Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

キャリコンに活かすCBT(3)マインドフルネス

PPi, LLC
November 24, 2022

 キャリコンに活かすCBT(3)マインドフルネス

全3回のキャリアコンサルティングに活かす認知行動療法研修の第3回「マインドフルネス・アプローチ」の資料
YouTube:https://youtu.be/99MnocICNaU
*************************
<広告> あなたに合った働き方を見つけるためのキャリア相談サービスFit(フィット) https://ppi.tokyo/career-fit/
入会金無料、テキスト相談 980円~
Slackで無料相談実施中👉 https://bit.ly/35Xi0a4

PPi, LLC

November 24, 2022
Tweet

More Decks by PPi, LLC

Other Decks in Business

Transcript

  1. キャリアコンサルティングに活かす認知行動療法
    元木敬太 合同会社実践サイコロジー研究所
    [email protected]
    第3回:マインドフルネスアプローチ

    View Slide

  2. キャリア
    コンサルティングに活
    かす
    認知行動療法
    (CBT)全3回
    概要と行動アプローチ
    01
    • 認知行動アプローチとは
    • キャリアコンサルティングとCBT
    • 行動アプローチ
    マインドフルネスアプローチ
    03
    • マインドフルネスの基礎
    • 行動・認知からマインドフルネスへ
    • CBTのキャリアコンサルティングへの応用
    認知アプローチ
    02
    • ABC分析
    • 認知再構成
    • スキルとしての動機づけ面接

    View Slide

  3. キャリア
    コンサルティングに活
    かす
    認知行動療法
    (CBT)全3回
    概要と行動アプローチ
    01
    • 認知行動アプローチとは
    • キャリアコンサルティングとCBT
    • 行動アプローチ
    マインドフルネスアプローチ
    03
    • マインドフルネスの基礎
    • 行動・認知からマインドフルネスへ
    • CBTのキャリアコンサルティングへの応用
    認知アプローチ
    02
    • ABC分析
    • 認知再構成
    • スキルとしての動機づけ面接
    今回!!

    View Slide

  4. マインドフルネス・エクササイズ
    • ヨガ
    - 腕を伸ばす:上、前
    - 首:左右(アイソメトリック)
    - 首:前後(アイソメトリック)
    4
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  5. 前回の復習
    感情問題を特定してABC分析、認知再構成

    View Slide

  6. 認知行動アプローチの手順
    1.主訴をたずねる→自身の感情問題の特定
    2.ABC分析
    - Activating event(出来事)、Belief(信念)、Consequences(結果)
    3.目標の明確化
    4.「A→CではなくB→C」という説明と認知再構成に向けた合意
    5.認知再構成
    6.ホームワークの設定
    実際的問題は
    問題解決法などで
    6
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  7. ABC分析
    A:出来事
    • 場面
    • 状況
    A’:推測
    • ~だろう
    • ~かも
    • ~に違いない
    B:信念
    • 絶対的要求
    • ネガティブな
    評価
    C:結果
    • 感情
    • 行動
    • 身体反応
    感情が高まった
    瞬間
    いわゆる
    「認知のゆがみ」
    定型文
    暗記!
    問題行動と
    その原因の感情
    転職の面接で人事担当者
    が「残業は無くはないです
    ね」と言った
    怪しい。ごまかしている。
    ブラック企業に違いない。
    ブラック企業は避けなければ
    ならない。ブラック企業に
    入るなんて最悪だ。
    不安(感情)、冷静に検討で
    きずに先延ばし(行動)、
    胸騒ぎ(身体反応)
    【キャリア相談の例】
    目標:転職について満足のいく意思決定をする
    7
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    ② ③ ④

    View Slide

  8. 参考文献
    8
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
    note ※最後の方に専門家向けの物も含めて、
    書籍のリストを挙げてあります。

