Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

DevRel組織についての考察

 DevRel組織についての考察

こちらは、2022年8月6日開催の、DevRel/Japan Conference 2022での登壇資料になります。

Taiji HAGINO

August 06, 2022
Tweet

More Decks by Taiji HAGINO

Other Decks in Technology

Transcript

  1. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP Taiji Eddie Hagino @taiponrock Please follow

    me! Lecturer, University of Tsukuba Lead Community Manager, Developer Advocate - APAC My books for low-code programming: “Hajimete-no Node-RED”, “Node-RED Katsuyo Manual” (Kogakusha) “Practical Node-RED Programming” (Packt Publishing), etc. My books for developer relations: “Developer Marketing DevRel Q&A”, “Developer’s Career with English” (Impress R&D), etc. My books for OutSystems: “Rapid Application Development with OutSystems” (Packt Publishing) * Foreword Hairdressor Musician Software Engineer Web Designer Product Developer R&D Developer IT Architect Tech Evangelist Dev Advocate Dev Advocate & Community Manager 1997 GLUONS Inc. CEO Accurate Systems SOS Factory Udagawa Office Beaux Cheveux
  2. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP 3 今⽇話すこと 1. DevRelの組織を考える背景 2. DevRel関連職について

    3. 想定しうる所属部⾨ 4. 外資系⽇本法⼈での組織の⽐較 5. まとめ
  3. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP テクニカルエバンジェリスト デベロッパーアドボケイト エバンジェリストはその名の通り伝道師、つまり ⾃社のサービスやプラットフォームを世に広めて いく役割です。特にテクニカル・エバンジェリス トは、⾃⾝のデベロッパーとしての技術⼒を活か

    したエバンジェリスト活動を展開します。 最近はエバンジェリストという名称よりもアドボ ケイトという名称のほうが、DevRel系の求⼈では ⽬にすることが多くなりました。テクニカル・エ バンジェリストとデベロッパー・アドボケイトの 違いについては、⼈や会社によって定義が異なっ ているので、ここでは⼀つの参考説明として「テ クニカル・エバンジェリストの役割に加え、開発 者の声をHQへフィードバックする」役割の⼈とし ておきます。
  4. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP テクニカルコンテンツ・クリ エイター ライター Webサイト編集⻑ DevRelでは、開発者向けに⾊々なコンテンツを作 成し提供していきます。

    また、そういったコンテンツを開発者向けWebサ イトなどで公開していきます。 このあたりを対応するのがテクニカルコンテンツ を作成する担当や、そのコンテンツを管理し公開 するWebサイトの編集⻑だったりします。 コンテンツ作成などはエバンジェリストやアドボ ケイトが⾏うケースも多いですが、Webサイト管 理はだいたいにおいて専任がいるでしょう。
  5. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP コミュニティマネージャー コミュニティマーケター DevRelに⼒を⼊れる企業には、その企業が提供す るプラットフォームやサービスのユーザーコミュ ニティを活性化させる施策を打っていることが多 いです。

    特にグローバル展開している企業であれば、各ロ ーカルに根付いたユーザーコミュニティ(開発者 コミュニティ)を成⻑させるために、このコミュ ニティ・マネージャーという役割で⼈を置くこと でしょう。 場合によっては、MVPやChampion、 Ambassadorプログラムのような、外部アドボカ シープログラムを担当することもあります。
  6. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP プログラムマネージャー テクニカル・エバンジェリストやデベロッパー・ アドボケイトが⾊々なデベロッパー系イベントで 登壇したり、ハンズオンワークショップを実施し たり、ハッカソンをサポートしたりするにあたっ て、年間通してどのイベントにどのように参加す

    るか、また⾃社のオウンイベントとしてどのよう な企画を進めるか、などDeveloper Relationsに 関連するプログラム(≒ イベント)を企画、管理 する⽴場です。 表舞台に出ることは少ないですが、DevRelを推進 する上で重要な役割です。
  7. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP 12 Program Management Writing Books Tech

    Contents Hans-on Workshops Social Media Blogs, Articles Tech Talks Hackathons SPOC for developers Owned Media Community External Advocates 活動範囲
  8. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP 営業部⾨ 主に売上や利益、 案件数や顧客数などの数字を⽬標に置く部⾨です。顧客に対しては企業のフロントマン とも⾔えるでしょう。 Pros Cons

    プリ、ポスト含め既存ユーザー、ポテンシャルユーザー へのリーチが容易。営業⽬的としてバジェットの確保が ⽐較的容易。 部⾨として数字責任が課せられることがほとんどなので、 短期的(⻑くても1年以内)な成果を求められる。DevRel は⻑期的な戦略なので相性が良くない。
  9. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP マーケティング部⾨ 企業の広報、ブランド、ソーシャルメディア、フィールドマーケティング、チャネルマーケティング、プリ やポストでの営業⽀援、イベント関連など、幅広く活動します。 Pros Cons Newアカウントに向けての活動がやりやすい。オウンド

