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Scrum Guide Expansion Pack 徹底解剖
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Sonjin Yamamoto
October 04, 2025
Technology
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23
Scrum Guide Expansion Pack 徹底解剖
2025/10/4 スクラム祭り 2025 福井セッション
川口恭伸さん、長沢智治さん、和田圭介さん、内山遼子さんと5名で講演
Sonjin Yamamoto
October 04, 2025
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Transcript
Scrum Guide Expansion Pack 徹底解剖 2025/10/4
2025/8/27 Scrum Guide Expansion Pack 日本語版を公開 https://scrumexpansion.org/ja/
2025/8/28 日本語版を披露宴しました https://youtu.be/-X5T-v9cnHU
私たちは、多くのチームが成果やインパクト、リーダーシップ、さらに は人工知能に苦労しているのを目にしました。 そこで、シンプルかつ力強い精神を保ちながら、 これらのテーマに関する明確な指針を追加しました。 2020年以来、世界は大きく変化しました。 拡張パックは、単なるアウトプットの提供を超えて、 戦略とチームをより強く結びつけ、 真に価値あるプロダクトを生み出す手助けをします。 John Coleman,
Ralph Jocham, Jeff Sutherland Scrum Guide Expansion Pack への想い
訳者紹介 内山 遼子 Scrum Inc. Japan Agile Coach, Unlock Co-Founder
山本 尊人 Scrum Inc. Japan Agile Coach 川口恭伸 Yesnobut 代表取締役社長 長沢 智治 サーバントワークス 代表取締役 和田 圭介 SmartHR Agile Coach, Unlock Co-Founder
日本語版に込めた思い みんなで 学ぼう 変化に適応 していこう
複雑性 創発 リーン思考 経験主義 ケイデンス Scrum Guide Expansion Pack の中身
スクラムの拡張 スクラムの役割 スクラムの作成物 スクラムのイベント スクラムを支援・補完する理論 プロダクト思考 ディスカバリー 第一原理思考 人と変化 適応力のある企業 披露宴はこっち 今回はこっちを徹底解剖
スクラムの役割
複雑性 プロダクト構築のような 複雑な作業 においては、 既知よりも未知のことが多く 、 専門知識だけでは 価値があるものの不十分で、 原因と結果の関係は後から 振り返って初めて明確になる。
間違っている 可能性がある 予測不可能性 に対処する 必要がある チームの多様性 と経験主義が鍵 現れたり薄れたり 重要性も変化
拡張パック 2020版 スクラムチーム 開発者 プロダクト オーナー スクラム マスター プロダクト 開発者
プロダクト オーナー スクラム マスター ステーク ホルダー 3つの責任 4つの役割・3つの説明責任 サポーター 自律性と 認知的多様性を持つ 協調的なチーム アウトカム獲得のために 時代遅れの原則を手放す =アンラーンする 意欲を育む 保有すべきスキル ディスカバリー デリバリー 価値実現 複雑性の中にいる スクラムチームは 何を学ぶかを 事前には知り得ない サブチーム/階層なし 小さなチーム (10人以下→人数の記載なし) 機能横断 自己管理 持続可能なペースにより 集中と⼀貫性が向上 Accountability 2020年版「責任」→拡張パック「説明責任」とした responsibility「遂行責任」ではないことを明確にするため AI
