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16年掛けて年商200億円になった話

Satoshi7
July 07, 2020

 16年掛けて年商200億円になった話

Satoshi7

July 07, 2020
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  1. 5 本⽇のまとめ • 経営者は給与0円でも動ける⾝軽さと蓄えを持っておく • 経営に悩んだら企業理念とカルチャーの明⽂化 • 現場よりも先に責任者やマネージャを採⽤する • 社員が⾔うことはだいたい正しいから任せる

    • 明⽇会社が潰れてもやっていける社員の輩出 • 事業は⾃分事の情熱と繰り返しの失敗と副産物がカギ • 無名な会社ほど情報発信に勝るマーケはない • 事業の成⻑はマーケットサイズに依存する • 謎のポジティブ思考はすべてを凌駕する • やはり売上はすべてを癒やす
  2. ⾃⼰紹介︓横⽥ 聡(よこた さとし) 略歴 1977年 東京都出⾝ 2004年 クラスメソッド 設⽴ 2020年

    16周年 家族構成 妻と⼦4⼈ ソーシャル Facebook /satoshi7、Twitter @sato_shi 6
  3. 7 総売上の推移 (百万円) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 2003年

    2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 売上 15 55 149 268 503 480 439 437 365 399 685 1,469 2,585 4,433 7,413 13,199 21,500 創業 ⻑いトンネルの10年間 ⼤きく変わり始めた時期 覚醒 先⽉ 副産物
  4. 8 総売上の推移 (百万円) 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 2003年

    2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 売上 15 55 149 268 503 480 439 437 365 399 685 1,469 2,585 4,433 7,413 13,199 21,500 創 業 期 停 滞 期 成 ⻑ 期 拡 ⼤ 期
  5. 9 P/LとB/Sの推移 年度 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009

    2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 売上 15 55 149 268 503 480 439 437 365 399 685 1,469 2,585 4,433 7,413 13,199 21,500 経常 利益 10 4 5 21 30 11 -7 4 1 0 11 40 81 158 345 1,138 1,500 純資産 10 3 7 21 41 46 38 43 44 44 53 73 76 179 443 1,240 2,500 総資産 10 35 63 126 225 251 239 234 191 232 277 549 1,234 1,822 2,511 5,777 10,000 年齢 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 年⽬ 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 (百万円) ピーク ⾚字 再スタート
  6. 11 数々のしくじり • まともな社会⼈経験ゼロ • 社労⼠に頼まずに⾃分で法⼈登記 • 貯⾦を全額⾃社に投資して後に⽣活が困窮 • いきなり⾼額なサーバー製品を買って困窮

    • いきなり社員を3⼈雇って3ヶ⽉で困窮 • 明確なミッションやビジョンはまだ無い • 具体的な営業の仕⽅が分からない • 決算書の読み⽅が分からない • 期末に現⾦をほぼ使ってしまう(給与/賞与、家賃、税⾦) 創業期 資本⾦300万円 ソフト150万円 社員3⼈75万円
  7. 12 会社のお⾦が無くなってどうしたか • 社⻑が会社に貸付 • 役員報酬を現⾦でもらわないで会社に貸付 • 社⻑が物品を購⼊して会社に貸付 • 帳簿には役員貸付⾦として明細が残る

    • 通常は⿊字化したら返してもらうが • Debt Equity Swapという⼿法で債務の株式化 • 発⾏株式が増える • ⼊⾦は無いが税⾦は⽀払う必要あり⽣活が困窮 • 会社は無事に⿊字で決算 創業期
  8. 13 会社のお⾦が無くなってどうしたか • 銀⾏に相談する • 窓⼝で新規の借り⼊れを相談 • 不動産等の担保・現預⾦・保証⼈・実績年数が必要 • 基本的には⾨前払いだと思う

    • 国や地⽅⾃治体に相談する • 東京都(新宿区)の中⼩企業の制度融資に相談 • ⾯談後に制度融資に申し込み︓700万円、担保・保証⼈不要 • 保証協会付き(多少の⼿数料)で銀⾏からスムーズに借り⼊れ • ⽇本政策⾦融公庫に相談 • ⾯談後に創業融資に申し込み︓300万円、担保・保証⼈不要 創業期
  9. 14 やっておいて良かったこと • 誰にどんな価値を届けるか定義 • 事業会社向けにIT⽀援する会社 • ⾃宅兼オフィス • ⾝軽であることが⽣存期間を伸ばす

