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助太刀の組織の変遷から見る プロダクトマネージャーのお仕事

助太刀の組織の変遷から見る プロダクトマネージャーのお仕事

株式会社助太刀

October 26, 2023
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  1. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 自己紹介 2 経歴 01

    グリー株式会社 仕事内容 02 ⽉澤 拓哉 Employee Introduction 助太⼑の開発組織作り 業界を変えられるサービスを⽣み出せる開 発組織を作る仕事 執⾏役員 CTO  技術負債の返済と開発サイクルの効率化、 社員旅⾏ 1987年⽣まれ 秋⽥県出⾝ 北海道⼤学⼤学院 情報科学研究科卒 激⾟料理、お酒、格闘技、 筋トレ X @tksw_009 SNS 好きなこと 03 株式会社ジーニー  主にバックエンド開発、 開発組織作りや開発の内製化などに従事 2020年11⽉ VPoEとして⼊社 2021年6⽉ 執⾏役員就任 2022年11⽉ 執⾏役員CTO就任 株式会社助太刀  2013.04- 2017.03- 2020.11- 今やっていること これからやりたいこと
  2. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 4 助太刀の提供サービスについて 協⼒会社 /

    職⼈を集める 正社員採用 ⼯事会社の⼈⼿不⾜を、マッチングと正社員採⽤で解決 社員を採⽤する
  3. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved ビジネスモデル  toB toC ⼯事会社

    職⼈ ビジネスマッチング(取引先) 社員を集めたい アプローチ 受注 掲載/スカウト利⽤料 ⽉額利⽤料 ⼈⼿不⾜という1つのニーズに対して2つのサービスを提供して解決 採⽤サービス(正社員) 求⼈広告/スカウト 求⼈掲載/ スカウト 求⼈応募 協力会社/職人を集めたい 新しい取引先を⾒つけたい 社員になりたい ⽉額利⽤料
  4. Confidential Copyright©2019 Sukedachi Inc. All Right Reserved Confidential Copyright©2020 Sukedachi

    Inc. All Right Reserved 登録事業者数 20万事業者 突破! 登録事業者数 圧倒的No.1 サービス実績 協⼒会社マッチング マッチング数 5,000 件/⽉ 正社員採⽤ 求⼈掲載数 230 社/⽉ 求⼈応募数 200 ⼈/⽉ 緊急事態宣⾔ 登録事業者数と実績
  5. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 200⼈ 従業員の推移 従業員数 0⼈

    50⼈ 100⼈ 150⼈ 2018.2 2019.2 2020.2 2021.2 2022.2 2023.2 7 23 26 34 100 165 22年3⽉~23年2⽉で従業員200%増加! 2022年8⽉時点で組織⼈数 170名超え
  6. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 9 今⽇のセッションで話すこと • 創業から今に⾄るまでのプロダクト組織の変化を分類

    • PM不在の組織からPM組織がどう⽴ち上がってきたか • 各組織フェーズでのPMに求められていたものを整理 PM 2023年 現在 150名 2022年 過渡期 2021年 成⻑期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名
  7. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 10 今⽇のセッションで話すこと PM 2023年

    現在 150名 2022年 過渡期 2021年 成長期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名 こんな⼈におすすめ ✓ PM組織をこれから作る / 発展させたいひと ✓ 会社のフェーズと現在のプロダクトマネージメントに疑問を持ってるひと ✓ プロダクトマネージメントで他社事例聞きたいひと ✓ 組織がわりとカオスな状態でPMやってるひと
  8. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 2023年 現在 150名 2022年

    過渡期 2021年 成⻑期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名 11 助太⼑の組織の変遷は5つに分けられる
  9. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 2023年 現在 150名 2022年

    過渡期 2021年 成⻑期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名 13 PICK UP
  10. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 創業期(社員数:6⼈) 14 - 社⻑とデザイナー2⼈3脚

    - 開発はオフショアメイン CEO CPO 開発チーム オフショア エンジニア - 1⼈ デザイナー - 1⼈ 20⼈ 創業期の体制 リリース内容
  11. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 創業期(社員数:6⼈) 15 プロジェクトA CEO

    デザイナー 要件定義 仕様作成 開発 テスト リリース 開発チーム(ベトナムオフショア) CEO デザイナー 要件定義 仕様作成 開発 テスト リリース 開発チーム(ベトナムオフショア) プロジェクトB 基本⼤型のウォーターフォールで進⾏
  12. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 創業期(社員数:6⼈) 16 ‧⼿探りで、不具合改修など  まずは「作ったものを成り⽴たせること」で精⼀杯

    ‧(創業者の)構想はあるので次々に新機能を搭載 市場にペインは明確に存在しており、マーケティングの効果も あり順調にユーザーを伸ばしている。 新機能もどんどん投⼊しており、拡⼤している実感もある。 ただどこか「⼿探りでやっている」という感覚 他の会社はどうしているのだろう?
  13. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 創業期(社員数:6⼈) 17 • PM