自己管理スクラムチーム 自己管理スクラムチームは、 軌道に乗っているかを(自ら)チェックし、 軌道に乗っていない時に(自ら)アクションを取り、 どのように働くかを(自ら)決定し、 スクラムチーム内の対立を(自ら)解決し、 スクラムチーム内の問題を(自ら)修正する。 価値を中心に組織 創造的な問題解決と
創発にとって不可欠 直接的/間接的に関わらずマ ネージャーが 決めることはない 非階層的な組織構造のもとでチームの自律性を促進し、意思決定の効率化を図る
プロフェッショナリズム プロフェッショナリズムとは、 優秀性を追求し、 尊敬・透明性・説明責任を持って 価値を提供するために協働することである。 状況に関係なく 常にやることと 絶対にやらないことがある プロダクト全体に対して 全面的に説明責任を負う
ソフトウェア開発では 技術的卓越性 が含まれる
拡張パック 複数の人間がいると 認知的多様性が向上し 複雑性に対応 2020版 プロダクト開発者 開発者 プロダクト開発者 スプリントの計画を作成 スプリントゴール達成のための
創発的な計画を作成 完成の定義により 品質を作り込む アウトプット完成の定義により 改善し品質を作り込む アウトカム完成の定義により データなどを通じて学習する スプリントゴールに向けて毎日計画を適応させる 専門家として お互いに責任を持つ プロフェッショナルとして お互いに責任を負う 実質的な改善 毎スプリント少なくとも1つの インクリメントを作成 成果物ではなく 価値の検証に 説明責任を持つ存在に 人間でも自動化された 存在でも良いが 少なくとも1人は人間 2020年版「開発者」→拡張パック「プロダクト開発者」
拡張パック 2020版 プロダクトオーナー ステークホルダーの エンゲージメント・期待の理解 トレードオフのバランスを取る 価値・速度・品質・風土等 アウトカム完成の定義に対する 最終決定権 プロダクトゴールを策定し、明確に伝える
PBIの作成と並び替え、コミュニケーション PBIの透明性、理解 プロダクトのナラティブ アウトカムを効果的に伝える 高品質な価値の創造・ディスカバリー ・デリバリー・検証の促進 プロダクトマネジメント 活動 長期的な価値の最大化 チームの管理・監督に 時間を費やすと 価値創造の機会が奪われる POは1人の人間 委員会やテクノロジー ではない 組織から権限を委譲 ステークホルダーは POの意思決定を尊重 優れたスキルが求められる 意思・準備・能力のない POは退くべき
拡張パック スクラムマスター 模範を示してリード Leads by example 組織を横断する チェンジエージェント SMは1人の人間 委員会やテクノロジー
ではない 複雑性 価値の流れ リーン その他補完理論を理解 変革の担い手となる 意思・準備・能力のない SMは退くべき 他者の成功への貢献を 大きなやりがいとする 過保護な親のような 振舞いはチームの 成長を妨げる 誤ったスクラムマスター像 チーム 管理者 進捗 管理者 タスク 指示者 ルール 決定者 会議室 予約係 議長 調整役 ヒーロー レポート 管理者 任せて 不在 スクラムマスターは、スクラムチーム・ステークホルダー影響を受ける人々が 経験主義・自己管理・スクラム適用の効果性を高めることに説明責任を負う。
拡張パック スクラムマスターの支援 スクラムの 理論と実践の理解 継続的改善 コラボレーション の促進 適切なアウトプット 完成の定義 自己管理と
機能横断な行動 スクラムイベント 建設的・生産的 障害物の除去 スクラム チーム プロダクト オーナー ステーク ホルダー サポーター 組織 適応性の改善 価値の流れの最適化 気持ちに共感し 自信を育む チームが主体的に 行動・変革する 価値基準に沿った 効果的な行動 デリバリーと フィードバック さまざまな形で支援 プロダクトゴールおよびアウトカム完成の定義の実現のために、アウトプット完成の定義を満たす 価値の高いインクリメントの作成することの重要性を理解できるように支援する
• 人が使うのはプロジェクト ではなくプロダクト ◦ プロジェクト : 期限のある取り組み ◦ プロダクト :