    View Slide

  9. マインドフルネスの基礎
    集中瞑想と洞察瞑想により、注意制御、情同調性、自己観を養う

    View Slide

  10. 行動アプローチと認知アプローチ
    行動アプローチ 認知アプローチ
    10
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
    条件づけ
    三項随伴性
    認知再構成

    View Slide

  11. マインドフルネスアプローチ
    環境 個人
    行動:回避
    考え
    感情
    身体反応
    結果
    (価値)
    行動:受容
    刺激
    考え
    感情
    身体反応
    問題の
    維持、悪化
    ルール支配行動
    11
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  12. マインドフルネスとは?
    【方法】
    今この瞬間の体験に注意を向けること
    【状態】
    反応せずにそれに気づいていること
    【特性】
    そのような傾向があること
    出典:Brown, K. W., & Ryan, R. M. (2003). The benefits of being present: mindfulness and its role in psychological well-being. Journal of personality and social psychology, 84(4), 822.
    原始仏教
    ヴィパッサ
    ナー瞑想
    チベット仏教
    瞑想
    禅 …
     マインドフルネス・ストレス低減法
     マインドフルネス認知療法
     弁証法的行動療法
     アクセプタンス&コミットメント・セラピー
    (ACT)
     ・・・
    マインドフルネスとは…
    12
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  13. 方法(実践)としてのマインドフルネス
    集中瞑想 洞察瞑想
    注意制御 身体感覚
    情動調整
    自己観
    出典:
    Lutz, A., Slagter, H. A., Dunne, J. D., & Davidson, R. J. (2008). Attention regulation and monitoring in meditation. Trends in cognitive sciences, 12(4), 163-169.
    Tang, Y. Y., Hölzel, B. K., & Posner, M. I. (2015). The neuroscience of mindfulness meditation. Nature Reviews Neuroscience, 16(4), 213-225.
    集中瞑想と洞察瞑想を
    通して、注意制御と
    身体感覚が促進され、
    情動調整と自己観の確立
    につながる。
    集中瞑想 洞察瞑想
    13
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  14. 3つの自己:マインドフルネスと自己観
    プロセスとしての自己
    ||
    体験者
    文脈としての自己
    ||
    観察者、器
    概念としての自己
    ||
    架空の存在
    常に変化
    諸行無常
    不変、実態がない
    自己像、問題を起こす
    無、空
    14
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  15. 行動と認知からマインドフルネスへ
    思考、感情、行動の回避を受容し、価値に向けた行動を促進する