    ≒ CEO • PMFを⽬指す 創業期のPMの役割 創業期のPMの課題 • 課題しかない • そもそもPMとかない
  14. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 2023年 現在 150名 2022年

    過渡期 2021年 成⻑期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名 19 PICK UP
  15. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 形成期(社員数:15⼈) 20 CEO 開発チーム

    エンジニア - 4⼈ デザイナー - 1⼈ デザイン コンサル ビジネス サイド COO オフショア 10⼈ NEW! NEW! - デザインコンサルと協⼒ - メンバーが増えた(ビジネス / エンジニア) - マネタイズがスタートし始めた 形成期の体制 リリース内容
  16. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 21 • 創業期と変わらず ◦

    PM ≒ CEO ◦ PMFを⽬指す 形成期のPMの役割 形成期のPMの課題 • 創業期と変わらず ◦ 助太⼑ではデザイナーがPMをやってた 形成期(社員数:15⼈)
  17. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 2023年 現在 150名 2022年

    過渡期 2021年 成⻑期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名 23 PICK UP
  18. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 成⻑期(社員数:50⼈) 24 - 組織が出来てきた(COO,VPoE)

    - ほぼ内製化 - 内製化が始まったことで開発⼿法を   ⼀部スクラムっぽいものに移⾏ CEO 開発 COO デザイン ビジネス サイド CS Sales NEW! NEW! VPoE NEW! 成⻑期の体制
  19. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 成⻑期(社員数:50⼈) 26 組織が拡⼤し、ビジネスとしても拡⼤した。 事業部も開発部ももう1段組織化が進む。

    しかし....顕在化していなかった問題が表⾯化。 ‧要望がハブ(デザイナー)に集中。どう順番をつければいい? ‧技術的負債が積み上がる & テストが⽢く不具合頻発 組織の成⻑にプロダクトが追いつかない。
  20. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 成長期(社員数:50人) 27 日々の改善 CS

    Sales 開発チームがどのタスクを行うのか担当してい た COO VPoE 様々な事情でやらなきゃいけないこと ビジネスサイド • せっかく売っても不具合で台無し • 要望出しても⼀向に着⼿されない 開発 • 負債やスケジュールに追われ QA⼯数が⾜りない • この施策が何故⾏われるのかわ からない
  21. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 28 📝 PdM要望シート記⼊ 法⼈分科会

    b2c 分科会 求⼈分科会 bizdev マーケ/IS ビジネスサイド代表者 エンジニアチーム 執⾏役員 ⚙ 開発⾒積もり‧共有 要望の共有‧議論‧ 要件決め、次回 Sprint起票分を決定 開発 各部署の起票共有、 全体の優先度決め PdM会議(毎週⽊曜) ‧起票担当󰢨󰢧󰢧 ‧起票担当󰢧󰢧 ‧起票担当󰢨󰢧 ‧起票担当󰢧 ‧起票担当󰢧 プロダクト開発に⾄るフロー
  22. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 29 法⼈営業 求⼈営業 CS

    エンジニア デザイナー マーケ COO VPoE 当時の組織図 メンバー PM担当 メンバー PM担当 メンバー PM担当 メンバー PM担当 EM (PM担当)
  23. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 30 当時の開発プロセス(独⾃カスタムしたスクラム) 社内 要望を集約

    優先度 を決定 EM デザイナー 仕様書作成 EM 開発 開発者A 開発者B ・
 ・
 ・
 マニュアルテスト 出来たものから 依頼 開発 開発 開発 開発 開発 修正 リリース 2週間で出来そうなもの がリリース対象 社内(開発 + 各チームのPM担当) 修正
  24. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 31 • 拡⼤した組織のチーム内で発⽣している課題を集約して開 発に依頼する

    • まだPMというロールは無く、各チームのPM担当が整理 成⻑期のPMの役割 成⻑期のPMの課題 • 課題の集約は出来るが、チームが横断した時に優先順位を つけることができない • 各チームが意⾒を通そうとして、それをまとめることがで きない 成⻑期(社員数:50⼈)
  25. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 2023年 現在 150名 2022年

    過渡期 2021年 成⻑期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名 33 PICK UP
  26. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 過渡期(社員数:100⼈) 34 日々の改善 CS

    Sales 様々な事情でやらなければいけないこと COO VPoE 様々な事情でやらなきゃいけないこと ビジネスサイド 開発 PMに集約
  27. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 過渡期(社員数:100⼈) 35 CEO COO

    VPoE PM NEW! CS Sales QA NEW! デザイナー 開発 - PMチーム誕⽣ - より精緻なスクラム - QAが発⾜しSLOが改善 過渡期の体制
  28. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 過渡期(社員数:100⼈) 36 CEO COO

    VPoE PM NEW! CS Sales QA NEW! デザイナー 開発 - PMチーム誕⽣ - より精緻なスクラム - QAが発⾜しSLOが改善 過渡期の体制
  29. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved Planning 要件定義 / デザイン