短期的な成果 × 長期的な視点 • ゆえに、スクラムではプロダクト オーナーを設けている ◦ 勇気と謙虚さ、協働と建設的な衝突 • プロダクトにおける短期と長期のトレードオフ: ◦ 短期「ここ(Here)と今(Now)」: アーリーアダプターの獲得、利用拡大 ◦ 長期「そこ(There)とその時(Then)」: 「キャズム越え」、改善と拡張、顧客生涯価値 • 短期偏重の副作用 ▪ 技術的負債の蓄積、士気の低下、アウトプット偏重 プロダクト思考
ステークホルダー 法律やAIなどの無機物もス テークホルダー ステークホルダーとチームの相互作用をうむやり取りを 意図的かつ定期的にもつことが何度も主張されている 顧客 ユーザー ベンダー インフル エンサー
意志 決定者 チューザー 特定分野の エキスパート 資金 提供者 同僚 マネジャー チームの活動・アウトカムに関心を持ち、影響を受けたり与える存在・個人・グループ 法 律 AI 立法者
ステークホルダーとの意図的・定期的相互作用の事例
ステークホルダーとの意図的・定期的相互作用の事例
サポーター • スクラムチームを支援するステークホルダーであるチェンジエージェント • スクラムチームの要求に応じて、組織のワークフロー・プロセス・システム・プロダクト・サービス・作 業環境がスクラム適用と創発と一貫するようリーダーシップを発揮 • スクラム適用の規模・組織範囲によって必要なサポーターは変わる • 経営層はサポーターが支援できる環境を育む上で重要な役割を持つ
HR マーケ ティング 財務 調達 スクラム導入 経験者 特定分野の エキスパート 資金 提供者 同僚 マネジャー ガバナンス 監督
None
サポーター
人工知能 • AIにより、透明性・検査・適応、データドリブンの意思決定を強化し、 人間のスクラムチームは戦略的・創造的・倫理的な検討に集中でき、 スクラムチームの能力を大幅に拡張させる • すべてのアウトカムに対して人間に説明責任がある(POとSMは1人の人間) 価値あるアウトカムの提供・エビデンス評価・プロフェッショナリズムの遵守 ストーリーポイントの自動見積り(例:AIが過去の類似作業から予測・提案) インパクトの大きい課題の自動検出
レトロスペクティブ用に感情分析やパターン抽出 バーンダウンチャートの自動生成と異常値の検出
スクラムの作成物
拡張パック 2020版 作成物 作成物と確約(コミットメント) 確約 プロダクト バックログ プロダクト ゴール スプリント
バックログ スプリント ゴール インクリメント 完成の定義 作成物 確約 プロダクト バックログ プロダクト ゴール スプリント バックログ スプリント ゴール インクリメント アウトプット 完成の定義 プロダクト アウトカム 完成の定義 透明性・検査・適応を強化し、 経験的プロセス制御を可能に 透明性・検査・適応を強化し、 経験的プロセス制御を可能に
確約:アウトカム完成の定義 ステークホルダーに継続的な価値を提供する存在 以下の形で表れる: ◦ 体験:ユーザーの課題を直接解決する ソリューション ◦ プラットフォーム :体験を支える基盤やツール セット
◦ 形態:サービス、物理的製品、デジタル 製品、ハイブリッドなど多様 特徴 ◦ 進化的で長期に存続 ◦ 単一のプロダクトバックログを持つ 作成物:プロダクト • プロダクトが実現する価値の 測定基準 • 「エビデンス(証拠)」を予め決めておくこと • 本当に価値が出たかを確認できる • バイアスや思い込みを減らせる • 将来の改善につながる • プロダクト全体 • 特定のプロダクトゴールや機能 • 定量:数値データ(利用率、時間短縮、収益 etc) • 定性:観察やフィードバック • プロダクト利用データや戦略的指標を活用 • 状況証拠ではなく 直接的な証拠 を重視 • UX/CX負債を含めて追跡・改善が必要 • スプリント中いつでもチームが参照可能 何 か ? ポ イ ン ト • 理想の体験と現状のギャップを埋める • 顧客価値とプロダクト品質を両立 • 成果指標に基づく明確なビジョン・戦略・ゴール を持つ • 学びを活かし、創発的に拡張する 何 か ? 目 的 対 象 基 準 ポ イ ン ト
