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キャリコンに活かすCBT(3)マインドフルネス

PPi, LLC
November 24, 2022

 キャリコンに活かすCBT(3)マインドフルネス

全3回のキャリアコンサルティングに活かす認知行動療法研修の第3回「マインドフルネス・アプローチ」の資料
YouTube:https://youtu.be/99MnocICNaU
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PPi, LLC

November 24, 2022
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Transcript

  1. キャリア コンサルティングに活 かす 認知行動療法 (CBT)全3回 概要と行動アプローチ 01 • 認知行動アプローチとは •

    キャリアコンサルティングとCBT • 行動アプローチ マインドフルネスアプローチ 03 • マインドフルネスの基礎 • 行動・認知からマインドフルネスへ • CBTのキャリアコンサルティングへの応用 認知アプローチ 02 • ABC分析 • 認知再構成 • スキルとしての動機づけ面接
  2. キャリア コンサルティングに活 かす 認知行動療法 (CBT)全3回 概要と行動アプローチ 01 • 認知行動アプローチとは •

    キャリアコンサルティングとCBT • 行動アプローチ マインドフルネスアプローチ 03 • マインドフルネスの基礎 • 行動・認知からマインドフルネスへ • CBTのキャリアコンサルティングへの応用 認知アプローチ 02 • ABC分析 • 認知再構成 • スキルとしての動機づけ面接 今回!!
  3. ABC分析 A:出来事 • 場面 • 状況 A’:推測 • ~だろう •

    ~かも • ~に違いない B:信念 • 絶対的要求 • ネガティブな 評価 C:結果 • 感情 • 行動 • 身体反応 感情が高まった 瞬間 いわゆる 「認知のゆがみ」 定型文 暗記! 問題行動と その原因の感情 転職の面接で人事担当者 が「残業は無くはないです ね」と言った 怪しい。ごまかしている。 ブラック企業に違いない。 ブラック企業は避けなければ ならない。ブラック企業に 入るなんて最悪だ。 不安(感情)、冷静に検討で きずに先延ばし(行動)、 胸騒ぎ(身体反応) 【キャリア相談の例】 目標:転職について満足のいく意思決定をする 7 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected] ① ② ③ ④
  4. マインドフルネスアプローチ 環境 個人 行動:回避 考え 感情 身体反応 結果 (価値) 行動:受容

    刺激 考え 感情 身体反応 問題の 維持、悪化 ルール支配行動 11 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  5. マインドフルネスとは? 【方法】 今この瞬間の体験に注意を向けること 【状態】 反応せずにそれに気づいていること 【特性】 そのような傾向があること 出典:Brown, K. W.,

    & Ryan, R. M. (2003). The benefits of being present: mindfulness and its role in psychological well-being. Journal of personality and social psychology, 84(4), 822. 原始仏教 ヴィパッサ ナー瞑想 チベット仏教 瞑想 禅 …  マインドフルネス・ストレス低減法  マインドフルネス認知療法  弁証法的行動療法  アクセプタンス&コミットメント・セラピー (ACT)  ・・・ マインドフルネスとは… 12 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  6. 方法(実践)としてのマインドフルネス 集中瞑想 洞察瞑想 注意制御 身体感覚 情動調整 自己観 出典: Lutz, A.,

    Slagter, H. A., Dunne, J. D., & Davidson, R. J. (2008). Attention regulation and monitoring in meditation. Trends in cognitive sciences, 12(4), 163-169. Tang, Y. Y., Hölzel, B. K., & Posner, M. I. (2015). The neuroscience of mindfulness meditation. Nature Reviews Neuroscience, 16(4), 213-225. 集中瞑想と洞察瞑想を 通して、注意制御と 身体感覚が促進され、 情動調整と自己観の確立 につながる。 集中瞑想 洞察瞑想 13 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  7. 3つの自己:マインドフルネスと自己観 プロセスとしての自己 || 体験者 文脈としての自己 || 観察者、器 概念としての自己 || 架空の存在

