Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
CPU命令もバイナリ
Search
Satoru Takeuchi
PRO
June 07, 2020
Technology
0
320
CPU命令もバイナリ
下記動画のテキストです
https://youtu.be/xSFawKHxjkE
Satoru Takeuchi
PRO
June 07, 2020
Tweet
Share
More Decks by Satoru Takeuchi
See All by Satoru Takeuchi
「Linux」という言葉が指すもの
sat
PRO
3
100
APIとABIの違い
sat
PRO
5
62
ファイルシステムへのアクセス方法
sat
PRO
0
26
ファイルシステム
sat
PRO
1
34
低レイヤソフトウェア技術者が YouTuberとして食っていこうとした話
sat
PRO
7
6.1k
ポーリングと割り込み
sat
PRO
1
80
Rook: Intro and Deep Dive With Ceph
sat
PRO
1
140
会社員しながら本を書いてきた知見の共有
sat
PRO
3
880
デバイスにアクセスするデバイスファイル
sat
PRO
1
62
Other Decks in Technology
See All in Technology
[ JAWS-UG 東京 CommunityBuilders Night #2 ]SlackとAmazon Q Developerで 運用効率化を模索する
sh_fk2
3
380
Snowflake Intelligenceにはこうやって立ち向かう!クラシルが考えるAI Readyなデータ基盤と活用のためのDataOps
gappy50
0
130
テストを軸にした生き残り術
kworkdev
PRO
0
200
オブザーバビリティが広げる AIOps の世界 / The World of AIOps Expanded by Observability
aoto
PRO
0
350
Snowflakeの生成AI機能を活用したデータ分析アプリの作成 〜Cortex AnalystとCortex Searchの活用とStreamlitアプリでの利用〜
nayuts
1
470
EncryptedSharedPreferences が deprecated になっちゃった!どうしよう! / Oh no! EncryptedSharedPreferences has been deprecated! What should I do?
yanzm
0
230
JTCにおける内製×スクラム開発への挑戦〜内製化率95%達成の舞台裏/JTC's challenge of in-house development with Scrum
aeonpeople
0
200
バッチ処理で悩むバックエンドエンジニアに捧げるAWS Glue入門
diggymo
3
190
5年目から始める Vue3 サイト改善 #frontendo
tacck
PRO
3
220
AWSを利用する上で知っておきたい名前解決のはなし(10分版)
nagisa53
10
3k
今!ソフトウェアエンジニアがハードウェアに手を出すには
mackee
11
4.7k
職種の壁を溶かして開発サイクルを高速に回す~情報透明性と職種越境から考えるAIフレンドリーな職種間連携~
daitasu
0
150
Featured
See All Featured
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
34
6k
What’s in a name? Adding method to the madness
productmarketing
PRO
23
3.7k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.6k
Side Projects
sachag
455
43k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
112
20k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
696
190k
Faster Mobile Websites
deanohume
309
31k
RailsConf 2023
tenderlove
30
1.2k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
45
7.7k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
358
30k
Designing Experiences People Love
moore
142
24k
Transcript
CPU命令もバイナリ Jun 7th, 2020 Satoru Takeuchi Twitter: satoru_takeuchi 1
もくじ • CPU命令実行のしくみ • x86_64アーキテクチャのCPU命令 • 実行ファイルの中身を見る • まとめ 2
もくじ • CPU命令実行のしくみ • x86_64アーキテクチャのCPU命令 • 実行ファイルの中身を見る 3
前置き • すべてのデータはバイナリ(別の回で説明済) ◦ 整数 ◦ 文字、文字列 • CPU命令もデータ ◦
1つ以上のCPU命令のかたまりを一般に「コード」と呼ぶ ◦ コードの指す意味は広いので、ここでは「 CPU命令」と書く 4
CPU命令実行のしくみ: 初期状態 5 ストレージデバイス (HDD, SSDなど) メモリ CPU 実行ファイル CPU命令列
レジスタ データ
実行ファイルのメモリへのロード 6 ストレージデバイス (HDD, SSDなど) メモリ CPU 実行ファイル CPU命令列 レジスタ
データ CPU命令列 データ コピー
CPUへの命令の読み込み 7 ストレージデバイス (HDD, SSDなど) メモリ CPU 実行ファイル CPU命令 レジスタ
データ CPU命令列 データ 1命令読む CPU命令
命令実行 8 ストレージデバイス (HDD, SSDなど) メモリ CPU 実行ファイル CPU命令 レジスタ
データ CPU命令列 データ CPU命令 やることは命令によって違う • データのコピー ◦ メモリ⇔レジスタ ◦ メモリ⇔メモリ ◦ レジスタ⇔レジスタ • 計算 どういうバイト列がなにをする命令なのかは CPUアーキテクチャによって異なる
次の命令を読み出す(以下くりかえし) 9 ストレージデバイス (HDD, SSDなど) メモリ CPU 実行ファイル CPU命令 レジスタ
データ CPU命令列 データ CPU命令 1命令読む
もくじ • CPU命令実行のしくみ • x86_64アーキテクチャのCPU命令 • 実行ファイルの中身を見る • まとめ 10
X86_64アーキテクチャのCPU命令 • IntelのCPUについては同社公式サイトに全命令リファレンスがある https://software.intel.com/content/www/us/en/develop/download/intel-64-and-ia-32-architectures-sdm-combined-volumes-2a-2b- 2c-and-2d-instruction-set-reference-a-z.html • 2000ページ以上あるので全部読もうとすると死ぬ ◦ 読破を目指さず、必要に応じて参照しましょう •
とりあえず覚えておけばいい命令 ◦ Mov: データのコピー ▪ メモリ⇔レジスタ間、メモリ⇔メモリ間、レジスタ⇔レジスタ間、なんでも ◦ Add: 足し算 11
もくじ • CPU命令実行のしくみ • x86_64アーキテクチャのCPU命令 • 実行ファイルの中身を見る • まとめ 12
演習 • 使うもの ◦ (自作)Addプログラム: 1と2を足した結果を返すだけ ◦ Objdump: 実行ファイルの中身を読む •
やること ◦ Objdumpでaddプログラムの中身を見る ◦ 1と2を足しているコードを見つける ◦ コードがバイナリデータに対応していることを確認 13
もくじ • CPU命令実行のしくみ • x86_64アーキテクチャのCPU命令 • 実行ファイルの中身を見る • まとめ 14
まとめ • 実行ファイルの中に命令列をあらわすバイナリデータが入っている • バイナリデータと命令の対応はCPUアーキテクチャによって違う • IntelのCPUについては対応表が公開されている • objdumpコマンドによって実行ファイル内の命令列を見られる 15