確約:アウトプット完成の定義 作成物:インクリメント 何 か ? ポ イ ン ト 何
か ? 特 徴 役 割 • アウトプット完成の定義 に従って完了した作業を 統合したもの • アウトプットであり、 リリース可能な プロダクトの候補 • スプリントで複数のインクリメントを作成可能 • 各インクリメントは必ず 検証済み・利用 可能・統合済み • 集約されたインクリメントはスプリント レビューで検査される • 結果フィードバック を可能にし、継続的な 価値検証の中心となる • 品質基準を満たさないものは「インクリメント候 補」に留まる • リリース可能なのはインクリメントのみ • プロダクトゴールに向けた具体的な一歩となる • スクラムのコミットメントの一つ • インクリメントをステークホルダーに提供可能にす るための品質基準の正式な記述 • 技術的標準 とプロダクト品質 の両方を含む • 組織に最低限の基準がない場合、スクラムチー ムが定義する • 複数のスクラムチームが関わる場合は 共通の基 盤として共有 しつつ改善可能 • 累積的 であり、すべてのインクリメントに適用され る • 個々の受け入れ基準とは異なる (全体的な品質 基準) • スクラムチームはこれを遵守・改善する義務を持 つ • プロダクトとステークホルダーの利益のために存 在する • アウトカム完成の定義による価値検証を可能に する 前提条件
アウトプット完成の定義 VS アウトカム完成の定義 アウトプット完成の定義 アウトカム完成の定義 対象 インクリメント プロダクト/プロダクトゴール 基準の性質 内部的な品質基準 • 技術的標準や品質の保証
外部的な価値検証 • ステークホルダーの満足 • ステークホルダーの行動変化 用途 プロダクトが組織が求める技術的標準や品質を 満ちしているかを確認し、プロダクトの健全性を 保ち続ける プロダクトが本当に価値が出ているか?今後の何を改善するか? を検証し、今後のプロダクトゴールやプロダクトバックログの優先 順位に適用 例 • 単体テスト完了済み • 結合テスト完了済み • 回帰テスト完了済み • セキュリティテスト完了済み • 負荷テスト完了済み • 顧客:満足度が上がった、コストが下がった • ユーザー :タスクが早く終わる、新機能を使っている • ビジネス :市場シェアや収益が改善した • チーム :リリース頻度が増えた、技術的負債が減った
確約:プロダクトゴール 作成物:プロダクトバックログ 何 か ? 特 徴 何 か ?
特 徴 • プロダクトゴール達成に必要なアイテムの一覧 • 順番に並べられ、常に進化(創発)する • 唯一の情報源 として透明性を提供 • プロダクトオーナーが価値を意識して順序付け • 小さいほど透明性が高い • チームが「フィーチャーファクトリー」にならないよ う、アウトプットよりアウトカムに集中 プロダクトバックログの構成要素 PBI 受け入れ 基準 成果 基準 (NEW) • 潜在的に価値のある作業単位 • 問題や機会に対応するための要素 そのアイテムが いつ完了かを 判断する 具体的条件 アイテムの 「なぜ(Why)」を明 確にし、 アウトカム完成 の定義を補完 リファインメント を通じて継続的に明確化 • プロダクトバックログを通じて表現される 単一 の戦略的・野心的な目標( Why) • プロダクトオーナーが責任を持つ • チームの集中の源 • スプリントゴール(戦術的な Why)と連動し、方 向性を与える • 達成 or 放棄されるまで次に移れない • 多くの場合「価値に関する仮説」として設定され る • 検査・適応を通じて学習し、修正され得る プロダクトビジョンとゴールの関係 • プロダクトビジョンは未来の可能性を見える化し、 実験を重ねるための方向性を示す • プロダクトゴールは、ビジョンを実現するための 中 期的な踏み石 • プロダクトビジョンとゴールも、検査と適応で変化 する
確約:スプリントゴール 作成物:スプリントバックログ 何 か ? 特 徴 何 か ?