    常に変化 諸行無常 不変、実態がない 自己像、問題を起こす 無、空 14 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  8. 行動・認知からマインドフルネスへ 問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手 行動アプローチ • 背景:質問に答えられないことへの不安 • きっかけ:訪問先のリストが示される • 行動:訪問の予約を先送り •

    結果:安心 認知アプローチ • 出来事(予測):適切に質問に答えられないかも • 信念:私はどんな質問にも答えられなければならない。 答えられないのはダメ人間 • 結果:不安、先送り、過度な準備、 緊張・睡眠の質の低下 16 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  9. 行動・認知からマインドフルネスへ 問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手 行動アプローチ • 背景:質問に答えられないことへの不安 • きっかけ:訪問先のリストが示される • 行動:訪問の予約を先送り •

    結果:安心、達成感 認知アプローチ • 出来事(思考):適切に質問に答えられないかも • 信念:答えられない質問もある。答えられなくても ダメ人間じゃない。 • 結果:不安程ではない心配、安心して眠れる、 信念について繰り返し考えてしまう(反芻) 事前に情報収集とリハーサルを 綿密に行う 期日を決めて訪問 17 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  10. 行動・認知からマインドフルネスへ 問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手 行動アプローチ • 背景:質問に答えられないことへの不安 • きっかけ:訪問先のリストが示される • 行動:訪問の予約を先送り •

    結果:安心、達成感 認知アプローチ • 出来事(思考):適切に質問に答えられないかも • 信念:答えられない質問もある。答えられなくても ダメ人間じゃない。 • 結果:不安程ではない心配、安心して眠れる、 信念について繰り返し考えてしまう(反芻) 事前に情報収集とリハーサルを 綿密に行う 期日を決めて訪問 訪問はできたけど、準備に時間がかかって しまう。求める働き方ではない。 イメージでは楽になれるが、結局信念も 行動も変わらない。思考に囚われる。 ネガティブな感情や思考の回避 失敗の回避 18 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  11. 行動・認知からマインドフルネスへ 問題:営業で取引先に訪問し、新しいサービスの説明をするのが苦手 【アクセプタンス(受容)】 ネガティブな思考や感情を変えるのではなく、ありのまま抱え、受け止める 【価値への行動】 真に実現したい方向に進む 例)不安を抱えたまま最善を尽くす。 行動アプローチ • 背景:質問に答えられないことへの不安

    • きっかけ:訪問先のリストが示される • 行動:訪問の予約を先送り • 結果:安心、達成感 認知アプローチ • 出来事(思考):適切に質問に答えられないかも • 信念:答えられない質問もある。答えられなくても ダメ人間じゃない。 • 結果:不安程ではない心配、安心して眠れる、 信念について繰り返し考えてしまう(反芻) 事前に情報収集とリハーサルを 綿密に行う 期日を決めて訪問 訪問はできたけど、準備に時間がかかって しまう。求める働き方ではない。 イメージでは楽になれるが、結局信念も 行動も変わらない。思考に囚われる。 ネガティブな感情や思考の回避 失敗の回避 19 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  12. マインドフルネスと心理的安全性 心 理 的 安 全 性 成果の基準 高 高

    低 低 すべてに対してオープンに。 対象から距離を取って、受け止める。 ヌルい職場 コンフォートゾーン 仕事の充実感はない 学習する職場 学習して成長する職場 健全な衝突と 高いパフォーマンス サムい職場 余計なことをせず 自分の身を守る キツい職場 不安と罰による コントロール ACTの目標 20 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  13. まとめ • マインドフルネスは方法、状態、特性 • マインドフルネスの方法は集中瞑想から洞察瞑想へ • マインドフルネスの効果は注意力、感情コントロール力の促進と、 文脈としての自己の確立 • 認知行動アプローチとしてのマインドフルネスは、

    アクセプタンス(受容)と価値への行動の促進を目指す • マインドフルネス(ACT)により 心理的安全性が高い、学習する職場を作ることができる 21 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  14. 言葉の合気道 五感の体験 マインドの体験 近づく 離れる ①何が見えますか?何が聞こえますか? ②どんな釣り針が現れますか? ③釣り針をどのように感じますか? 身体のどこでそれを感じますか? ④どんな「離れる」行動をしている