    メディアやオウンドイベントの企画運営はたいていマー ケが担当してるので、DevRel活動とSyncさせやすい。 基本リードの取得が必須なため、開発者向けイベント (特にコミュニティリーチの活動)との相性が良くない。 また、こちらも短期的な成果を求められがち。
  10. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP R&D部⾨ その企業が取り組む製品や技術に対して、研究開発を担う部⾨です。通常はあまり表舞台に出ることはあり ませんが、研究成果の発表などで⼤きなイベントに⽴つこともあります。またプロダクトチームがR&Dにぶ らさがっているケースも少なくないです。 Pros Cons

    研究開発系のプロジェクトは⻑期的なものもあるため、 DevRel活動の時間軸に近い場合がある。将来へ向けて の投資の意味でのコストセンターなので、DevRelのア プローチと相性が良い。製品チームとの連携も容易。 そうは⾔っても研究開発が主たる業務であり、DevRel ⼀本槍の活動をR&Dとして企業が認めるケースは⽐較的 少ないかも。
  11. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP 開発部⾨ ⾃社プロダクトを開発している企業などでは、開発チームは前述のプロダクトチームに近い場合があります。 また、Sierなどでは開発部⾨の中からDevRelの役割(主にエバンジェリストやアドボケイト)をもたせる ケースもあるようです。 Pros Cons

    DevRelはマーケティングの要素が⼤事とは⾔え、主軸 は技術⼒。そういう意味では開発部⾨で⽇々技術⼒を鍛 えられる状況にあるのは⾮常にメリット。 会社によっては開発部⾨のコストが⼈⼯で管理されてし まうケースも少なくない。その場合、DevRelの活動で 発⽣した⼯数をどのプロジェクトでカバーするかを考え る必要がある。
  12. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP コーポレート部⾨ バックオフィスを担う部⾨です。総務、経理、⼈事、経営企画、広報、などありますが、特に最近DevRel に絡んでくるのは⼈事部⾨です。 Pros Cons こちらも間接部⾨という性質上、コストセンターとして

    活動はしやすい。また、経営層に近い部⾨という側⾯も あるので、DevRel活動を会社に認知させやすいかも。 現状コーポレート部⾨でDevRelに絡んでくるのは⼈事 くらいなので、極めて範囲の狭いDevRelアプローチに なってしまう。最初から採⽤⽬的のDevRelということ であればアリかも。
  13. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP ⼤きい会社のケース DevRel Head @ HQ DevRel

    Team San Francisco DevRel Team London DevRel Team Tokyo DevRel Team Amsterdam DevRel Team São Paulo Developer Web Team External Advocate Program Team DevRel Team Beijing Developer Advocate Community Manager Program Manager Developer Advocate Community Manager Program Manager Developer Web Local Chief Editor External Advocate Program Regional Director 5 – 10 Members each Mirroring Direction Need to localize
  14. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP 中⼩規模の会社のケース Developer Advocates External Advocate Program

    Manager 4 Members @ Lisbon, Virginia One Company CEO Product Management Team Chief Product Officer Manager for DevRel Team Community Managers Community Program Expert 5 Members @ Lisbon, Bengaluru, Tokyo 1 Member @ Lisbon 1 Member @ Lisbon
  15. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP DevRelは種まき DevRelは種まきです。まだ畑は耕されてすらいないかもしれま せん。そんな中に、乱暴に種を蒔いて短期間で芽が出てくるの を期待されても困ってしまいますね。 畑を耕し(市場開拓)、正しい場所に種を蒔き(ポテンシャルユー ザーへのリーチ)、然るべきステップで育て上げて(イベント実

    施、コミュニティの育成)、ようやく芽が出ます(プロダクト、 サービスへの興味)。そこから花を咲かせる(ユーザーになる)ま で導いて、枯れないようにケアをする(チャーンの防⽌)、そん な⼀連の流れを技術⼒を以てリードしていくのがDevRel関連職 の仕事です。
  16. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP 26 組織の状況に応じてフレ キシブルにチーミングす ることが⼤事 • 会社本体がDevRelの重要性をどこまで理解して

    いるかが肝 • メンバーの得意領域を活かそう • ゴールを⾒失わないように • 4⼈チームだとしたら NG: 25+25+25+25=100 Good: 100+100+100+100=400 +α
  17. @taiponrock # DevReljpA #DevRelJP Thanks! Taiji Eddie Hagino Lead Community

    Manager, Developer Advocate – APAC 27 @taiponrock Please follow me!