特 徴 • スプリントの唯一の統一された目的( Why) • スプリントプランニングで作成される • 達成はプロダクト開発者による確約 • スプリントバックログ( Why・What・How)は進化 する作業に柔軟性と集中をもたらす • スプリントゴールがあることで、 協力して作業す ることを促進 • 予想外の事態が発生しても、ゴールを守りなが ら対応を調整する • 誰も開発者に「見積りや進め方」を指示すること はできない(自律性の尊重) • 以下で構成 ◦ スプリントゴール( Why) ◦ スプリントのために選ばれたプロダクト バックログアイテム( What) ◦ インクリメントを提供するための実行可 能な計画(How) • スプリント全体の 透明性を高める計画 • 開発者による、開発者のための計画 • スプリントゴールを達成するために必要な作業 を開発者視点でまとめる • 計画はスプリント中に学びに応じて更新される (進化する計画) • 最初は小さくてもよい(例: 1〜2アイテムから開 始可能) • デイリースクラム等で進捗を検査・適応しながら 前進 • 多くのアイテムがプロダクトゴールと関係しない 状態が続くと、スクラムの集中と確約の価値を 損なう スプリントゴールとプロダクトゴールの関係 • ビジョン → ゴール → バックログ → スプリントゴー ル の階層構造 • スプリントゴールがプロダクトゴールの方向性が揃う ことでチームの集中と確約が生まれる
まとめ:作成物と確約の全体像 作成物 確約 確約の役割 プロダクト アウトカム完成の定義 外部的価値の検査と適応 インクリメント アウトプット完成の定義 内部的価値の検査と適応
プロダクトバックログ プロダクトゴール 戦略的な方向性の検査と適応 スプリントバックログ スプリントゴール チームの協力の促進 前提 アライン
スクラムのイベント
スクラムのイベント 新しい概念の追加 • 結果からのフィードバック - 頻繁なリリースの重 要性 • アウトカム完成の定義 -
インクリメントだけでなく アウトカムを重視 • 価値のフロー - エンドツーエンドのフロー重視 タイムボックスの再定義 「タイムボックスとは、スクラムで定義 されているイベントの開始から終了ま での経過時間の上限を規定したもの である。そのすべての時間を使い切 ることを期待したものではない。 」 「スクラムにおけるタイムボックスの 目的は、そのイベントの本質的な作 業に絞ることを促し、望ましい成果を 迅速に達成するための集中を生み 出すことである。」
スプリント 追加された内容 • 「可能な限り早期かつ頻繁にリリース」を明 記 • 作業は並行して発生(線形的ではない) • 「ミニプロジェクト」という比喩 補完的プラクティス(新規言及)
• バーンダウン、フロー分析、モンテカルロ法な ど • ただし経験主義を置き換えるものではない リリースとフィードバックの重視 「インクリメントは早期の結果からのフィードバック(結果 フィードバック)の必要性を考慮し、可能な限り早くリリース される。一部のステークホルダー(顧客、意思決定者、 ユーザーを含むがこれらに限定されない) へリリースがさ れていないと、タイムリーに結果からのフィードバック(結 果フィードバック) が得られなくなる。」 短縮に必要な能力 「スプリントを短くするには、リファインメント、垂直スライス、 技術ドメインおよびビジネスドメインの知識といった能力の 向上が求められる 。」 ミニプロジェクトとしての視点 「スプリントは、明確な成果、定められた期間、明確なコスト を持つミニプロジェクトと考えることもできる。ただし、さまざ まな作業は並行して発生し、順序が定められた線形的な 方法では実行されない 。」
スプリントプランニング 構造の明確化 • Why(戦略的) → What(選択) → How(自律的) 重要な追加 過負荷への警告
• 成功するチームは作業を早めに完了できるよう計画 • バッファを設ける • ベイジアン・サプライズ - 慢性的過負荷や突然の変化によ る過度なストレス 自律性の強調 • プロダクトオーナーでさえ作業の割り当て・押し付けは不可 過負荷への警告 「成功するスクラムチームは過剰な負荷をかけない。 実際、成功するスクラムチームは作業を早めに完了 できるよう計画し、予期せぬ事態に備えてバッファを 設けることもある 。」 「慢性的な過負荷や突然の変化は、Jeff Sutherland が『ベイジアン・サプライズ 』と呼ぶ過度なストレスを引 き起こし、スクラムチームの心理学的フローやパ フォーマンスに悪影響を及ぼす。」 自律性の強調 「作業の進め方はプロダクト開発者の裁量に委ねら れている。他の誰もプロダクト開発者に作業の方法を 指示することはできない。プロダクト開発者は自ら作業 を選択する。プロダクトバックログアイテムをプロダクト 開発者に割り当てたり押し付けたりすることは他の誰 にもできない。プロダクトオーナーであっても、それは 同様である。」
