えについて深めましょう。 user 20 はい。 system 20 REBTでは、「休まなければならない」といったイラショナルな信念が感情を高 め、目標達成の妨げとなると考えます。この考えに心当たりがありますか?
  17. 事例2:仕事のだるさ(5/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 29 user 21 イラショナルな信念とは? system 21

    イラショナルな信念とは、現実的ではない非合理的な思い込みです。例えば、 「絶対に休まないといけない」など、過剰な要求を自身に抱くことです。 派生としてのネガティブな評価についての説明が欠けている user 22 確かに、一仕事終えたら休みがあるべきとは思いますね。 system 22 「一仕事終えたら休みがあるべき」という考え方がイラショナルな信念として 働いていて、その結果として仕事が進まずダルさを感じるのかもしれません。 user 23 はい。 system 23 その信念が日々の疲れを増幅させている可能性がありますね。この信念がど う影響しているかを少しずつ見ていきましょう。 user 24 はい。 system 24 この信念が、あなたの望む「元気に仕事を進めること」を妨げているのかもし れません。そのことを考えるのは、改善の一歩です。 user 25 どうですかね。元気に働く為にも休みが必要と思いますが。 system 25 「休みが必要」という信念があることでダルさを増し、結果として仕事の効率 を下げているのかもしれません。その影響を感じることがありますか? 元気に仕事をするためにも、休む必要があるというユーザの 指摘を直接的に扱っておらず、別の見方を提示してしまってい る
  18. 事例2:仕事のだるさ(6/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 30 user 26 そういう側面もあるかも。 system 26

    そのような側面を認識することで、働き方の改善に向けた新たな視点が得ら れそうですね。今度は信念をどのように変えるか考えてみましょう。 user 27 はい。 system 27 新たな視点を得たことで、次は「どのように信念を変えることで、より元気に仕 事を進められるか」について考えてみましょう。 前文の繰り返しでくどい。基本的に、各フローを3回ずつやら せている。各フローに目標があり、その達成判定が明確であ れば、フローの移行はより実質に沿ったものになる user 28 はい。 system 28 過度な信念が影響していると理解し、それを変えることで目標に近づけると考 えていますね。具体的にどのように信念を変えていけば良いと感じますか? user 29 休みがなくても元気は出せる? system 29 元気を出すためには、休みだけでなく、日々の中でリフレッシュする方法も大 切です。信念として、「休みを通してではなく、日常の中でのリフレッシュ方法 を見つける」という方向に変えることが一つのアプローチかもしれません。 user 30 確かにね。休めれば休めた方がいいけど、休めないのであれば、その中で やっていくしかないという気はしてきた。 system 30 その新しい見方は、ラショナルな信念として役立つかもしれませんね。少しず つ実行可能な方法を考えていきましょう。 ラショナルな信念が出た後に、それを吟味する手続きがあると いい
  19. 事例2:仕事のだるさ(7/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 31 user 31 はい。 system 31

    日常に取り入れられるリフレッシュの方法を探し始めるとよいかもしれません。 それにより、元気を取り戻せる可能性が高まると思います。 user 32 そーね。 system 32 その考え方を意識していくことで、日々の負担を減らし、より前向きに仕事に 取り組めるようになるかもしれませんね。 user 33 はい。 system 33 新しい信念を取り入れることで、どのように気持ちや行動に変化があると感じ ますか? user 34 「休めれば休めた方がいいけど、休めないのであれば、その中でやっていくし かない」と思うと、辛い感じがしますね。苦しいなと。 system 34 その感情は、新しい信念を持つ過程の一部ですね。変化の中で、どう前向き な要素を見つけられるか、もう少し考えてみましょう。 user 35 はい。 system 35 苦しい中でも、小さなことに取り組み、それを積み重ねることで、前向きな気持 ちを少しずつ育てていくことが大切かもしれませんね。
  20. 事例2:仕事のだるさ(8/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 32 user 36 苦しそうなので、なかなか取り組めなさそうです。 system 36

    過去の状況における信念と、ラショナルな信念を持った時の状況を比べること で、その違いが何か見えてくるかもしれませんね。 user 37 休めなければならないと考えても、休めなくてもやっていくしかないと考えても、 苦しいですね。だるさに変わりはありません。 system 37 どちらの信念を持っても苦しいと感じる時、それをどう乗り越えられるかを想 像してみるのが役立つかもしれません。具体的には、「小さなリフレッシュを日 常に組み込む」などです。 REBTとは関係ないアドバイスになっている。休めないとつら いので最悪もしくは耐えられないという派生部分が扱えてい ないためこのような問題が生じている user 38 休めないのであれば、その中でやっていくしかない。うまくリフレッシュしながら やっていこう。 system 38 「うまくリフレッシュしながらやっていく」という視点が大きな前進ですね。苦し い状況でも、自分なりのペースでリフレッシュを取り入れることが助けになると 思います。 user 39 はい。 system 39 この新しい信念を持ち続けるためには時間が掛かるかもしれませんが、日々 の小さな行動を通して徐々に慣れていくことが大切です。 user 40 はい。 system 40 毎日の中で少しずつ練習を重ねることで、新しい信念を自身に刻み込むこと ができます。時間をかけて、無理なく進めましょう。
  21. 事例2:仕事のだるさ(9/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 33 user 41 はい。 system 41