    View Slide

  16. 行動・認知からマインドフルネスへ
    問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手
    行動アプローチ
    • 背景:質問に答えられないことへの不安
    • きっかけ:訪問先のリストが示される
    • 行動:訪問の予約を先送り
    • 結果:安心
    認知アプローチ
    • 出来事(予測):適切に質問に答えられないかも
    • 信念:私はどんな質問にも答えられなければならない。
    答えられないのはダメ人間
    • 結果:不安、先送り、過度な準備、
    緊張・睡眠の質の低下
    16
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  17. 行動・認知からマインドフルネスへ
    問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手
    行動アプローチ
    • 背景:質問に答えられないことへの不安
    • きっかけ:訪問先のリストが示される
    • 行動:訪問の予約を先送り
    • 結果:安心、達成感
    認知アプローチ
    • 出来事(思考):適切に質問に答えられないかも
    • 信念:答えられない質問もある。答えられなくても
    ダメ人間じゃない。
    • 結果:不安程ではない心配、安心して眠れる、
    信念について繰り返し考えてしまう(反芻)
    事前に情報収集とリハーサルを
    綿密に行う
    期日を決めて訪問
    17
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  18. 行動・認知からマインドフルネスへ
    問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手
    行動アプローチ
    • 背景:質問に答えられないことへの不安
    • きっかけ:訪問先のリストが示される
    • 行動:訪問の予約を先送り
    • 結果:安心、達成感
    認知アプローチ
    • 出来事(思考):適切に質問に答えられないかも
    • 信念:答えられない質問もある。答えられなくても
    ダメ人間じゃない。
    • 結果:不安程ではない心配、安心して眠れる、
    信念について繰り返し考えてしまう(反芻)
    事前に情報収集とリハーサルを
    綿密に行う
    期日を決めて訪問
    訪問はできたけど、準備に時間がかかって
    しまう。求める働き方ではない。
    イメージでは楽になれるが、結局信念も
    行動も変わらない。思考に囚われる。
    ネガティブな感情や思考の回避
    失敗の回避
    18
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  19. 行動・認知からマインドフルネスへ
    問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手
    【アクセプタンス(受容)】
    ネガティブな思考や感情を変えるのではなく、ありのまま抱え、受け止める
    【価値への行動】
    真に実現したい方向に進む 例)不安を抱えたまま最善を尽くす。
    行動アプローチ
    • 背景:質問に答えられないことへの不安
    • きっかけ:訪問先のリストが示される
    • 行動:訪問の予約を先送り
    • 結果:安心、達成感
    認知アプローチ
    • 出来事(思考):適切に質問に答えられないかも
    • 信念:答えられない質問もある。答えられなくても
    ダメ人間じゃない。
    • 結果:不安程ではない心配、安心して眠れる、
    信念について繰り返し考えてしまう(反芻)
    事前に情報収集とリハーサルを
    綿密に行う
    期日を決めて訪問
    訪問はできたけど、準備に時間がかかって
    しまう。求める働き方ではない。
    イメージでは楽になれるが、結局信念も
    行動も変わらない。思考に囚われる。
    ネガティブな感情や思考の回避
    失敗の回避
    19
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  20. マインドフルネスと心理的安全性






    成果の基準




    すべてに対してオープンに。
    対象から距離を取って、受け止める。
    ヌルい職場
    コンフォートゾーン
    仕事の充実感はない
    学習する職場
    学習して成長する職場
    健全な衝突と
    高いパフォーマンス
    サムい職場
    余計なことをせず
    自分の身を守る
    キツい職場
    不安と罰による
    コントロール
    ACTの目標
    20
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  21. まとめ
    • マインドフルネスは方法、状態、特性
    • マインドフルネスの方法は集中瞑想から洞察瞑想へ
    • マインドフルネスの効果は注意力、感情コントロール力の促進と、
    文脈としての自己の確立
    • 認知行動アプローチとしてのマインドフルネスは、
    アクセプタンス(受容)と価値への行動の促進を目指す
    • マインドフルネス(ACT)により
    心理的安全性が高い、学習する職場を作ることができる
    21
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  22. 簡単なデモ
    言葉の合気道~ ACTマトリックスより