デイリースクラム 新しい目的 • スプリントゴール達成済みなら、 プロダクトゴールに向けて協働 価値のフロー促進(新規) • 一度に1つまたは少数のアイテムに集中 • 進行中のアイテムを少なく
• 新しい作業より完了を優先 監視対象の変化 • 「稼働していない人」 →「停滞している作業」 スプリントゴールがすでに達成されている場合、プロ ダクト開発者はプロダクトゴールに向けた意味のあ る進捗について協働する。 価値のフローを促進し、潜在的なアウトカムをより早 く実現するために、プロダクト開発者は一度に 1つま たは少数のアイテムに集中し、他のアイテムの作業 を開始する前にアウトプット完成の定義を満たすべ きである。プロダクト開発者は、集中し、進行中のア イテムを少なくし、新しい作業を開始するよりも能動 的に作業を完了することで、これを達成することがで きる。 プロダクト開発者が監視するのは、稼働していない 人ではなく、停滞している作業である。
スプリントレビュー 検査対象の拡張 • アウトカム完成の定義 • 結果からのフィードバック • 副次的な影響 • 現時点かつ最新の指標
ステークホルダーの再定義(新規) • 顧客、ユーザー、意思決定者など • 法律など、生物でも人間でもないものも 含む エビデンスベース(新規) • 理想的にはエビデンスや観察結果に裏打 ちされる 通常、スクラムチームは現在のプロダクトゴールを共有し、アウトプット 完成の定義とアウトカム完成の定義をステークホルダーに提示する 。 可能であれば、アウトカム完成の定義に向けた進捗の現時点かつ最 新の指標が共有され検討される 。 スプリントレビューは、プロダクトゴール、プロダクトバックログ、スプリント ゴール、学び、インクリメント、ステークホルダーの期待と制約、結果から のフィードバック(結果フィードバック)、副次的な影響 、プロダクトの進 捗状況、市場動向、さらに、将来を見据えた事項 —— 新たに生まれた アイデアや機会、次に取り得る可能性のあるステップなど —— について 検査する。 プロダクトバックログ(何)が適応され、場合によってはプロダクトゴール も、理想的にはエビデンスや観察結果に裏打ちされ 、プロダクトゴール または任意のプロダクトビジョンによって方向づけられる 参加者は将来のスプリントのためにプロダクトのアウトカム完成の定 義を適応させる 。 ステークホルダーと彼らが価値を置くものを考慮することは常に重要で ある。ステークホルダーには、法律といった、生物でも人間でもないも のも含まれる 。
改善の焦点(詳細化) • インクリメント • アウトカム • プロフェッショナリズム (例:スキル、技術的実践、イノベーションの能力) • 検証済み価値のフロー
(例:エンドツーエンド指標、市場投入時間) • 効果性 (例:技術、プロセス、依存関係) • 相互作用とスクラムチームダイナミクス (例:協働、ワーキングアグリーメント) • 情報ラジエーター (例:プロダクトウォール、各種指標) • アウトプット完成の定義 • アウトカム完成の定義 • 指標の自動取得方法 スプリントレトロスペクティブ 検討対象の追加 • 改善方法の合意だけではなく、誤った仮説(チーム を誤った方向に導く仮説) についても検討 実施環境(新規強調) • 心理的安全性のある環境でより効果的 意味のある継続的改善の徹底 • 影響の大きな改善は、できるだけ早く対処する • 単なる改善の議論に終始すべきではない
これは進化する文書 になる予定で、私がいつもやりたかったこと です。GitHubに上がる予定です...私の見解では、 今は物事があまりにも速く進化しているので、この文書を定期的 なペースで進化させないわけにはいきません。 時代と共に進む生きた文書であるべき で、新しいアイデア、新し い技術、何が創発しても、私たちは対処します。 Jeff Sutherland
昨日のメッセージ 「11月リリース予定」 https://www.linkedin.com/groups/11804269/ 2025年9月にリリース予定 • 拡張パックの再構築 以下のドキュメントに分割 ◦ 複雑性 ◦
プロダクト ◦ 戦略 ◦ その他 • 2020版スクラムガイドとの差異を強調 • コンテンツの合理化、簡素化 • AIの可能性の前に危険性の説明を優先 • 将来のリリースでは実用的なガイドを提供 • 現場ストーリー
翻訳に関するレビュー 日本語翻訳もGithubで行っています。 スクラムガイド拡張パック 翻訳 Discordテ キストチャンネル 継続的な議論やレビューワー希望の方な どもこちらで声かけてください! https://discord.gg/MES6z6Ta6A SGEP
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