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今ある機器をIoT化!遠隔監視の導入から継続的な運用手法【SORACOM Discovery 2022】

今ある機器をIoT化!遠隔監視の導入から継続的な運用手法【SORACOM Discovery 2022】

2022年7月7日(木)SORACOM Discovery 2022 ONLINE セッション資料です。

今ある機器をIoT化!遠隔監視の導入から継続的な運用手法

IoTの具体的な用途に、離れた場所で稼働する機器の状態を知る「遠隔監視」があります。従来は大がかりな通信設備が必要でしたが、昨今はLTEや5Gといった通信をIoT向けとして用いることで、あらゆる現場の可視化ができます。本セッションでは、既存のインフラ監視装置とIoTを組み合わせた事例を元に、今ある機器のIoT化の手法から、現場に役立つ継続的な運用手法を紐解きます。

東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社設備部電力課 今 陽
株式会社ソラコム ソリューションアーキテクト 須田 桂伍

SORACOM
PRO

July 07, 2022
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Transcript

  1. 今ある機器をIoT化!遠隔監視の導入から
    継続的な運用手法
    東日本旅客鉄道株式会社
    新潟支社 設備部電力課
    今 陽 様
    株式会社ソラコム
    Solutions Architect
    須田 桂伍

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  2. 講演にあたり
    本セッションは、メディアおよびSNSやBLOG記事
    などでのレポートは不可となっております。
    ご協力をお願いいたします

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  3. 遠隔監視を実現するために必要な要素
    ● データへのアクセス
    ● 蓄積
    ● 可視化
    ● 検知

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  4. 遠隔監視は2つのタイプ
    現場の機器へリモートアクセス、
    機器を直接操作
    ✔ 地理的・時間的な課題を解決
    直接アクセス型
    遠くに離れた現場の現状を知る
    現場のデータをクラウドに蓄積、
    蓄積されたデータを見る
    ✔ 他のデータとの組み合わせや情報共有、
    通知や予知等のアプリケーション利用
    データ蓄積型

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  5. 不正アクセスを
    防ぎたい
    通信の準備に
    手間取る
    直接アクセス型

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  6. 直接アクセスを手軽・安全に実現すSORACOM
    ネットワーク上の
    機器
    社内サーバ
    USB 型 LTE モデム
    SORACOM Onyx
    産業用 LTE ルーター
    Teltonika RUT240
    LTE で
    回線工事が不要
    オンデマンド・リモートアクセス
    SORACOM Napter
    デバイス LAN
    SORACOM Gate
    ISDN のような
    一時利用
    専用線のような
    常時接続
    不正アクセスを
    回避しつつ
    リモートアクセス
    直接アクセス型

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  7. アプリケーションの
    準備をどうすれば?
    デジタル化は
    どうすれば?
    データ蓄積型

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  8. 現状別「データ蓄積」のプロセス
    現場では
    デジタル化済み
    何もない
    または
    デジタル I/Fのみ
    センサー内蔵 IoT デバイス
    センサー + マイコン
    アプリケーション
    現場に
    既存設備あり
    デジタル I/F オプション
    カメラ
    制御用 PC、
    通信機能付き PLC
    人的運用、
    接点、RS-232C/485
    電光掲示板
    信号灯、メーター
    データ蓄積型

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  9. 現場のデジタル化済みデータをクラウドへ蓄積
    ネットワーク上の
    機器
    社内サーバ
    USB 型 LTE モデム
    SORACOM Onyx
    産業用 LTE ルーター
    Teltonika RUT240
    データ収集・蓄積
    SORACOM Harvest
    ダッシュボード作成・共有
    SORACOM Lagoon
    IoT データの
    蓄積先
    データ共有や
    通知などの活用
    LTE で
    回線工事が不要
    アプリケーションも
    SORACOM で揃う
    他のクラウドへの
    転送も可能
    データ蓄積型

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  10. 遠隔監視の運用
    https://speakerdeck.com/soracom/soracom-tech-days-2021-day2-9

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  11. まとめ

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  12. 東日本旅客鉄道株式会社
    新潟支社
    IoTで、高圧ケーブルの故障表示器
    を遠隔監視。すばやく故障地点を
    特定し、駆けつけ困難な場所でも
    復旧までのダウンタイムを軽減。
    利用したSORACOMサービス:SORACOM Air,
    Harvest, Lagoon
    導入事例
    運輸・物流
    協力パートナー: 旭光電機株式会社

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  13. 今 陽 様
    東日本旅客鉄道株式会社
    新潟支社 設備部電力課

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  14. 既設高圧ケーブル故障表示器を
    遠方監視化する無線通信機の開発
    (開発パートナー:旭光電機株式会社)
    東日本旅客鉄道株式会社
    新潟支社設備部電力課
    今 陽