    Daily Standup Refinemen t リリース判定 Deploy!! Development Week 1 QA Sprint Backlog Product Backlog Product Roadmap 戦略 要望 Development Week 2 Retrospective Planning Sprint Backlog Product Backlog Daily Standup Retrospective Development Week 1 内製化後期の開発プロセスと組織
  30. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 過渡期(社員数:100⼈) 38 ⼀気通貫でプロダクト改善が ⾏われるようになった

    組織で横断的なコミュニケーションが取れるように仕組み化 • PRD(プロダクト要求仕様書)の導⼊ • ロードマップの策定 • 仕様洗い出し
  31. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 過渡期(社員数:100⼈) 39 • 事業サイドと開発サイドとの間に⽴ち、2つの事業

    部をつなぐ役割 • 全体の優先度を整理して開発できるように 過渡期のPMの役割 過渡期のPMの課題 • 結局PMチームも事業部サイド⾊が強くなり、開発 サイドへの理解が進まないままPRDができあがる • 開発部がまだ受託開発っぽい雰囲気に
  32. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved プロダクト開発における意思決定‧会議体 40 事業戦略 プロダクト⽅針

    ビジネス要件 技術要件 開発実装 内容 価値訴求 事業計画 顧客獲得戦略 ⽬指すビジョン ロードマップ プロダクト戦略 プライシング サービス‧機能内容 技術要件 仕様の不明点 開発着⼿する施策決定 ⾒積もり 会議体 経営会議 プロダクト会議 PMGチェックイン 開発レビュー Sprint planning 決裁者 CEO CEO COO CTO CTO/EM 会 議 参 加 者 CEO(CPO) ✔決定 ✔決定 COO ✔ ✔ ✔決定 CTO ✔ ✔ ✔決定 PM ✔ ✔ ✔ ✔ 開発 ✔ ✔ ✔決定 • 当⾯CEOがCPOを兼務。プロダクト会議でUIの最終意思決定を⾏う • ビジネス要件はCOO‧技術要件はCTOが意思決定
  33. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 2023年 現在 150名 2022年

    過渡期 2021年 成⻑期 2019年 形成期 2018年 創業期 100名 50名 15名 6名 42 PICK UP
  34. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 過渡期(社員数:100⼈) 43 CEO COO

    VPoE PM NEW! CS Sales QA NEW! デザイナー 開発 - PMチーム誕⽣ - より精緻なスクラム - QAが発⾜しSLOが改善 過渡期の体制
  35. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 過渡期(社員数:100⼈) 44 CEO COO

    VPoE PM NEW! CS Sales QA NEW! デザイナー 開発 - 事業部で決めたことを開発が受諾する みたいな雰囲気に - 草案のHowの部分が弱い - 事業部 vs 開発部 過渡期の体制の問題 参考資料: https://note.com/shift_tech/n/n6fb7f9214ee6 事業部 開発部
  36. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 現在(社員数:150⼈) 45 - PMを事業部側のPMM、開発部側のPdMに分割

    CEO COO VPoE → CTO PMM NEW! CS Sales デザイナー 開発 PdM NEW! QA 現在の体制
  37. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 現在(社員数:150⼈) 47 • PRDはPMM/PdMで協⼒して作り上げる

    • WhyはPMM、HowはPdMが中⼼となって整理 PMの仕事をより細分化し、各⾃の得意分野を活かした構成に
  38. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 現在(社員数:150⼈) 48 • 事業部側(PMM)と開発側(PdM)で協⼒体制

    • プロダクトにおいてPMMがWhyを、PdMがHowを考える 現在のPMの役割 現在のPMの課題 • 事業部での意思決定と開発での意思決定が分離す ることで、コミュニケーションコストが上昇
  39. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved PdM/PMMの1⽇ 49 PdM ※多少デフォルメしています

    スクラムイベント (Retrospective) ステータスMTG スクラムイベント (Daily Scrum) PRD ロードマップ作成 PMM ‧チーム定例 ‧他部署連携会議 作業時間 (分析,資料作成etc.) 新規プロジェクト 採⽤活動
  40. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved まとめ 50 創業期‧形成期 成⻑期

    過渡期 現在 PMの役割 PMFを⽬指す PM:デザイナー PMの役割 ⾃チームの開発要望まとめる PM:各チームのPM担当 PMの役割 事業部と開発部の間を担う PM:事業部PMチーム PMの役割 WhyはPMM / HowはPdM PMM:事業部PMMチーム PdM:開発部PdMチーム
  41. Copyright©2021 Sukedachi Inc. All Right Reserved 結論 51 • 会社のフェーズに合わせて組織構造は変化していく

    • 組織が変化するとプロダクト開発周りも⼤きく変化する • プロダクトは組織に⼤きな影響を受ける(コンウェイの法則っぽさ) • プロダクトの舵取りをするPMの組織上の役割は⼤きい • 会社フェーズや状況に合わせた最適な組織体系を⾒つける必要がある