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人脈が支える経済ネットワーク / Business Network And Human Network

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January 08, 2019

人脈が支える経済ネットワーク / Business Network And Human Network

■イベント
SocSci Meetup ~社会科学をブートする~
https://sansan.connpass.com/event/111942/

■登壇概要
タイトル:人脈が支える経済ネットワーク

登壇者:DSOC R&D 真鍋友則

▼Sansan Builders Box
https://buildersbox.corp-sansan.com/

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Sansan

January 08, 2019
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Transcript

  1. 人脈が支える経済ネットワーク 真鍋友則 Sansan DSOC 研究員 筑波大学大学院企業科学専攻システムズ・ マネジメントコース博士後期課程 2 年 2019.01.08

  2. 本日のテーマ 1 1. ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について ◦ ソーシャル・キャピタルという概念の紹介 ◦ ソーシャル・ネットワーク上の伝播: Christakis の論文から

    2. ネットワークデータを扱うことの難しさ ◦ Christakis の論文に対する反証論文の紹介 3. 自分の研究内容の紹介 ◦ ソーシャルキャピタルを背景としたツール & 分析 ◦ 企業ネットワークにおける成長率の連動性
  3. 人脈ネットワークは、ビジネスにとってなぜ重要か 2 個人や組織のパフォーマンスには、人脈や社会ネッ トワークに依存する部分がある • 誰を知っているか?: ◦ 意思決定者との人脈形成による、取引成立条件の緩和や安 定性の向上 ◦

    重要度の高い情報の獲得 • つながりの多様性: ◦ 新奇性の高い情報の増加によるイノベーションの促進 ◦ 仲介役として機能できる • つながりの質: ◦ 信頼感の醸成による関係の安定性 個人(組織)の「能力」から、「ネットワーク構造」のマネージメントへ テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  4. 理論的背景 (1): 社会関係資本 (Social Capital) 3 James S. Coleman (1988)

    Social Capital in the Creation of Human Capital • 伝統的な経済学的な人間観: 独立した個人が、独立した目標を持ち、自己の興味に基づいて行動する。行 動の原理は利益の最大化 • 伝統的な社会学的な人間観: 人間は社会化されており、社会の規範や規則、義務に縛られている • → 両者の統合: 経済学の「合理的行動」の原則を、社会組織化のプロセスも含めて、社会システムの分析 に用いる • 「社会関係資本」はその為の概念 • 社会関係資本は個人が利用できる「資源」であり、人の関係性の構造の中に内在している • 他の資源と同様に生産的であり、個人の特定の行為を促進する • 3 つの形態: ① 義務と期待, ② 情報チャネル, ③ 社会規範 Nan Lin (2001) A Network Theory of Social Capital • 社会関係資本の定義: 社会ネットワークに埋め込まれており、ネットワーク内の結びつきを通してアクセス可 能な、また、動員可能な資源。投資に対してリターンを期待できる。 • 3 つの要因: ① 構造的な地位, ② ネットワークの位置, ③ 行動の目的 テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  5. 4 ルネ・ジラール(1923-2015): Mimetic Desire 理論的背景? (2): ミメーシス 高級車が欲 しいなあ 高級車が欲

    しいなあ • 欲望は模倣される • ゆえに欲望は伝播する • 人は単独では自分が何を欲している かわからない 欲望の模倣理論 ex) - ファッションの伝播 - 有名人、芸能人が起用される広告 - 文化の伝播 テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  6. 社会ネットワーク上の伝播についての研究 5 Nicholas A. Christakis (Sociologist, Physician) • Framingham Heart

    Study データを用いて、主に健康 状態に関わる様々な事象の「伝播」を実証 • 肥満 (2007), 喫煙 (2008), 幸福 (2009), 孤独 (2009), 鬱 (2010), 飲酒量 (2010), 睡眠障害 (2010), 離婚 • Framingham Heart Study: ◦ 心血管病の原因を探る為, フラミンガム町にて 1948 年、長期疫学調査が開始 ◦ 2 年に 1 回, 身体検査や健康状態に対するアン ケートを記録 ◦ 5209 人が参加 ◦ 1 親等の名前と、親友の名前が記録されている 為、社会ネットワークデータとしても用いることが できる テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  7. The Spread of Obesity in a Large Social Network Over

    32 Years Nicholas A. Christakis, James H. Fowler, The New England Journal of Medicine (2007) 6 • 5124 人の Ego • 38,611 の親族, 友人の Tie • 友人関係性には方向性がある ◦ Ego のみが友人だと考えている場合: Ego - perceived friendship ◦ Alter のみが友人だと考えている場合: Alter-perceived friendship ◦ 両方向で友人だと考えている場合: Mutual friendship Ego: 分析対象の人 Alter: Ego と繋がっていて、Ego に影響を与える存在 Tie: Node 間の結合 ネットワーク図( node の大きさは BMI 値に比例) テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  8. The Spread of Obesity in a Large Social Network Over