    自分がイメージできますか? ⑤(できるかどうかは別にして) 自分のどんな「近づく」行動がイメージできますか? ⑥あなたの向かっていきたい場面は何でしょう? 誰と何をしていますか? ⑦その場面が実現したとしたら、どのように 感じますか?身体のどこで感じますか? ⑧3と7はどんな風に違いますか? ⓪何について取り組みますか? 変化させたい特定の場面をあげてください 24 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  15. 言葉の合気道の声かけ(1) ⓪ 何について取り組みますか?変化させたい特定の場面について教えてください。 ※自分自身が行動や振る舞いを変えたい場面を挙げてもらう。 - これからこの言葉の合気道というフレームを使って、順番に質問をしていきます。 - このフレームでは、上が五感の体験、下がマインド、つまり、心、思考や感情の体験を表します。 - 右の近づくというのは、あなたが進みたい方向に近づくこと、左の離れるというのは、進みたいのと

    は違う方向に進んでしまうことを意味しています。 - それぞれについて、五感で感じることと、マインドの働きを順にイメージしていってもらいます。 - それでは、軽く背筋を伸ばして、ゆったりと座って、肩の力を抜いて、リラックスしてください。 - ゆったりと呼吸をし、軽く目を閉じ、変化させたいと思う場面をイメージしてください。 ① その場面で、何が見えますか?何が聞こえますか?他に感じるものはありますか? ※何か行動を起こす前の段階である必要があります。 ② まずは左の、離れる方から聞いていきます。その場面で、どんな釣り針が現れますか? - 釣り針とは、衝動的に飛びつきたくなるような何かです。 25 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  16. 言葉の合気道の声かけ(2) ③ 釣り針をどのように感じますか?身体のどこでそれを感じますか? ④ 釣り針に飛びついた結果、どんな「離れる」行動をしている自分がイメージできますか? ⑤ (できるかどうかは別にして)自分のどんな「近づく」行動がイメージできますか? ⑥ あなたの向かっていきたい場面は何でしょう?誰と何をしていますか? ⑦

    その場面が実現したとしたら、どのように感じますか?身体のどこでそれを感じますか? - ありがとうございました。目を開けてください。 - 今、このフレームの中を、この数字の順にイメージしていただきました。 ⑧ 3と7の違いについては、どのように感じますか? - 釣り針が現れた時の感じと、近づく行動ができた時の感じの違いです。 - このワークを通して、他に気付いたことや、今後に生かせそうなことは、 何かありますか? 26 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  17. 面接演習 • 3人組:観察者、相談者、面接者 - 「言葉の合気道」を使用 • 流れ(全45分) - 【8分セッション+5分振り返り】×3回 -

    全体の振り返り6分 • セッション後の振り返り - 順番:面接者→相談者→観察者 - 内容:感想、できたところ、より良くするための案、CBTについての疑問など 28 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]
  18. グループディスカッションから • 釣り針は、問題行動のきっかけのメタファーです - 「離れる」行動は、問題行動です • このエクササイズによって、何か問題が解決したりすることはないです - イメージ、マインドフルネスのエクササイズです -

    問題行動、問題行動の最中の感じ、それを体のどこで感じるかをただ、観察します - 「どんなふうに対処できますか?」とはきかない • 身体のどこで感じますか? - よくわからないことを、聞いているわけですが、なんとなくイメージします
  19. テイクホームメッセージ う 02 2つの瞑想 集中瞑想と 洞察瞑想により 注意制御 身体感覚 情同調性 自己観が促進

    03 心理的安全性 マインドフルネス は、アクセプタン ス(受容)と 価値への行動を 促進し、心理的 安全性を高める い し 04 習慣化 ヨガや瞑想は 継続する必要が ある 定期的に合宿 に参加すると 日々の実践の 質も高まる 01 マインドフルネス 今この瞬間の 体験に注意を 向け 反応せずに それに気づいて いること そのような傾向 32 Practical Psychology Institute, LLC🄫2022 [email protected]