    View Slide

  23. 釣り針のメタファー
    https://youtu.be/9FF_XN7oagc
    23
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  24. 言葉の合気道
    五感の体験
    マインドの体験
    近づく
    離れる
    ①何が見えますか?何が聞こえますか?
    ②どんな釣り針が現れますか?
    ③釣り針をどのように感じますか?
    身体のどこでそれを感じますか?
    ④どんな「離れる」行動をしている
    自分がイメージできますか?
    ⑤(できるかどうかは別にして)
    自分のどんな「近づく」行動がイメージできますか?
    ⑥あなたの向かっていきたい場面は何でしょう?
    誰と何をしていますか?
    ⑦その場面が実現したとしたら、どのように
    感じますか?身体のどこで感じますか?
    ⑧3と7はどんな風に違いますか?
    ⓪何について取り組みますか?
    変化させたい特定の場面をあげてください
    24
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  25. 言葉の合気道の声かけ(1)
    ⓪ 何について取り組みますか?変化させたい特定の場面について教えてください。
    ※自分自身が行動や振る舞いを変えたい場面を挙げてもらう。
    - これからこの言葉の合気道というフレームを使って、順番に質問をしていきます。
    - このフレームでは、上が五感の体験、下がマインド、つまり、心、思考や感情の体験を表します。
    - 右の近づくというのは、あなたが進みたい方向に近づくこと、左の離れるというのは、進みたいのと
    は違う方向に進んでしまうことを意味しています。
    - それぞれについて、五感で感じることと、マインドの働きを順にイメージしていってもらいます。
    - それでは、軽く背筋を伸ばして、ゆったりと座って、肩の力を抜いて、リラックスしてください。
    - ゆったりと呼吸をし、軽く目を閉じ、変化させたいと思う場面をイメージしてください。
    ① その場面で、何が見えますか?何が聞こえますか?他に感じるものはありますか?
    ※何か行動を起こす前の段階である必要があります。
    ② まずは左の、離れる方から聞いていきます。その場面で、どんな釣り針が現れますか?
    - 釣り針とは、衝動的に飛びつきたくなるような何かです。
    25
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  26. 言葉の合気道の声かけ(2)
    ③ 釣り針をどのように感じますか?身体のどこでそれを感じますか?
    ④ 釣り針に飛びついた結果、どんな「離れる」行動をしている自分がイメージできますか?
    ⑤ (できるかどうかは別にして)自分のどんな「近づく」行動がイメージできますか?
    ⑥ あなたの向かっていきたい場面は何でしょう?誰と何をしていますか?
    ⑦ その場面が実現したとしたら、どのように感じますか?身体のどこでそれを感じますか?
    - ありがとうございました。目を開けてください。
    - 今、このフレームの中を、この数字の順にイメージしていただきました。
    ⑧ 3と7の違いについては、どのように感じますか?
    - 釣り針が現れた時の感じと、近づく行動ができた時の感じの違いです。
    - このワークを通して、他に気付いたことや、今後に生かせそうなことは、
    何かありますか?
    26
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  27. 演習
    言葉の合気道を使ったマインドフルネスの誘導

    View Slide

  28. 面接演習
    • 3人組:観察者、相談者、面接者
    - 「言葉の合気道」を使用
    • 流れ(全45分)
    - 【8分セッション+5分振り返り】×3回
    - 全体の振り返り6分
    • セッション後の振り返り
    - 順番:面接者→相談者→観察者
    - 内容:感想、できたところ、より良くするための案、CBTについての疑問など
    28
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  29. ディスカッション
    今日の学びと今後に向けて

    View Slide

  30. ディスカッション
    今日得られたものは?
    マインドフルネスアプローチで活用でき
    そうな点は?
    今後CBTについてさらに深めたいの
    は?
    30
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  31. グループディスカッションから
    • 釣り針は、問題行動のきっかけのメタファーです
    - 「離れる」行動は、問題行動です
    • このエクササイズによって、何か問題が解決したりすることはないです
    - イメージ、マインドフルネスのエクササイズです
    - 問題行動、問題行動の最中の感じ、それを体のどこで感じるかをただ、観察します
    - 「どんなふうに対処できますか?」とはきかない
    • 身体のどこで感じますか?
    - よくわからないことを、聞いているわけですが、なんとなくイメージします

    View Slide

  32. テイクホームメッセージ

    02
    2つの瞑想
    集中瞑想と
    洞察瞑想により
    注意制御
    身体感覚
    情同調性
    自己観が促進
    03
    心理的安全性
    マインドフルネス
    は、アクセプタン
    ス(受容)と
    価値への行動を
    促進し、心理的
    安全性を高める


    04
    習慣化
    ヨガや瞑想は
    継続する必要が
    ある
    定期的に合宿
    に参加すると
    日々の実践の
    質も高まる
    01
    マインドフルネス
    今この瞬間の
    体験に注意を
    向け
    反応せずに
    それに気づいて
    いること
    そのような傾向
    32
    Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]

    View Slide

  33. ありがとうございました。
    CBTを活用して質の高いキャリアコンサルティング実践を!

    View Slide