    継続することで、自分に合った方法を見つけることができるでしょう。そのプロ セス自体が成長につながりますね。 くどい user 42 はい。 system 42 日々のリフレッシュ方法を試してみることをホームワークとして設定するのはい かがでしょうか。例えば、短時間の休憩を取り入れることから始めてみてくだ さい。 ラショナルな信念を直接的に練習するようなホームワークに なっていない(間接的には、休みが無くてもリフレッシュすれば 耐えられるということを体験するようなホームワークにはなって いるが) user 43 そうですね。SNSやネットサーフィンは必要なリフレッシュだと思って、うまく切り 替えられるようにしたいと思います。 system 43 SNSやネットサーフィンを積極的にリフレッシュに活用することはいいアイデア です。これを意識しつつ、日常の中で少しでもリフレッシュできる方法を見つ けていけるといいですね。 user 44 はい。 system 44 その方法で、自分なりのリフレッシュを見つけていけるといいですね。実際に 試してみて、どのように感じるかを観察してみてください。 user 45 はい。 system 45 日常の工夫を通じて、ご自身のリフレッシュ方法を模索する姿勢は素晴らしい です。その努力が今後の活力に繋がることを願っています。 くどい
  22. 事例2:仕事のだるさ(10/10) J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 34 user 46 はい。 system 46

    ご自身の状況を変えようとする姿勢と、前向きな調整を試みる姿は本当に素 晴らしいですね。あなたの努力が実を結ぶことを信じています。 くどい user 47 はい。 system 47 日々の工夫と前進する姿勢に心から敬意を表します。今の取り組みが、あな たの強みをさらに引き出してくれることを願っています。 くどい user 48 はい。 system 48 今回のセッションを通じて、学んだことや気づいたことがあれば教えてください。 他にも何かあればぜひ共有してください。 2ターン早く、このコメントが欲しい user 49 休めないのは仕方がないので、その中でどう取り組んで行くかが大事だと思 いました。また、細かくリフレッシュしないとやれないのであれば、いっそ、一度 休んでしまうのも手だなと思います。 system 49 その考えを持てたことは素晴らしいですね。他にも気づきや心に残ったことが あれば、教えていただけると嬉しいです。 user 50 そんなところです。 system 50 それは大切な気づきですね。これからもそれを活かして、少しずつ前進してい けることを応援しています。 user 51 はい。
  23. 総合考察(1):AI CBTの可能性 アクセシビリティの向上 24/7 の支援の提供 精神疾患の増加への対応(H29年419万人→R2年615万人→R5年??万人) 低コスト Sonia: 月2,000円(10回)、月6,000円(20回)、年30,000円 自前:

    サーバー代、API利用料、保守・管理 AIの方が話しやすい場合:子供、機微な内容(性、宗教、弱さ等)、日常のささいなこと 様々なチャンネル モバイル端末(スマホ、タブレット)、ロボット、AI Tuber、スマートスピーカー、VR/AR 人間よりも成長が早い 1年後にはプロレベル、2年後にはエキスパートレベルになる可能性 個別化されたCBT 豊富なデータに基づくカスタマイズ、動機づけの向上 J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 36
  24. 引用文献 Egan, S. J., Johnson, C., Wade, T. D., Carlbring,

    P., Raghav, S., & Shafran, R. (2024). A pilot study of the perceptions and acceptability of guidance using artificial intelligence in internet cognitive behaviour therapy for perfectionism in young people. Internet Interventions, 35, 100711. https://doi.org/10.1016/j.invent.2024.100711 Flemotomos, N., Martinez, V. R., Chen, Z., Singla, K., Ardulov, V., Peri, R., Caperton, D. D., Gibson, J., Tanana, M. J., Georgiou, P., Van Epps, J., Lord, S. P., Hirsch, T., Imel, Z. E., Atkins, D. C., & Narayanan, S. (2021). Automated evaluation of psychotherapy skills using speech and language technologies. Behavior Research Methods, 54(2), Article 2. https://doi.org/10.3758/s13428-021-01623-4 Jiang, M., Zhao, Q., Li, J., Wang, F., He, T., Cheng, X., Yang, B. X., Ho, G. W., & Fu, G. (2024). A generic review of integrating artificial intelligence in cognitive behavioral therapy. arXiv Preprint arXiv:2407.19422. Milne-Ives, M., Selby, E., Inkster, B., Lam, C., & Meinert, E. (2022). Artificial intelligence and machine learning in mobile apps for mental health: A scoping review. PLOS Digital Health, 1(8), e0000079. J-REBTラショナルリビングの会 事例研修会 2024.9.22 40