    32 Years Nicholas A. Christakis, James H. Fowler, The New England Journal of Medicine (2007) 7 ソーシャルネットワーク上に肥満クラスタは存在す るか ? • BMI 30 以上を肥満と定義 • Alter が肥満の場合、Ego が肥満である確率は上 昇するか? ◦ ランダムな組み合わせと比較した場合の確率 上昇を算定 (1000 simulations) ◦ 地理上の距離による差と比較 • 結果: Alter が肥満の場合、Ego が肥満となる確率 は 45 % 上昇 • ネットワーク近傍度の上昇にしたがって確率の上昇 の程度は低下していく • 地理上の距離ではそのような傾向がみられない • ソーシャルネットワーク上の近傍集団に、肥満のク ラスタが存在していることが示されている 確率 の上 昇 ネットワーク近 傍度 地理上の距離 テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  9. 8 クラスタが存在するメカニズムとして次の 3 つの原理を想定 (1) Homophily: 類は友を呼ぶ (2) Confounding: 共通環境要因

    (3) Induction: 誘引効果 これらの効果を定量する為、回帰分析 (Generalized Estimated Equations) を実施 ① Ego Time-lagged: 系列相関の除去, 個人の内在的性質 の除去 ② Alter Time-lagged: Homophily の統制 ③ Alter: Alter の Ego に対する影響、または共通の同時性イ ベントによる変化 The Spread of Obesity in a Large Social Network Over 32 Years Nicholas A. Christakis, James H. Fowler, The New England Journal of Medicine (2007) Ego (i) Alter (j) ① ② ③ 変数の機能 Ego (i) Alter (j) Homophily • Homophily → t0 時点でのス テータスが類似 • Ego と Alter の t0 時点を統制 することで、変化が起きた時の 相手からの影響の度合いを算 定する テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  10. 9 結果 (Alter (Yj, t1) の係数 ) The Spread of

    Obesity in a Large Social Network Over 32 Years Nicholas A. Christakis, James H. Fowler, The New England Journal of Medicine (2007) • Alter の属性により影響度が異なる • 友人関係性の方向性により影響度 が大きく変化し、Mutual(双方向) の 時に最大 → 同時的に生じた環境 要因を除外 • 誘引効果、すなわちソーシャルネッ トワークを肥満が伝播することを示 している テーマ 1 ビジネスをネットワークで捉えることの重要性について   
  11. 10 Homophily の影響は除外されているといえるか The 'unfriending' problem: The consequences of homophily

    in friendship retention for causal estimates of social influence Hans Noel, Brendan Nyhan, Social Networks (2011) • 友人関係の「消失」にも Homophily は関与しているかもしれ ない (似た者同士は友人関係が継続しやすく、そうでない場 合は切れやすいかも) • その場合、Alter Effect の推定に bias が生じる可能性がある (ステータスの差の大きいペアは観測されにくくなる ) Ego (i) Alter (j) Ego (i) Alter (j) 消失 残存 • Monte Carlo Simulation によ る検証 • 友人関係の継続に Homophily のパラメータを設定し、Alter Effect の係数値が Bias を受け るかどうかを検証 • 結果: Homophily による結合 確率に関与するパラメータの値 が大きいほどプラス方向の Bias が上昇する テーマ 2: ネットワークデータの難しさ
  12. Sansan で行なっている研究 11 1. ソーシャルキャピタル的な文脈 a. 顧客企業との関係性の可視化 b. 売上や契約規模と人脈の関係性 a.

    可視化 https://labs.staging.sansan.com/labs/abm2/#/ b. 取引額との関係性 * 自社データによる分析 テーマ 3: Sansan で行なっている研究の紹介 受注確率、解約リスクなど、他の事例に対しても適用可能 → 人脈の定量評価へ
  13. まとめ • ビジネスとネットワークの間には密接な関係があり、企業や個人はネットワーク上の 存在であることを意識して、その活動を評価する必要があるだろう • 一方でネットワーク分析は、その背景や分析手法を、正しい結果が得られるようによ く考慮する必要がある • 「ネットワーク分析 +

    社会科学的知見 + ビジネス知見」の組み合わせが大切 12 ネットワーク科学 社会科学 ビジネス ✖ ✖
  14. 参考文献リスト James S. Coleman, Social Capital in the Creation of

    Human Capital, American Journal of Sociology Vol. 94, Supplement: Organizations and Institutions: Sociological and Economic Approaches to the Analysis of Social Structure (1988), pp. S95-S120 Nan Lin, A Network Theory of Social Capital, To appear in Handbook on Social Capital, edited by Dario Castiglione, Jan van Deth and Guglielmo Wolleb, Oxford University Press (2005) Nicholas A. Christakis, James H. Fowler, Connected The Surprising Power of Our Social Networks and How They Shape Our Lives, Little, Brown and Company (2009) Nicholas A. Christakis, James H. Fowler, The Spread of Obesity in a Large Social Network over 32 Years, New England Journal of Medicine (2007) Hans Noel, Brendan Nyhan, The 'unfriending' problem: The consequences of homophily in friendship retention for causal estimates of social influence, Social Networks (2011) 真鍋友則, 「名刺交換から見えてくるビジネスにおける「出会い」の分析」, 経営情報学会 2018 年春季全国発表大会 日経ビジネス, 特集 -147万社調査 開業なら香川県、社長のピークは40代 日本企業の新事実 -Part.3-会社× 巷の「常識」 (2018/10/01) 13