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  15. JR東日本における技術開発
    「現場第一線の技術開発」制度について
    現業機関において発生する技術的改良及び改善問題を対象とし、
    当該箇所の社員自らが技術開発に取組む
    開発期間:最長2年間
    開発予算:上限600万円
    開始時期:年4回(四半期ごと)
    列車運行における安全の確保および安定輸送の確保、
    合わせてコスト低減などを目的とする

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  16. 本開発の背景
    高圧ケーブル:
    鉄道信号機に電源を供給している高圧配電線路
    故障表示器:
    高圧ケーブルの故障した箇所を識別することが可能
    現地で表示を確認する必要がある






    故障表示器
    R
    S
    T
    高圧ケーブル
    故障表示器
    高圧配電線路の模式図

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  17. JR東日本新潟支社の保守エリア
    CopyrightcNTT空間情報 All Rights Reserved
    支社境界(秋田)
    会社境界(とき鉄)
    羽越本線
    信越本線
    上越線
    越後線・弥彦線
    支社境界(高崎)
    陸羽西線(非)
    磐越西線(非)
    飯山線(非)
    只見線(非)
    新潟駅
    支社境界(仙台)
    白新線
    米坂線(非)
    支社境界(仙台)
    支社境界(仙台)
    支社境界(長野)
    支社境界(仙台)
    0 100km
    50km

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  18. 高圧ケーブルに故障が発生したら
    故障を目視するために現地
    に行く必要があるため、
    ダウンタイムが大きい
    故障発生
    (二重系の区間)
    予備側のケーブルで供給が始まる
    (それ以外の区間)
    信号が滅灯するため列車が運行停止する
    (大きな故障の場合)
    ・変電所経由で電力指令へ発報
    ・電気の供給が止まる
    ・現地の故障表示器も動作
    (小さな故障の場合)
    ・電気の供給は止まらない
    ・現地の故障表示器が動作
    ・放っておくと大きな故障に発展
    現地にて巡回し、故障点を探索する
    (ケーブル以外が原因の事もある)
    日々の巡回により故障表示器の表示を確認
    修繕・復旧 遠方監視のアイデア

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  19. 開発する上での課題と開発後の効果
    ①通信装置設置・維持運用のコストが大きい
    ②監視するための消費電力が大きい
    近年汎用化した技術の活用により解決!
    ・長寿命の電池
    ・常時電流を流さず、省電力で監視する
    ・省電力無線通信
    ・クラウドサービス
    開発前
    開発後
    高圧ケーブル故障による
    ダウンタイム合計
    95~220分
    60~120分
    最大100分
    短縮可能
    ※故障箇所を特定するために
    電気設備を細かく区切ること

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  20. 開発品の概要
    200mm
    200mm
    開発品
    故障表示器
    (既設)
    ・既設の故障表示器に後付けが可能
    ・低コスト(~1000円/月・箇所)で運用が可能
    ・10秒に1回状態確認、故障発生時にメール通知
    ・1日1回通信端末の健全性確認、クラウドへ送信
    ・故障表示器の情報をSORACOM Air搭載の監視用通信機から送信
    ・Harvestでデータ収集しLagoonで可視化/通知を実現

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  21. 評価結果:フィールド試験
    フィールド試験項目
    ⅰ. 取付け試験 結果:準備 30分/1人、取付 15分/2人
    ⅱ. 通信試験 通信が困難と予想される29箇所を選定
    (例.トンネル付近、民家のない地域)
    結果:全ての箇所で通信可能
    ⅲ. 投雪の衝撃に対する耐久性試験(冬季の越後湯沢 58日間)
    結果:試験中・回収後で設計通りの動作を実現

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  22. 開発後の動向
    ・2021年度工事にて羽越本線に3箇所導入済
    (越後寒川構内、越後寒川・勝木間、府屋・鼠ヶ関間)
    ・JR東日本技術開発成果発表会2021(2021.7.5~16開催)にて、
    技術イノベーション推進本部技術戦略部門部長表彰を受賞
    ・今後も新潟エリアへの導入を進めると共に、新潟に限らず水平展開を目指す
    使用しているソラコムサービス
    ・SORACOM Air plan-D
    ・SORACOM Harvest
    ・SORACOM Lagoon
    3箇所導入で月額約2,400円で運用中

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  23. まとめ
    【開発前】
    ・列車運転再開までのダウンタイムが長くなる
    ・川沿いやトンネル内など、確認するにあたり危険が伴う箇所も
    【開発後】
    ・現地での表示確認が不要となり、安全なトラブル対応を実現
    ・巡回人員の削減や故障箇所特定から復旧までのダウンタイム短縮により、
    労働者人口の減少や働き方改革、生産性向上等の各施策に対しても有効
    ・ダウンタイムの短縮により、列車をご利用されるお客さまへのサービス
    向上に繋がる

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  24. SORACOM の願い
    クラウド ⇒ 多くの Web サービス
    SORACOM ⇒ 多くの IoT システム
    日本から、世界から、たくさんの
    IoT プレイヤーが生まれますように

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  25. IoTの「つなぐ」を簡単に
    You Create. We Connect.

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