    • 1期⽬から賞与⽀給 • すぐに潰れそうだったがお⾦は遅延なくしっかり払う • ⽀払いにだらしない会社は後に倒産すると確信 • 技術を絞って強みを出す • UI技術とサーバーサイドAPIに強い開発会社と設定 • 友⼈とその友⼈を集めて15名程 創業期
  10. 15 やらなくて良かったこと • 複数の株主で創業(仲間や投資家など) • 柔軟にピボットできなくなる • Exitのタイミングが合わない • 責任の所在を明確にする

    • ⾃分が動いて売上を⽴てない • 個⼈事業主時代と同じ仕事をすれば売上増だったが やったら起業の意味がなくなってしまう 創業期
  11. 16 やって申し訳なかったこと • 客先常駐でシステム開発 • ⾃分以外の全員が客先常駐 • 売上が超安定 • スタートアップに⼊ったつもりが、、、

    • 違和感を感じて翌年に完全撤退 • お客様には⼤変お世話になったのに、、、 • チーム全員の翌⽉の仕事が決まっていない • 退路を絶って常駐や下請けを断ることにした 創業期
  12. 17 どうやって営業したら良いか分からない • お問い合わせメールしても無視される • 広告するお⾦が無い • とりあえず個⼈で技術ブログでも書いてみる • 特定の技術について毎⽇書く

    • ネット上の反応が良い • 勉強会をやってみようという機運 • ユーザーグループの誕⽣ • 情報を発信すればするほどに反応がある • 仲間やお客様が向こうからやってくる好循環 創業期
  13. 18 5期⽬までの業績 0 100 200 300 400 500 600 2003年

    2004年 2005年 2006年 2007年 売上 15 55 149 268 503 創業期
  14. 19 数々のしくじり(3期⽬:2006年) • ビジネス系⼈材がいない • 知⼈や友⼈を中⼼に優秀な現場エンジニアは多数集まった • リーダー&マネージャー⼈材がいない • 求⼈広告を出すも無名かつ給料が安すぎて誰も来ない

    • エースをマネージャーにしてもパフォーマンス出ない • 新規受注優先で社内の体制が整っていない • 案件トラブル、超過残業、間接費増⼤ • 情報発信により仕事は増えるが利益は⼤して増えない • 経験を積んだエンジニアに還元できず • 社員も気づき始める「これ以上給料は増えそうにない」と 創業期
  15. 20 数々のしくじり(4期⽬:2007年) • ⼈事考課制度を整備した • ちゃんとした会社にしたいという思い • 社員にもっと成⻑して欲しいという思い • 就業規則もしっかり定義して厳密に運⽤

    • コンピテンシー評価を軸に社員を数値化 • 社員から⼤不評 • 「A評価とB評価を違いを正しく説明できない」 • 「こんな評価を受けるために⼊った会社ではない」 • 「会社ごっこは⽌めましょう」 • しかも給料が伸びない(伸ばせない)ので評価が良くならない • エースから順番に会社を辞め始める 創業期
  16. 21 数々のしくじり(5期⽬:2008年) • 起死回⽣の新規事業投資 • B2B⾃社サービスの企画開発 • 売上5億で利益3千万円の会社が2億円の投資計画 • いきなりフルスロットルで体制確保

    • 半年の開発で5千万円以上消費 • その後も数年間は⿊字にならない予定 • 外部からの資本が⼊らないと続けられない雰囲気 • 当事者も社内も気持ちが⼊っていなかった • 「俺たちが稼いだお⾦が無駄に使われている」 • 「何をやっているかよく分からない」 • 「これって本当に世の中に必要なものなの︖」 停滞期
  17. 22 数々のしくじり(6期⽬:2009年) • ⾼グレードのオフィスに引っ越し • 雑居ビルからオフィスビルへ • 損益分岐点が⾮常に⾼い会社になってしまっていた • ⾼い紹介フィーを払ってエンジニア以外の採⽤が進む

    • ビジネスモデルは未だに受託システム開発だけ • ストックビジネスに全くなっていない • ⼤型案件を中⼼にしつつも納品したら終了 • ⾚字決算をやってしまった • 銀⾏からの追加借り⼊れがNGになる • 役員報酬の返納 停滞期
  18. 24 ⼼⾝ともに体調が悪くなり始める • 体調に悪影響があったこと • 信頼していた社員がいつ辞めるのか⼼配 • 外⾯良く⾒せて中⾝が空っぽの恐怖感 • 実際に毎⽉1⼈ずつ社員が辞め始めて2年ほど続く…

    • ビジネスモデルの⾏き詰まり(社員に還元できない) • 体調に悪影響がなかったこと • リーマンショックなどの不景気 • 銀⾏借り⼊れ増 • 案件トラブル(障害発⽣、契約内容) 停滞期
  19. 25 やっておいて良かったこと • 新規事業のチャレンジ • 新規事業そのものは失敗だったが反⾯教師となった • 低コストでスタートして繰り返しピボット • 情熱を持てる当事者を中⼼にメンバー集め

    • 社内への透明性ある情報共有 • マーケットの将来性 • 販路 • 継続的な改善 • キャッシュアウトを⽀える基盤事業 • クラウド上でのサービス開発 • 2008年にAmazon EC2をはじめて使った 副産物 停滞期
  20. 29 数々のしくじり(7期⽬:2010年) • 主⼒技術が市場から締め出し • Flash技術がAppleに否定されて利⽤が減る傾向に • ユーザーグループ活動も停滞 • 新規のシステム開発が中⼼でワンショットのみ

    • 継続保守開発などを取りに⾏かなかった • インフラの構築や運⽤に⼿を出さなかった • 以前使ったクラウド技術に魅了されたが • 社内のエンジニアは誰もやりたくなかった • 社員にうまくアピールできなかった 停滞期
  21. 33 数々のしくじり(9期⽬:2012年) • 2012年7⽉ • ほぼ全てがリセットされた状態からリスタート • 広さ1/2、家賃1/3、社員数1/2 • このままやっても会社は潰れるし好きなことを

    思いっきりやろうという、謎のポジティブを発揮 • 事業を推進するときにインフラ周りは⾯倒 • あらゆる企業が⾯倒だと思っているのでは︖ • このスゴイ技術をもっと使いこなしたい︕ 成⻑期
  22. 34 やっておいて良かったこと • 社⻑⼀⼈部署スタート • 既存社員は既存ビジネスのみ担当(まだクラウド興味無し) • 情熱をもって取り組めるクラウドに特化 • そのうち気がついてくれたら嬉しいな程度

    • クラウドのユーザーグループに参加 • インフラに詳しくないので宴会部⻑として活動 • クラウドやりたい⼈を中⼼に新規採⽤ 成⻑期
  23. 35 クラウドに集中投資(10期⽬:2013年) • クラウドチームのマインドセット • 仕事を絶対に断らないで何でもやる • 売上ゼロでも顧客を⽀援して実績を積む • 売上ゼロでも仲間を新規採⽤

    • 受託システム開発部⾨の⽀え • ⽉2000万円の営業利益を稼ぎ出す優秀なチーム • ⽉2000万円の⾚字を垂れ流すクラウドチーム • ⾯⽩さや将来性を信じて集中投資 成⻑期
  24. 36 リープフロッグ現象 • 既存ビジネスが⼤きい⼤⼿IT企業 • ⼤⼿企業は⾃社でデータセンターを持っていた • ⼤⼿企業は⾃社のハードウェアを売っていた • クラウドはおもちゃ扱い

    • クラスメソッドは何も持っていない • データセンターやっていない • ハードウェア売っていない • オンプレに詳しくない • インフラを買わずに使えることに感動 • 最初から全てクラウド上で完結していた 成⻑期
  25. 38 やっておいて良かったこと(12期⽬:2015年) • Follow the sun 24時間365⽇の保守運⽤体制 • ⽶国からスタートして、カナダ、ドイツ、韓国、 インド、タイ、中国など、海外展開のキッカケに

    • クラウドをインフラとしてみるだけでなく、 アプリケーションプラットフォームとして考える • DevOps、サーバレス、IoT、分析基盤などの 専⾨チームが多数⽴ち上がる 成⻑期
  26. 41 数々のしくじり(14期⽬:2017年) • 社員を正しく評価して給与に反映する部分がザル • 1on1、職務記述書、給与テーブル、キャリア希望など 押し付けではない相互理解する場を設けた • 制度を作ってもちゃんと運⽤しきれていない •

    リーダーやマネージャーを育成する部分が弱い • 外部から経験者を採⽤して並⾛ • 事業が伸びているのはマーケットが伸びているから • ⾃分たちの⼒を過信してはいけない 成⻑期
  27. 42 数々のしくじり(14期⽬:2017年) • 財務的に⾏き詰まりそうになる • 年々倍々で成⻑していた • 出⾦(⽀払い)の数⽇後に⼝座に⼊⾦ • 銀⾏の借⼊枠を超過(2億円)

    • 短期借⼊を繰り返してその場しのぎ • その後、複数銀⾏&信⽤⾦庫を組み合わせて解決 • 良い条件を引き出して借⼊上限がアップ • 社債発⾏、貸し越し枠、コミットメントなど活⽤ • 2020年現在、50億円程度の資⾦調達枠がある 成⻑期
  28. 43 アマゾンのカルチャーから学んだ 1. 机上で終わらせない/評論だけしない 2. 成功を保証しない/⼤胆に挑戦する 3. 多数の実験と失敗から多くを学ぶ 4. 失敗のコストを最⼩化する

    5. 利⽤者に使ってもらいフィードバックを反映 6. 学習済みモデルと優れたソフトが残る 7. 上記を⾼速に繰り返す 成⻑期
  29. 44 やっておいて良かったこと(15期⽬:2018年) • クラスメソッドのカルチャーを定義した • リーダーシップ、パートナーシップ、ダイバーシティ、 プロフェッショナル、感謝、顧客視点、フィードバック、 情報発信、やってみる、楽しむの10か条 • 絶対的な採⽤基準であり評価基準であると宣⾔

    • 情報発信を更に強く意識したマーケ活動 • 80⼈でre:inventに参加してレポート記事を500本執筆 • 1000⼈集めてイベント開催 • Day Oneの気持ちで新規事業を次々始める • ECプラットフォーム、AI/IoT技術、カフェオープン 拡⼤期
  30. 45 やっておいて良かったこと(16期⽬:2019年) • 採⽤サイトで社内情報をオープンに • 3期分の決算書 • 平均給与、中央値、 • 離職率、残業時間、有給消化率

    • バックオフィス部⾨の専任化 • それぞれ責任者レベルの⼈材を採⽤した • マーケ、労務⼈事、財務経理、法務、総務、情シス 拡⼤期
  31. 46 現在の課題(17期⽬:2020年) • 社員数が増えていくなかでカルチャーを守る⽅法 • 2020年2⽉から在宅勤務中⼼ • 新⼊社員や中途⼊社社員と全く会えていない • コンフォートゾーンからの抜け出し

    • 成⻑した社員が更に活躍できるフィールドの提供 • どこでもやっていける社員の育成と輩出 • 企業理念とカルチャーを体現する挑戦を続ける 拡⼤期
  32. 47 本⽇のまとめ • 経営者は給与0円でも動ける⾝軽さと蓄えを持っておく • 経営に悩んだら企業理念とカルチャーの明⽂化 • 現場よりも先に責任者やマネージャを採⽤する • 社員が⾔うことはだいたい正しいから任せる

    • 明⽇会社が潰れてもやっていける社員の輩出 • 事業は⾃分事の情熱と繰り返しの失敗と副産物がカギ • 無名な会社ほど情報発信に勝るマーケはない • 事業の成⻑はマーケットサイズに依存する • 謎のポジティブ思考はすべてを凌駕する • やはり売上はすべてを癒やす
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